インホイールモーター

インホイールモーターの最新ニュースをまとめて検索!

インホイールモーター(In-wheel motor、Wheel motor、Hub motor)とは、電気自動車などで駆動力を産み出す電気モータータイヤホイールの中のハブ内にあるモーターのことである。

電動モーターの出力軸をホイールに直結する形式ばかりでなく、慶應義塾大学のKAZのように遊星歯車によって減速しているものもある。

必ずしもホイールの内部に電動モーター部分が入っていなくとも、ハブと一体化して同軸で繋がっていればインホイールモーターと呼ばれるものがある。

目次

[編集] 概要

タイヤホイールの中にモータを組み込む技術である。したがって、エンジン、ミッションなど、駆動部品一切が不要になる。将来、電力回生ブレーキが完成すれば、油圧によるブレーキシステムも不要になることが予想される[要出典]

インホイールモーターは電気自動車や燃料電池車、ハイブリッド車などの電気駆動の自動車で駆動ロス低減と制御性、省スペース性を高めるために採用される。
従来のエンジン自動車や電気自動車ではエンジンルームに大型の原動機を設置し、トランスミッション、プロペラシャフト、トランスファ、デファレンシャルギア、ドライブシャフト等を通して各車輪に駆動力を分配している。これらの伝達機械は大きな機械損失を生むため、エネルギー効率を高める上で課題となっていた。エンジンでは原理的にトランスミッションを排除するわけにはいかず、直接駆動は不可能であった。低速から高速まで大きなトルクを発揮できる電気モータによりはじめて実現できるようになった技術である。インホイールモーターは必要な出力を備えたモータを直接車輪内側にマウントすることで前述の伝達装置を排除するものである。

各車輪に組み込まれたモータからホイールへ直結しているもの(モータ回転数と車輪の回転数が等しいという意味)と、減速機を介しているものの2種類が存在する。前者は特に「ダイレクトドライブ」と呼ばれる。それは最も伝達効率が良いが、モータが大きなトルクを備えていないと加速力が低下するため、後者のように減速機を組み込むものもある。

ホイールとモータが完全に一体化したものと、モータとホイールは分割しており、ハブボルトで結合するものが存在する。

モータの種類により、コイルとマグネットの位置関係が異なる。同期機などの場合で、コイルが内側にあり固定子として機能し、マグネットが外側にあり回転子となる場合は「アウターロータ」タイプ、逆にコイルが外側にあり、マグネットが内側にあるものを「インナーロータ」タイプと区別することがある。

ホイール内に位置するモータにインバータから電気配線をするだけでよく、車輪部分以外には駆動系の部品(エンジンなど)がいらなくなるため、エンジンルームに相当する居住空間以外のデッドスペースを減らせる上、衝突時のクラッシャブルゾーンを確保する上でも有効となる。プロペラシャフトや車軸がいらなくなることによるスペース効率の向上や、車輪位置の自由度向上も大きな特徴である。

次世代自動車のコンポーネント技術であり、各自動車メーカーが昔から研究しているが、実績はまだ少なく、欠点を克服し市販車で技術の採用が進むのはこれからである。



従ってインホイール駆動の電気自動車は、現在の自動車とは異なる生産・下請け体制で作られる。
また駆動するタイヤへの電力供給の配線だけは必要であるが、旧来の自動車とはまったく違う構造にも設計できる。
アクティブ・サスペンションでタイヤと車体の振動を切り離し地面効果などで無振動走行する。など、)

