アメリカンフットボールのポジション

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アメリカンフットボールのポジションでは、アメリカンフットボールにおける各ポジションおよびフォーメーションの解説をする。

括弧内は各ポジションの略称である。

代表的なポジション(拡大)

目次

[編集] リスト

[編集] オフェンスチーム

攻撃を担当する選手たちのこと。

[編集] バックス&レシーバーズ

(Backs & Receivers)

スクリメージ・ラインから1ヤード以上後方(バックフィールド)にセットする選手(バックス)、およびオフェンスラインの両端にセットする選手(エンド)の総称。通常のプレイ中にボールに触れることのできる「有資格」ポジション。

[編集] クォーターバック

クォーターバックのポジション(Iフォーメーション)

(Quarter Back, QB)

攻撃の司令塔。別名フィールド・ゼネラル(フィールドの将軍)と呼ばれ、攻撃の基点になるポジション。語源は、アイルランドのラグビーのポジションから(当時、アイルランドではハーフバック団をハーフバックとクォーターバックに分けていた)。

ほとんどのプレイにおいて、クォーターバックは最初にセンターからのスナップを受けることになる。

スナップを受けた後、ランプレイであればランニングバックにボールをハンドオフ(もしくはピッチ)し、パスプレイであれば時間を稼いでタイミングを見計らってパスを投げる。

クォーターバックの重要な役割として、プレイコール(プレイの決定および指示)がある。選択するプレイはサイドラインからコーチにより指示されるかQBが決定してハドル(円陣)で通知されるが(NFLではほとんどの場合コーチが指示する)、クォーターバックが守備側の隊形を見て、スナップ直前にプレイコールを変更(オーディブル)することもある。

クォーターバックは視野の広さ、戦術眼、判断力等が問われるので、肩は必ずしも強くなくて構わないが戦術の遂行力を考えると肩が強いに越した事はない。ただし、パスを投げられない状況に置かれると自ら走る(スクランブル)こともあるので、ある程度の機動力ないしは走力もあったほうが望ましい。しかし、チームはオフェンスの基本をクォーターバック中心に考えるため、実質クォーターバックのためにチームは動いてくれる。走力に自信のあるクォーターバックはあえて自らランを仕掛けることもあり、そのような機動力のあるクォーターバックをモバイル型と呼ぶ。それと区別して、純粋なパス能力で勝負するクォーターバックを、パッシングポケット(オフェンシヴラインなどで形成する、クォーターバックを守るための半円形のパスプロテクションエリア。単にポケットと呼ばれることが多い)の中に比較的長く留まろうとするためポケットパッサーと呼ぶ。

総合的な運動能力、判断能力、リーダーシップなど、スポーツマンとしてあらゆる要素が要求される花形のポジションであり、近代スポーツの中でも最も習得の難しいポジションの一つであるといってよい。NFLサンフランシスコ・フォーティナイナーズで活躍したジョー・モンタナなど有名選手も多い。

[編集] ランニングバック

フルバックのポジション
ランニングバック(テイルバック)のポジション

(Running Back, RB)

ランプレイの主役。クォーターバックからハンドオフされたボールを持って走るのが主な役割である。パスプレイにおいては、パスのターゲットとなったり、ラインと一緒にクォーターバックを守ることもある。

セットする位置によって、フルバック(FB、クォーターバックのすぐ後ろにセット)、ハーフバック(HB、Tフォーメーションにおいてフルバックの側方にセット)、テイルバック(TB、Iフォーメーションにおいてフルバックの後方にセット)、ウイングバック(WB、タイトエンドの後方にセット)というように呼び分けることがある。ハーフバック、テイルバックはフォーメーションにより呼称が変わるが、どちらもエースランナーが担当するポジションであることに変わりはないためまとめてランニングバックと呼ぶこともあり、この場合はFBとRBで呼びわける。

