イブン=ハルドゥーン

イブン=ハルドゥーンの最新ニュースをまとめて検索!

チュニスのイブン・ハルドゥーン像

イブン=ハルドゥーンابن خلدون, Ibn Khaldun 1332年5月27日 - 1406年3月19日)は中世イスラーム世界を代表的する歴史家思想家政治家。イスラーム世界最大の学者とも呼ばれる[1]

目次

[編集] 生涯

セビリャからチュニスに亡命した名門ハルドゥーン家の出身。青年時代に哲学者アービリー(al-Abili)に師事する。ペストの流行を生き延びたのち、『宗教学概論要説』を執筆。やがてチュニスのハフス朝を振り出しに、マリーン朝ナスル朝ベジャーヤのハフス朝地方政権といった、地中海世界のイスラム政権の宮廷を渡り歩いた。

最初のハフス朝では秘書官に任ぜられるもその地位に満足せず、マリーン朝においては陰謀に加担したとして投獄される。三度目の仕官先であるナスル朝ではムハンマド5世の寵臣として立身し、カスティリャ王国への使節に任ぜられるなど重用されるが、それが高じて宰相のイブン=アルハティーブとの間に亀裂を生じ、退去を余儀なくされる。

四度目の仕官先である地方都市政権のベジャーヤでは旧知のハフス朝の王子の知遇を得、執権として重きをなすが、相次ぐ戦乱の中でペジャーヤ政権は壊滅し、戦死したスルタンに代わって敵のザイヤーン朝の軍勢に街を明け渡す。このようにイブン=ハルドゥーンの政治家人生は流転の連続であり、それが後に学者としての彼の思想体系に大きな影響を及ぼしたとされる。

ペジャーヤを去った後は政治の表舞台から身を引き、学究の道に邁進する。現アルジェリアのイブン・サラーマ城にて西アジアイスラム史の体系化を試み[2]歴史書『イバルの書』(Kitab al-'ibar)[3]を著して、学界において確固たる地位を築く。カイロに移住して活発な講演活動を展開し、マムルーク朝のスルタン・バルクークの信任を得て、多くの学院の教授職を歴任し、マーリク派の大法官に任ぜられた。

この後クーデターに関与したとされて政治的には失脚するが、学者としての名声は衰えることがなかった。ティムールシリア遠征によるダマスクス包囲に巻き込まれるが、その名声を聞きつけたティムールによって陣中に招かれ、大いに弁舌を振るって周囲を圧倒した。

再びエジプトに帰還した後には何度か大法官を務め、六度目の就任の直後に病を得て歿した。

[編集] 思想

この節は執筆の途中です この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています

王朝を招く主因として、アサビーヤ論を展開した。アサビーヤ論については、著書『歴史序説』に詳しい。

[編集] 評価

アーノルド・J・トインビーは、イブン・ハルドゥーンをトゥキディデスマキャベリと並べ、アラブの天才としている[4]。G・サートンは、彼が中世最大の歴史家であり、マキャベリ、ヴィーココントクールノーらの先駆だとした[5]

[編集] 主な著書

  • Kitab al-'ibar『イバルの書』
  • Al-Taʕrīf bi Ibn-Khaldūn wa Riħlatuhu Gharbān wa Sharqān 『自伝 西また東』
日本語訳書

[編集] 脚注

  1. ^ 私市編『アルジェリアを知るための62章』明石書店 2009、 p.72
  2. ^ 私市編『アルジェリアを知るための62章』明石書店 2009、 p.72
  3. ^ 後に冒頭の序論と第1部である「歴史序説」が独立した書物として広く読まれた
  4. ^ アーノルド・J・トインビー 『歴史の研究』6巻 154頁
  5. ^ G・サートン 『古代中世科学文化史』5巻 395頁
  • 私市正年編 『アルジェリアを知るための62章』 明石書店 2009年4月

[編集] 文献

  • 森本公誠 『イブン=ハルドゥーン 人類の知的遺産22』 講談社1980年
  • 『イブン・ハルドゥーンの「歴史序説」.上下巻』 田村実造等訳
アジア経済研究所「アジア経済調査研究双書:第107-08集」、1964-65年
  • 山田晶監訳  『シャトレ哲学史2-中世の哲学』より
A.-A.マレク著 柏木英彦訳、「イブン・ハルドゥーン」、白水社、1976年、新装版1998年
  • オルテガ 『現代文明の砂漠にて』 (西澤龍生訳、新泉社)にも論考が有る。

[編集] 外部リンク

ウィキクォート
ウィキクォートイブン・ハルドゥーンに関する引用句集があります。
ウィキソース
ウィキソースイブン・ハルドゥーンのアラビア語原文があります。

[編集] 英語


pnt:Ιμπν Χαλντούν

最終更新 2009年11月28日 (土) 22:17 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【イブン=ハルドゥーン】変更履歴

ご利用上の注意