〈古典部〉シリーズ
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| 〈古典部〉シリーズ | |
|---|---|
| ジャンル | 日常の謎、青春ミステリ |
| 小説 | |
| 著者 | 米澤穂信 |
| 出版社 | 角川書店 |
| 掲載誌 | 野性時代(短編) |
| レーベル | 角川スニーカー文庫 →角川文庫 |
| 発表期間 | 2001年11月 - 以下続刊 |
| 巻数 | 既刊4巻 |
| その他 | 作者のデビュー作のシリーズ |
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『〈古典部〉シリーズ』(こてんぶシリーズ)は米澤穂信の推理小説のシリーズ。角川書店より2001年11月から刊行されている。
目次 |
[編集] シリーズ概要
文化系部活動が活発なことで有名な進学校、神山高校で「古典部」という廃部寸前の部活に入部した男女4人が、学校生活に隠された謎に挑む。主に、主人公であり探偵役でもある折木奉太郎の一人称で語られる。
1作目『氷菓』と2作目『愚者のエンドロール』は、『氷菓』がライトノベルの新人賞である角川学園小説大賞のヤングミステリー&ホラー部門で奨励賞を受賞していたため、初めは角川スニーカー文庫のサブレーベルである<スニーカー・ミステリ倶楽部>から刊行された(『氷菓』は第1回配本。)が、売上げが延びず、<スニーカー・ミステリ倶楽部>自体が頓挫したため、続編が出せない状態となった。
しかしその後、東京創元社から出版された『さよなら妖精』が高い評価を受けたため、2005年に3作目『クドリャフカの順番 「十文字」事件』が単行本で刊行された。同時に、『氷菓』と『愚者のエンドロール』も角川文庫へ移籍し、新装丁で刊行された。古典部員が高校を卒業するまで、シリーズが続く予定[1]。野性時代2009年11月号よりシリーズ第5巻となる予定の『ふたりの距離の概算』が連載される[2]。
[編集] 既刊概要・あらすじ
- 氷菓
- シリーズ第1弾。著者のデビュー作であり、第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞受賞作。
- 神山高校に通う何事にも積極的に関わろうとしない省エネ主義を自負する高校生、折木奉太郎は、姉の勧めで古典部に入部する。そこで出会った仲間と共に、日常に潜む様々な謎を解き明かしていく内に、古典部の文集「氷菓」に秘められた33年前の真実に挑むことになる。
- 愚者のエンドロール
- シリーズ第2弾。アントニー・バークリーの『毒入りチョコレート事件』へのオマージュにあたる作品。
- 夏休みの終盤、古典部の面々は、文化祭の出展に向けてクラスで自主制作された映画の試写会へ招かれた。しかし映画は結末が描かれないままの尻切れトンボで終わっていた。結末がどういうものだったのか気になる千反田えるの「わたし、気になります」により古典部の面々はこの未完の映画の結末探しに乗り出すことに。
- クドリャフカの順番 「十文字」事件
- シリーズ第3弾。前2作では折木奉太郎の一人称で物語は語られていたが、今作では古典部員4人の一人称視点が場面ごとに入れ替わり主観が変わるという手法で書かれている。テーマは「期待」。
- 神山高校の年間最大イベントの文化祭が始まった。だが古典部は手違いで出品の文集「氷菓」を作りすぎてしまう。どうしたものかと頭を抱える最中、学校内ではある奇妙な連続盗難事件が起きていた。この事件を解決して古典部の知名度を上げ、文集の完売を目指すために古典部の面々は奔走する。
- 遠まわりする雛
- シリーズ第4弾。本作は長編ストーリーだった前3作とは異なり、文芸誌に掲載された短編六作に書き下ろし一作を加えたオムニバス形式の短編集の構成となる。内容的には前3作のストーリー間を埋めるように、古典部員4人の高校入学当初から翌年の春休みまでの1年間が時系列に沿って描かれている。
- やるべきことなら手短に
- 4月末、宿題を家に忘れた折木は、学校で宿題をしながら里志から学校で流れているある噂話を聞かされる。
- 大罪を犯す
- 正体見たり
- 心あたりのある者は