ハーフバック、テイルバックは純粋な脚の速さよりも加速力と、他に機敏さまたはパワーが重視される。パワーを活かして突進するタイプと、小回りの良さ(カットバック)を活かして相手のタックルを巧みにかいくぐるタイプに大別され、前者を「パワーバック(型)」、後者を「スキャットバック(型)」と呼ぶこともある。ほとんどのランプレイにおいてボールキャリアーとなり、エースランナーと呼ばれる選手が担当するポジションである。味方オフェンシヴラインのブロックを予測し、走る通路を見出すランナーをデイライトランナー(day-light runner)というが、これもテイルバックが多い。

フルバックはインサイドプレーでボールを持つこともあるが、通常はテイルバックやクォーターバックの前を走り、相手をブロックし走路を開くこと(リードブロック)が主な役割となる。そのためほぼすべてパワーバック型である。ウィングバックはフルバックのようにブロックをしたり、短いパスのターゲットとなる。

敵陣目掛けて1インチでも多く突っ込むのが仕事。プロのRBともなれば、オリンピックの短距離選手並みのスピードを持つ。 (実際にドーピングでレコードを剥奪されたカナダの100m選手ベン・ジョンソンはNFLにスカウトされた)

[編集] ワイドレシーバー

ワイドレシーバーのポジション

(Wide Receiver, WR)

クォーターバックとともにパスプレイの主役となるポジション。主な役割は、クォーターバックから投げられたパスを捕球することである。単にレシーバー、またはワイドアウト(Wideout)とも呼ばれる。主に足の速さと確実な捕球能力や、他に敵ディフェンシヴバックに競り勝つ高さが要求される。

セットする位置によってスプリットエンド(SE、タックルの外側に間隔をあけてセット)、フランカー(FL、タイトエンドの外側に間隔をあけ、バックフィールドにセット)、スロットバック(SB、タックルとスプリットエンドの間のバックフィールドにセット)、ウィングバック(WB、タイトエンドのすぐ脇のバックフィールドにセット)というように呼び分けることがある。

ルール上、スプリットエンドとタイトエンド(後述)はラインマンとして扱われる。

2000年代に入ると、カレッジでモバイルQB(足の速いQB)として活躍していた選手をNFLでワイドレシーバーに転向させるケースがでてきた。NFLでクォーターバックとして活躍するにはパスの能力が足りないが、トリックプレーでパスを投げさせたい時に最適、というわけである。なお、このような一人二役の選手をスラッシュ(WR/QBのように表記されるため)と呼ぶ。

[編集] タイトエンド

タイトエンドのポジション

(Tight End, TE)

左右どちらかのタックル(T)のすぐ外側に位置し、状況に応じパスキャッチとブロックの両方を行うポジション。単純に言えばワイドレシーバーとオフェンシヴラインを組み合わせたポジション。

ブロックを得意とするTEをブロッキングTE、パスレシーブを得意とするTEをレシービングTEと呼ぶことがあり、1990年代以降、NFLではタイトエンドへのパスプレイが増えていることからレシービングTEの時代とも言われる。

攻守に渡る重要ポジションであり、強いチームには必ず優れたTEがいる。

[編集] オフェンシヴライン

(Offensive Line, OL)

スクリメージ・ライン上(ラインから1ヤード未満)にセットする選手。センター(C)、ガード(G)、タックル(T)およびエンド(E)からなる。ルール上、スナップ前、スクリメージライン上に最低でも7人いなければならない。ただし、エンドを除き、スナップ時にセンターがボールを持つ以外、ほとんどボールに触れることが認められない(無資格ポジション)ため、オフェンシヴラインと言えばエンドを除く中央の5人(インテリア・ラインメンと呼ぶ)を指す場合が多い。パスプレイにおいてボールをキャッチできない、スクリメージラインを超えてはいけない、といったルール上の制限はインテリア・ラインメンに対するものである。ラインメンともいう。

