おしゃぶり
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おしゃぶりは、乳幼児にしゃぶらせるための乳首型の育児用品である。材質はゴムまたはプラスチックでできている。
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[編集] 語源
日本語の「おしゃぶり」は、読んで字のごとく「しゃぶる」が語源になっている。米語の pacifier は "pacify" (落ち着かせる・あやす) イギリス英語・オーストラリア英語: dummy は "dumb" (口のきけない人)、 soother は "soothe" (静める)がもとになっている。また、カナダ英語・アイリッシュ英語の rubber は「ゴム」、 plastic nipple は「プラスチックの乳首」の意。
[編集] 歴史
現在は乳首とマウスシールド(飲み込みよけ)と持ち手という形状が一般的になっているが、それ以前にも色々な形状のものがあった。おしゃぶりが現在のような形になったのは1900年ごろである。当時、乳首とマウスシールド(飲み込みよけ)と持ち手のデザインのものが初めて米国で "baby comforter" として商標登録された[1]。19世紀半ばの英国では、「ゴム製のリング」がやわらかい「歯固め(はがため)」として嬰児に与えられ、また哺乳瓶の乳首としても用いられていた[2]。1902年、Sears Roebuckは「新型のゴム歯固めリング、ひとつは固く、もうひとつはやわらかい乳首」という広告を出した。1909年、「おしゃぶりおばちゃん」("Auntie Pacifier")と自称する女性が「『おしゃぶり』として売られているゴム乳首をしゃぶらせ続けることが庶民階級で広く行われているが」これは「(歯の)健康に対する脅威」であるとする警告をニューヨークタイムズに投稿した[3]。
イギリスでも、おしゃぶりは乳母を雇えない庶民階級が用いる不衛生なものと見られていた。1914年、ロンドンのある医者はおしゃぶりについて「床に落としても母親はブラウスかエプロンで軽く拭き、自分でなめただけで赤ん坊の口に戻している」とこぼしている[4]。
初期のおしゃぶりは黒、茶または白のゴム製で、当時の白ゴムには微量の鉛が含まれていた。有名ブランドのひとつに Binki があり、 Binki は米国ではおしゃぶりの代名詞にもなった。おしゃぶりなど育児用品のブランドで、当初の1935年ごろはBinky と、末尾を yでつづっていた[5]。
おしゃぶりは、固い端固めリングの延長であると同時に、19世紀アメリカで使われていた柔らかい乳首(sugar-tits, sugar-teats or sugar-rags [6])の代用品でもあった。ある著述家は"sugar-teat"は古いリネンの端切れにスプーン一杯の砂糖を栗未婚で周りを糸で固く縛り小さな球状にしたもの、と形容した[7]。
北欧などでは食べ物を包みこんだ布も赤ん坊にあてがわれた。肉や脂身の塊を布に包んだもの、しばしばブランディーで湿らしたものが用いられる地方もあった。ドイツ語圏ではLutschbeutelといい、甘いパンやケシ粒のまわりにキレをまいたものが用いられることもあった。デューラーの聖母子像(1506年[8])では、赤ん坊の手に布製のおしゃぶりが見える[9]。
1800年代、比喩ではなく文字通り「銀のスプーン」をくわえた赤ん坊が見られたー富裕階級の赤ん坊には、銀製の歯固めがしばしば与えられたのである。その他の貴重な材料、真珠やサンゴなども病を遠ざけると信じられて用いられることがあった。サンゴは全ての悪を遠ざけると信じられ[10]、17-19世紀イギリスでは、 a coral はサンゴ、象牙、骨などでできた歯固めを指した[11]。ある博物館の学芸員は、これらの材質は「共感呪術」("sympathetic magic"[12])として用いられ、動物の骨は赤ん坊が痛みに耐えられるような動物の力を象徴するのだ、とした。
[編集] デメリット
赤ん坊がおしゃぶりを喜ばない場合はシロップや蜂蜜につけてから与えると良いという意見があったが、これは赤ん坊の歯に悪影響を及ぼすことが分かっている。また、蜂蜜中にはボツリヌス菌の芽胞が含まれていることがあるため、消化器官が未発達な乳児に与えるのは危険である。
おしゃぶりは、特に生後6週間以内に与えた場合、母乳栄養の妨げになる場合がある。またおしゃぶりを吸う子どもは中耳炎になりやすい傾向がある[13](指しゃぶりも参照)。
また、日本小児科学会や日本小児歯科学会などの会員でつくる検討委員会は、長期間おしゃぶりを使っていると、歯並びに悪影響が出るとしている[14]。
常におしゃぶりをくわえていることで言葉の練習が妨げられて、言葉の発達が遅れるかもしれない。
[編集] メリット
研究者は、乳幼児の突然死のリスク軽減効果があることを発見した[15] [16][17]。指しゃぶりよりおしゃぶりの方がましだと考える保護者もいる。
[編集] 望ましい使用方法
アメリカ小児歯科学会の「指しゃぶりとおしゃぶりの習慣についての指針」('Policy on Thumb, Finger and Pacifier Habits')は「ほとんどの子どもの場合、前歯の永久歯が生えるまではおしゃぶりを使用しても心配しなくてよい」としている。
アメリカ小児科学会は「おしゃぶりの使用を抑制するのは止めるほうが良いようである」とし、零歳時の就寝時のおしゃぶり使用を推奨している。ただし母乳栄養の母親には、母乳栄養が確立するまでの数週間はおしゃぶりの使用を待ったほうが良いとしている。
[編集] アニメ・ファッション・文化
テレビアニメシンプソンズに出てくるマギー・シンプソンはおしゃぶりを片時も離さず、いつもチュウチュウと吸う音を立てている。
1990年代半ば、おしゃぶりはアメリカのファッション界に注目され、十代のアクセサリーとして流行した。これは一部で、ある種のテクノ音楽と違法ドラッグMDMA(エクスタシー)に関係があるとされ、各地で禁止された。
オーストラリア英語では、"spit the dummy(おしゃぶりを吐き出す)" が「かんしゃくを起こす」という意味の口語的表現となった。
[編集] 脚注
- ^ Design Patent number D33,212 C.W.Meinecke Sep 18 1900
- ^ S. Levin, MB(RAND) VLR.C.P.(EDNN.) DCH, in South African Medical Journal 1971
- ^ New York Times 1909年6月30日. 原文: the "menace to health" of "the persistent, and, among poorer classes, the universal sucking of a rubber nipple sold as a 'pacifier'.
- ^ British Journal of Nursing: The Midwife Aug 7 1915
- ^ According to trademark registration documents 1948
- ^ Oxford English Dictionary
- ^ Cecilia Viets Jamieson Ropes of Sand Chapter 2: Top's baby (1873)
- ^ Madonna and Siskin
- ^ S. Levin
- ^ Norfolk Museums
- ^ OED
- ^ Victoria & Albert Museum of Childhood
- ^ the journal Pediatrics in September 2000.
- ^ http://allabout.co.jp/children/ikujinow/closeup/CU20060126B/
- ^ [1] BMJ
- ^ Report in Science Daily
- ^ A meta-analytic study published in Pediatrics in October 2005 supports this benefit to 1 year of age
[編集] 外部リンク
最終更新 2009年10月27日 (火) 10:22 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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