ア・バオ・ア・クゥー

ア・バオ・ア・クゥーの最新ニュースをまとめて検索!

ア・バオ・ア・クゥーA Bao A Qu)とは、インド・ラジャスターン地方にいると伝えられている幻獣である。

[編集] 出典

アラビアン・ナイト』(『千夜一夜物語』)を最も原典に忠実に英語へ翻訳したとされる編者であるバートン卿が、彼が加えた注の中でア・バオ・ア・クゥーの伝承に触れている。 その件について、ホルヘ・ルイス・ボルヘスは彼が見聞した伝承をまとめた『幻獣辞典』(柳瀬尚紀による邦訳版〈1974年、晶文社〉がある)にて言及している。 しかしそのいずれにおいても、伝承の出典については詳しくは触れられていない。

伝承の舞台となっているのは、柳瀬の訳註によればインドのラジャスターン州ウダイプル郡チトールにある、ジャイナ教の15世紀の建造物「勝利の塔」である。この地は、古代ラジュプート族の要塞の地であった。

一方、説の中の「勝利の塔」というのは中国にある架空の塔である、と言う者もある。 『幻獣辞典』原文では「チトールにある」と記されているのみで、インドであるというのは大抵の文章中に一言も記されていない。

[編集] 伝承

以下は、『幻獣辞典』からうかがわれるア・バオ・ア・クゥーの伝承である。

「勝利の塔」には、屋上のテラスへ通じる螺旋階段がある。
この塔の最下層には、目には見えないが幻獣……即ちア・バオ・ア・クゥーが眠っており、螺旋階段を上り始める者が現れると目を覚ます。人間の影に敏感なア・バオ・ア・クゥーはその人間のかかとを捕らえて、螺旋階段の外側をその者に付き添って登っていく。透明であったその姿は一段上るごとに色と輝きを増していき、最上段まで登ったとき、ア・バオ・ア・クゥーは完全な姿を現す。

しかし「勝利の塔」を登り切った人間は涅槃に達することができると言われており、そうなれば、その者はいかなる影も落とすことはない。つまり、ア・バオ・ア・クゥーはその人間を捉えて最上段へ上ることはできない。

完全な姿になれなかったア・バオ・ア・クゥーは苦痛にさいなまれ、色も輝きも身体も衰えていく。
まして、上っていた人間が踵を返して下り始めれば、ア・バオ・ア・クゥーはたちまち最下層まで転がり落ちて倒れ伏してしまう。

かくしてア・バオ・ア・クゥーは、「勝利の塔」の最下層で訪問者を待ち続けているのである。これまでに、ア・バオ・ア・クゥーが最上段まで上りきったことは一度しかないと言われている。

『幻獣辞典』では、ア・バオ・ア・クゥーの特性として、身体全体でものを見ることができる、触れると桃の皮のような手触りをした皮膚を持つ、と伝えている。

[編集] 関連項目

最終更新 2009年11月11日 (水) 08:55 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【ア・バオ・ア・クゥー】変更履歴

ご利用上の注意