エンジンオイル

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エンジンオイルとは、エンジンに使用されている潤滑油石油由来のものが主流。

ここでは、主に自動車オートバイ(二輪車)などに使われるエンジン用のエンジンオイルについて述べる。

目次

[編集] 概要

エンジンにとってのエンジンオイルは人間にとっての血液のようなものであり、エンジン内各部へ行き渡ることで後述するような様々な作用を及ぼす。

自動車やオートバイで多く採用される4ストロークエンジンでは、エンジンオイルはエンジン内各部を循環している。停止時のエンジンオイルは、ウェットサンプエンジンならエンジン底部に取り付けられているオイルパン(オイル溜り)に、ドライサンプエンジンなら独立したオイルタンクに溜まっているが、エンジンが稼動し始めるとオイルパンやオイルタンクにあるオイルがオイルポンプにより吸い上げられ、オイルフィルターやストレーナーなどを通ってろ過され、(一部車種では)車体の前部に取り付けられた空冷オイルクーラーやエンジン内部の水冷式オイルクーラーを通って冷却され、クランクシャフトシリンダー壁、動弁機構など、エンジン内の各部へ圧送される。その後、オイルパンやオイルタンクへ戻ってくる。エンジン稼動中にはこの循環が繰り返されている。一部の車種ではオイルパンからオイルポンプを通ってフィルターを通り、オイルパンに戻る濾過のみのルートを別に持つ車種もある。また湿式クラッチや変速装置の潤滑などと兼用されているものもある。

4ストロークエンジンオイルは、上記のようにエンジン内を循環することで性能を発揮するのだが、その反面、エンジンの発する高熱に曝されたりエンジン内に発生した汚れを自らの中に取り込んだりして、徐々にその性能は劣化していく。そこで一定期間ごとにオイルを交換したり補充することで、その性能を回復させる必要が生じる。

かつての一部の自動車、現在でも主に小排気量のオートバイ、その他チェーンソー等で採用される2ストロークエンジンでは、エンジンオイルは燃料(ガソリン)に少量ずつ混ぜられ、クランクシャフトやシリンダー壁を潤滑した後に燃料と共に燃焼し、排気ガスの一部として排出される。その為に4ストローク用エンジンオイルと違って原則として循環せず1回きりの使い切りであり、その量は減少していくので、一定期間ごとに交換ではなく適時補充する必要が生じる。

危険物第4類第4石油類(潤滑油)に属する。

[編集] 役割

エンジンオイルには、主に以下のような作用がある。

  • 潤滑
  • 冷却
  • 気密保持
  • 清浄分散
  • 防錆防食

[編集] 潤滑

レシプロエンジンでは金属製のシリンダー内をピストンが毎分数千回上下するほか、クランクメタルやカムなど、エンジン各部に宿命的な金属同士による摩擦と発熱を生じる。それらによる摩耗を流体潤滑作用・弾性潤滑作用・境界潤滑作用により、軽減し焼きつきを防止する為に、エンジン内各部を通って潤滑するのが、エンジンオイルの重要な作用の一つである。なおロータリーエンジンも、金属製のハウジング内をローターが高速回転する為に、レシプロエンジンと同様に潤滑が必要である。 金属同士の摩擦だけではなく、給気された空気中の粉塵が燃焼室内へ入り、シリンダー内を磨耗させる。エアクリーナーによるろ過性能が低い場合はこの磨耗も増えるが、エンジンオイルは、粉塵の洗浄(洗い流す)だけではなくその粉塵による磨耗を減らす潤滑作用もある。

[編集] 冷却

エンジンオイルがエンジン内各部を通る際に、エンジンで発生した熱を奪うことでエンジン各部を冷却するのも、エンジンオイルの重要な作用の一つである。オイルに蓄えられた熱は、空冷式や水冷式のオイルクーラー、あるいはオイルパン(オイル溜り)等で冷却され、冷えたオイルはオイルポンプによりまたエンジン各部へ送られる。