インテリア・ラインメンはランプレイにおいてはランニングバックの走路を切り開くためのブロックを行い、パスプレイにおいてはパスを投じるまでクォーターバックを保護(パス・プロテクション)する。ボールを扱わないため目立たないポジションであるが、オフェンシヴラインの働きがラン、パスともに攻撃の成否のカギとなる。オフェンスの強いチームは、必ず優秀なOLを擁する。

[編集] センター

センターのポジション

(Center, C)

通常ラインの中央に位置する。クォーターバックにボールをスナップする役割がある。プレイ開始後は、他のラインメンと協同してブロックを行う。

[編集] ガード

ガードのポジション

(Guard, G)

通常センターの両側に位置するポジション。左ガード(LG)と右ガード(RG)の2名。

ラインメンとしてのパワーだけでなく、外へのランプレイ時のリードブロック(ランニングバックの項を参照)に参加することもあるため、機動力も要求される。

[編集] タックル

タックルのポジション

(Tackle, T)

通常ガードの外側に位置するポジション。左タックル(LT)と右タックル(RT)の2名。

他のラインメンと同様の役割を負うが、ラインの両サイドを担うためパス・プロテクションに関しては責任が重い。

特にブラインドサイド(クォーターバックの利き手の逆側)はクォーターバックから死角となることが多いため、ブラインドサイドのタックルには特に高い能力が求められる。

ディフェンシヴ・タックル(DT、後述)と区別するため、オフェンシヴ・タックルと呼ぶこともあるが、たんにタックル(T)といった場合はこちらのポジションを指す。

[編集] エンド

(End, E)

タックルの外側、ラインの左右両端に位置するポジション。タックルとの間隔が空いている場合はスプリットエンド(SE)、間隔が狭い場合はタイトエンド(TE)と呼ばれる。

通常は、スプリットエンド1名とタイトエンド1名を置く。なお、SEはWRの1人として考える。

[編集] ディフェンスチーム

守備を担当する選手たちのこと。大きくディフェンシヴライン(DL)、ラインバッカー(LB)、ディフェンシヴバック(DB)と3区分される。

[編集] ディフェンシヴライン

ディフェンシヴラインのポジション

(Defensive Line, DL)

スクリメージライン上にセットする選手の総称。フォーメーションにより異なるが、通常3~4人である。ディフェンスの中でも特に大柄な選手が担当する。

手を付いてセットする姿勢から、ダウンラインメン(Down Linemen)と呼ぶ場合もある。

[編集] ディフェンシヴタックル

(Defensive Tackle, DT)

ディフェンシヴラインのうち、内側に位置するポジション。ランに対する守備が主な役割となる。

ディフェンシヴラインが3名のときはディフェンシヴタックルは1人となり、その場合はノーズタックル(NT)と呼ばれる。5名の時はディフェンシヴタックル2名と中心にノーズタックルが位置する。4名の場合、ウィークサイドのディフェンシヴタックルをノーズタックルとよぶ場合もある。ノーズタックルはノーズガード(NG)またはミドルガード(MG)とも呼ばれる。ストロングサイドのディフェンシブタックルをコンボタックルと呼ぶこともある。

[編集] ディフェンシヴエンド

(Defensive End, DE)

ディフェンシヴラインのうち、外側に位置するポジション。

ラインの外側へ来たRBを防ぐだけでなく、パスプレイ時にQBへ向かって突っ込んでプレッシャーをかける(パスラッシュ)ことが役割となる。ゾーンブリッツの時(ラインバッカーがブリッツを仕掛ける場合)に、開いたスペースをパスカバーをすることもある。主にウィークサイドのDEをフォックス(FOX)ストロングサイドのDEをエンド(END)と呼ぶ。

[編集] ラインバッカー

ラインバッカーのポジション

(Linebacker, LB)

ディフェンシヴラインの後方にセットする選手の総称。フォーメーションにより異なるが、通常3~4人である。パス、ラン共に対処し、ディフェンスの要となる。

[編集] インサイドラインバッカー

(Inside LB, ILB)

