ウクライナ語

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ウクライナ語
Українська мова
話される国 ウクライナ
地域 東ヨーロッパ
話者数 4500万人
話者数の順位 26
言語系統 インド・ヨーロッパ語族

 スラヴ語派
  東スラヴ語群
   ウクライナ語

公的地位
公用語 ウクライナ
沿ドニエストル共和国
統制機関 ウクライナ科学アカデミー
言語コード
ISO 639-1 uk
ISO 639-2 ukr
ISO 639-3 -
SIL

ウクライナ語Українська мова [ukraˈjinʲsʲka ˈmɔʋa])は、インド・ヨーロッパ語族スラヴ語派東スラヴ語群に属し、キリル文字を使用する言語である。ウクライナ公用語である。ウクライナ国外においても、諸外国に住むウクライナ人によって使用されている。本国での話者人口は3680万人。本国以外に、ロシアベラルーシカザフスタンポーランドカナダアメリカ合衆国などの南北アメリカ、オーストラリアなどにも話者がおり、それらを合計すれば約4500万人になる[1]。スラヴ語派においてはロシア語に次いで第2位の話者人口である。

目次

[編集] 名称

日本語では専ら「ウクライナ語」と呼ぶ。略記する場合には、「ウクライナ」の漢字表記「烏克蘭」から専ら「烏語」と書かれている[2]。しかし、「烏」が常用漢字でないこともありこの略語はほとんど使用されていない。新聞等でも使用できない。「ウクライナ」のもうひとつの漢字表記に「宇克蘭」があり「宇語」という略語も可能であるが、実例がない[3]

[編集] 文字

ウクライナ語で使われるキリル文字の呼び方は次のようである。

大文字 А Б В Г Ґ Д Е Є Ж З И І Ї Й К Л М Н О П Р С Т У Ф Х Ц Ч Ш Щ Ь Ю Я '
小文字 а б в г ґ д е є ж з и і ї й к л м н о п р с т у ф х ц ч ш щ ь ю я
IPA [ɑ] [b] [ʋ] [ɦ] [ɡ] [d̪] [ɛ] [jɛ] [ʒ] [z] [ɪ] [i] [ji] [j] [k] [l] [m] [n̪] [ɔ] [p] [r] [s] [t̪] [u] [f] [x] [ts] [ʧ] [ʃ] [ʃʧ] [ʲ] [ju] [jɑ]
羅馬字[4] a b v h g d e ye zh z y i yi y k l m n o p r s t u f kh ts ch sh sch ' yu ya "
ISO 9[5] a b v g ģ d e ê ž z i ì ï j k l m n o p r s t u f h c č š ŝ ´ û â '

██ 硬母音

██ 軟母音

██ 子音

██ 硬音記号代わり

[編集] 正書法・音声・音韻

母音
前舌母音 中舌母音 後舌母音
狭母音 [i] [ɪ] [u]
中母音 [ɛ] [ɔ]
広母音 [ɑ]
子音
部位 舌頂 舌背
方法 両唇 唇歯 口蓋 後部歯茎 硬口蓋 軟口蓋 軟口蓋
    [m]       [n̪]     [nʲ]    
破裂 [p] [b] [t̪] [d̪] [tʲ] [dʲ] [k] [ɡ]  
破擦 [ts] [dz] [tsʲ] [dzʲ] [tʃ] [dʒ]        
摩擦   [f]    [s] [z] [sʲ] [zʲ] [ʃ] [ʒ] [x]        [ɦ]
     [r]    [rʲ]    
接近         [ʋ]    [l]    [lʲ]       [j]
  • 正書法はベラルーシ語同様、表音主義の立場をとっているため、ロシア語に比べ、発音どおりに綴る傾向が強い。例;Россия /rossija/ [rasija] - Росія /rosija/ [rosija]
  • 硬母音Оに対応する軟母音は、Оの前に子音Й, 軟音記号Ьをつけて表す。例;цьогойому
  • ロシア語のЪが原則として接頭辞の直後にのみ現れるのに対し、それに相当するウクライナ語のアポストロフィはそれ以外の位置にもくる。例;любов'ю
  • アクセントのある母音は強く、やや長めに発音するが、アクセントの有無による母音の目立った音変化は見られない。
  • И /ɨ/ は語頭に来ず、Ї /ji/ は子音の後に来ない。
  • В/v/が語末、摩擦音破裂音の前で/w/、または/u/のように発音される。例;Львів /l'viv/ [ljviw](リヴィウ)、Вдома/Vdoma/ [udoma](ウドーマ)[6]

