エアバス

エアバスの最新ニュースをまとめて検索!

曖昧さ回避 この項目では、ヨーロッパの航空機メーカーについて記述しています。その他のエアバスについては「エアバス (曖昧さ回避)」をご覧ください。
エアバス S.A.S.
Airbus S.A.S.
種類 株式会社
略称 エアバス
本社所在地 フランス
トゥルーズ
設立 1970 (エアバス・インダストリー)
2001 (エアバス S.A.S.)
業種 輸送用機器
事業内容 民間航空機の製造
代表者 Thomas Enders (CEO)
Hans Peter Ring (CFO)
John Leahy (Chief Commercial Officer)
Fabrice Brégier (COO)
売上高 390億米ドル
従業員数 約5万7,000人
主要株主 EADS(100%)
外部リンク http://www.airbus.com (英語)
http://www.airbusjapan.com (日本語)
  
同社の最新鋭機 A380

エアバスAirbus S.A.S. )は、ヨーロッパ欧州連合の内の4カ国)の国際協同会社で、航空宇宙防衛企業のEADS傘下にある航空機メーカーである。設立当時の正式社名はエアバス・インダストリーAirbus Industrie ) であったが、2001年に現社名に変更された。本社はフランストゥルーズ

目次

[編集] 概要

1960年代から続く、アメリカ企業の世界的な旅客航空機市場の独占に対して危機感を抱いた欧州連合によって、1970年12月にフランスアエロスパシアル西ドイツDASAが共同出資し設立された。旅客航空機の製造販売を主な事業内容としており、近年はアメリカのボーイングと市場を二分する巨大航空機メーカーとして、激しい市場競争を繰り広げている。

なおエアバスとは、広胴型機の隆盛の初期「バスのように気軽に利用できる飛行機の時代をいう」航空用語を、そのまま社名にしたものである。また中華人民共和国では「空中客車」(略して「空客」とも)と表記する。同じ中国語圏の香港台湾などでは「空中巴士」と表記されることが多い。

[編集] 経緯

ジェット旅客機時代になり開発費の高騰などから、ヨーロッパの既存の各社が単独では、アメリカ合衆国の航空機メーカーであるボーイングマクドネル・ダグラス(現ボーイング)、ロッキード(現ロッキード・マーチン)への対抗が難しくなったことから、フランスアエロスパシアル(現EADS)と西ドイツDASA(現EADS)が共同出資し、1970年12月に設立され、中型機の製作に取り掛かった。これは後にエアバスA300となる機体で、イギリスのBAeとスペインのCASA(現EADS)も参加して4カ国体制となった。

最初に完成したA300は、ノウハウ不足などから信頼性不足などを指摘され、売上は苦戦。エアバスは膨大な赤字を抱えたが、フランス西ドイツ政府の全面的な援助によって乗り切った。

しかし、それをきっかけに技術力を大幅に高めたA320で大成功を収める。以後、急速に売上を伸ばしマクドネル・ダグラスを追い抜きボーイングに迫るまでになった。当時、新型機の開発が迷走していたボーイングはエアバスの躍進に脅威を感じると大規模な非難キャンペーンを開始。特にエアバスがフランスとドイツの政府に手厚く保護されていると指弾した。それに対してエアバスはボーイングもアメリカ合衆国政府と一体となっていることなどからあからさまな政治的売り込みを批判し、双方が裁判に持ち込むなど泥仕合となった。アメリカボーイングはアメリカ合衆国政府と、EADSは欧州連合と密接に結びついているため、両者の争いは極めて政治的な色合いの強いものだった。2001年にエアバスが完全に株式会社化し、組織体制の非難合戦は収束した。

