エチレンプラント

エチレンプラントの最新ニュースをまとめて検索!

エチレンプラントは、石油化学工場において、炭化水素熱分解、分離精製してエチレンなどの石油化学製品を生産する設備である。一般的な石油化学工場においてはエチレンプラントが他の設備への原料供給元となるので、エチレン生産能力が工場全体あるいはコンビナートの規模の尺度として用いられる。

目次

[編集] 原料

設備の設計に応じてエタンLPGナフサ灯油軽油など各種の原料が処理可能なので、工場ごとの条件に応じて最適な原料が選定される。日本ではナフサが使用されることが圧倒的に多い。また天然ガス由来のエタン、LPG、コンデンセート(ナフサ相当の留分)が用いられることもある。この場合は厳密には石油化学ではなく天然ガス化学と呼ぶべきであるが、設備や製品はおおむね似通っているので石油化学の一種とみなすことも多い。なお、メタンはエチレンプラントの原料にはできない。メタンを原料に化学製品を生産するためには、C1化学と総称される全く別の技術体系が必要である。

[編集] 製品

エタンを原料とした場合は、エチレン収率が高いので純粋にエチレンの製造設備と考えてよい。しかし、それ以外の原料を使用した場合は、エチレン以外にプロピレンブタンブテンブタジエン芳香族炭化水素(ベンゼントルエンキシレン)など多様な製品が得られる。これらの製品を効率的に使用するために、エチレンプラントの下流には様々な生産設備が配置されて石油化学コンビナートを形成する。

[編集] 設備の構成

エチレンプラントは、熱分解工程と分離精製工程に分けることができる。

熱分解工程では、原料炭化水素と水蒸気の混合物を加熱炉内の反応管に導入しバーナーによって管の外側から加熱する。分解反応機構は無触媒ラジカル反応であり、反応温度は800-900℃、反応時間は0.1-1秒程度である。反応生成物は熱交換器によって急冷され、分離精製工程に進む。

分離精製工程では主として蒸留によって反応生成物を分離する。エチレンの蒸留精製においては水素、メタン、エチレン、エタンなどの混合物を液体にするために高圧かつ低温の運転条件となる。蒸留以外には、各種不純物除去、アセチレンなどのアルキンアルケンに転換するための水素添加、ブタジエンを精製するための溶媒抽出などの処理がなされる。

[編集] 設備の運用

石油化学工場は、一度起動すると年単位の期間で連続運転するのが一般的で、エチレンプラントもその例外ではない。しかし、加熱炉管と分解生成物急冷熱交換器の内壁への炭素質コークの析出は避けることができず、運転期間中の除去が不可欠である。そこで、加熱炉と熱交換器のセットを並列に設置して定期的に切り替え運転し、一部の加熱炉と熱交換器を分解反応系から切り離した状態でコークを燃焼除去する。これをデコーキングという。

[編集] 浸炭が及ぼすエチレン分解炉への影響

エチレン分解炉は主に炭化水素を流体とするので、それを1000℃以上に加熱するとやはり浸炭が起こるのは必然的である。その浸炭によってエチレン分解炉の材料に含まれるCrはCr炭化物となり、固くて脆いため割れを起こしてしまうので各製油所により浸炭度を測定する。浸炭を起こした材料は非磁性→磁性となるため、磁力を測定し浸炭度を調べる。

浸炭度 30%以上→目視出来る細かい割れ
浸炭度 1~5%→内面に微細な割れ
浸炭度 0.3%以下→無し

[編集] 日本のエチレンプラント

日本では1958年にエチレンプラントを中核とする石油化学コンビナートが初めて稼動した。現在は国内14ヶ所にエチレンプラントがあり、合計のエチレン生産能力は2005年末時点で723万トン/年に達している。エチレンプラントを所有している事業所をエチレンセンターと言う。以下はその一覧である。中には、コンビナートの中核としての機能を果たしていないものもある。

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月17日 (火) 12:46 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【エチレンプラント】変更履歴

ご利用上の注意