アンザック級フリゲート
アンザック級フリゲートの最新ニュースをまとめて検索!
![]() FFH-150「アンザック」 (Anzac) |
|
| 概要 | |
|---|---|
| 建造: | |
| 運用: | |
| 前級 : | リバー級護衛駆逐艦 (オーストラリア海軍) パース級駆逐艦 (オーストラリア海軍) リアンダー級フリゲート (ニュージーランド海軍) |
| 準分類: | アンザック級 (オーストラリア海軍) テ・カハ級 (ニュージーランド海軍) |
| 建造期間: | 1993年 ~ 2004年 |
| 就役期間: | 1996年 ~ 現在 |
| 計画: | 10 |
| 完工: | 10 |
| 現役: | 10 |
アンザック級フリゲート(Anzac class frigate)は、オーストラリア海軍とニュージーランド海軍が使用する汎用フリゲート。ドイツのMEKO型フリゲートの設計を採用しており、オーストラリア海軍向けに8隻、ニュージーランド海軍向けに2隻が建造された。
目次 |
[編集] 来歴
アンザック級フリゲートは、1980年代中盤にオーストラリア海軍がリバー級護衛駆逐艦およびパース級駆逐艦の更新を狙って進めていたNSC (New Surface Combatant) 計画に由来する。[1] 艦の大きさとしては、リバー級護衛駆逐艦より小さい1,200トンから、パース級駆逐艦よりも大きい5,000トンまでが考慮されていた。しかし、オーストラリア海軍は、フォークランド紛争の戦訓から、対艦ミサイル防御(ASMD: Anti-Ship Missile Defense)能力とダメージコントロール能力を重視しており、この結果、排水量は3,600トンと決定された。また、オーストラリアには、この大きさの戦闘艦を一から設計する能力はないものと信じられていたことから、船体の設計は海外のものを採用し、これにオーストラリア海軍の運用要求に基づいて自国で開発した戦闘システムを導入することも決定された。主任務は排他的経済水域(EEZ)の警備とされ、1986年末には各社に対して開発要求が告知され、これに対して19の提案がなされた。
また、この時期、ニュージーランドも、自国海軍のリアンダー級フリゲートの代替として、オーストラリア海軍のNSC計画艦と同様の艦の調達を計画していた。第一次世界大戦のオーストラリア・ニュージーランド軍団以来、オーストラリアとニュージーランドはANZACと呼ばれる緊密な防衛協力体制を構築しており、この関係のもとで両者の新戦闘艦導入計画は合流することとなり、1987年3月には覚書を交わした。ANZAC軍団にちなんで、この計画はANZAC計画と命名された。
1987年8月には、ANZAC計画のコストは35億豪ドルに上昇しており、また、候補としては、ドイツが提案したMEKO 200型フリゲート、オランダが提案したカレル・ドールマン級フリゲート、イギリスが提案した23型フリゲートの小型化版の3つに絞られていた。このうち、23型改については1987年11月に脱落した。残る2つは、性能的にはほぼ同等であったが、コスト面のメリットが評価されてMEKO 200型が選定されることとなり、1989年8月14日、オーストラリアの社が建造するMEKO 200型フリゲートがアンザック級フリゲートとして建造されることが発表された。原設計はドイツのブローム・ウント・フォス(B+V)社、主契約社はオーストラリアのテニックス社であり、73%のワークシェアをオーストラリアとニュージーランドで分け合っている。建造数は、オーストラリア向けが8隻、ニュージーランド向けが2~4隻とされたが、結局、ニュージーランドは2隻のみを建造するにとどまった。
[編集] 設計と装備
[編集] 船体と機関
本型の船体設計は、先行して設計された他のMEKO 200型とおおむね同一であり、中央船楼型の船型とV字型の煙突が外見上の特徴である。また、船楼の後端にはヘリコプター 1機を収容できる格納庫が設置されている。
一方、EEZ警備という主任務から、速力は要求されておらず、このため、機関出力も抑えられている。アンザック級以外のMEKO 200型は、ヤウズ級がディーゼルエンジン×4基によるCODAD構成を採用している以外は、いずれもゼネラル・エレクトリック LM2500 ガスタービンエンジン×2基とMTU 20V ディーゼルエンジン×2基によるCODOG構成により、60,000馬力級の最大出力を得ていた。これに対し、本級では、LM2500 ガスタービンエンジンが1基減らされた構成になっており、機関の最大出力は30,172馬力に低下している。
[編集] 武器システム
本級は、EEZ警備という想定任務から、これまでに建造されたMEKO 200型フリゲートのなかではもっとも軽武装のものとなっている。建造時に搭載されていた武装は、オーストラリア向けの艦で、
- Mk.45 5インチ単装砲×1基
- ブローニングM2 12.7mm機関銃×数丁
- Mk.41 mod.5 VLS ×1基 (8セル; シースパロー PDMS用)
- Mk.32 mod.5 3連装短魚雷発射管 ×2基
- 艦載機としてヘリコプター×1機
であり、ニュージーランド向けの艦でこれにファランクス 20mm CIWSが加わるのみで、基本的に自衛用に限定されており、対水上火力はまったく装備していなかった。
ただし、MEKO型フリゲートは、多様な顧客の要求に柔軟に対応するために装備品のモジュール化設計を採用しており、これは、就役後でも比較的容易に武装の交換・増設が可能であることを意味する。このことから、就役後には本級を防空艦として改装することも検討された[2]ほか、オーストラリア艦に対しては、ハープーン艦対艦ミサイルの搭載も開始された。
また、現在、オーストラリア海軍においては、本級の防空能力の強化計画(ASMD改修)が進められている。これは、現有のシースパロー PDMSをESSMに変更し、国産の3次元レーダーであるCEA-FAR 多機能アクティブ・フェーズド・アレイ・レーダーおよびCEA-MOUNTイルミネーターを追加装備することによって、本艦に限定的な艦隊防空能力(僚艦防空)を付与する[3]もので、イージス艦として計画されているホバート級駆逐艦 (Hobart class destroyer)導入までの間にアデレード級フリゲートとともに艦隊防空を支え、またホバート級を補完することが期待されている。なお、パース級駆逐艦の退役後、防空艦としてオーストラリア海軍が導入しているアデレード級フリゲートには3次元レーダーがないため、本級に対するASMD改修が実行に移されるまで、オーストラリア艦隊は、遠距離で目標の高度を知る手段を失っていることになる。