  •   外部リンクで、駆動力と方向制御を一体化した、インホイールモーターの概念の説明をしています。

[編集] 長所・短所

[編集] 長所

駆動力がホイールへほとんど直接伝達されるために、従来型のギヤや駆動軸などによるエネルギー損失がなく、それらが省かれることで重量、容積、費用、故障、保守などの点で有利となる。 モーターが車輪と直結して個別に制御できるようになることにより、ソフトウェア設計だけで電気的にデファレンシャルギアの制御を行えたり、駆動力配分を自在に変更できるため、現在普及が進む姿勢制御装置やトラクションコントロールのさらなる発展版として期待される。(内燃機関自動車でも個別に駆動力を配分する方式はあるが、駆動ロスやレスポンスの問題などを抱える。) 現在の内燃機関自動車ではエンジンの動力をドライブシャフトを介して動力を車輪に伝えているため、ステアリングの切れ角に限界がある(40°程度)。しかし、インホイールモーターを採用した場合、操舵機構を工夫すれば、直進状態から横に90°までステアリングを切ることも可能になる。それにより、いわゆる「蟹走り」や「最小回転半径なしのUターン」が可能になる。[1] 電気駆動車のモーター配置としてはもっとも合理的であると考えられるが、下記の短所を考慮すると手放しで採用できるものにはなっていない。

[編集] 短所

インホイールモーターには、以下の点で問題があるという意見もある。 一つは、車輪のばね下の重量と回転モーメントが増える事は乗り心地と操縦性が悪化して論外であるとするものである。これに対しては、モーターの小型・軽量化やサスペンション設計によりある程度改善することは可能であるとする意見もあるが、路面の凹凸がもたらす衝撃をタイヤだけで吸収せねばならないインホイールモーター方式は、ばね上に設置する方式に比べてモーターに耐衝撃強度が要求される為、小型・軽量化にはおのずと限界がある。低回転域のトルクを補償するためにモーターと同軸に減速ギア機構も設置する方式では、条件は更に不利になる。また、ばね下重量の増加は通常の使用ならば決定的な欠点とならないという意見がある[要出典]が、一般公道での実用に供する際に「通常でない」使用状況というのは例えば事故直前の危機的事態として十分にあり得るケースである。最も信頼性が要求される時、とっさの判断・応答の遅れが生死を分けかねない時に、車体が運転者の期待に反した挙動を起こしたり運転者の操作に対する車体の応答が大幅に遅れたりしないよう、少なくともモーター車上設置車や内燃機関車と遜色ない応答性を持たせる設計が、それが可能であるかどうかを含めて綿密な検討が必要である。

また別に、例えば4輪駆動の時に1つでも故障すればまともに走れなくなるので、エンジンが1つの従来車よりも故障に対して脆弱であるという声もあるが、全く反対に従来型の自動車と違って1つが壊れても3つあればとりあえず走行できるので、修理出来る所まで自走すれば済む、という意見もある。例えばインホイールモーターで高速走行中に片輪の駆動が途絶えた場合、失効したモーターの側へハンドルを取られる。当然、その対策はあり、瞬時にもう片方のモーターの駆動も停止して惰性走行に移るような制御が考えられる。また、モーターのローターや減速ギアのベアリングが多数必要になり、その負荷も高いため、ベアリングの耐久性も必要である。まだ量産車で採用された実績が無いため、信頼性の検証はこれからである。[2]

モータ個数が極端に増えた場合、モータのみならず個別にインバータも必要となるため(たとえば四輪駆動であれば4組)、その場合は重量とコストが嵩む。

[編集] 採用車の例

以下の電気自動車にインホイールモーターが使われた。いずれも1台-数台程度しか作られていないコンセプトカーや開発実証車であり、量産車での採用例は電気スクーターを除き2008年夏の段階では存在しない。

[編集] 出典

  1. ^ http://www.ssken.co.jp/tokkyo/vol12_hukaheijyun.htm YONDEN電気自動車(愛称:PIVOT)
  2. ^ 掘洋一、寺谷達也、正木良三著 『自動車用モーター技術』 日刊工業新聞社 2003年6月30日初版1刷発行 ISBN 4-526-05144-6
  3. ^ GP企画センター編 『最新エンジン・ハイブリッド・燃料電池の動向』 グランプリ出版 2003年12月16日初版発行 ISBN 4-87687-253-8

[編集] 文献

[編集] 外部リンク

[編集] 関連項目

最終更新 2009年11月19日 (木) 17:35 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【インホイールモーター】変更履歴

ご利用上の注意