ウィンドサーフィン
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ウィンドサーフィンは、大型のサーフボードにヨットの様な帆をつけて乗るウォータースポーツ。
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[編集] 定義
ウィンドサーフィンは1967年にアメリカ カリフォルニアでジム・ドレイクとホイル・シュワイツァーにより発明されたウォータースポーツの一つである。
当初から2005年のPWA(Professional Windsurfers Association)が発足するまではボードセイリングというのがスポーツの正式名称であったが、以降はウインドサーフィンが正式名称となっている。
1枚のセイルに風を受け、幅50~100cm、長さ220~390cmのボードで水面を走行する。セイルは風速により子供用の1.0m²から12m²のものがある。ヨットとサーフィンが融合したものと見ることができる。帆船の分類では滑走艇(反対語;排水艇)であり、一定スピード(25Km/h程度)以上では水面上に浮き上がって(底面と水面の間に空気が入り込む=プレーニング)走行する。 風に対して走ることが可能な角度は、ヨットと同じく風上40度(クローズホールド)~風下180度(ランニング)で、この範囲を中級者でも簡単に30~60km/hくらいで走ることが出来る(プレーニング)のが、このスポーツの最大の魅力である。 トッププロのスピードトライアルでは80km/hを越す速さが記録されている。
[編集] 競技種目
ウインドサーフィンは、その楽しむコンディションと使用する道具によって、5種類に大別される。
平水面で設置されたマークを競技者が同じ道具を使用してタクティクスを競うフォーミュラ・クラスとオリンピック・クラス、平水面で設置されたマークのカービング回航を繰り返しスピードを競うスラローム、平水面でのジャンプパフォーマンス等を競うフリースタイル、波のある中でライディングやジャンプパフォーマンス等を競うウェイブである。
またそれを補うものとして初級者向けのスクール、中級者向けのフリーライドというものがある。 また、近年では競技開催はされていないがGPSを装着してスピードを計測するスピードセイリング(スピードトライアル)という分野も確立されつつある。
- スクール(初心者用)
- おおよそ1~5m/sの風速、平水面で誰でも乗れるようにデザインされたボード(幅が約1m浮力が約200lでデッキはソフトパットで覆われている)と軽くて小さいセイルを組み合わせ、誰でも1時間程度でセーリング出来るようになっている。セイルを替えれば上級者も遊ぶことが可能で、二人乗りも出来る道具がある。
- フォーミュラ(Formula)、オリンピック・クラス(Olympic Class)
- おおよそ5~12m/sの風速、平水面~チョッピーな水面を好適とし、幅100cm程度の大型ボードに10~12m²の大型セイルを使い、ヨットレースに準じたコースで順位を競う。国体やオリンピックのヨット競技の種目に採用されている。2008年夏季オリンピックでは、セーリング競技の細目とされている。オリンピック競技としてのウインドサーフィンでは、One Designと呼ばれる共通のボード、ダガーボード、フィン、セイルを用いることとなっている。2008年大会では、Neil Pryde RS:Xというデザインの採用が決定されている。ドーハ2006アジア競技大会では、セーリング競技ミストラル級に大西富士子選手(桜美林大学)が出場。
- スラローム(Slalom)
- おおよそ8~15m/sの風速、平水面~ラフな水面を好適とし、8の字等にマーキングされたフローティング・マークを回航し、スタートからゴールまでの先着を競う競技である。使用する道具はスラロームボードとよばれる直進性安定性の高いスピード重視の軽量化が図られたボードに、4.5~12m²のレースセイルとよばれる風力の推進効率が最も優れたセイルを使い、風下方向はダウンスラローム、風上方向はアップウインドでのフルスピードから回航(特に風下方向=ジャイブ)で順位を競う。競技人口が最も多く、道具の進化が最も激しい分野である。