ラインバッカーの中で中央に位置するポジション。インサイドラインバッカーが1人だけの場合はミドルラインバッカー(MLB)と呼ばれる。マイク(Mike)とも言う。ランプレイの場合は主にランニングバックをパスート(追跡)し、ディフェンスラインから漏れてきたランニングバックにタックルして止める役割を負い、パスプレイの場合はブリッツや、アンダーニース(ラッシュしたディフェンシヴラインの後方にできるスペース)・ショートパスゾーンのカバーなどを行う。オフェンスのフォーメーションを見てのディフェンスプレイの変更など、オフェンスにおけるクォーターバックのような役割をインサイドラインバッカーが担う場合が多い。

[編集] アウトサイドラインバッカー

(Outside LB, OLB)

ラインバッカーの中で外側に位置している選手を指す。インサイドラインバッカーよりブリッツを仕掛けることが多くなるポジション。担当サイドの決め方として、単純に左右とする場合と、オフェンスの人数の多い側と少ない側によって決める場合がある。前者の場合、左側を特にLOLB、右側を特にROLBという。後者の場合はOLBとは言わず、ストロングサイド(オフェンス側のセンターを基準に左右で人数の多いサイド)を担当するの方をSLB(Strong-side LB)、ウィークサイド(人数の少ないサイド)を担当する方をWLB(Weak-side LB)という。SLBはサム(Sam)、WLBはウィリーまたはウィル(Wlily, Will)とも言う。ちなみにSLBとWLBの定義はよくタイトエンドのいる側・いない側と間違われることがあるが、実際はオフェンス人数の多い側・少ない側で定義されるので注意が必要である。

[編集] ディフェンシヴバック

ディフェンシヴバックのポジション

(Defensive Back, DB)

フィールドの後方および両サイドを守る選手の総称。通常は4人。

セカンダリーとも言う。

[編集] コーナーバック

(Cornerback, CB)

フィールドの両サイドにセットする。通常は2人。3人つく場合は3人目をニッケルバック(Nickelback)、4人の場合は4人目をダイムバック(Dimeback)と呼ぶ。

主にパスに対する守備を担当し、両サイドへのパスをカバーする。攻撃側のエースレシーバーと競り合うことが多いため、特に足の速さが求められる。

オープンへのランプレイやリバースプレイを止める役割もある。

[編集] セイフティ

(Safety, S)

ディフェンスの最後尾にセットする。ディープゾーンへのパスをカバーするとともに、相手の攻撃を防ぐ最後の砦となる。守備範囲の広さが求められる。

なお、通常はストロングサイドに位置するストロングセイフティ(SS)とウィークサイドに位置するフリーセイフティ(FS)の2人からなるポジションである。一般的にストロングセイフティはフリーセイフティよりスクリメージラインに近いポジションを取り、ランプレー時にはランストップに参加する。フリーセイフティは一般的に常に後方に位置してボールの動きをフォローし、カバーリングする役割を担う。近年では両者の区別は曖昧である。ウィークサイドのセイフティはセイフティ、ストロングサイドのセイフティはローバーと呼ぶ。

[編集] ニッケル、ダイム

(Nickel, Dime)

3rdダウンで残り距離が長いなど、パスプレイの可能性が高い場合、パスディフェンス強化のためにディフェンシヴバックを5人以上置くことがある。このとき、5人目をニッケル、6人目をダイムと呼ぶ。ニッケルとは米国5セント硬貨のことで、このポジション名はこの"5"に由来する。ダイムとは米国10セント硬貨のことで、2人目のニッケル(2×5)であることに由来する。まれに5人セットすることがあり、その場合は5人目をクォーターバック(Quarterback、25セント=quarterdollarに由来。QBとは語源が違う)と呼ぶ。

