アレスV

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アレスV (Ares V) は、正式にはCargo Launch Vehicle (CaLV) と呼ばれる、アメリカ航空宇宙局 (NASA) のコンステレーション計画における貨物打ち上げ機である。2019年の打ち上げを予定している。[1]英語の発音はエアリーズ-ファイブに近い。

アレスVは有人飛行用のアレスIを補完する。188トンの貨物を地球低軌道 (LEO) に、71トンを月周回軌道に投入できる能力を持つ予定である。 アレスVとIはギリシャ神話から名づけられた。

目次

[編集] 設計

アレスVの組立図

アレスVは、大型の機材や資材を月へ送ったり、地球周辺軌道での持続的な有人宇宙活動を維持するために必要な補給品を送ることができる、大重量打ち上げ機 (HLV) である。アレスVは、1段目に固体推進剤と液体推進剤を、2段目 (EDS) に1台のJ-2Xロケットエンジンを使用する、2段式ロケットである。

1段目には、異なる2種類のエンジンを用いる。スペースシャトルと同様に、アレスVは液体燃料エンジンと固体燃料ロケットを同時に使用する。固体ロケットは、現在のスペースシャトルでは4セグメントで使用しているものを5セグメント(又は、5.5セグメント)に変更した、スペースシャトル固体ロケットブースター (SRB) 派生ロケットを2基使用する。

さらに、アレスVは6基のRS-68液体燃料エンジンを、スペースシャトル外部燃料タンク (ET) を大型化したものに取り付けて使用する。当初、NASAはRS-68ではなく、スペースシャトル主エンジン (SSME) を使用するつもりだった。NASAはRS-68の設計製造の単純さ、大推力、低価格のため、エンジンをRS-68に変更した。

第2段は、サターンIBサターンVに使われたS-IVB上段ロケットを基にしており、地球出発段 (EDS) としても知られる。EDSの特徴は、アレスIの第2段にも使われるJ-2Xロケットエンジン1基を使用しており、月面着陸機 (LSAM) や大型ペイロードを周回軌道に投入する。

月ミッションでは、EDSはオリオン宇宙船とLSAMを結合した後、再度エンジンに点火して、月への軌道に乗せる。

アレスVは、アメリカのサターンVや旧ソ連のエネルギア以上の約188トンの貨物を搭載可能で、人間の月や火星への拡大を支えることができる。

LSAMを基にしたキックモーター(もしくはセントールとも言う)を用いることで、ガリレオ探査機カッシーニ・ホイヘンス探査機を合わせたほどの重さの惑星探査機を、直接太陽系外周部へ送り出すこともできる。

[編集] コンステレーション計画におけるアレスVの目的

コンステレーション計画において、アレスVは貨物打ち上げ機となる。サターンVやスペースシャトルでは人員と貨物が同じロケットに乗せられたのと異なり、コンステレーション計画の案では人員と貨物に、アレスIとアレスVという異なる2種類の打ち上げ機を用意する。別々の打ち上げ機を用意することで、ロケットが達成する2つの異なる目的に、より特化した設計を考慮することができる。

アレスVロケットは、NASAの新しい大重量打ち上げ機である。EDSとLSAMを打ち上げるのと同様に、国際宇宙ステーション (ISS) の新しいモジュールの打ち上げや、NASAが提案している月面基地や、将来の火星探査プラットフォームとなることも目的として設計されている。

ロケット全体やEDSの開発は、マーシャル宇宙飛行センターによって進められている。ペイロードフェアリングに取り付ける自己診断システムは、エイムズ研究センターが担当している。月着陸機の着陸段、アレスVの電力システム、推力偏向制御システム、ペイロードフェアリングの開発はグレン研究センターが担当している。空力解析はラングレー研究センターが担当している。

[編集] 将来の目的

アレスVの実現には長い時間が掛かるが、NASAにはすでに他の目的に使う計画がある。

最初の提案は、地球と太陽ラグランジュ点 (L2) に、直径8m以上の新しい光学望遠鏡を設置するものである。これは大きさも性能もハッブル宇宙望遠鏡を大幅に上回るものだが、アレスVならば1回の打ち上げで設置することができる。

[編集] 初期の案

アレスVがNASAに全く新しい案として出される前から、アレスVのようなサターンVの後継となる大型ロケットは、長年提案されてきた。

The Case for Marsという本の中で、ロバート・ズブリンは将来の大型打ち上げ機の構想をアレスと名付けていた。本の中のロケットは、スペースシャトルの外部燃料タンクに3基のSSMEを取り付け、2段目にはRL-10エンジンを使用していた。

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

[編集] リンク

[編集] 出典

  1. ^ Handlin, Daniel (2006-10-11). [sets Orion 13 for Moon Return”]. NASA SpaceFlight.com. http://www.nasaspaceflight.com/content/?cid=4859 2007-01-12 閲覧。 


最終更新 2009年8月26日 (水) 07:09 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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