- フリースタイル(Freestyle)
- おおよそ5~12m/sの風速、平水面~チョッピーの水面を好適とし、ジャンプ、ループなどの技を繰り出し、ジャッジによる順位を競う競技である。平水面のウェイブともいわれる。使用する道具はスラロームとウエイブの中間的な要素をもったフリースタイルボードとフリースタイルセイルであるが、スピードが得やすい初速のトルクを重視したものとなっている。そのため安定感があり扱いやすい物が多い。2000年位からブームになっているカテゴリであるが、競技選手によりさまざまな技が繰り出され、この競技から新しい回転系の技が次々と生み出され進歩も激しい。
- ウエイブ(Wave)
- おおよそ10~17m/sの風速でラフ~セット波の水面を好適とし、波(Wave)によりジャンプ、ループ、ウェイブライディングなどの技を繰り出しジャッジによる順位を競う競技である。使用する道具はアクティブな競技の使用に耐えうるものとなる。ウェイブボードとよばれる波に乗るためのロッカーが付いた回転性の優れたボードと3~7m²のウェイブセイルとよばれる風を溜めない構造で取り回し易く軽量化が図られ、最も耐久性の強い素材が使われたものを使用する。この競技は、サーフィンの波乗りとウインドサーフィンならではのジャンプ系の技が混合する競技であるため「ウインドサーフィン」の語彙がぴったりあてはまる競技でもある。
[編集] ウインドサーフィンの道具
ウインドサーフィンに使用する道具は大きくリグ部とボード部の2つの部分に分けらる。それらが可動式のユニバーサルジョイントで接合される。このユニバーサルジョイントがヨットよりウインドサーフィンを特徴付けるものである。
[編集] リグ部
リグ部はセイル、ブーム、マスト、マストエクステンションで構成されている。
- セイル
- 風を受け動力を生み出す部位
- ブーム
- リグを操作するための取っ手
- マスト
- リグを構成する中心となる軸棒
- マストエクステンション
- マストの長さを調節し、ユニバーサルジョイントと接合させるもの
セイルはフィルム、ブームはアルミニウムまたはカーボン、マストはカーボンが一般に使用されている。近年のセイルは微風時では風を前面で受け止めることで強い推進力を生み出し、強風下ではセイルのねじれにより余分な風を逃がすことで、風量を調節する性能が付加された機能向上が図られている。
[編集] ボード部
ボード部はボードとフィンによって構成される。
- ボード
- 人が乗るところでありサーフボードに似た形状をしている。高速滑走(プレーニング)時に使用するフットストラップが付帯している。ロングボードとショートボードの2種類のカテゴリにわかれるが、ロングボードとよばれるものにはセンターボード(ダガーボード)がある。センターボードは風上へのアップウィンド性能が向上するが、水面抵抗が大きくなるため旋回性能と直進スピードは低下する。一般的にセンターボード付きの道具は初心者向きである。近年は初心者向けの浮力は大きいがセンターボードが無いボードが発明されており、初心者でも最初からセンターボードが無いタイプを購入する人も多い。
- フィン
- 水面との抵抗により直進性を保持し、揚力を発生させボードに推進力を促すためにある。船のように可動式ではなく舵を取る機能はない。フォーミュラ、スラロームのようにボードの直進安定性を求める競技では真っ直ぐで長く、フリースタイル、ウェイブのようにボードの回転コントロール性を求める競技では湾曲した短いものとなっている。
[編集] その他
この他、防寒対策用にウェットスーツ、ドライスーツ、安全対策用にライフジャケットなどもある。
また、ボード類の運搬手段として車は所持した方が望ましい。熟練のウインドサーファーは大型車に2セットから3セット程度のボードを積んでいる人が多い。しかし、ゲレンデ近くにあるショップには「艇庫」と呼ばれるものも整備されているので、そこに道具を預けておくことが出来る。
[編集] 費用