[編集] ボーイングとの市場競争

アメリカの大型ジェット旅客機製造メーカーが合併、統廃合の結果、ボーイング1社のみとなったため(ロッキードは1984年に旅客機から撤退、マクドネル・ダグラスは1997年7月31日にボーイングへ吸収された)、現在、旧西側諸国で大型旅客機を製造しているのはボーイング、エアバスの二大メーカーだけであり、抜きつ抜かれつの熾烈な競争を繰り広げている。旧マクドネル・ダグラス機材ユーザーの多くがエアバスに鞍替えしたことなどから1999年には販売受注数で初めてボーイングに勝利し、ボーイングが新型機開発の迷走を尻目に着実に販売数を伸ばした。しかし2005年に体勢を立て直したボーイングが787747-8の開発を発表、さらに超大型機であるA380の生産の遅れが発表されると形勢は逆転した。市場シェアは2004年度54%、2005年度45%と減速しているが、2007年の売り上げでは再び逆転して首位に立った。

[編集] 受注機数と納入機数

ボーイングとエアバス」も参照

受注
2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 1999 1998 1997 1996 1995 1994 1993 1992 1991 1990 1989
欧州連合の旗 エアバス 777 1341 824 1111 370 284 300 375 520 476 556 460 326 106 125 38 136 101 404 421
アメリカ合衆国の旗 ボーイング 662 1413 1044 1002 272 239 251 314 588 355 606 543 708 441 125 236 266 273 533 716
Sources 2008: Airbus orders until April 30: http://www.airbus.com/en/corporate/orders_and_deliveries/
Boeing orders until April 29. http://active.boeing.com/commercial/orders/index.cfm
納入
2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 1999 1998 1997 1996 1995 1994 1993 1992 1991 1990 1989
欧州連合の旗 エアバス 483 453 434 378 320 305 303 325 311 294 229 182 126 124 123 138 157 163 95 105
アメリカ合衆国の旗 ボーイング 375 441 398 290 285 281 381 527 491 620 563 375 271 256 312 409 572 606 527 402
Sources 2008: Airbus deliveries until April 30: http://www.airbus.com/en/corporate/orders_and_deliveries/
Boeing deliveries until April 30. http://active.boeing.com/commercial/orders/index.cfm?content=displaystandardreport.cfm&optReportType=CurYrDelv


[編集] エアバス航空機の特徴

ボーイングと比べ新興の会社であるため、機体に先進的な設計思想や技術を取り入れ斬新な機体設計が行われている。 エアバスA320に民間旅客機初となるデジタルフライバイワイヤグラスコックピット、サイドスティックによる機体操縦を導入したほか、機体に新素材を導入するなど次々と新機軸を採用した。その結果、機体の扱いやすさや燃費性能を向上させる事に成功し、これが1980年代後半からの同社の躍進に繋がった。

この動きを見たライバルのボーイングも自社機のハイテク化に取り組み始め、近年ではボーイング787の機体の設計思想にも影響を与えた。しかし両者の設計思想は対照的で、エアバスがフライバイワイヤの採用により操縦デバイスをサイドスティック化し、コンピュータ制御によるメリットを全面的に取り入れた操縦システムを搭載したのに対し、ボーイングがフライバイワイヤ導入後も操縦桿にかつてのケーブル(索)やロッドによる機械的リンクを介して油圧アクチュエータを駆動させていた「重み」を擬似的に再現している等、機械重視のエアバスと人間重視のボーイングといった色分けになっている。

航空機の安全設計の向上により飛行機事故の発生原因は機体の設計よりパイロットのミスや整備不良が原因となる事が多くなった。エアバスではこの実情に鑑みパイロットのミスと思われる場合には手動操縦より自動操縦システムの設定が優先される仕様を取り入れていた。しかしこの事が原因で1994年中華航空140便墜落事故A300-600R)、1988年にエールフランス296便事故エアバスA320)が発生した。この結果現在は仕様が変更される等の設計上の変更も存在する。

またエアバスは部品の供給や機体の一部制作、共同開発など、各国の航空機を手がけたい企業と提携関係をもつことでその国への利益の還元で販路を確保する戦略を打ち出し成功を収めている。この戦略は後にボーイングも真似ることとなり、新型機の開発に当たっては日本企業への積極的なアプローチなども行われている。

エアバス機には基本的に貨物室の火災警報装置が取り付けられていない。これはフランスの航空法で義務付けられていないからである。しかし義務化されているアメリカなどの国で運航しているものには全て後付けされている。

