インターレース
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インターレース(interlace)とは画像伝送においてデータ量(動画の場合は伝送レートまたは帯域幅)を増やさずに描画回数を増やすテクニックである。飛び越しと訳すことがある。
画像を上(あるいは下など特定の方向)から順に送るプログレッシブ(progressive)またはノンインターレース(noninterlace)と対になる言葉で、画像全体の中から飛び飛びの領域を先に送る。
目次 |
[編集] 用語
テレビの走査線のインターレースやGIF画像のように、1方向に飛び飛びの領域を伝送する方式を1次元インターレースという。それに対し、上下・左右の2方向に飛び飛びの領域を伝送する方式を2次元インターレースという。1次元インターレースを飛び越し走査ということがある。
2回の伝送で1枚の絵が完成する方式を2:1インターレースという。同様に、4:1インターレース等と呼ぶ。この語法だと、プログレッシブは形式的に1:1インターレースということができる。
[編集] 動画のインターレース
[編集] 方式
よく知られたものはテレビ・ビデオ信号に使われているもので、奇数番目の走査線を先に送り残りの偶数番目の走査線をその後に送る。これにより、フィールド周波数を倍にすることができる。たとえばNTSCでは30Hzが60Hzに、PALでは25Hzが50Hzになる。以後はNTSCの数値を基準に述べる。
なおテレビ用語として全走査線で描かれた画像をフレームと呼び、一部の走査線だけで描かれた画像はフィールドと呼ぶ。そのため60Hzはフィールド周波数となり、30Hzはフレーム周波数となる。
インターレースによりフィールド周波数は増えるがフレーム周波数は変わらない。帯域幅はフレーム周波数で決まるので、インターレースは帯域幅を保ったまま描画周波数を上げることができる。
現在のテレビ放送は全て1次元2:1インターレースかさもなくばプログレッシブだが、特別なシステムで2次元4:1インターレースなどが使われることもある。
[編集] 表記法
フィールド周波数60Hzのインターレース映像を、「60i」と書く。一方、フレーム周波数30Hzのプログレッシブ映像は「30p」と書く。ただしこれらとは別に、有効走査線480本(全走査線は525本)のインターレース/プログレッシブ映像をそれぞれ「480i」「480p」と書く。走査線数と周波数を共に書いて「480/60i」「480/30p」または「480i60」「480p30」などと表すこともある。
| 方式 | フィールド 周波数(Hz) |
フレーム 周波数(Hz) |
水平走査 周波数(kHz) |
帯域幅 (相対値) |
|---|---|---|---|---|
| 480/60i | 60 | 30 | 15.75 | 1 |
| 240/60p | 60 | 60 | 15.75 | 1 |
| 480/30p | 30 | 30 | 15.75 | 1 |
| 480/60p | 60 | 60 | 31.5 | 2 |
[編集] 特徴
動きのない動画ではインターレースした2枚のフィールドは時間がずれているが変化はないので、2枚のフィールドをあわせればプログレッシブでの1枚のフレームと同じ映像が得られる。しかし実際の画面では光る走査線が1/60秒ごとに交代しているため、ちらつきが強く見える。視覚上はフィールドの空き走査線には前のフィールドの残像が残っているためちらつきはいくぶん緩和されるが、30Hzのフレーム周波数は残像でちらつきをなくすには十分ではない。
一方、動きの激しい動画では1秒に60枚のフィールドが描かれるため同じ帯域幅のプログレッシブ(30p)より動きが滑らかになる。しかし細かく見ればあるフィールドが描かれているときに残っている残像は1/60秒前のフィールドであり、そのぶん移動している。これにより解像度は悪化する。極端なケースとしてシーンが切り替わったときには直前のフィールドは無関係な画像であり、瞬間的に垂直解像度が半分になる。ただし人間の視覚は動くものの細部を捕らえられないので、数値ほどには解像度の低下は感じられない。
[編集] プログレッシブへの変換