[編集] 音韻的対応

  • ポーランド西部からウクライナ・ベラルーシにかけて、スラヴ祖語の/g/を[ɦ]で発音する傾向がある。これはチェコ語・スロヴァキア語とも共通している。
  • І/i/、Ї/ji/はロシア語ではЕ/je/になっている場合が多い。これは、東スラヴ語群祖語のѢがウクライナ語では/i/、/ji/に、ロシア語では/je/に統合されたためである。例;Лето /ljeto/ - Літо /lito/(夏)

[編集] ウクライナ語の文法

[編集] 名詞

名詞は、男性・中性・女性の3つの性に分かれ、単数形()・複数形()を持つ。 名詞の語尾は、男性名詞は子音、-й、-ь、-о、女性名詞は子音、-а、-я、-ь、中性名詞は-о、-е、-яである。子音で終わる女性名詞があり、яで終わる中性名詞の語尾も多彩であるため、性の見分けはやや困難である。

 雄猫(男性)   雌猫(女性)   子猫(中性)
Кіт (キート)  Кішка (キーシュカ)   Кошеня (コシェニャー)
Коти (コティー)  Кішки (キーシュクィ)   Кошенята (コシェニャータ)

名詞の格は主格対格属格所格与格具格呼格の7種類である。

[編集] 人称代名詞

単数 複数
一人称 я -私は(I) ми -私達は(we)
二人称 ти -君は(you)
ви -貴方は(敬称)
ви -貴方達は(you)
三人称 він -彼は(he)
вона -彼女は(she)
воно -それは (it)
вони -彼らは
彼女らは
それらは(they)

表中は全て主格を用いている。

[編集] 歴史

『ペレソープヌィツャの福音』の細密画。古ウクライナ語の書籍の一つ(1561年)
現代のウクライナを中心としたウクライナ語の分布(2001年)

ウクライナ語は、東スラヴ人の最古の国家であるキエフ・ルーシの崩壊後、ロシア語ベラルーシ語とは別の独自の発展を遂げてきた。長らくポーランド王国の影響下に入った西ウクライナからドニプロ・ウクライナにかけての地域ではポーランド語の影響がより強く見られ、ベラルーシとともにリトアニア大公国の支配下に入った北ウクライナからドニエプル・ウクライナにかけての地域では、ベラルーシ語の特徴であるアーカニエの欠如などベラルーシ語の影響が見られた。キエフを含む東ウクライナが、ヘーチマン国家としてポーランド・リトアニア連合の支配下から脱した17世紀以降、ヘーチマンの庇護の下、ドニエプル・ウクライナを中心にウクライナ語文化の著しい発展が見られた。また、ポーランド王国のもとに留められた西ウクライナでは、リヴィウを中心にウクライナ語文化の独自の発展が見られた。だが、その後ヘーチマン国家はモスクワ大公国ロシア帝国のより強い影響下に置かれるようになり、18世紀のうちには東ウクライナは完全にロシアに併合された。その後、ポーランド分割を経てウクライナの大半はロシア帝国の領土に収められた。ロシア帝国の強力な中央集権体制の下で、ウクライナ文化は分離主義的であるとして弾圧され、ウクライナ語の使用も制限されるようになった。そもそも、ロシア帝国ではウクライナ語という言語の存在は認められていなかった。ロシア帝国では、これを「ロシア語の小ロシア方言」と規定しており、公式文書や「真面目な」文学作品などはすべてロシア語で記述された。