エンジンオイルによる冷却作用は、空冷エンジンだけでなく水冷エンジンでも重要である。エンジンの構造上冷却水を循環させられない箇所も多く、そういった箇所の冷却は水冷エンジンでもエンジンオイルの冷却作用に頼るしかないからである。また、オイルの冷却作用を空冷エンジンよりも更に積極的に利用した油冷エンジンというものも存在する。

過給器(ターボチャージャー)付きのエンジンの場合、タービンハウジング(タービンを覆う容器)は排気温度(摂氏700度以上)により熱せられ、赤く発光する程であるが、そのタービンシャフトの保持(ボールベアリングなどを使わない油膜によるフローティング軸受け)や冷却もエンジンオイルに頼っている。特にタービンの軸受けへのオイル供給が停止されると、高温の金属同士が直接摩擦することで生じる焼きつきという現象が起こり、タービンが破損する。そのために水冷式軸受けを持つものを除いたターボエンジン搭載車には、「高速走行直後はしばらくの間エンジンを止めないで下さい」といった内容の注意書きがある。

[編集] 気密

シリンダーとピストンは完全に密着しているわけではなく、ごくわずかな隙間があるのでピストンは運動できる。この隙間に入り込んで気密性を保持するのも、エンジンオイルの重要な作用の一つである。エンジンオイルは両者を潤滑するとともに、それらの表面に液体(油膜)を形成する。

もし、この油膜の保持が不十分であればシリンダーに取り込まれた気体が燃焼室から漏れてしまい、正しい燃焼ができなくなる。また、点火した後に膨張した燃焼ガスも同様に漏れてしまい(これがブローバイガスである)、本来想定された出力を得ることができなくなる。

エンジンの老朽化に伴いシリンダーとピストンの間隙は徐々に増加するため、古いエンジンにとってこの役割はより重要である。

[編集] 清浄分散

エンジンが稼動すると、その過程で様々な化合物やスラッジ等の「汚れ」が発生する。これらの汚れがエンジン内に溜まると、故障の原因となったり、エンジンの寿命を短くする一因となる。これをできるだけ防ぐ為に、エンジン内に発生した汚れを取り除いてできるだけエンジン内を清浄に保ったり、取り除いた汚れを自らの中に取り込んで特定の箇所に溜まらないように分散させるのも、エンジンオイルの重要な作用の一つである。

こういった作用を持つ為に、4ストロークガソリンエンジン用エンジンオイルではオイルが使用経過と共に黒っぽく汚れていくのは、限度はあるものの正常といえる。それだけエンジン内の汚れをオイル内に取り込んでいる結果だからである。ただし汚れを取り除いたり取り込んだりする能力には限界がある為に、一定期間ごとに交換する必要がある理由の一つにもなっている。なお、ディーゼルエンジンでは交換直後から真っ黒に汚れてしまう場合があるが、これは燃料や燃焼の仕組みの違いにも起因しており、ガソリンエンジンでの場合のように必ずしも不調や故障が原因ではない。

また、エンジン内に空気を取り入れてそれを燃焼させるため、いかにエンジンに害となる汚染物質をフィルタしたきれいな空気を取り込むかが、非常に大きく影響をする。車が巻き上げる空気には、エンジン内部を削り取る硬質な異物が多数含まれており、フィルタ清浄作用の少ないエアフィルターや汚れたエアフィルターを使用しているエンジンでは、エンジンを磨耗劣化させそれがオイルを劣化させて清浄作用までもを劣化させる。

[編集] 防錆防食

燃焼によって発熱するエンジン内には、外部との温度差や燃焼そのものにより水分が発生しやすく、それがエンジンやその内部部品に錆を発生させる原因となる。また燃焼ガスやブローバイガス、あるいはエンジンオイルそのものの劣化などから発生する化合物も、エンジン内を腐食する原因となる。錆や腐食はエンジンの寿命を短くする一因であり、これらの発生を予防するのもエンジンオイルの重要な作用の一つである。