高級なシステムでは、インターレース映像に対しプログレッシブ化がなされる。これは空いている走査線を残像に頼らず同時に表示する技術でこれにより、映像は倍の帯域の60Hzのプログレッシブ動画(60p)に変換される。これは画質向上というよりは、ちらつき防止の目的が大きい。
ただし空き走査線の情報は欠損しているので、上下および過去の走査線の内容から計算することになる。基本的には動き検出により動きのない箇所は前のフィールドの走査線をそのまま使い、動きのある箇所は上下の走査線から補間する。
プログレッシブ化に似た処理に、デインターレースがある。プログレッシブ化と同様に空き走査線を計算するが、これを2フィールドに1回行う。これにより、パソコンでの動画再生に適した30Hzのプログレッシブ動画(30p)に変換される。
もともとプログレッシブで製作されたCG映像や映画やアニメがソースの放送では単純に前のフィールドを利用することで、ソースに近い動画が得られる。ただし映画などでソースが24フレームのときは2フィールドに1回と3フィールドに1回を交互におこなうことで3:2ドロップダウンを復元し、24Hzのプログレッシブ動画(24p)にする必要がある。
[編集] 静止画のインターレース
静止画ではインターレースにより、データの一部を受信した時点で一応の描画ができる。最初の描画は解像度が粗いものだが、画像のおおざっぱな全体像を知るには十分である。未伝送の部分は伝送済みの部分のデータを繰り返して描画するため、モザイク状になる(高性能な補間をして滑らかにぼやけた画像にすることも技術的には可能である)。
テレビと異なり2次元インターレースをすることも多く、比率もさまざまである。なおインターレース自体はデータ量を変えないが画像圧縮と組み合わした場合、圧縮率が悪くなるためデータ量が増加する。
テレビのフィールドに当たるものは画像ではパスという。パスのデータ量は等分ではなく最初のパスは少なく、徐々に多くしていくことが多い。これにより最初のパスを早く表示しつつ、描画負荷やサイズの増加を抑えることができる。
[編集] インターレースGIF
インターレースGIFは、1次元8:1インターレースで始まる。ただし、1/8の画像を8枚送るのではなく1/8+1/8+1/4+1/2の4パスに分けて送る。
最初の8×8ピクセルのパスは
1 1 1 1 1 1 1 1 4 4 4 4 4 4 4 4 3 3 3 3 3 3 3 3 4 4 4 4 4 4 4 4 2 2 2 2 2 2 2 2 4 4 4 4 4 4 4 4 3 3 3 3 3 3 3 3 4 4 4 4 4 4 4 4
で、あとはこの繰り返しである。
[編集] インターレースPNG
インターレースPNGは2次元64:1(縦横各8:1)インターレースで始まり、1/64+1/64+1/32+1/16+1/8+1/4+1/2の7パスに分ける。
最初の8×8ピクセルのパスは
1 6 4 6 2 6 4 6 7 7 7 7 7 7 7 7 5 6 5 6 5 6 5 6 7 7 7 7 7 7 7 7 3 6 4 6 3 6 4 6 7 7 7 7 7 7 7 7 5 6 5 6 5 6 5 6 7 7 7 7 7 7 7 7
で、あとはこの繰り返しである。この方式をAmada7アルゴリズムという。インターレースGIFの1次元インターレースに比べパスが縦横均等に分散しているので、同じ伝送量でより高精細度の描画が可能である。
[編集] プログレッシブJPEG(参考)
JPEGにはプログレッシブJPEGというモードがあり、2次元インターレースのように画像がまず低解像度で表示され徐々に精細になる。しかしこれはインターレースではなくJPEGが周波数領域変換であるDCTを使っていることを利用して、低域から順に伝送するモードである。
なおプログレッシブJPEGのプログレッシブ(前進的)はインターレースに対するプログレッシブ表示の意味ではなく、解像度が徐々によくなるという意味である。インターレースPNGもプログレッシブPNGと呼ぶことがあるが、「インターレースでないPNG」と紛らわしいので注意が必要である。
[編集] 関連項目
最終更新 2009年11月24日 (火) 12:43 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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