[編集] 要目
「MEKO型フリゲート」も参照
| アンザック級 |
テ・カハ級 |
|
|---|---|---|
| 就役開始 | 1996年 | 1997年 |
| 隻数 | 8隻 | 2隻 |
| 満載排水量 | 3,600 t | |
| 全長 | 118 m | |
| 全幅 | 14.8 m | |
| 吃水 | 4.4 m | |
| 機関 | CODOG方式, 2軸推進 | |
| ゼネラル・エレクトリック LM2500 ガスタービン×2基 | ||
| MTU 12V 1163 ディーゼル×2基 | ||
| 機関出力 | 30,172 hp | |
| 最大速力 | 27kt | |
| 航続距離 | 6,000 nmi (18 kt) | |
| 乗員 | 163名 | |
| 兵装 | Mk.45 mod.2 5インチ単装砲×1 | |
| ブローニングM2 12.7mm機関銃×複数 | ||
| ハープーン SSM 4連装発射筒 ×2 (順次搭載中) |
ファランクス 20mm CIWS ×1 | |
| Mk.41 mod.5 VLS ×1 (8セル; シースパロー/ESSM PDMS用) |
||
| Mk.32 mod.5 3連装短魚雷発射管 ×2 | ||
| 艦載機 | SH-2 または S-70B-2 哨戒ヘリコプター ×1機 | |
| C4I | セルシウステック・サーブ 9LV Mk.3E 戦術情報処理装置+リンク 11+SHF-SATCOM | |
| レーダー | SPS-49(V)8 2次元対空捜索レーダー×1 | |
| セルシウステック・サーブ 9LV 453 TIR 対水上レーダー×1 | ||
| ソナー | スフェリオン-B mod 5 船底装備ソナー | |
| FCS | セルシウステック・サーブ 9LV453 | |
[編集] 同型艦
| 艦番号 | 艦名 | 起工 | 進水 | 就役 | 運用者 | 母港 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| FFH-150 | アンザック (HMAS Anzac)[1] |
1993-11-05 | 1994-09-16 | 1996-05-18 | Fleet Base West | |
| F77 | テ・カハ (HMNZS Te Kaha)[2] |
1994-09-19 | 1995-07-22 | 1997-07-26 | Devonport | |
| FFH-151 | アランタ (HMAS Arunta)[3] |
1995-07-22 | 1996-06-28 | 1998-12-12 | Fleet Base West | |
| F111 | テ・マナ (HMNZS Te Mana)[4] |
1996-06-28 | 1997-05-10 | 1999-12-10 | Devonport | |
| FFH-152 | ワラムンガ (HMAS Warramunga)[5] |
1997-07-26 | 1998-05-23 | 2001-03-28 | Fleet Base West | |
| FFH-153 | スチュアート (HMAS Stuart)[6] |
1998-07-25 | 1999-04-17 | 2002-08-17 | Fleet Base East | |
| FFH-154 | パラマッタ (HMAS Parramatta)[7] |
1999-06-04 | 2000-06-17 | 2003-10-04 | Fleet Base East | |
| FFH-155 | バララット (HMAS Ballarat)[8] |
2000-08-04 | 2002-05-25 | 2004-06-26 | Fleet Base East | |
| FFH-156 | トゥーンバ (HMAS Toowoomba)[9] |
2002-07-26 | 2003-05-16 | 2005-10-08 | Fleet Base West | |
| FFH-157 | パース (HMAS Perth)[10] |
2003-07-24 | 2004-03-20 | 2006-08-26 | Fleet Base West |
[編集] 脚注
- ^ Jones, in The Royal Australian Navy, p. 244
- ^ オーストラリア海軍は、SEA1443 ANZAC-WIP計画において、スタンダードミサイルの搭載を計画したが、最終的に、予算面の問題で中止された。
- ^ ESSMは、MK 25キャニスターを使用することで、Mk 41 VLSの1セルに4発のミサイルを収容できることから、総搭載弾数は32発となる。また、ESSMは、近距離での機動性向上を狙った副産物として、最大射程は50 km近くにまで延伸されている。
[編集] 参考文献・外部リンク
- SPG Media Limited (2009). "Anzac Class Frigates - Naval Technology" (HTML) (英語). 2009-08-28 閲覧。
- 「世界のMEKO型フリゲイト 現有全タイプ」、『世界の艦船』第598集、海人社、2002年7月、35-45頁。
- 藤木平八郎「第1艦誕生から20年 MEKO型フリゲイトの系譜」、『世界の艦船』第598集、海人社、2002年7月、69-73頁。
- 吉原栄一「MEKO型フリゲイトの技術的特徴」、『世界の艦船』第598集、海人社、2002年7月、74-79頁。
|
||||||||||||||||||||
最終更新 2009年10月4日 (日) 13:10 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【アンザック級フリゲート】変更履歴