[編集] オイルの分類

[編集] 対応するエンジン形式による分類

自動車やオートバイ用のエンジンオイルは、以下の3種類に大別することができる。

4ストロークガソリンエンジン用オイル
ガソリンを燃料とする4ストローク機関に対応したエンジンオイル。エンジンの使用経過により性能が低下する為に、一定期間ごとに全量を交換するのが一般的整備方法となる。後述する2ストロークエンジンが、自動車排出ガス規制等により一般的でなくなってきている現在では、通常「エンジンオイル」といえばこのタイプを指すことが多い。なおこのタイプは基本的にレシプロエンジン用であり、燃焼行程でオイルが燃えて減りやすいロータリーエンジンには専用のものもある。
2ストロークガソリンエンジン用オイル
ガソリンを燃料とする2ストローク機関に対応したエンジンオイル。4ストロークと違い、2ストロークではエンジンオイルは燃料(ガソリン)と混合され燃焼してしまう為に、交換せずに補充するのが一般的整備方法となる。一般的な自動車やオートバイ用の2ストロークエンジンでは、エンジンオイルを溜めておくオイルタンクがあり、エンジン回転数等の条件にあわせた量がオイルポンプで自動的に混合気に混ぜられる。一部ではそういった自動供給機構がなく、あらかじめガソリンに一定の比率で混ぜておく必要があるエンジンもある(一部のオートバイやチェーンソー用エンジン等)。ちなみに、前者の方式を「分離給油」、後者の方式を「混合給油」と呼ぶ。いずれにせよ、2ストローク用エンジンオイルはガソリンに混ぜて使われるので、ガソリンとの混ざりやすさも重要な性能の一つである。なお自動車やオートバイにおいては、2ストロークエンジンを搭載する車種が排出ガス規制により減少の一途を辿っており、一般的でなくなりつつある。
ディーゼルエンジン用オイル
ディーゼルエンジンに対応したエンジンオイル。燃料や燃焼の仕組みの違いから、4ストロークガソリンエンジンとは違う特性が必要とされ、専用のものが用意される。ただし、一定期間ごとに交換する点などは4ストロークガソリンエンジン用と同じである。以前、排出ガス規制など環境関連の規制が緩かった時代には4ストロークガソリンエンジンと共用できるものも存在したが、本来はその性能を表わす工業規格も別であり、原則として共用はしない。

[編集] ベースオイル(基油)による分類

エンジンオイルはベースオイルの製法などにより次のように分類される:

鉱物油(ミネラル)
石油を精製する過程で得られるもの。分子量などは厳密にそろえることができないが比較的安価に製造でき、一般的にはこれが多用される。ナフテン系とパラフィン系があり、一般的な鉱物油は中近東から産出されるナフテン系が使用されている。パラフィン系はアメリカ・ペンシルベニア州などから産出されるものが有名だが、産出量が非常に少なくあまり販売されていない。また、ペンシルベニア産のオイルだと偽り、他国のオイルを販売しているケースもある。ただ、現在では精製技術が向上し、パラフィン系油田やナフテン系油田といった原油の産地で品質の良し悪しは決まらない。製品となるエンジンオイルは全てパラフィン系オイルになる。また、鉱物油を原料として高度水素化分解(ハイドロクラッキング)した物を化学合成油(一般にVHVI油と呼ばれるもの)としているが、本来の合成油とするか論議は分かれている。日本では化学合成油として扱うことが多いが、欧州などでは化学合成油として認められていない。しかし、性能的にはPAO等の性能に近く、また比較的安価に出来る事から利用が増えている。(一部の業者がパラフィン系鉱物油が特別高性能であるかのような誤解を与えてる広告をしている)
部分合成油(セミシンセティック、パートシンセティック)
鉱物油や高度水素分解油にPAOやエステルを20%前後混合し、100%化学合成油に近い性能を安価に提供できる。元々、鉱物油に化学合成油を一部でも混ぜたものに対してこの名称が用いられていたが、ほぼ鉱物油であるものに対してもこの名称が用いられることもあったため、業界の自主規制として現在では化学合成油が20%以上含まれたもの以外には使用されてはいない。
化学合成油(シンセティック)
PAO(ポリアルファオレフィン)は石油からナフサを分留し、エチレンとし化学的に分解・合成しなおして、成分や分子量を一定にしたもので、製造コストが高いが、性状を比較的自由に設定でき、せん断安定性に優れる。
エステルはポリオールエステル、ジエステル、コンプレックスエステルなどがあり、動植物の脂肪酸アルコールを化合して生成される。エステル結合部分のカルボニル基極性を持ち、特にその酸素原子にある-δ(負の極性)は、オイル自身を金属表面に吸着させる効果がある。しかし、コストが高く、寿命も短い傾向のため一般的ではない。
フィッシャー・トロプシュ法による基油。 原油価格高騰のために単価としては石油よりも安価な天然ガス(GTL)から作られる製品も増えてきている。

