うなり
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うなり(唸り)とは、
- 力んだり苦しんだりするときに喉元から出る、低く長い声。
- 感心したときに、思わず、または意識的に発する低い声。→「大向うを唸らせる」
- 謡曲・浪曲・浄瑠璃などで、意図的に声を絞るようにして、低音で唄ったり語ったりするときの声。
- ピッチがわずかに異なる二つの音が鳴っているとき、各々の基音の周波数の差に相当する周期で音の強弱が聞かれる現象。このとき二つの音はひとつの音であるように聞こえているが、ピッチがある程度まで離れると両者は別の二音として聞こえる。以下で詳述。
うなりを数学的に考察してみる。最も簡単な場合として、強さも位相も等しい二つのサイン波を考える。角振動数ωを中心に、前後に幅2αだけ角振動数がずれた二つの音を考えると、合成された音は次のようになる。
- sin(ω − α)t + sin(ω + α)t
- = (sinωtcosαt − cosωtsinαt) + (sinωtcosαt + cosωtsinαt)
- = 2sinωtcosαt
結果は、角振動数ωの音に、角振動数αの波が重なっている。このため強度は2αで変動し、これがうなりである。
なお、ここでtは時間である。式の変形は三角関数を参照。また、数式が見やすくなるように角振動数を使ったが、角振動数ωは周波数fの関係はω = 2πfなので、周波数で考えても同じである。
例えば、周波数が440Hzの音(音名でいうとA)は、人間にはひとつひとつの波は聞き分けることはできない。しかし、438Hzと442Hzのうなりの周波数は4Hz(1秒間に4回)であるので容易に聞き分けることができる。

赤が周波数15Hzの波、緑が周波数17Hzの波、青が重ね合わせた波であり2Hzのうなりが見られる(図では波がはっきり見えるように極端に低い周波数を選んでいる)。
[編集] フランジ効果
比較的周波数の近い二つの音源を重ねると、その周波数の回数分の音のうねりが毎秒発生する。さらに、複雑な周波数やフォルマントを多く含む場合は、新たな音色も発生し、聴覚上美しい響きとなる。
これを経験的に知りえたビートルズは、楽曲の録音テープの縁(フランジ)を手で触ることにより、テープの送り速度を微妙に変化させながら、二つの同じ楽曲を重ねて録音した。その結果、それまでにはなかったような美しい音色となった。これを、フランジ効果といい、特に音楽業界では、その効果をもたらす機器をフランジャーと称す。

