ア・バオア・クー

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ア・バオア・クー (A BAOA QU) は、アニメ機動戦士ガンダム』『機動戦士Ζガンダム』などに登場する、架空宇宙要塞

元々はルナツー等と同様、資源採掘用にアステロイド・ベルトから運ばれ、ラグランジュポイントのL2に配置された小惑星だったが、一年戦争前にジオン公国の手によってさらにもう1つの小惑星と結合し、半年後、宇宙要塞化工事が完了した。キノコとも開いた傘ともつかぬ独特の形状を成す。


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


目次

[編集] 一年戦争

宇宙世紀0079年の一年戦争時には、ソロモンやグラナダとともにジオン公国の本国であるサイド3を守る重要拠点の一つである。

本来の目的である宇宙要塞として機能した他、内部に工廠を有して一年戦争末期にはモビルスーツモビルアーマーなどの生産が行われた。

本要塞を素通りし、飛び石作戦でサイド3への侵攻を試みた地球連邦軍の遠征部隊がソーラ・レイの攻撃で遠征部隊の約30パーセントを失う大損害を受け、現地の最高指揮官であるレビル将軍を失ったことによる作戦計画変更により、0079年12月31日から翌日にかけ、地球連邦軍の遠征部隊とジオン公国の総帥であるギレン・ザビ自身と妹のキシリア・ザビ少将が指揮するジオン軍要塞守備隊との間で双方の総力戦となる大規模な戦闘が発生し、一年戦争最後の戦いの舞台となった。

安彦良和の漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、ジオン軍のMS開発試験場として、要塞化される前の姿が登場している。

[編集] 序章

0079年12月31日0時00分、現地の最高指揮官であるレビル将軍を失った地球連邦軍の遠征部隊は本部と協議の結果、ソーラ・レイの再使用対策と迅速かつ決定的な戦果の獲得等の条件を鑑み、元計画ではア・バオア・クーをやり過ごして直接ジオン本国へ侵攻する星一号作戦の計画を修正し攻略目標をア・バオア・クーに変更、作戦開始時間を大幅に繰り上げる形で星一号作戦の強行を決定した。

同日1時17分、ア・バオア・クーではギレンによる出陣演説が行われ、ジオン軍将兵の士気が頂点に達していた。この後ギレンは、妹のキシリアと共に要塞の司令室で直接指揮を執ることとなる。

ア・バオア・クーは他の要塞とは違い、要塞を上から見下ろした時の周囲を4つの防空管制エリアに区分した防衛システムを採用しており、モビルスーツ隊等のエリア配属・防衛管制を行っていた上、この戦いでは、重要エリアの死角区域にドロス級大型空母が配備されていた。

  • Nフィールド … ジオン公国本土(サイド3)を臨むエリア。ドロスが配備された。
  • Eフィールド … の裏側を臨むエリア。カスペン戦闘大隊(ヨーツンヘイム)が配備された。
  • Wフィールド … Eフィールドの反対方面を臨むエリア。ストーリーに出なかったので詳細は不明。
  • Sフィールド … 地球を臨むエリア。ドロワが配備された。

しかし最終決戦にも関わらず、正規の兵員不足により十分な補充が行えなかったため練度不足の学徒動員兵をもって数を合わせるありさまであった。

同日5時00分、地球連邦軍は残存部隊の再編成を完了しここに一年戦争最後の戦いの幕が切って落とされようとしていた。

[編集] 作戦開始

地球連邦軍は、ソーラ・レイの被害を受けなかった第二、第三艦隊をジオン公国本土を臨むNフィールドへ、被害を受けた第1艦隊とホワイトベースをルザル艦隊として地球を臨むSフィールドに向かわせた。

戦いは、0079年12月31日8時10分、地球連邦軍のパブリク隊の突入から開始された。

これに対してジオン軍はギレンとキシリアが自ら指揮を執り、Nフィールドに戦力を集中させると共に的確な防衛管制でパブリク隊を撃退し、ドロス級大型空母を全面的に前へ出してきた。

[編集] ギレン総帥の戦死

当初ジオン軍では、Nフィールドへの地球連邦軍主力の攻撃を退けて優位にたっており、勝利の兆しが見えたとする余裕すらジオン軍司令部には見られた。

この時、キシリアは司令席のギレンに対して銃口を向け、銃を向けられたギレンは真に受けず軽笑してあしらったが、0079年12月31日9時25分、ギレンはキシリアに殺害された。現場を目撃した司令室の士官たちは動揺し重い空気が流れていたが、トワニング准将の機転を利かせた発言はその場の沈黙を鎮め、キシリアに指揮権を引き継がせることになった。

しかしこの出来事は、ギレンの殺害からキシリアに指揮権が引き継がれるまでの間において命令が出せなくなったことからジオン軍要塞守備隊の指揮系統に大きな混乱を招き、地球連邦軍の攻撃に対して隙を作ることになってしまった。

