アナペスト
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アナペスト(anapaest or anapest, antidactylus、弱弱強格)は、詩に使われる韻脚のひとつ。古典詩(古代ギリシャ語詩・ラテン語詩)ではアナパイストス(anapaistos、短短長格)と呼ばれ、2つの母音の短い音節の後に1つの母音の長い音節が続く。一方、英語詩などアクセントのある詩では、2つのアクセントの弱い音節の後に1つのアクセントの強い音節が続く。この反対の形がダクティル(古典詩ではダクテュロス)である。
アナペストを使った詩に、ウィリアム・クーパー(en:William Cowper)の詩『Verses Supposed to be Written by Alexander Selkirk』(1782年)がある。この詩はanapaestic trimeter(弱弱強三歩格)で作られている。(太字は強勢)
- I am out of humanity's reach
- I must finish my journey alone
この長さと、最後がアクセントのある音節で終わり、その結果strong rhymeを踏むことができるという事実から、アナペストはとても波打ち、疾走する感覚を生み、内に相当な複雑性を持った長い行を可能にする。次に挙げる例は、ジョージ・ゴードン・バイロンの『センナヘリブの陥落』(en:The Destruction of Sennacherib)である。
- The Assyrian came down like a wolf on the fold
- And his cohorts were gleaming in purple and gold
- And the sheen of their spears was like stars on the sea
- When the blue wave rolls nightly on deep Galilee.
さらに、より複雑な例として、ウィリアム・バトラー・イェイツの『アシーンの放浪』(en:The Wanderings of Oisin)を挙げることができる。イェイツは六歩格行にアナペストとアイアンブを散りばめて使った。アナペストは元から長い韻脚なので、それはとても長い行になる。
- Fled foam underneath us and 'round us, a wandering and milky smoke
- As high as the saddle-girth, covering away from our glances the tide
- And those that fled and that followed from the foam-pale distance broke.
- The immortal desire of immortals we saw in their faces and sighed.
こうしたアナペストとアイアンブの混合は19世紀後期の詩、とりわけアルジャーノン・チャールズ・スウィンバーンの『時の勝利』(en:The Triumph of Time)や『カリュドンのアタランタ』などで特徴的なものだった。スウィンバーンはさらに、おおむね正確なアナペストで、三歩格行の『ドロレス』(en:Dolores (Notre-Dame des Sept Douleurs))から八歩格行の『March: An Ode』までさまざまな長さの詩をいくつか書いた。しかし、英語詩における最も一般的なアナペストの使用例は、ルイス・キャロルの『スナーク狩り』やエドワード・リアのナンセンス詩、T・S・エリオットの『キャッツ - ポッサムおじさんの猫とつき合う法』、ドクター・スース(en:Dr. Seuss)の多くの本をはじめ、おびただしい例のあるリメリック詩(en:Limerick (poetry))の滑稽な韻律としてである。
そうした自律的な役割を除くと、アナペストは時々アイアンブの代用として使われる。厳格な弱強五歩格にアナペストが使われることは稀だが、ウィリアム・シェイクスピアの後期の戯曲や19世紀の抒情詩などの、比較的自由なアイアンブ行にしばしばアナペストを見付けることができる。
最終更新 2009年9月3日 (木) 08:39 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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