アーバンネットワーク運行管理システム
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アーバンネットワーク運行管理システム(アーバンネットワークうんこうかんりシステム)とは西日本旅客鉄道(JR西日本)がアーバンネットワーク各線に導入している、列車の進路をコンピュータにより自動制御する運行管理機能と旅客に対して運転状況を自動的に案内する機能をもつ列車運行管理システム(PTC)の一種である。通称SUNTRAS(サントラス):Safety Urban Network TRAffic System)。
目次 |
[編集] 概要
このシステムのメリットには、ダイヤ復旧の迅速化などがある。運行状況から信号・ポイント制御などをすべて新大阪総合指令所のコンピューターで一元管理し、モニタで列車の在線位置を表示している。ダイヤ乱れの時などダイヤを変更する際は指令所でダイヤ変更を行い、変更後のダイヤもコンピュータにより管理・予測するようになっている。
阪和線では関西空港線開業を控えて超高密度運行に対応するために従来の列車集中制御装置(CTC)を発展・統合させた「阪和線運行管理システム」を導入した。その後、東海道・山陽本線(JR京都線・JR神戸線)にも阪和線のシステムを改良した「JR京都・神戸線運行管理システム」を導入した。複々線区間を走行する列車種別の違う路線を総合的に管理する点で、阪和線に導入されたシステムよりも高い信頼性が要求された。
阪和線では、当時としては最新鋭のシステムであったSUNTRASは鳴り物入りで導入された。しかしながら導入当初はシステム障害やシステムダウンによりたびたび制御不能に陥り、ポイント切り替えを手動で行なうなどトラブルが頻発した。近年でも2005年10月・2007年7月にシステムの不具合で大規模な障害を引き起こしている。
[編集] 導入路線
- 大阪環状・大和路線運行管理システム
- 大阪環状線:全線
- 関西本線(大和路線):JR難波駅 - 加茂駅間
- 桜島線(JRゆめ咲線):全線
- おおさか東線:放出駅構内を除く全線
- 片町線支線:正覚寺信号場 - 平野駅間
- 平城山駅の放送はシステム対応のものではない。
[編集] 今後の導入予定
2011年春頃の使用開始をめざし、福知山線(JR宝塚線)・JR東西線・片町線(学研都市線)で導入される[2]。
[編集] 主な機能
[編集] 機能の比較
| 機能 | 阪和線 システム |
JR京都・神戸線 システム |
大阪環状・大和路線 システム |
|---|---|---|---|
| 発車標への遅延表示 | ×[3] | ○ | ○ |
| 抑止表示器の設置 | × | × | ○ |
| 遅延・運転休止の放送 | × | ○ | ○ |
[編集] 遅延表示
次の電車が何分遅れで到着するか即座に計算した上で、各駅の旅客案内情報処理装置(PIC)を通じて発車標には遅れ時分が、2時間未満の場合は「遅れ約〇分」「〇 minutes behind」、2時間以上の遅れの場合は「遅れ120分以上」「120 minutes over」と表示される。大幅な遅れが出ている場合はこれに加えて「到着まで約〇分」「〇 min. until arrival」と表示する。この表示の時には、時刻の表示欄が空白となる。また、乗務員区所の運行情報表示装置(TID)にも表示を自動で行う。
[編集] 抑止表示器
異常時などのダイヤ乱れで、列車が駅間で長時間停車することを回避させるために設置されている。通常は無表示(右上に点のみ点灯している)の状態であるが、乗務員への通告には抑止・連絡・解除が表示される。また、時間調整が秒単位で指示される。設置線区は以下の通り。
[編集] 案内放送
基本的に、予告放送・接近放送・到着放送・停車中放送・出発放送・啓発放送を行う。また、到着列車の遅れや運転休止、行先・のりば変更などを駅自動放送で自動的に案内する機能のほか、英語による予告放送・停車中放送も大阪環状線は一部の駅[4]で、その他の線区では一部の主要駅で行っている[5]が、阪和線ではこれらの機能に対応した駅自動放送はない[6]。
なお、これらの放送は、システムを導入している区間の駅にシステムを導入していない線区が乗り入れていても、一部の例外[7]を除き、駅全体でシステム対応の放送が流れる。
[編集] 阪和線システム