エステル系とPAO系はともに化学合成油だが、化学的安定性や粘度抵抗などに大きな違いがあり全く別の性質をもつ。一般的には化学的安定性の非常に高いPAOに粘度抵抗の小さいエステル系を一部混ぜ合わせたものを基油として用いることが多いが、サーキット走行用に100%エステル系を使用したオイルも存在する。

その他化学合成油の基油(ベースオイル)として、アルキルナフタレン、ポリブデンなどがある。

またアメリカの広告審議会(NAD)の採決により、高温高圧下で水素、触媒を用いてワックスや石油重質分を分解・異性化精製する、ハイドロクラッキングオイル(高度精製油、高粘度指数油、超精製油とも表記される。商品目ではVHVI、MCなど)も化学合成油(シンセティック)として表示される場合が増えているが、厳密には化学合成油ではない。

植物油
ひまし油など。潤滑性はたいへん優れておりレースに用いられるが、酸化しやすいために現在の一般車ではほとんど用いられない。オイルメーカー(ブランド)のカストロールは、エンジンオイルの原料としてこのひまし油を用いていたことにその名を由来する。

一般ユース向きの製品としてはFUCHS(フックス)が植物油ベースの生分解性オイルを販売している。 フックスは日本では知名度が低いがポルシェカップのサプライヤーをはじめクライスラー BMW VW OPEL ポルシェ等の欧米の自動車メーカーの新車充填油、承認油(指定油)となっている大手メーカーである。


APIによる基油(ベースオイル)の分類

グループⅠ 

溶剤精製された鉱物油(ミネラル 石油系炭化水素)

粘度指数(VI)80~100


グループⅡ

水素化処理精製鉱物油(ミネラル 石油系炭化水素)

粘度指数(VI)90~120

グループⅢ

(ミネラル/シンセティック 石油系炭化水素)

高度水素分解精製された高粘度指数鉱物油(近年化学合成油と表示されることが多い。フィッシャー・トロプッシ法やワックス水添異性化分解された基油もここに属する)

粘度指数(VI)120~145


グループⅣ

(シンセティック 合成炭化水素)  PAO(ポリアルファオレフィン・オレフィンオリゴマー)