ウクライナ文化圏では、従来ロシア語、ポーランド語、ドイツ語、そしてウクライナ語など多言語による舞台用喜劇脚本が多く物されてきた。そうした中で、初めてのウクライナ語文学と認められているのはポルタヴァのイヴァン・コトリャレフウスキーによって18世紀末に書かれたパロディー叙事詩『エネイーダ』であった。コトリャレウスキーはオペレッタ『ナタールカ・ポルターウカ』でも知られ、ウクライナ近代文学の祖とされている。これらは、いずれも喜劇やパロディーという性格を持ち、当時は「真面目な」文学からは明確に区別された分野の作品であった。ニコライ・ゴーゴリなどのようなより「真面目な」作品を書いて世に認められることを望む作家は19世紀を通じてロシア語での執筆活動を続けた。この時代の作家は、ウクライナ語=小ロシア方言で書いて文壇に認められることはありえなかった。なお、ニコライ・ゴーゴリの父ヴァシーリ・ホーホリ(ロシア語名: ヴァシーリイ・ゴーゴリ)はウクライナ語の喜劇作家であった。

ウクライナ語の歴史は、文語として長らく用いられた教会スラヴ語口語として用いられたいわゆるウクライナ語との関係の間に成り立っていた。現代ウクライナ語の父とされるタラス・シェフチェンコは、ウクライナ語の豊富化を図るため積極的に教会スラヴ語からの借用を行った。しかし、このやり方はのちの作家・言語学者に拒否され、以降ウクライナ語は口語を中心に外来語や各地の方言を取り入れて発展させられていくことになった。イヴァン・フランコやレーシャ・ウクライーンカも、ウクライナ語の発展に大きな貢献のあった人物として知られる。

ウクライナ化政策の採られた1920年代ウクライナ社会主義ソビエト共和国では、1927年に初めての正式な正書法である「1927年正書法」が定められた。しかし、これは1930年代の反ウクライナ化政策の時代に改竄され、ロシア化が行われた。

現代のウクライナ語はこの「1927年正書法」に拠っている。この正書法は基本的にポルターヴァの方言に拠っていると言われ、それに西ウクライナ・ハルィチナーなどの方言が加えられている。ただし、西ウクライナ方言にはポーランド語チェコ語に由来する古風な要素が強く反映されており、正書法に定められた中東部のウクライナ語とは語彙や語法に乖離が見られる。

ソ連末期の「言語法」によってウクライナにおいてウクライナ語は唯一の国語・公用語とされ、独立後もその立場を維持し続けている。その一方で、ウクライナ国内でも東南部を中心にロシア語話者が多いことから、ロシア語の第二国語もしくは公用語化を掲げる政治勢力も一定の基盤を保っている。ウクライナでは、独立以後も一部でロシア語排除を唱える勢力や、それに対しウクライナ語蔑視を行う勢力もあり、将来的な衝突・分裂の要因のひとつとして憂慮されている。また、「スルジク」と呼ばれるウクライナ語とロシア語の混成語が蔓延している現状もある。

[編集] 方言

ウクライナ語の方言と訛り(2005年)。

19世紀後半以降、ウクライナ語において三つの方言が区分される[7]。各方言[8]は地域毎の複数の訛り[9]を含んでいる。

  • 北部の方言

ポリーシャ方言とも呼ばれる。北ウクライナと南ベラルーシに分布している。ベラルーシ語との共通性が見られ、中世のルーシ語の特徴を数多く有している[10]

01.  西ポリーシャの訛り。ヴォルィーニのポリーシャの訛りとも。ウクライナのヴォルィーニ州リヴネ州の西部、ベラルーシのブレスト州の西部に分布している[11]
02.  中央ポリーシャの訛り。右岸のポリーシャの訛りとも。ウクライナのリヴネ州の東部、ジトームィル州キエフ州の北部と、ベラルーシのブレスト州の東部に分布している[12]
03.  東ポリーシャの訛り。左岸のポリーシャの訛りとも。ウクライナのチェルニーヒウ州スムィ州の北部と、ベラルーシのホメリ州の南部、ロシアのブリャンスク州の南西部、クルスク州の北部、ベルゴロド州の北部、ヴォロネジ州の北部に分布している[13]
  • 南東部の方言

コサック方言とも呼ばれている。中部・東部・南部ウクライナと、南ロシア、特にクバーニ地方に分布している。ロシア語テュルク諸語語彙の影響を受けている[14]