[編集] 民間向け製品

エアバスの製品群は、1970年代初期に運航が開始された世界初の2列通路の双発航空機エアバスA300」から始まった。A300の短胴型はエアバスA310として知られる。西ドイツフランス政府の全面的な支援を受けたエアバスは、革新的なフライ・バイ・ワイヤー制御システムを備えたエアバスA320の計画を立ち上げた。1980年代後半に運航が開始されたA320は大手航空会社のみならず格安航空会社でも多数が導入され、すばらしい商業的な成功をおさめる。その後もビジネスジェット機需要の高まりを受け、エアバスA318及びエアバスA319等、短胴派生型(エアバス・コーポレイト・ジェット)を開発。延長型はエアバスA321として知られている。これらの新型機によってボーイング737型機の後期モデル(737-300・400・500の第2世代および737-600・700・800・900の第3世代=737NGシリーズ)は、激しい競争を強いられるようになった。

長距離路線向け製品であり、1990年代初期に運航が開始された双発のエアバスA330及びエアバスA340ウィングレットによって強化された有能な翼を備えている。A340-500ボーイング777-200LR型機(航続距離17,446 km か 9,420 nm)に次いで商業ジェット機で2番目に長距離である、16,100 km(8,670マイル)の航続距離を持っている。

エアバスA380は世界最大の民間旅客機である。特徴は総二階建てある。ボーイング747に対抗するために開発された。

[編集] 製造機の仕様

製品リスト及び詳細 (出典:エアバスからのデータ情報)
 航空機  特徴  座席数  開発開始 初飛行 初引き渡し 生産終了予定
A300 エンジン2基、2列通路 250-361 1969年5月 1972年10月 1974年5月 2007年7月
A310 エンジン2基、2列通路、A300型機を6.96 m短胴化 200-280 1978年7月 1982年4月 1985年12月 2007年7月
A318 エンジン2基、1列通路、A320型機を6.17 m短胴化 107 1999年4月 2002年1月 2003年10月
A319 エンジン2基、1列通路、A320型機を3.77 m短胴化 124 1993年6月 1995月1月 1996年4月
A320 エンジン2基、1列通路 150 1984年3月 1987年2月 1988年3月
A321 エンジン2基、1列通路、A320型機を6.94 m 延長 185 1989年11月 1993年3月 1994年1月
A330 エンジン2基、2列通路 253-295 1987年6月 1992年11月 1993年12月
A340 エンジン4基、2列通路 261-380 1987年6月 1991年10月 1993年1月
A350 エンジン2基、2列通路 250-300 2004年12月 2009年 2010年
A380 エンジン4基、2列通路(1,2階とも)、総2階建 555-853 2000年12月 2005年4月27日 2007年10月

エアバスは2006年をもってA300、A310の受注受付を中止して2007年7月に生産停止することを発表し、30年間に渡って生産されたA300とA310の従業員を他のラインへ配置転換する見込みである。もっともA310は1998年以降生産が止まっている。

現在、ボーイング787に対抗する中型ジェット旅客機A350の開発も進行している。初期の設計ではA330をベースとしていたが、一部の航空会社から不満の声が出ており、機体の再設計を求める声が出てきた。そのため、A330とは別の新設計としたA350XWBの生産が決定している。

[編集] 計画中の製品

[編集] 日本向け製品

1979年に東亜国内航空(TDA)(後の日本エアシステム(JAS))からA300を受注し、1987年には全日空グループ(ANA)からA320を受注した。さらに2001年になると日本での販売を促すためにエアバス・ジャパンが設立された。

日本のエアラインにおいて、JASを吸収した日本航空グループ(JAL)やANAなど大手のジェット旅客機は次第にボーイング製の旅客機(737、747767777) (将来的には787も) に置き換えられ、エアバス製の旅客機(A300、A320)は少しずつ整理されつつある。しかし、スターフライヤーA320を就航させ、ギャラクシーエアラインズが貨物機A300-600Fを導入し、全日空グループもA320の増備や就航の延長を表明したことから、日本の空におけるエアバス機の活動はもうしばらく続く見込みである。