[編集] スペシャルチーム

キッキング・ゲーム(キックオフ、フィールドゴール、パント)で登場する選手たちのこと。

[編集] キッカー

(Kicker, K)

フィールドゴールやトライフォーポイントでキックをする選手。キックオフを担当することもある。パンター兼任のキッカーもいるが、ゴールを狙うキッカーには特にキックの距離と方向の正確さが求められるため、チームによってはフィールドゴールおよびキックオフ専門のキッカーがいる(NFLでは特別な事情がない限りほぼすべてのチームのキッカーは専任である)。まれに、フェイクプレーのフェイク・フィールドゴールを行うことがあり、この際にはホルダーがフォワードパスを投げる役割を担う。

[編集] パンター

(Punter, P)

パントを行い、ボールを相手陣の奥深くに押し込むポジション。キックオフを担当することもある。キッカー兼任のパンターもいるが、パンターには局面に応じて蹴り込む距離を自在に調整できる能力が求められるため、チームによっては専門のパンターがいる(NFLでは特別な事情がない限りほぼすべてのチームのパンターは専任である)。まれに、フェイクプレーのフェイク・パントを行うことがあり、この際にはパンターがフォワードパスを投げる役割を担う。

[編集] ロングスナッパー

(Long Snapper, LS)

フィールドゴール、パント時や、ショットガンフォーメーション時にスナップを担当するポジション。その名の通り、長いスナップをする場合に出てくる。センターが兼任する場合と専門の選手が務める場合がある。

[編集] ホルダー

(Holder, H)

フィールドゴール時に、キッカーがボールをキックするためにボールを支えるポジション。ボールの扱いに慣れていることが求められるのでほとんどはパンター、あるいは控えクォーターバックが務める。稀に正クォーターバックが務める。

正クォーターバックでホルダーをやっていた例として、元デンバーのジェイク・プラマー、ダラストニー・ロモなどが挙げられる。

セントルイス・ラムズではボールを手で扱うことに長けたワイドレシーバーがホルダーを務める事が多い。

なお、ロングスナッパー、ホルダー、キッカーの3人をフィールドゴール・ユニットと称することがある。

[編集] リターナー

(Kick-off Returner, KR/Punt Returner, PR)

キックオフ及びパント時に、レシービング・チームの最後方に位置し、キック及びパントされたボールを捕球し、リターンするポジション。飛球を確実に捕球し、スピードを生かしてフィールドポジションを回復することが求められることから、主に控えのワイドレシーバー、ランニングバック、コーナーバックなどが務める。なおキックリターナーとパントリターナーでは求められる能力が若干異なるので、別々の選手が担当することも少なくない。


[編集] 背番号

アメリカンフットボールではポジションごとの背番号に関してある程度ルールで規定されている。詳細は背番号#アメリカンフットボールを参照。

[編集] フォーメーション

アメリカンフットボールには様々なフォーメーション(隊形)があり、状況によって使い分けられる。

ただし、戦術と切り離してフォーメーション単独で考えることはできない。まず戦術があり、その戦術を有効に遂行するために最適なフォーメーションが選択されるのである。また、ひとつのフォーメーションから展開される戦術(プレイ)は多岐にわたる。

[編集] 攻撃側の主なフォーメーション

基本的に、ランニングバック(RB)、ワイドレシーバー(WR)、タイトエンド(TE)の数と配置によって分類される。

[編集] RBの数による分類

プロ隊形(ツーバック)
QBの後ろにRBを2人配置する隊形。通常、WRは2人となる。近年では最も一般的な隊形である。
ワンバック 
QBの後ろにRBを1人だけ配置し、WRを増やした隊形。パスに重点をおく。WRが同じサイドに2名いれば「ツイン・セット」、3名なら「トリプル・セット」あるいは「トリップス」と言う。
ノーバック
RBを置かない隊形。WRを増やしたパス専用の隊形といえる。ノーバックは日本独自の呼称であり、米国ではエンプティバック(Empty-back)と呼ばれる。
スリーバック
QBの後ろにRBを3人配置する隊形。ランプレイを重視した隊形であるが、近年ではめったに用いられない。

