アメリカ国立標準技術研究所

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アメリカ合衆国国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology, NIST)は、アメリカ合衆国商務省配下の技術部門であり非行政機関である。その任務はアメリカの技術革新や産業競争力を強化するために、経済保障を強化して生活の質を高めるように計測学規格産業技術を促進することである。

この任務の一環として NISTの科学者や技術者は日々測定技術の向上に努め、今日の最先端工業に必要とされる超精密製造技術を可能にしてきた。また民間と政府機関の共同で標準化された規格の開発と評価に直接関与している。NISTは元来、国立標準局(National Bureau of Standards, NBS)と呼ばれた(1901年から1988年まで)。アメリカの技術革新と進歩は特に4つの重要な分野でNISTの独自のスキルと機能に依存している。それは、バイオテクノロジーナノテクノロジー情報技術、先端製造技術である。

NISTの2006年度の予算は約9億3000万ドルである。NISTには約2800人の科学者、工学者、技術者がいる(他にサポートスタッフと運営部門)。また、国内企業や海外から1800人の科学者、工学者を受け入れている。さらに国内約350ヶ所の提携機関で1400人の製造技術の専門家やスタッフが関わっている。

目次

[編集] 機構

NISTの本部はメリーランド州ゲーサーズバーグにある。またコロラド州ボルダーに研究所を持っている。NISTには米国産業を援助する4つの主要なプログラムがある。第一はNISTの研究所そのものであり、物理学、情報技術、化学技術、エレクトロニクス、材料科学、産業技術、製造技術、防火建築などを研究している。第二は Hollings Manufacturing Extension Partnership(HMEP)という中小製造業者を支援するネットワークである。第三の Advanced Technology Program(ATP)は最先端のリスクの高い技術開発の一部をNISTが費用負担するものである。第四はマルコム・ボールドリッジ国家品質賞であり、品質の高い企業を選定して表彰するものである。

NISTのボルダーの研究所には有名なNIST-F1がある。これはフランスパリにあるものと同様の最も正確な原子時計であり、国家としての公式な時刻の拠り所となっている。セシウムの共振周波数から精密に秒を決めていて、電波時計向けの長波の放送局(フォート・コリンズ)と短波の放送局(フォート・コリンズとハワイ州カウアイ島のケカハ)がある。

[編集] 測定

その任務の一部として、NISTは1300種もの最高純度で正確な量の標準物質(Standard Reference Material, SRM)を産業、学界、政府、および他のユーザーに供給する。これらの人造物は、特定の性質や材料構成を持つことを保証されており、測定機器や測定手順の較正に使われたり、実験の対照サンプルとして使われる。例えば、食品製造分野のための NIST SRM としては以下のようなものがある。

NISTは最先端の測定施設を運営している。非常に費用効果が高いNIST中性子研究センター(NCNR)は最新の材料や燃料電池やバイオテクノロジーについて先端的な研究を行っている。また、先端計量研究所(AML)は測定/計量に関して世界最先端の設備を有している。アメリカの研究者は最も精密で他に類を見ないレベルの測定をAMLで行うことができる。これは、技術の進歩に伴ってますます重要性を増してきた。技術の複雑化と微細化により、理論や概念から製品やプロトタイプを作るには可能な限り精密な測定が不可欠となっている。

[編集] 最近の役割

アメリカ同時多発テロ事件の余波で、NISTは国土安全保障(ホームランド・セキュリティ)の強化の中心的役割を果たしている。広い研究領域にまたがるプロジェクトを通して、NISTは法の執行、軍隊、救急サービス、情報技術、空港と建物のセキュリティ、および他の分野のアメリカの公共機関で数百万人の個人をテロリストの脅威から保護するのを手助けしている。例えばNISTは現在政府全体の新しいIDカードの標準を開発中である。これによりテロリストや犯罪者や無許可の人々が政府の建物やコンピュータシステムに入るのを防ぐのである。

ニューヨーク世界貿易センタービルについてもNISTは三段階の計画を立案している。第一段階はビル崩壊の原因を調査する(建築と防火の研究)。第二段階は建築技術や防火技術の研究開発。第三段階はその成果を建築業界に広め、技術的援助を行う。NISTはまた、施設所有者、契約者、建築家、技術者、緊急応答者、および関係当局に、未来の災害に反応する心構えをさせるための実用的なガイダンスとツールを提供している。計画の原因調査部分(第一段階)は2006年末までに完了し、WTC 7 についての報告書を提出する予定である。航空機直撃を受けたタワーに関する報告書は2005年9月26日に提出されたが、そこには30以上の改善提案が含まれていた。

標準電波局WWV(コロラド州フォートコリンズ)・WWVH(ハワイ州カウアイ島)の管理をしており、time.nist.govによるインターネット時刻の提供も同様にしている。パソコンOSからアクセスすると"ほぼ"正確な時刻を取得できる。

AES暗号やAHSアルゴリズムなど、暗号技術の選定および標準化を行っている。ISOと違い一国の機関に過ぎないが、その影響力は大きく、AES暗号はデファクトスタンダード暗号のひとつとなっている。AES暗号の前のデファクトスタンダード暗号であったDESもNISTの前身であるNBSが選定を行っている。

[編集] 著名人

NISTの研究者でノーベル物理学賞を獲得した人は以下の通りである。

[編集] 歴代所長

NISTの所長は大統領が指名し、上院の助言と同意を得て任命する。これまで13人が局長を務めている(うち二人は後任が決まるまでの代理)。

  • Samuel W. Stratton, 1901年-1922年
  • George K. Burgess, 1923年-1932年
  • Lyman J. Briggs, 1932年-1945年
  • Edward U. Condon, 1945年-1951年
  • Allen V. Astin, 1951年-1969年
  • Lewis M. Branscomb, 1969年-1972年
  • Richard W. Roberts, 1973年-1975年
  • Ernest Ambler, 1975年-1989年
  • John W. Lyons, 1990年-1993年
  • Arati Prabhakar, 1993年-1997年
  • Raymond G. Kammer, 1997年-2000年
  • Karen Brown (所長代理), 2000年-2001年
  • Arden L. Bement Jr., 2001年-2004年
  • Hratch Semerjian (所長代理), 2004年 - 2005年
  • William Jeffrey, 2005年-現在

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

いずれも英語

最終更新 2009年11月15日 (日) 23:19 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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