- あきましておめでとう
- 手作りチョコレート事件
- 遠まわりする雛
[編集] 主な登場人物
古典部員の立位置は、シャーロック・ホームズシリーズ(コナン・ドイル)での、ホームズを折木、依頼人を千反田、ワトスンを福部、レストレードを伊原と当てはめて設定、性格が作られた[3]。
- 折木 奉太郎(おれき ほうたろう)
- 神山高校 1年B組。『〈古典部〉シリーズ』における基本的な語り手。「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」をモットーとする「省エネ」主義者。元々、部活動にも興味がなかったのだが、古典部のOGである姉・折木供恵に強制され、古典部に入部をする。入部後は、千反田にその推理能力や洞察力を見込まれ、事あるごとに探偵役を務めることになる。が、本人は自らの推理能力を(多くの場合)偶然訪れる閃きだと否定している。姉の供恵が苦手で唯一の弱点(後に千反田も加わる)。現在までの描写での家族構成は、父親と姉だけで母親がいるかどうかは不明。後述の福部とは中学校以来の親友である。
- 千反田 える(ちたんだ -)
- 神山高校 1年A組。古典部部長。「豪農」千反田家息女。「一身上の都合」により古典部へ入部した。すらっとしているが頼りない体躯、肩まで伸びた黒髪、薄い唇と、お嬢様然とした清楚な印象を与えるが、それら全体の印象から離れた一際大きな瞳が特徴。平常時はその外見通りに穏やかであるが、一度興味を引かれることや、納得のいかないことに出会うと、「わたし、気になります」の声とともに好奇心の権化と化し、大きな瞳を輝かせ、謎に向かって突進して行ってしまう。その際、周囲にいる人間をもそれに巻き込む場合が多い(主な犠牲者は折木である)。が、好奇心にかまけて他人の感情に土足で踏み込むようなことはせず、また、他にするべき事柄があるときは、必ずそちらを優先させるなど、ある程度の節度はわきまえている。一方でお嬢様らしく、世間体を気にするような面を見せることもある。
- 福部 里志(ふくべ さとし)
- 神山高校 1年D組。古典部と手芸部を兼部し、総務委員会にも所属している。一般男子としては背は低めで、遠くから見れば女性にも見えてしまうような外見をしている。が、サイクリングが趣味のため脚力はかなり鍛えられている。笑ったような表情をいつも崩さない。自らデータベースを持って自認し、現代史から推理小説まで広範な知識を持つ。しかし「データベースは結論を出せない」という口癖が表すように、自分から推論を組み立てるようなことはほとんどしない。いつも巾着袋を持ち歩いており、その中身は様々。伊原から求愛を受け続けているが一貫して拒んでいる。
- 伊原 摩耶花(いばら まやか)
- 神山高校 1年(現時点では組は不明)。古典部と漫画研究会を兼部し、図書委員会にも所属している。千反田と対照的に背が低く顔も童顔で小学校時とほとんど変わらないらしい。折木と伊原は、小・中学校と9年間クラスが同じだったが、これといった付き合いはなかったらしい。その容貌に似合わず苛烈な性格で、何事にも妥協を許さず、他人のミスに容赦ないつっこみを入れる。が、自らの失敗にも、他人のそれ以上に厳しくなるため、「アクは強いが根はいいやつ」などと云われることもある。また、その時期・きっかけなどは不明だが、福部に想いを寄せ続けている。しかし福部には今のところかわされ続けている。福部のことを「ふくちゃん」、千反田のことを「ちーちゃん」と呼ぶ、が折木のことはそのまま「折木」。
- 折木 供恵(おれき ともえ)
- 奉太郎の姉。大学生で合気道と逮捕術の達人。頭もかなりキレるようである。傍若無人な性格であり、奉太郎が古典部に入部する以前は、彼の唯一の弱点だった(入部後は千反田もその弱点となる)。シリーズ開始当初は中東・東欧各地を歴訪中だったがエアメールや電話等で登場し、しばしば物語において重要な役割を果たす。3作目『クドリャフカの順番』では、日本に帰国している(2作目のラストにも帰国を示唆する描写がみられる)。
- 入須 冬実(いりす ふゆみ)
- 神山高校 2年F組。実家は市内で総合病院を経営する地元の名士であり、千反田家とは家ぐるみの付き合いがある。冷厳な雰囲気の美人で、高い人心掌握能力とリーダーシップを持つことから「女帝」と渾名されている。