[編集] RBの配置による分類

Iフォーメーション 
QBの後ろにRBを一直線に配置した隊形である。バックスがアルファベットのIの形に並ぶことから、このように呼ばれる。本来は、3人のRBを並べる。
現在では、RBの数を2人にする場合が多い。これをプロIと呼ぶ。このとき、前にセットするRBをフルバック(FB)或いはアップバック(UB)、後ろにセットするRBをテイルバック(TB)という。
ランニングプレイにおいては、TBとFBとの関係が重視され、FBはブロッキングが主な役割となり、TBはFBのブロックをうまく利用して走路を確保するのがオーソドックスな攻撃方法である。また、2人以上のRBが重なってセットする事が多いため、パスプレイ時におけるフェイクが守備側から見えにくいのも利点として挙げられる。
    • オフセットI:一直線ではなく、FBが左右いずれかに離れて配置する(=オフセット)隊形。
    • トゥルーI:QBの後ろに3名のRBが一直線に並ぶ、基本的にはラン重視の隊形。フルIともいう。
    • パワーI:FBの位置に2名のRBを配する隊形。これも基本はブロッキング強化の意図が強い。
Tフォーメーション 
QBの後ろに、RBが横並びに配置する隊形。本来は3人のRBを並べるため、バックス(QBも含む)がアルファベットのTの形に並ぶことからこのように呼ばれる。
現在ではRBの数を2人にする場合が多い。これをプロTあるいはヴィアTと呼ぶ。オープン攻撃時の展開速度が速いことが利点とされる。また、2人のRBがともにスクリメージラインの近くにセットするため、両サイドへのタイミングの速いランプレイが可能となる利点もある。
    • ノーマルT:RBを3名横並びにするラン志向の隊形。ゴール前での攻撃で使われることが多い。
    • プロT:RBがTの内側後方にセットする。ラン・パス共、バランスよく展開できる。
    • ヴィアT:RBがGの後方にセットする。主にトリプル・オプションを多用(ヴィアオフェンス)するチームが採用するが、ウィッシュボーンよりもパスプレーが展開しやすい。
    • スプリットバック:上記のヴィアTと同じであるが、ヴィアオフェンスを展開しない場合、こう呼ぶことが多い。オプションを重視しない分、RBのセット位置の任意性は高い。
ウイッシュボーン(フレックスボーン)
QBのすぐ後ろにRB1名を配置し、その後ろにRB2名を横並びに配置する隊形である。鳥の叉骨(ウィッシュボーン)に似ていることから、このように呼ばれる。トリプルオプションやフリーズオプション、カウンターなど3人のRBとQBによる強力なランプレーで攻撃する。この前後逆のパターンが「フレックス」である。関西では京都大学ギャングスターズ、関東では1991年の専修大学や、成城大学等が過去に主戦形であった。
    • ハーフボーン:後方のRBの内1名をWRと入れ替え、パスにも対応した隊形。

[編集] ラインメンの配置による分類

プロ隊形(プロ・セット)
TEを左右いずれかに1名、その反対サイドにSE(WR)を配置する隊形。通常はTEと同じサイドにFL(WR)を配置する。
ダブルTE
TEを左右に2名配置する隊形。短距離のランプレイに重点をおいた隊形。ショートパスにも有効なことから、NFLで用いられることが多くなってきた。
ダブルSE
TEを配置せず、両サイドにSEを2名配置する隊形。
アンバランス
通常、Cの左右にはEを含めて3名ずつであるが、G、もしくはG、T両方を片側に集中させた隊形。

