アジ化ナトリウム

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アジ化ナトリウム
IUPAC名
識別情報
CAS登録番号 26628-22-8
特性
化学式 NaN3
モル質量 65.0099 g mol−1
外観 無色結晶
密度 1.846 g cm−3, 固体
融点

275 ℃

沸点

分解

への溶解度 41.7 g / 100cm3水 (17 ℃)
構造
結晶構造 六方晶系
熱化学
標準生成熱 ΔfHo 21.71 kJ mol−1[1]
標準モルエントロピー So 96.86 J mol−1K−1
標準定圧モル比熱, Cpo 76.61 J mol−1K−1
危険性
MSDS External MSDS
EU分類 猛毒 (T+)
環境への危険性 (N)
NFPA 704
0
4
4
Rフレーズ R28, R32, R50/53
Sフレーズ (S1/2), S28, S45, S60, S61
関連する物質
関連物質 シアン酸ナトリウム
特記なき場合、データは常温(25 ℃)・常圧(100 kPa)におけるものである。

アジ化ナトリウム(アジかナトリウム、sodium azide)は化学式 NaN3 で表される、白色無臭のナトリウムアジドともいう。式量 65.0、融点 275 、沸点はデータなし。室温では六方晶形の結晶である。CAS登録番号は26628-22-8。窒化ナトリウムNa3N (式量 82.976 g/mol) と混同されやすいが、これは全く別の化合物である。

目次

[編集] 製法

ナトリウムアミド亜酸化窒素を180℃で反応させてつくる[2]

NaNH2 + N2O → NaN3 + H2O

また硝酸ナトリウムとナトリウムアミドとの反応でも得られる。

NaNO3 + 3 NaNH2 → NaN3 + 3 NaOH + NH3

[編集] 性質

生成熱が吸熱的であり熱力学的に不安定な物質で、融点付近で

2 NaN3 → 2 Na + 3 N2

の反応を起こし窒素ナトリウムに分解する。特に、急熱すると爆発の危険性もある。

水に非常によく溶け(17 ℃で 42 g/100 mL)、弱塩基性を示す。反応性の高い物質で、様々な金属二硫化炭素と反応し、爆発性の高いアジ化物を形成する。それに加え、とも反応し、爆発性をもち刺激臭のある有毒ガスであるアジ化水素を発生する。

アジ化物イオンN3の構造は直線形であり共鳴構造が存在し、N−N原子間距離は1.15Åである[2]

N=N+=N \leftrightarrow N≡N+ : N2− \leftrightarrow N2− : N+≡N

[編集] 用途

アジ化ナトリウムは防腐剤・農薬原料・起爆剤など、さまざまな用途がある。かつてはその爆発・分解性を利用して自動車エアバッグを窒素ガスで膨らませることに用いていたが、日本では人体・環境に配慮して、2000年より全く使用されていない。

水質分析において、溶存酸素量 (DO) を測定するときに用いる試薬のひとつ。

[編集] 特筆事項

日本では特に砒素混入事件のあった1998年夏から秋にかけて、新潟三重愛知京都でポットの湯などにアジ化ナトリウムが混入される事件が相次いだ。薬品のずさんな管理体制が明らかになった一連の事件を受けて、厚生労働省1999年毒物及び劇物取締法においてアジ化ナトリウムを毒物に指定した。

[編集] 毒性

酸と反応して生成するアジ化水素を吸引することやアジ化ナトリウムそのものを経口摂取することは非常に危険である。 また、アジ化物イオンは細胞呼吸を阻害する働きがある。一酸化炭素がそうであるのと同様に、ヘモグロビンに対して不可逆的な結合を形成し、これにより細胞が死にいたる。アジ化ナトリウムによってより深刻な被害を受けるのは、多量の酸素を必要とする、心臓である。

気体となったアジ化ナトリウムを吸入、食物から摂取、あるいは皮膚から吸収したりなどすると、以下の兆候を示すことがある。

また大量に摂取すると、痙攣血圧降下・意識不明・呼吸不全などを引き起こしに至る。現在この中毒症状に対する根本的に有効な治療方法は確立されておらず、対症療法のみの治療となる。アジ化ナトリウム中毒から回復したとしても脳などに深刻な後遺症がのこる場合もある。

[編集] 脚注・参考文献

  1. ^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
  2. ^ F.A. コットン, G. ウィルキンソン著, 中原 勝儼訳 『コットン・ウィルキンソン無機化学』 培風館、1987年

最終更新 2009年12月1日 (火) 10:33 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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