04.  ドニプロの訛り。ウクライナ語の標準語となっている。ウクライナのキエフ州の南部、スムィ州の南西部、チェルカースィ州の東部、ポルタヴァ州キロヴォフラード州の北部と、ドニプロペトロウシク州の北部に分布している[15]
05.  スロボダの訛り。ウクライナのスムィ州の南東部、ハルキウ州ルハンシク州の北部と、ロシアのクルスク州の南部、ベルゴロド州の南部、ヴォロネジ州の南部、ロストフ州の南西部に分布している[16]
06.  草原の訛り。ウクライナのキロヴォフラード州の南部、ドニプロペトロウシク州の南部、ルハンシク州の南部、ムィコラーイウ州の南部、オデッサ州の南部、クリミア半島ザポリージャ州ドネツィク州ヘルソン州、ロシアのクラスノダール地方ルーマニアドナウ川の三角州に分布している[17]
  • 南西部の方言

紅ルーシ方言とも呼ばれる。ウクライナの南西部の外に、モルドバルーマニアスロバキアポーランドセルビアカナダ米国に分布している。西スラヴ諸語と共通性とドイツ語の影響が見られる[18]

ヴォルィーニポジーリャの訛り群:

07.  ヴォルィーニの訛り。ウクライナのヴォルィーニ州の南部、リヴネ州の南部、リヴィウ州の北部、テルノーピリ州の北部、フメリヌィツィクィイ州の北部とヴィーンヌィツャ州の北部に分布している[19]
08.  ポジーリャの訛り。ウクライナのフメリヌィツィクィイ州の南部、ヴィーンヌィツャ州の南部、チェルカースィ州の西部、キロヴォフラード州の西部、ムィコラーイウ州の北西部と、オデッサ州の北西部に分布している[20]

ハルィチナーブコビナの訛り群:

09.  ドニステルの訛り。東ハルィチナーの訛りとも。ドニステル川の上流域に位置するウクライナのリヴィウ州の中部、イヴァーノ=フランキーウシク州の北東部、テルノーピリ州の南部に分布している[21]
10.  スャーンの訛り。西ハルィチナーの訛りとも。スャーン川の上流域に位置するウクライナのリヴィウ州の西部、ポーランドのポトカルパチェ県の東部とルブリン県の南東部に分布している[22]
11.  ポクーチャ・ブコビナの訛り。プルトの訛りとも。プルト川の上流域に位置するウクライナのイヴァーノ=フランキーウシク州の南東部、チェルニウツィー州の東部、ルーマニアのボトシャニ県の北部と、モルドバの北部に分布している[23]
12.  フツルの訛り。東カルパティアの訛りとも。ウクライナのザカルパッチャ州の東部、チェルニウツィー州の西部、イヴァーノ=フランキーウシク州の南西部と、ルーマニアのスチャヴァ県の北部に分布している[24]

カルパティアの訛り群:

13.  ボイコの訛り。北カルパティアの訛りとも。ウクライナのリヴィウ州の南部とイヴァーノ=フランキーウシク州の南部に分布している[25]
14.  ザカルパッチャの訛り。南カルパティアの訛りとも。ウクライナのザカルパッチャ州の中部・東部、スロバキアコシツェ州プレショフ州に分布している[26]
14.  レムコの訛り。西カルパティアの訛りとも。ウクライナのザカルパッチャ州の西部、スロバキアプレショフ州と、ポーランドのポトカルパチェ県の南部に分布している[27]