[編集] QBの位置による分類

ショットガン
パントのように、スクリメージラインから離れた位置にQBを配置し、センターのロングスナップによってプレイを開始するパス重視の隊形(ショート・パント・フォーメーションとも呼ばれた)。通常、RBは1名、レシーバーは4名(TEも含めて)配置される。レシーバーの展開が、散弾銃から発射された散弾が散らばる様である事から、このように名付けられた。稀にロングスナップをRBがダイレクトに捕球しランプレーをすることもある。
かつて、日本では日本大学フェニックス、NFLではダラス・カウボーイズの代名詞であったが、今では立命館大学帝京大学を始め、様々なチームで使われている。
現在のショットガンは、パスのためにスクリメージラインからの距離を確保するという最大の利点を継承しながらも、QBがスクリメージラインから5-6ydsにセットし、前に踏み出しながらRBへハンドオフするため、ランプレイのタイミングがかつてのショットガンほど遅くなく、また走路確保のための視野と角度が有利で、ランプレイのバリエーションも広がっている。日本代表をはじめ立命館大学、関西学院大学、法政大学など甲子園ボウル出場校で採用され、最もトレンドなフォーメーションである。
ドラゴンフライ
ショットガンフォーメーションにおいて、RBに替えてもう1名QBを出し(QBと呼ばれるポジションは1名だが、控えのQBを使う)、QB2名体制で臨むフォーメーションというのは大きな誤解だが、その程度の理解で問題ない。日大チームが開発したもの。
守備側からすればパスプロテクションに全力を挙げればいいが、どちらのQBからロングパスが出るのか、WR4名の誰が捕球するのか、どこからパスが出て誰にパスが送られるのか分からないため対応が難しく、ロングパスが決まりやすくなる。無論、QBを守るラインメンの壁が固いことが前提となる。

[編集] 守備側の主なフォーメーション

[編集] DLとLBの人数による分類

  • 4-3(even)
DLが4人、LBが3人(DBは4人)の隊形。近年では、ランプレー対策の基本形となっている。これを改良した「タンパ 2(トニー・ダンジーがタンパベイ・バッカニアーズのヘッドコーチ時代に開発した)」と呼ばれるフォーメーションでは、DEがパスラッシュし、MLBが両Sと共にゾーンディフェンスを敷く。'06-'07シーズンのスーパーボウルは、このフォーメーション同士の対決となった。
  • 3-4(odd)
DLが3人、LBが4人(DBは4人)の隊形。パス・ラッシュが手薄となるため、適宜ブリッツを用いる。ショートパス対策を狙うものだが、ランプレーを阻止しにくい。
  • 5-2
DLが5人、LBが2人(DBは4人)の隊形。DLの2名(1名)とLBを機動的に動かし、ショートパスとランプレー阻止の両方を狙うものだが、プレーの展開スピードが上がった近年ではあまり用いられない。この場合、中央のDLをノーズガード(NG)と呼ぶ。
  • ニッケル(nickel)
DLかLBを1人減らし、DBを5人置く隊形。4-2、3-3、2-4または1-5のフォーメーションとなる。ニッケルとは5セント硬貨の愛称であり、DBが5人を置くことからこう呼ばれる。ロングパスに対する守備を固めるものだが、DB2名によるブリッツもある。
  • ダイム(dime)
ニッケルを発展させ、DBを6人置く隊形。4-1または3-2のフォーメーションとなる。ダイムとは10セント硬貨の愛称であり、DBを5人置くニッケルよりDBをもう1人多く置くためニッケルの次の額の硬貨であるダイムと呼ばれる。ランプレーやミドルパスによる多少のゲインは止むを得ないが、大幅なゲインを狙うロングパスを絶対阻止したい時に用いられる。
  • インベント(invent)
    DBのうち2人が内側に入り込み、ミドルパスも防ごうとする隊形。ロングパスに対する備えがやや薄くなる。
  • プリベント(prevent)
    DB6人全員で広範囲のロングパスを警戒する隊形。ランプレーやミドルパスによる多少のゲインは止む無しとする。
  • クオーター(quarter)
ニッケル、ダイムをさらに発展させ、DBを7人置く隊形。3-1のフォーメーションとなる。クオーターとは4分の1という意味で、1ドルの4分の1の25セント硬貨の愛称であり、DBを5人置くニッケルよりDBを2人、DBを6人置くダイムよりBDを1人多く置くためニッケルの次の次、ダイムの次の額の硬貨であるクオーターと呼ばれる。ランプレーの阻止は難しいが、ロングパスを絶対阻止したい時に用いられる。基本的には試合終盤などの逃げ切りたい時に用いられる。
  • プリベント(prevent)
    DB7人全員とLB1人で広範囲のロングパスを警戒する隊形。ランプレーやミドルパスによる多少のゲインは止む無しとする。
  • ゴールライン(goalline)
DLが7人、LBが4人で、DLとLBの二列が密集する隊形。二列密集隊形によりダイブなどの中央突破を跳ね返し、両端のDLはショートパスにも備える。エンドゾーンまで残り数ヤードまで攻め込まれた時に使われる。

