あくび

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あくび(欠、欠伸)は、眠たいときなどに不随意に(反射的に)起こる、大きくを開けて深く息を吸う呼吸動作である。

あくびは一般的に以下のような時に起こる。

  • 眠たいとき。過度に疲れているとき
  • 退屈なとき
  • 極度の緊張状態
  • 寝起き、「あーあ、よく寝た」という具合に

出かかったあくびを無理に止めること、転じて退屈であるのを我慢することを「欠伸を噛み殺す」という。いくつかの文化においては、人前であくびをするのは無礼なことと考えられ、あくびをする時に口の前に手をかざしてそれを隠そうとする。

あくびは哺乳類以外にも爬虫類鳥類などにも起こることが知られており、発生学的に古い行動だと考えられている。

目次

[編集] 原理

あくびが起こる際、大きく開口し深く吸気し、それに引き続き素早く呼気する。あくびの際に、顔面、四肢や体幹の伸展、陰茎の勃起を伴うことが多い。

[編集] あくびの生物学

あくびをするネコ
あくびをするイヌ

あくびが発生する原因や生物学的意義は、現時点では未解明である。従来、肺での酸素-二酸化炭素交換を高める、顔面のストレッチ、内耳の圧力を外気と調整する、などの仮説が提案されてきた。 より最近の学説としては、あくびは体温の調節に使われるという説もある。オルバニー大学の Gordon G. Gallup らによれば、あくびは脳の温度を調節する働きがあるかもしれないという。[1]

延髄以外の脳がない新生児においてもあくびが起こったという例が報告されていることから、あくびの中枢は延髄に存在すると推測されている。

あくびは、感情の調節などにも関与する神経伝達物質によって引き起こされることもある。例えば、ドーパミンセロトニンアセチルコリン受容体などの刺激によりあくびが引き起こされる[2]。セロトニン系の働きを促進する抗うつ薬の一種であるパロキセチンを服用した患者は、異常に多い回数のあくびをする場合がある。 反対に、エンドルフィンのような脳内麻薬(オピオイド)の働きによって、あくびの発生が抑えられるという研究がある。

あくびは「うつる (伝染する)」ことが知られている。英語ではこの特徴は「共鳴的 (sympathetic)」あるいは「伝染性 (contagious)」と呼ばれているが、この原因もよくわかっていない。最近の研究では、これは集団的な直感 (herd instinct) であるという説[3]や、群居性の動物のあいだで眠る時間を互いに知らせるためのシグナルになっているという説[4]がある。また、あくびは違う種のあいだでも伝染する (イヌの前であくびをしてみるとよい)[5]。なお、アデリーペンギンコウテイペンギンは求愛行為としてあくびを利用する[要出典]。2007年に行われた研究によれば、自閉的傾向をもつ子供は通常の子供とは違って、他人があくびをするビデオを見せてもあくびをしないという[6]。このことは、あくびが他人に感情移入する能力 (empathy) によって引き起こされるという説を裏付けている。また、顔は見えずとも電話で話している最中のあくびも伝染してしまったという報告もある。

古代ギリシャでは、あくびは人間の魂が天に向かって逃げようとしているときに起こるのだと信じられていた。 あくびをするとき、口に手をあてるのは、『魂を逃がさないようにする為だった』と言われている。

[編集] 語源

日本語の「あくび」はあくびをする意の古語動詞「あくぶ」の連用形が名詞に転じたものであるが、その語源は諸説あって不明である。げっぷの意の古語「おくび」と何らかの関係がある語ではないかともいう。

また、という漢字は本来、口を大きく開ける動きを文字化した象形文字である。あくびを「欠伸」とも書くが、これは口を開けて伸びる、つまりあくびをする際の伸びをする動作にも着目した語である。

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 参考文献

  1. ^ Gordon G. Gallup.. Good Morning America - The Science of Yawning (July 30, 2007). [TV-Series]. USA: ABC. 
  2. ^ Argiolas A, Melis MR. "The neuropharmacology of yawning". Eur J Pharmacol. 1998,343,1-16.
  3. ^ Schürmann et al. Yearning to yawn: the neural basis of contagious yawning. NeuroImage 24 (4), 1260–1264 (2005). PMID 15670705. (see also Platek et al. (2005). Contagious Yawning and The Brain. Cognitive Brain Research, 23(2-3):448-52. PMID: 15820652)
  4. ^ Anderson JR, Myowa-Yamakoshi M & Matsuzawa T (2004). Contagious yawning in chimpanzees. Proceedings of the Royal Society of London B: Biological Sciences 271, S468–S470. PMID: 15801606.
  5. ^ V.S. Ramachandran, "Mirror Neurons and imitation learning as the driving force behind "the great leap forward" in human evolution". 2006-11-16 閲覧。
  6. ^ Senju A, Maeda M, Kikuchi Y, Hasegawa T, Tojo Y, Osanai H (2007). “Absence of contagious yawning in children with autism spectrum disorder”. Biol Lett. DOI: 10.1098/rsbl.2007.0337. PMID 17698452.

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月15日 (日) 02:27 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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