粘度指数(VI)120~130


グループⅤ

グループⅠ~Ⅳ以外。エステル系(ジエステル、ポリオールエステル、コンプレックスエステル)のほか、アルキルナフタレン、植物油もこのグループに含まれる。



[編集] SAE粘度

エンジンオイルは粘度によってその用途や使用環境が異なり、基本的にはメーカー推奨の粘度に従って選定する必要がある。

[編集] マルチグレード

  • 一般的に使用されているエンジンオイルでは、○○w-●●(例: 10w-30)のように表示されている。
  • 粘度表示は●●の部分で、数字が大きいほど動粘度が高いという意味であって、必ずしも耐熱性が高くなっているわけではない。耐熱性は、基油の性能に大きく依存する。
  • 原則として、マルチグレードの下限(○○wの数値)と上限(●●の数値)との差が少ないほど、ベースオイル(基油)に対して添加剤の割合が少なく、添加剤の消耗・せん断(走行による)による粘度変化が少ないと言える。
  • エンジンオイルの粘度は、エンジンのクリアランスの大きさで決定する場合が多い。
  • 一般的に、発熱量の多いエンジンや、フリクションロスを減らす為にクリアランスが大きく取ってあるレース用車両等は、気密性や潤滑性能の維持の為にも粘度の高い50番以上を使用する。そのほか、総走行距離が多いなど、エンジンが摩耗しクリアランスが大きくなったエンジンには40番や50番等の高粘度のエンジンオイルを使用する事によって圧縮比を維持したり、クリアランスの大きさ故のエンジン音を抑制出来る。逆に、現在の省燃費車はクリアランスが小さく、極低粘度の20番等を使用する。
  • 粘度が小さいものはエンジンに抵抗が少なくなるので燃費が良くなり、吹け上がりはシャープに成るが、負荷の多い車輛等には適さない。タペット音が発生しやすいと言われている。
  • 粘度が大きいものは摩擦抵抗が大きくなるので、アクセルレスポンスがやや緩慢になったり、エンジンが過熱する可能性がある。緩衝性が大きいのでエンジンの静粛性が向上する。
  • また単純に粘度が高いから、エンジンの保護性能が高い訳ではなく、ベースオイルの基本性能が大きな要素である。
  • ○○wは低い数字になるほど低温時の始動性が向上する。下記はあくまでも一般的な目安である。
    • 5w:-35℃程度まで
    • 10w:-25℃程度まで
    • 20w:-10℃程度まで
  • 2002年頃から車種によっては規格として最も粘度の低い0w-20が推奨されている場合もある。また2009年には、本田技研工業がさらに低粘度の規格外エンジンオイルを自社のハイブリッドカー用に開発・発売した。ただし、推奨されていない車にこのような低粘度オイルを入れると故障の原因となる(オイル・タペットから出るタペット音の増加などを含む)。逆に夏場は5w-30など硬いオイルを入れたほうが良いといわれる。
  • 基本的にメーカー指定粘度を大きく変えないことが必要であり、特に、使用説明書に載っている粘度以下(特に高温側)のオイル使用は避けるべきである。高温側を多少上げる(5W-30→5W-40にする等)は燃費の悪化及び加速の鈍化はあるが、問題は少ない、しかし逆に下げることはエンジン内部の摩耗促進・気密性が劣化し所定の性能を発揮しないばかりか、エンジン寿命を縮める可能性が有る。

[編集] シングルグレード

  • 単一の粘度を持つエンジンオイル。
  • ドラッグレース仕様車や旧車・空冷エンジン車、気温の変化が殆ど無い地域など、ごく限られた条件下で使用する車両に使われる事が多い。
  • 粘度変化がマルチグレードより少ない。
  • シングルグレード指定の車両にマルチグレードのオイルを使用すると、オイル漏れを起こしたり、オイル上がりやオイル下がりなどの不具合が発生することがある(主に旧車)。これは当時、マルチグレードのエンジンオイルが無かったため、シングルグレードのエンジンオイル専用のエンジン設計になっているからである。

[編集] 工業規格による分類

[編集] オイル管理

エンジンオイルは、機械的圧力による分子の剪断(せんだん)、外気による酸化・ニトロ化、熱による重合、燃料やブローバイガスなどの混入・希釈により徐々に劣化し、劣化したまま使用し続けた場合、機関の故障に繋がるため、交換が必要となる。 粘度が失われたエンジンオイルを使用し続けると、エンジン内部の油膜形成が出来なくなり、エンジンの保護性能が失われる。 添加剤配合量にもよるが、鉱物油では約70℃~90℃以上、化学合成油でも110~130℃程度で熱による化学変化などのオイル劣化が始まり、一度劣化したオイルは油膜保持性能や緩衝作用などのエンジン保護性能が減衰し回復しない。