初心者は一式を揃えるのに新品購入価格約15~20万円くらい。中・上級者用はボードが約20~30万円、その他小物類を含めて一式の新品購入価格が約40~50万円。通年でウインドサーフィンをする場合は、風の強弱に合わせるためセイル3~5枚とボード・マスト・ブーム・フィンを2~3本を揃える必要がある。道具は消耗品であるので破損等により買い替えは必要となるが、程度の良い中古品も多く出回っているので、経済的に負担かけずに道具をそろえることも出来る。
[編集] ウィンドサーフィンの習得過程
[編集] 入門段階
ウインドサーフィンは他のスポーツと比較して一般に難易度が高いといわれる。 これは水面に浮かんだ板状の浮力物に直立するという不安定な状態の上、常に強弱があり一定しない風を使い進まなければならないためである。 さらに波がある場合は不安定さが増すため、難度がさらに増す。 入門段階ではプロやウインドサーフィンの専門店などが主催するスクールに入り、初心者用のボードおよびセイルを使いはじめるべきである。 中上級者の使う道具と、初心者の使える道具はかなりの開きがあり、上手い知人に道具を借りて習うというのが(往々にして上級者の道具を使うことになるため)最も上達が遅くなるやり方である。 また女性には「ボーイフレンドに教えさせるな」という鉄則もある。 このレベルで覚えるべき項目は以下のものがある。
- セイルアップ
- マストとブームの接合部に結合された紐(アップホールライン)を使い、海面上に落ちたセイルを引き上げ走行可能状態に戻すこと。
- タック
- 風上方向まわりの方向転換。
- テイルジャイブ
- 微・中風時における風下方向まわりの方向転換。艇尾(テイル)を沈めることで旋回するためこの名がついている。
- 水上での優先順位
- 無動力艇の優先 スタボー(スターボード)優先 風下優先 先行艇優先の順である。実際にはこれに漁船に対するローカルルールや波乗りのルールが加わる。
[編集] 初級段階
- ビーチスタート
- セイルに入れた風の力を使いボードの上部に乗りあがる技術。強風になると水面が荒れるためセイルアップの難度が高くなるため必要となる。
- ハーネスワーク
- ブームに取り付けた半円上の紐に、腰または尻の周りに付けたハーネスと呼ばれるもののフックを掛け体重をかけ走行する。
- ストラップワーク
- ボードの後方についたストラップに足を入れ、高速走行(プレーニング)時にボードを安定させるために必要となる。
- プレーニング
- 一定の風(5-7m/s)以上になれば、ボードと海面の接水面が小さくなり、一定のスピードでの滑走状態が可能になる。
プレーニングはウインドサーフィンの最初の目標であり、週末にウインドサーファーが海に向かう理由の一つでもある。海面上で高速で滑走する爽快感なくしてウインドサーフィンというスポーツは語れないほどである。 しかしながらボード上での人間とセイルの主従関係が逆転するかのような状況が起こるため、プレーニングの実現を難しくしている。 入門段階ではボード上に人間が立ち、セイルを引き上げ支えるのに対し、プレーニング時にはセイルがボードの中心にあり人間はセイルの揚力や推進力を支えるための錘(おもり)となる。 初心者は強風下でもボード上に立ったままセイルを支え続けようとするため海に放り投げられてしまう。
[編集] 中級段階
- ウォータースタート
- ビーチスタートの発展的テクニックである。ビーチスタートが浜で足が着く状態でボードに乗りあがるのに対し、ウォータースタートは人間は水中にいながらセイルが上方への引き上がる力を利用してボード上に乗りあがる。強風下でのセイルアップは困難を極めるため長時間セーリングには必須である。
- レイルジャイブ
- 中・強風下でのジャイブ。テイルを沈めるのではなくボードの側面(レイル)を使いカーヴィングによりターンに入るためこの名がついている。
レイルジャイブは、①ボードのカーヴィングターンによるセイルの内傾②足の入れ替え③ジャイブ終了時のセイルの返しといった一連の動作を行う難しさを伴っていることから、それを習得するべく多くのウインドサーファーが必死に練習するテクニックでもある。 強風下でのジャイブはウェイブコンディションにおいては必須であり、上級者への登竜門・中級者卒業のテクニックに位置づけられよう。 レイルジャイブについては数多くの解説本・ビデオが出版されており、その分習得の難しい技術であるといえる。