[編集] 語彙

[編集] 主な単語

[編集] 主な表現

  • はい Так. ターク
  • いいえ Ні. ニー
  • おはようございます Доброго ранку. ドーブロホ・ラーンク
  • こんにちは Добрий день. ドーブルィイ・デーニ
  • こんにちは Добридень. ドブルィーデニ
  • こんばんは Добрий вечір ドーブルィイ・ヴェーチル
  • おやすみなさい Добраніч ドブラーニチュ
  • やあ、どうも、こんにちは (最も一般的な挨拶) Привіт. プルィヴィート
  • さようなら До побачення. ド・ポバーチェンニャ
  • ありがとう Дякую. ジャークユ
  • ありがとうございました Дуже дякую. ドゥージェ・ジャークユ
  • ごめんなさい Вибачте. ヴィーバチュテ
  • お願いします Прошу (вас / тебе). プローシュ(・ヴァース / テベー)
  • お願いします Будь ласка ブージ・ラースカ
  • はい、いいですよ、よろしい Добре. ドーブレ
  • はい、よし Гаразд. ハラーズド
  • オーケーです、大丈夫です、問題ありません、いいですよ Нормально. ノルマーリノ
  • だめです、悪い Погано. ポハーノ
  • だめです、してはいけない Не можна. ネ・モージュナ
  • 私(女)はおなかが空きました Я голодна. ヤー・ホロードナ (男性の場合はЯ голодний. ヤー・ホロードヌィイ)
  • お名前は? Як Вас ( / тебе) звати? ヤーク・ヴァース( / テベー)・ズヴァーティ?
  • 私の名前は()です Мене звуть (). メネー・ズヴーチ・()
  • 私はあなたを愛してます Я вас кохаю ヤー ヴァース コハーユ(本来は身近でない相手に対する言い方。丁寧語)
  • 私は君を愛してます Я тебе кохаю ヤー テベ コハーユ
  • 私はあなたが好きです Я вас люблю. ヤー・ヴァース・リュブリュー (本来は身近でない相手に対する言い方。丁寧語)
  • 私は君が好きです Я тебе люблю. ヤー・テベー・リュブリュー (本来は身近な相手に対する言い方。)
  • 私はこれが好きです Я це люблю. ヤー・ツェー・リュブリュー

[編集] 日本語のウクライナ語転写

詳細は「ウクライナ語の日本語表記」、「Wikipedia:外来語表記法/ウクライナ語」をそれぞれ参照

必ずしも日本語の発音通りとはならないが、日本語をウクライナ語アルファベットで表記する場合には以下のようなものが用いられている(大文字で表示)。ウクライナ語話者の間で日本語を勉強する人口がそれほど多くないこともあり、あまり研究されているとは言えないが、ソ連時代に盛んに行われたロシア語による日本語研究を背景に転写法は十分に整備されているといえる。

また日本では、ウクライナで起きた歴史的出来事についてハリコフ攻防戦チェルノブイリ原発事故のようにロシア語地名で表記することが多いため、ウクライナ語の地名は一般に普及しているとは言い難い。

公式にはウクライナの地名はウクライナ語に沿った表記が求められるが、下記のようなロシア語名の方が有名であったり一般に知られている例も多い。

ただし、セヴァストポリヤルタなどのようにロシア語とウクライナ語の発音差がほとんどない都市もある。

[編集]

ウクライナ語では「母音」となる。この他、ウクライナ語の仕組みに従い、日本語の「や行」も母音扱いされる場合がある。

  • あ段 - А
  • い段 - І
  • う段 - У、ただし、「です」 (DESU) のように「短いう」であるとウクライナ(ソ連)の研究によって判定されているものに関しては、「У」ではなく「Ў」を用いることもある。
  • え段 - Е
  • お段 - О

[編集]

ウクライナ語では「子音+母音」となる。

  • か行 - К
  • さ行 - С、ただし、「しゃ、し、しゅ、しぇ、しょ」については「С+軟母音」で表す場合と「Ш+硬母音」で表される場合がある。
  • た行 - Т、ただし、「ちゃ、ち、ちゅ、ちぇ、ちょ」については「Ч」で表される場合が多い。
  • な行 - Н
  • は行 - Х、ただし、「Г」で表される場合もある。また、「ふ」は「Ф」が用いられる場合が多い。
  • ま行 - М
  • や行 - 「や、い、ゆ、いぇ、よ」の順に「ЯІЮЄЙО」で表されることが多い。小さい「ょ」については「ЬО」が用いられる。
  • ら行 - Р
  • わ行 - В、ただし、これでは「ヴァ行」の発音になってしまうため、「わ、うぃ、う、うぇ、うぉ」を表すために「У+母音」という方式が採られることもある。「を」は「お」と区別されない場合が多い。
  • が行 - Ґ、ただし、「Г」が使用される場合もある。鼻濁音は表記されない。
  • ざ行 - ДЗ、ただし、「З」が用いられることも多い。「じゃ、じ、じゅ、じぇ、じょ」に関しては発音の類似上「ДЖ」が用いられるが、「Ж」で代用されることも多い。
  • だ行 - Д、ただし、「ぢゃ、ぢ、ぢゅ、ぢぇ、ぢょ」に関しては「じゃ、じ、じゅ、じぇ、じょ」の場合と同様の表記が用いられることが多い。
  • ば行 - Б
  • ぱ行 - П