[編集] 用語
- 古典部
- 折木達の所属する部。部室は地学講義室。折木達が入部するまでは部員ゼロであった。文化祭に文集を出すこと以外に特に決まった活動内容がない。古典部員は「カンヤ祭」という通称は使わない。
[編集] 既刊一覧
2008年5月現在、既刊はすべてWONDER WORKZ。が装丁を担当している。
- 氷菓
- 角川スニーカー文庫(カバー装画 - 上杉久代) のち 角川文庫、2001年11月、ISBN 978-4-04-427101-5
- 愚者のエンドロール
- 角川スニーカー文庫(カバー装画 - 高野音彦) のち 角川文庫、2002年8月、ISBN 978-4-04-427102-2
- クドリャフカの順番 「十文字」事件
- 角川書店、2005年6月、ISBN 978-4-04-873618-3
- 角川文庫、2008年5月、ISBN 978-4-04-427103-9(『クドリャフカの順番』に改題)
- 遠まわりする雛
- 角川書店、2007年10月、ISBN 978-4-04-873811-8
[編集] 未単行本化短編
- 連峰は晴れているか(初出:『野性時代』56号)
[編集] 補記
[編集] 版型について
スニーカー・ミステリ倶楽部がなくなって以降、シリーズの新刊はまず単行本で発行されているが、『氷菓』、『愚者のエンドロール』は初出が角川スニーカー文庫であるため単行本が存在せず、シリーズ全作を同じ版型で揃えることができない状態が続いている。著者が公式サイトで述べたところによると、「角川文庫から「文庫書き下ろし」形式でミステリを、という路線は、基本的に存在しない」ためである[4]。
[編集] 英題について
<スニーカー・ミステリ倶楽部>の作品は、別途英題がつけられることになっており、『氷菓』、『愚者のエンドロール』にはそれぞれ「HYOUKA」、「Why didn't she ask EBA?」という英題がついていた。角川文庫に移籍後も表紙に英題が書かれている(この際『氷菓』の英題は「You can't escape」に変更された)。『クドリャフカの順番』についても、文庫化された際に「Welcome to KANYA FESTA!」という英題がつけられた。
- 氷菓 - 「HYOUKA」(氷菓)→「You can't escape」(あなたは逃れられない)
- 愚者のエンドロール - 「Why didn't she ask EBA?」(なぜ、江波に頼まなかったのか?)
- クドリャフカの順番 - 「Welcome to KANYA FESTA!」(カンヤ祭へようこそ!)
- 遠まわりする雛 - 不明
「Why didn't she ask EBA?」は、アガサ・クリスティの推理小説『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?』(原題:Why didn't they ask Evans?)のタイトルをもじってつけられた。
[編集] 漫画化
『氷菓』の冒頭のみ、よしだもろへによって漫画化されている(タイトルは「わたし、気になります!」)。米澤穂信の特集が組まれた『野生時代』56号に掲載された。
[編集] 脚注
- ^ 「畢生の十周年企画 100の質問」「Q2:〈古典部〉シリーズ、どのくらいまで続ける予定でしょうか?」
- ^ 汎夢殿 予定情報
- ^ 村上高史「著者に聞く全作品解説 part1 〈古典部〉シリーズ全4冊」『野性時代』7月号通巻第56号、角川書店、2008年、pp.26 - 27.
- ^ 「畢生の十周年企画 100の質問」「Q8:どうして〈古典部〉シリーズの新刊は文庫で出さないんですか?」
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最終更新 2009年10月6日 (火) 13:16 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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