2008年には海外エアラインによるA380の日本就航が予定されていることから、また何らかの動きがあるだろうという日本のA380ファンからの声もある。

日本ではかつてニチメン(現:双日)がエアバスの総代理店を手がけていたことがあった。ちなみに双日のもうひとつの前身、日商岩井ボーイングの代理店である。

[編集] 空軍向け製品

エアバス A310 MRTT
エアバス A310 MRTT
多目的空中給油機・輸送機。A310を転用。
エアバス A330 MRTT
多目的空中給油機・輸送機。
エアバス A400M
輸送機C-130の代替機としてイギリス、ベルギー、フランス、ドイツ、ルクセンブルク、スペイン、トルコなどNATO加盟諸国の支援を受けて開発されたターボプロップ軍用輸送機。1999年1月にエアバスはターボプロップエンジンを動力とする軍用輸送機の開発と生産を行うため、エアバス・ミリタリー SL (Airbus Military Sociedad Limitada) を設立した。

[編集] 国際的な製造拠点

トゥルーズ空港に隣接する主要なエアバスの工場。

エアバスの最終組み立て工場のラインはフランスのトゥルーズに2本、ドイツのハンブルクに1本ある。また、A400M用に4本目がスペインのセビリャで2006年10月生産開始を目処に建設中である。

国別の従業員 (2003年12月31日のデータ)
 国   従業員   部品業者の従業員 
フランス 19,358人 to be added
ドイツ 18,423人 to be added
イギリス 8,688人 to be added
スペイン 2,726人 to be added
アメリカ合衆国 405人+ 120,000人
中華人民共和国 100人+ to be added
総計 49,700人+

[編集] 各拠点の従業員

(2006年12月31日のデータ)

 エアバスの拠点 ¹   国   従業員数 
トゥルーズ
(トゥルーズ, en:Colomiers, en:Blagnac)
フランス 16,992
ハンブルク
(en:Finkenwerder, シュターデ, en:Buxtehude)
ドイツ 13,420
Broughton, en:Flintshire, en:Wales イギリス 5,031
ブリストル (フィルトン), イングランド イギリス 4,642
ブレーメン ドイツ 3,330
マドリッド (Getafe, Illescas) スペイン 2,484
en:Saint-Nazaire フランス 2,387
en:Nordenham ドイツ 2,086
ナント フランス 1,996
Albert (en:Méaulte) フランス 1,288
en:Varel ドイツ 1,191
en:Laupheim ドイツ 1,116
カディス (en:Puerto Real) スペイン 448
ワシントンD.C. (Herndon, Ashburn) USA 422
北京 中国 150
ウィチタ USA ?
モービル (アラバマ州) USA ?
マイアミ (マイアミ スプリングス) USA ?
セビリア スペイン ?
モスクワ ロシア ?
天津市 中国 計画
総計 56,966+

¹都市名、国名の順番で表記、括弧内に厳密な地名を表記

[編集] 関連項目

[編集] 参考資料

  • エアバスの真実―ボーイングを超えたハイテク操縦 講談社
  • ボーイングVSエアバス―2大旅客機メーカーの仁義なき戦い イカロス出版
  • エアバスA320は、なぜ墜ちたか―パイロットのせいか、飛行機のせいか 講談社
  • 超巨人旅客機エアバスA380―夢の旅客機、2階建て850人乗り ワールドフォトプレス
  • ボーイングvsエアバス―旅客機メーカーの栄光と挫折 アリアドネ企画
  • スポーティーゲーム―国際ビジネス戦争の内幕 ジョン ニューハウス著 航空機産業研究グループ訳 學生社 (1988/12) ISBN 978-4311600142
  • Flight of the Titans: The Inside Story of the Airbus A380's Incredible Battle to Beat Boeing Virgin Pub
  • Recent Developments with Airbus Stationery Office Books
  • Flightpath Classics: Profiles Of The Aerospatiale's Bac Concorde, Boeing 777 & Airbus A300 Airtime Pub

[編集] 外部リンク

ウィキメディア・コモンズ

最終更新 2009年10月22日 (木) 03:32 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【エアバス】変更履歴

ご利用上の注意