[編集] その他

  • ん - Н、ただし、発音は日本語の「ん」とは大きく異なり「ぬ」という印象が強い。
  • ヴ - В

[編集] 関連項目

ウィクショナリー
ウィクショナリーウクライナ語の項目があります。

[編集] 脚注

  1. ^ Енциклопедія «Українська мова». — Київ, 2005.
  2. ^ 「烏語」については、以下の文献で用例が確認できる。
    • Кишеньковий японсько-український словник/ І.Бондаренко; Хіно Такао. — Одеса : Астропринт, 2001.(和烏小辞典: 日本語・ウクライナ語小辞典 / オデサ、2001。)
    • 『烏・英・和会話集/ Українсько-англійсько-японсько розмовник』A.メドヴェディウ/Андрій Медведів、リヴィウシカ・ポリテフニカ大学出版社、2005、リヴィウ
  3. ^ 2009年4月現在調べ。
  4. ^ ウクライナの法律・公式文章に使用されるローマ字表記(Рішення української комісії з питань правничої термінології)
  5. ^ ISO 9:1995 at ISO.org
  6. ^ 「ニューエクスプレス ウクライナ語」中澤英彦著(白水社、2009) p17、『6.音の交代(楽音調)』より
  7. ^ (ウクライナ語) Гриценко П. Ю. Діалектологія // Енциклопедія «Українська мова». — Київ, 2005.
  8. ^ ナリーチャ(наріччя)。
  9. ^ ホーヴィル(говір)。
  10. ^ (ウクライナ語) Північне наріччя // Енциклопедія «Українська мова». — Київ, 2005.
  11. ^ (ウクライナ語) Західнополіський говір // Енциклопедія «Українська мова». — Київ, 2005.
  12. ^ (ウクライナ語) Середньополіський говір // Енциклопедія «Українська мова». — Київ, 2005.
  13. ^ (ウクライナ語) Східнополіський говір // Енциклопедія «Українська мова». — Київ, 2005.
  14. ^ (ウクライナ語) Південно-східне наріччя // Енциклопедія «Українська мова». — Київ, 2005.
  15. ^ (ウクライナ語) Середньонаддніпрянський говір // Енциклопедія «Українська мова». — Київ, 2005.
  16. ^ (ウクライナ語) Слобожанський говір // Енциклопедія «Українська мова». — Київ, 2005.
  17. ^ (ウクライナ語) Степовий говір // Енциклопедія «Українська мова». — Київ, 2005.
  18. ^ (ウクライナ語) Південно-західне наріччя // Енциклопедія «Українська мова». — Київ, 2005.
  19. ^ (ウクライナ語) Волинський говір // Енциклопедія «Українська мова». — Київ, 2005.
  20. ^ (ウクライナ語) Подільський говір // Енциклопедія «Українська мова». — Київ, 2005.
  21. ^ (ウクライナ語) Наддністрянський говір // Енциклопедія «Українська мова». — Київ, 2005.
  22. ^ (ウクライナ語) Надсянський говір // Енциклопедія «Українська мова». — Київ, 2005.
    1947年にポーランドの政府は、ポトカルパチェ県とルブリン県に居住するウクライナ人に対し民族浄化たる「ヴィスワ作戦」という強制移住を実行することにより、当県におけるウクライナ人の人口が著しく減少化した。現在、ポトカルパチェ県とルブリン県でスャーンの訛りを話す人はが少ない。
  23. ^ (ウクライナ語) Покутсько-буковинський говір // Енциклопедія «Українська мова». — Київ, 2005.
  24. ^ (ウクライナ語) Гуцульський говір // Енциклопедія «Українська мова». — Київ, 2005.
  25. ^ (ウクライナ語) Бойківський говір // Енциклопедія «Українська мова». — Київ, 2005.
  26. ^ (ウクライナ語) Закарпатський говір // Енциклопедія «Українська мова». — Київ, 2005.
  27. ^ (ウクライナ語) Лемківський говір // Енциклопедія «Українська мова». — Київ, 2005.

[編集] 参考文献

[編集] 外部リンク

ウィキメディア・コモンズ

最終更新 2009年9月15日 (火) 06:27 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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