なんとなく、クリスタル
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概要
発表当時一橋大学法学部4年生であった田中のデビュー作である。売り上げは100万部を超え、田中の著書の中でも最大発行部数となっている。
東京に暮らす女子大生兼ファッションモデルの主人公・由利の生活を中心に、1980年当時の流行や風俗を独自の視点と文体で描いた。東京で生まれ育った比較的裕福な若者しか理解できないブランドやレストラン、学校や地名などの固有名詞がちりばめられており、それぞれに田中の視点を基にした丁寧な442個もの註・分析が入っており、註の多さとその分析が話題になった。作品の最後には人口問題審議会の「出生力動向に関する特別委員会報告」と「昭和54年度厚生行政年次報告書(昭和55年度版厚生白書)」から抜粋の、少子高齢化を示唆するデータも記されていた。注釈に関しては田中は新潮文庫版のあとがきにてあくまで理解を手助けするために付けたものであると語っている。注釈は第2作『ブリリアントな午後』を含め、田中の後の小説には引き継がれず、本作のみのものとなっている。ただし初期の作品集『ぼくたちの時代』には注釈が付された随筆や手記も収められている。
当時は「ブランド小説」と呼ばれ、本作にちなんで女子大生は一時期「クリスタル族」とも呼ばれた。その独特の文体から当時のいわゆる文壇関係者の間では賛否両論が渦巻いた。江藤淳が激賞し、その後のバブル景気におけるブランドブームを先取りした小説として評されることが多い一方で、田中は後の著書において「頭の空っぽな女子大生がブランド物をたくさんぶら下げて歩いている小説」「みずみずしい心が描けていない」との評価が下されることが多かったとたびたび記している。また『新・文芸時評 読まずに語る』にて「注釈ばかり取り上げられ、小説のラストと最後に記された出生率のデータを結び付けて論じた評論家は皆無だった」と述べている。
映画化
楽曲
関連項目
刊行書籍
- 河出書房新社。1981年1月22日。絶版。
- 河出書房新社(河出文庫)。1983年4月4日。絶版。
- 新潮社(新潮文庫)。1985年12月。ISBN 4101434018
- 河出書房新社。再版。2000年10月6日。ISBN 4309013880
これ以外にNECデジタルブック向けに電子書籍化されたものが1994年頃に発売された。新注も付けられていることが当時の『ペログリ日記』に記されている。
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最終更新 2012年4月13日 (金) 17:20 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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