この隙を突いた地球連邦軍の攻撃は熾烈なものがあったようで、同日9時40分にNフィールドのドロス級大型空母「ドロス」が撃沈され、さらに同日10時10分にはSフィールドの「ドロス」の同型艦である「ドロワ」も撃沈された。防衛の死角を埋めるドロス級大型空母2隻全てを失ったジオン軍要塞守備隊は急激に防衛力を削られていった。

そして、地球連邦軍はSフィールドのガンダムをはじめとする別働隊の勇戦もあって要塞内部への侵入に成功し、ジオン軍の旗色は一気に悪くなった。予備戦力に余裕のないジオン軍は崩れはじめ、数はあるものの地球連邦軍以上に練度不足の学徒動員兵の投入だけでは建て直しが不可能となった。

ギレン総帥がキシリア少将に殺害されたことを悟ったエギーユ・デラーズ大佐(当時)は自らの部隊を集結させ、暗礁宙域に向けて移動を始め、もはやこれまでと判断したジオン軍の部隊が小惑星アクシズに向けて戦場から離脱し始める等、戦力は大幅に減少した。

その頃、戦いは地球連邦軍モビルスーツ隊及び着岸した艦艇から突入を開始した陸戦隊が要塞内部へ侵入したことにより、要塞内部での乱戦となり、あちこちで設備が損傷し始めていた。

ここに至ってキシリアは敗北が濃厚になったと判断し、ザンジバル級機動巡洋艦で脱出を試みたが、同日12時05分に翻意したシャアに射殺される。直後に地球連邦軍のサラミス級巡洋艦数隻の集中射撃によってザンジバル自身も撃沈された。こうしてジオン公国は指導者たるザビ家の主要メンバー全員が死亡した。

同日12時30分には、戦闘の影響によりミサイル工場から火災が発生。電気の供給が停止して指揮系統が完全に麻痺した他、空調設備も働かなくなり、要塞としての機能に致命的な影響を及ぼし始めた。

ア・バオア・クー防衛司令部から戦闘中の各艦艇に指揮系統の機能停止と今後の自由行動を指示する命令が下ったのはこの頃と思われる。これは事実上の停戦命令(キシリア少将は生前、自身の脱出から15分後に降伏を打診する事をトワニングに命じていた)であったが、残存艦艇の多くが未だ維持されていたEフィールドからの突囲撤退を試みた為に、連邦軍の攻撃はその後もしばらく停止されなかった。

[編集] 終戦

0079年12月31日18時00分、ア・バオア・クーでの戦闘が続く中、ジオン公国のダルシア・バハロ首相は、デギン公王から生前に受けていた内密の依頼によってジオン公国を共和制に移行し、サイド6を通じて地球連邦政府へ終戦協定の締結を打診した。一方、地球連邦軍もこの戦いで戦力を全て使い切ってしまい、続いて行う予定であったグラナダやジオン本国への侵攻ができなくなっていた。

その後、月面都市グラナダにて、地球連邦政府とジオン共和国政府との間に終戦協定が締結され、0080年1月1日15時00分をもって停戦が成立したため、一年戦争の一部としてのこの戦いは自動的に終結した。

しかし両軍の一部には、停戦の成立を無視して戦闘を継続する者がいた。

[編集] 小説『機動戦士ガンダム』での経緯

富野喜幸名義で書かれた小説版にも、アニメ版同様にジオン本国最終防衛ラインの要となる軍事拠点として登場するが、その展開はアニメ版と大幅に異なる。

総帥のギレンはサイド3のズム・シティで指揮を執ったため、要塞内での最高指揮官は腹心ランドルフ・ワイゲルマン中将となっており、グラナダから撤退してきたキシリアは次席の指揮官に甘んじていた。

侵攻してきた連邦軍艦隊との激戦の最中、連邦軍もろとも政敵キシリアの抹殺を目論んだギレンの密命が下り、ア・バオア・クーに対しマハルからコロニー・レーザーが発射される。その第2射(小説版では2発まで連射可能という設定)が要塞の中心部を直撃し、レビル将軍の連邦艦隊を壊滅状態に追い込むが、事前に何も知らされていなかったランドルフ中将以下、大多数の友軍がソーラ・レイによる攻撃に巻き込まれて死亡した(キシリアは寸前で辛くも空域を離脱している)。

基幹部に直撃を受けた要塞はこれにより機能不随へ追い込まれ、完全に活動を停止している。

[編集] 一年戦争終結後

一年戦争終結後はジオン共和国によって管理され、再び資源採掘用として運用されていたが、グリプス戦役では核パルスエンジンを設置、ゼダンの門と名を変えている(正確には、グリプスとア・バオア・クー及びその間の空間の総称がゼダンの門である)。また、Zガンダム第27話「シャアの帰還」でその存在を初めて知る事ができた際には、ガディ・キンゼーマウアー・ファラオに「ガゼンの門」と呼ばれている。その際、ティターンズの要衝となるが、エゥーゴと手を組んだハマーン・カーンによって、小惑星アクシズと激突し、崩壊した。

[編集] 関連項目

最終更新 2009年5月21日 (木) 01:29 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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