一般的な乗用車のオイルの劣化は、使用方法によって千差万別であり、目で見る・触る等の簡単な点検で判断できるものではなく、使用感による判断も心理的影響が大きく難しいため、メーカー指定の使用期間や距離(後述)によって交換が行われるのが一般的かつ合理性を持っている。

また、オイル交換と同等以上に必用なのはオイルの量のチェックである。エンジンに不具合が無い場合、オイル量は徐々に減っていく。そのため、規定量より下回らないように補充する必要がある。ただし、一般的には減少量はわずかで補充を必要とする場合は少ない。大きく減少するようならば、オイル漏れやオイル上がりと言ったトラブルの発生を疑う必要がある。逆にオイル量が増えた場合、エンジンの不具合による燃料等の混入が疑われる。

[編集] 自動車

オイル交換は、車両保証の観点で言えば、メーカーが規定しているエンジン使用期間や使用走行距離基準に応じて行うことが必要である。交換や点検管理をしていないと、エンジンオイルはタイミングベルトのような脆弱なものを含むエンジン内の全ての部位に関わるものであることから、エンジンにどんな不具合が生じた場合でも整備不十分によるものとみなされ本来の保証が受けられなくなることが想定される。

しかし、オイルに含まれる基油や添加剤の性状劣化特性から言えば、メーカーの指定交換時期は絶対的なものではなく、あくまで一般的使用条件を想定したものであり、規定より劣化が早い・遅い使用条件も存在する。

メーカーは、劣化が早い使用条件としてエンジンオイル以外の消耗品も含めてシビアコンディション(後述)という参考基準を提示しており、概ね一般的な使用の半分の期間・距離での交換を推奨している。

逆に、平坦地を法定速度付近の一定速度で淡々と長距離を走ることが多いような使用条件の場合、オイルの劣化は一般的使用条件よりも遅くなる。こうした場合は(あくまでメーカー保証対象外での自己責任ではあるが)メーカー指定より長期まで不交換で使用することも可能である。

また点検等でエンジンに不具合が発見され、原因を解決した後や、高速走行(レース走行等を指し、高速道路の走行では無い)でオイルが高温にさらされた後(後述)の場合にも、オイル交換が必要となる。

[編集] 一般

一般的に自動車のオイル交換時期は、オイル性能や、オイル減少限界を考慮に入れた距離・期間として下記のものが取扱説明書に指定されている。この基準は、現在の国産車においてほぼ共通したものとなっている。(旧車においてはこの限りではない。)

【自然吸気エンジン】(直噴エンジン・ロータリーエンジンを除く)

  • 交換後走行距離10,000から15,000km
  • 交換後1年

(上記の内、どちらかに達した時点で交換)

過給機(ターボ・スーパーチャージャーなど)付きエンジン】

  • 交換後走行距離5,000km
  • 交換後半年

(上記の内、どちらかに達した時点で交換)

シビアコンディションで使われた車の場合は概ねこの半分の期間での交換が指定されている。 尚、シビアコンディションの定義は、メーカー(自動車製造会社)により多少の差異は有るが概ね、以下の様に定義している場合が多い。

  • 一回の走行距離が、7.0km以下の走行の繰り返しの場合(所謂、チョイノリ)。
  • 登阪路等の、高回転・高トルクを必要とする走行。
  • 未舗装路等の、粉塵の多い道路の走行。

すすの出易いガソリン直噴エンジンロータリーエンジン、は、自然吸気ガソリンエンジンよりもエンジンオイルにとって厳しい条件となるため、取扱説明書でも短期の交換が推奨されている場合が多い。また、専用純正オイルが用意されている場合もある。 例:三菱自動車は、かつてGDIエンジン専用オイルを用意していた (その後に汎用の純正オイルの品質を改善したため、現在はGDIも通常の三菱純正オイルが使用される)