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阪和線システムでは、予告放送(和歌山駅のみ)・接近放送・停車中放送(天王寺駅・鳳駅のみ)・発車放送の冒頭にいずれも同じメロディが流れる。大阪支社管内は2000年頃まで、和歌山支社管内は2002年頃まで、2打点チャイムが用いられていた。また入線時にもメロディが流れるが、停車列車と通過列車でメロディが使い分けられている。
接近放送は各駅で行われているが、発車放送は待避列車など長時間停車する列車のみ[8]行われている。また到着放送は天王寺駅のみで行われる。
普通列車の放送は、「普通」「普通列車」「各駅停車」と各駅で言い回しが異なる。ただし現在では「各駅停車」と放送される駅はほとんどない。先着案内は、堺市駅では接近放送時に、天王寺駅と鳳駅(上りのみ)では停車中放送時に行われる。
接近放送では、下りの関空・紀州路快速および紀伊田辺行き最終快速列車の場合は停車駅の案内が省略され、それぞれの乗車位置案内が行われる。一部の駅は「○両で」の部分が無く、「○○行きがまいります(または、はいります)」という放送になる。
アクセントが不自然な放送が多いほか、音声の違う文言をつなぎ合わせている部分もあり、関空快速の単独列車での「関空快速」の部分など、音程が変わる。
特殊なものとして和歌山駅では特急列車の自由席、指定席などの案内が予告放送時に流れる。
[編集] JR京都・神戸線システム
JR京都・神戸線システムでは、予告放送・接近放送の本文に先立ってメロディが流される。ただしJR京都線・琵琶湖線(大阪駅・京都駅を除く)ではメロディの代わりに4打点チャイムを使用している駅が大半を占める。また、接近放送のあとにもメロディまたはチャイムが流されるが、停車列車と通過列車でメロディは分けられていない。なお、次の駅の接近メロディは他駅と異なり、その駅でのみ使用されている。
- 京都駅:西武鉄道西武秩父駅で用いられているものと同じメロディ
- 大阪駅:大阪環状・大和路線システムと同じメロディ
- 島本駅:小林亜星作曲の「人間みな兄弟〜夜がくる」のアレンジ曲
- さくら夙川駅:コブクロの楽曲『桜』のアレンジ曲
- 須磨海浜公園駅:「かもめの水兵さん」のアレンジ曲
導入当初、「黄色い線までお下がりください」の後に「電車が(列車が)まいります(通過します)。ご注意ください」という放送であったが、2006年12月20日ごろより「○番のりばに(○番のりばを)電車が(列車が)まいります(通過します)。ご注意ください」というものに変更されている。なお、行先駅名と「ゆき」という言葉との間は放送の音声が途切れる。
次の停車駅が終点の特急列車でも自由席、指定席などの案内放送があり「お待たせいたしました」という放送も流れる。駅到着後に回送列車になる列車でも、「乗り降り の際 足元にご注意下さい」という放送が流れる。また、一部の駅では先着案内[9]が行われる。
特急・急行・回送列車の場合は、電車列車であっても例外なく「電車」を「列車」と置き換えて案内される[10]。ただし、新快速・快速の通過の場合は、発車標では「列車」、自動放送は「電車」となる。またドア付近に段差がある場合は予告放送の後にその旨が、乗車券のほかに特急券などが必要な列車の場合も駅によって放送される。
なお以下の駅では、ほかの駅とは異なった案内放送を行う。
- 京都駅:駅名連呼に続いて、乗り換え路線(「関空特急はるか」へ乗り換え可能な場合は、その旨の案内を含む)の案内を行っている。システム導入前の自動放送で乗り換え案内が入っていたため、それを引き継がせたものといえる。なお、この駅では優等列車や新快速・快速系統列車の停車駅案内は省略される(発車標にも表示されない)
- 吹田駅:最寄施設への出口案内の放送を行っている。吹田駅中央改札口は南側にしか出口がなく、吹田社会保険事務所・吹田市民病院など北側にある施設へは遠回りとなるため、北側にも出口のある東改札口(吹田北口)から出場するよう案内している。
[編集] 大阪環状・大和路線システム
基本的にJR京都・神戸線システムと同じ放送を行っているが、停車列車のメロディと通過列車のメロディは使い分けられている。ただし、おおさか東線では入線時はメロディの代わりに4打点チャイムが繰り返し鳴動する。また、接近放送時の「電車(列車)がまいります(通過します)。ご注意下さい。」と、回送列車の場合は「回送電車がまいります。ご注意下さい。」および、終着駅での「当駅止まりの電車がまいります。ご注意下さい。」は2回繰り返す。