[編集] 上級段階
この段階になるとカテゴリーによって習得すべき技術が異なってくるが、下記のような技の習得がある。
- ウェイブライディング
- 波を使ったサーフィング。ボトムターン、トップターン、カットバック、スラッシュバック等。
- ループ
- 波やうねりを使ったジャンプの後の回転技。前回転(フォワードループ)と後回転(バックループ)等がある。
- リッピング
- 波のリップを使った回転技。リップ360(グースクリュー)、ゴイター、タカスライド等。
[編集] ゲレンデ
ウインドサーフィンに適した水面または航行可能水面はゲレンデと呼ばれる。年間を通して相当の「風」が吹く確立が高く、かつ、ウェイブではサーフ可能な波高がある場所が適地となる。他の水面利用者(漁業・海運や釣り客・水上スキー・水上オートバイ・サーフィンなど)との利害関係が生じるため、航行可能水面は限られる。すなわち、利害調整済みの航行可能な適地がゲレンデである。ゲレンデには、年中航行可能な適地(内水面・入り江・内海・珊瑚礁海など)の他に、風や波高の季節変動に依存して、夏季のみや冬季のみに適地となるゲレンデもある(外洋に面している海や季節風の影響が強い海)。上級者には、春一番に合わせて出航する者もいる。
- 日本
主なゲレンデ
- 津久井浜(浦賀水道・金田湾-神奈川県横須賀市・三浦市) アップコンディション、スラロームコンディション
- 御前崎海岸(静岡県御前崎市) WAVEコンディション
- 湘南(江ノ島・鎌倉・逗子)(相模湾-神奈川県)
- 検見川(東京湾-千葉県千葉市)
- 富津(浦賀水道-千葉県富津市)
- 海外
世界的に有名なゲレンデはカリブ海・ハワイ・地中海周辺に多い。
日本からは冬に暖かい海と貿易風を求め南下するのが常套手段だが、サイパン(マイクロビーチ)が人気のほか、台湾・フィリピン(ボラカイ)などが近い。海外ではないが沖縄県(沖縄本島・石垣島)なども同様の理由での旅行先になる。
また、サーフィンやボディボードといった波の力のみで滑走するスポーツは、オフショアからサイドショアの風か風の弱い場所が適している(サーフスポット)が、ウインドサーフィンはオンショアからサイドショアの風で風の強い場所が適している(ゲレンデ)ので基本的には重なりにくいものであるが、日本の気象条件と地理的なことからサーフスポットとゲレンデが重なることもある。その場合には波打ち際での棲み分けがされていることが多い。また、波高の季節変動が大きいところでは、サーフスポットとゲレンデが季節的に棲み分けられる場合もある。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 国際セーリング競技規則 ISAF Racing Rules of Sailing 2005-2008
- JUBF 日本学生ボードセーリング連盟
- NWA ニッポンウエイブアソシエイション
- JCBA 全日本実業団ボードセイリング連盟
- WFJ 日本ウィンドサーフィン連盟
- JPW 日本プロウインドサーファー選手会
- ABIT ウインドサーフィン技術協会
- JSAF 財)日本セーリング連盟 オリンピック特別委員会2006年度ナショナルチーム選手一覧
- IWA International Windsurfing Association
- PWA Professional Windsurfing Association
- ISAF
- IMCO International Mistral Class Organisation
- Neil Pryde RS:X Class Rules 1st April 2006
メーカー・ブランド
雑誌
最終更新 2009年12月6日 (日) 12:53 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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