[編集] パスカバーの方法による分類

ゾーンカバー
LBとDBが、フィールドをゾーンで区分けし、パスプレー時に各々その決められた場所を守るというシステム。
  • カバー2
フィールドの最深部(ディープゾーン)をSF2名で守り、前(アンダーゾーン)をLBとCBで守る。ショートパスに強いが、セイフティー間を狙うようなロングパスには弱い。この時、4-3か3-4か5-2となる。
  • カバー3
最深部をDB3名で守り、前をLB等で守る。ロングパスには強いが、両サイドライン際を狙うショートパスには弱い。この時は4-4となる。
  • カバー4
LBがアンダーゾーンを守りCBとFSがディープゾーンを守る。なお残ったSSはTEとのマンツーマンをとる。
  • ゾーンブリッツ(Zone Blitz)
ゾーンカバーにおいて、DEとOLBとの役割をチェンジ(DEがアンダーゾーンを守り、OLBはブリッツ)する戦術。TEやWRによる5ydほどのショートパスに有効で、上手くいけばDLでインターセプトができる。
  • スカイ(Sky)、クラウド(Cloud)
ディープゾーンを守るSFに、スナップ後アンダーゾーンを守るように指示するコードネームがスカイ。スナップ後にカバー3からカバー2に変えるときに用いられ、5~10ydほどのショートパスに対してのインターセプトを狙う。ただし、ディープゾーンが手薄になるため、ロングパスを投げられるとタッチダウンの可能性もある。確実にショートパスを投げてくる状況でないと用いられない。
アンダーゾーンを守るCBに、スナップ後ディープゾーンを守るように指示するコードネームがクラウド。カバー2からカバー3に変えるときに用いられ、10yd以上のロングパスに対して、数的有利によりカバーしやすい(WR2名に対して、DB3名)。ただし、アンダーゾーンが1人減るためアウトサイドのランプレイやサイドラインへ逃げるショートパスに弱く、相手が劣勢でロングパスを投げてくる状況のみ用いられることがある。
マンカバー
LBとDBの各選手が攻撃側の特定のレシーバーをマンツーマンでマークするシステム(下記の例は4-3の場合)。
  • カバー1 LB1人がブリッツ。両CBは対面のWRをマーク、SSはTEをマーク、LBはRBをマーク、残るFSはフリー。
  • カバー4 LB2人がブリッツ。FSがRBをマーク。後はカバー1と同じ。

[編集] その他

ギャップコントロールシステム
オフェンスライン同士の間の穴(ギャップ)をDLとLBに守らせるというシステム。
C、G、Tの両隣をA、B、Cとし、DTはA、MLBとWLBはB、SLBはC(TとTEとの間)を守る。
  • スラント
DTが、どちらかの方向に揃って斜めの穴を守るシステム。ストロング・ウィークの2種類ある。

最終更新 2009年11月21日 (土) 09:21 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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