発車放送は、「○番のりばから、普通 ○○行が発車します。ドアが閉まります。ご注意下さい。」と「ドアが閉まります。ドアが閉まります。ご注意下さい。」に使い分けられており、大阪環状線とおおさか東線では全駅が後者となっている。おおさか東線は、開業当初は発車時の放送もJR京都・神戸線システムと同じく、前者の放送となっていた。ただし、発車放送はシステムにより自動的に放送されているものの、大阪環状線の各駅ではこれまで通り車掌扱いによる押しボタンを押下することにより行われている。
なお以下の駅では、ほかの駅とは異なった案内放送を行う。
- 王寺駅:各のりばでの到着放送に続いて、乗り換え路線ののりば案内を行っている。システム導入前の自動放送で乗り換え案内が入っていたため、それを引き継がせたものといえる。なお、1番のりばでは予告放送に続いて和歌山線ののりば案内も行われる。
[編集] 歴史
- 1993年7月1日:阪和線天王寺駅 - 和歌山駅間に「阪和線運行管理システム」を導入
- 2002年7月29日:草津駅 - 西明石駅間に「JR京都・神戸線運行管理システム」を導入。導入前の同年7月1日より試験的に放送が旅客案内情報処理装置(PIC)対応のものに変更された。
- 2006年10月1日、「JR京都・神戸線運行管理システム」を北陸本線・東海道本線(琵琶湖線)近江塩津駅 - 草津駅間、山陽本線(一部、JR神戸線)西明石駅 - 上郡駅間、赤穂線相生駅 - 西浜駅[1]間に拡大。
- 2007年3月18日:米原駅 - 相生駅間および長浜駅・上郡駅・播州赤穂駅にて放送更新。
- 2008年3月15日:おおさか東線の部分開業にあわせて「大阪環状・大和路線運行管理システム」を先行導入[11]。
- 2009年10月4日:「大阪環状・大和路線運行管理システム」本格運用開始。これに先立ち、同年9月1日より大阪環状線・大和路線・JRゆめ咲線にて順次放送がPIC対応のものに変更された。
[編集] 脚注
- ^ い ろ JR西日本2006年9月定例社長会見(InternetArchive)によれば米原駅 - 近江塩津駅間の延伸は2006年10月1日、赤穂線は相生駅 - 備前福河駅間の導入であるが、「データで見るJR西日本」では、相生駅 - 西浜信号場間となっている。
- ^ JR西日本2008年11月定例社長会見
- ^ 2009年に六十谷駅に設置された発車標には、列車遅延時に遅れ時分が行先欄に表示されることがあるが、阪和線内では発車標の表示形式の個体差が駅ごとに大きく、運行管理システムによるものなのかは不明である。
- ^ 導入当初は新今宮駅以外の全駅で行われていたが、9月中旬からは鶴橋駅など一部の駅では省略されている。
- ^ 英語放送については特急列車等のみに限定している駅もある。
- ^ 代わりに、阪和線の主要駅では、停車駅・先着列車・回送列車などに関する情報が、発車標に英語で表示される。
- ^ 加古川駅の加古川線のりばおよび京橋駅の学研都市線・JR東西線のりば、鳳駅の羽衣線のりばの放送はシステム対応のものではない。また兵庫駅の和田岬線のりばには自動案内放送はなく、発車ベルが鳴動するのみ。なお、大阪駅・天王寺駅は線区ごとに異なるシステムの放送が採用されている。
- ^ 鳳駅では5番のりばを除くすべての列車で使用されている。
- ^ この場合、当該駅に止まらない列車に乗り換えた場合が先着となるケースでは緩急接続駅ではなく先着列車が停車する直近の駅で乗り換えるようにアナウンスが入る。
- ^ その逆パターンとして、姫路駅の姫新線ホームでは、気動車による普通列車ですら「列車」ではなく「電車」と案内される。
- ^ 大阪環状・大和路線運行管理システムの使用開始について - JR西日本プレスリリース
[編集] 関連項目
- 運転指令所
- 列車運行管理システム(PTC)
- 東京圏輸送管理システム(ATOS) - JR東日本の列車運行管理システム
- 新幹線運行管理システム(COMTRAC) - 東海道・山陽新幹線の列車運行管理システム
- 名古屋圏運行管理システム(NOA) - JR東海の名古屋地区在来線の列車運行管理システム
最終更新 2009年11月19日 (木) 11:43 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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