20,000から30,000km無交換でよいとされる車種もある。オイル容量の多さ、酸化等の劣化が進みにくい特性を持つPAO等を主成分とした100%化学合成油を指定オイルとしたドイツメーカーの車種では、環境保護を目的として国産車より長い交換サイクルが指定される。また、最近では、センサーによりオイルの状況を感知しオイル交換の時期を指示する車両も現れている。

  • これらの取扱説明書による規定は保証期間内でエンジンに支障をきたさないために自動車メーカーとして定めた最低限の要求であり、オイル自体の劣化は徐々に進んでいる、推奨値を最大として使用条件により早めに交換したほうが良いという意見がある。しかし、現在は製造物責任法により取扱説明書の記述に欠陥がある場合は製造物の欠陥と同格に扱われることが規定されており、不具合に繋がる危険性を十分に排除した記載が製造者側に求められていることから、指定交換時期は余裕を持って設定されているとの見解もある。
  • 一部オイルメーカー・ガソリンスタンドカー用品店自動車整備工場等では3,000から5,000kmごとの交換を推奨している。その根拠として、3,000から5,000km程度走行するとエンジンの機械的な騒音が多少高くなることやオイルが汚れて黒くなることなどを挙げている。しかしながら、これら言説では劣化状況の説明として不十分である。エンジンの騒音の原因は機構上問題が無い程度の粘度の低下が主であり、多少大きくなっても直ちにエンジンが故障するものではない。また、オイルが黒くなるのはオイルの清浄作用によるものであり、1,000kmほどでかなり黒くなっている。黒くなったから直ちに性能が劣るというものでもない。
  • これらの業者により、オイルの特性による正常な現象を故障に結びつく要因として消費者の不安を煽るような表現を用いた交換推奨が行われるのは、頻繁なオイル交換によるオイルそのものの拡販、来店頻度を増やすことによる整備用品拡販・整備業務受注の拡大を狙ったものという批判がある。オイルメーカーは、環境問題への配慮から交換時期を長期化したロングドレインオイルの開発が求められている。学術的研究としては長寿命化に取り組んでいながら、広報上は一般的取扱説明書記載時期よりかなり短期での交換を推奨をするオイルメーカーもあり、そうした不誠実な対応もこの疑惑を強めている。逆に、極端な短期で強く推奨をしなければ、オイル交換だけでなくエンジンルーム内の必要な点検や整備をしない消費者も多いため、良心から意図的に短期推奨を行っているという擁護的見解もある。


  • 他にメーカー指定よりも交換推奨距離が短くする理由として、オイル劣化の度合による部品磨耗リスクの増大がある。極端に交換推奨距離を短くしている場合は、摩耗防止性能が新油の7~8割程度に劣化する距離で設定されていることが多い。(カストロールなどのオイルパンフレットにおけるオイル性能曲線などを参照)


  • 使用者としては、車種毎に決められた取扱説明書に記載のオイル交換時期やシビアコンディションの定義を参考に、油量などの適切な点検を行った上でオイル交換の頻度を決めることになる。一部業者による、オイルの交換サイクルが原因と喧伝される故障のうちには、油量不足を原因とするべきものが含まれている。
  • 近年登場しつつあるスロットルバルブを廃し、吸気バルブのリフト量調節によるエンジン出力調整を行う(バルブトロニック(BMW)やバルブマチック(トヨタ)と呼ばれるもの)機構を持つガソリンエンジンは、その構造上"オイル下がり"(吸気バルブハウジング出入口での圧力変動により、吸気バルブを潤滑しているオイルを燃焼室内に吸い込み排気されてしまう現象)が起きやすい。
  • 一般的な鉱物油の基油で粘度指数が100未満、PAOやVHVIで130程度であるが、このままではまだ要求する粘度指数に満たないため、粘度指数向上剤(ポリマー)を配合し粘度指数を上げているが、配合されている添加剤は変質しやすいので時間の経過と共に粘度が失われていく。エンジンオイルを抜いた時に勢い良く排出されるのは粘度が失われているためである。加えて、エステル系の化学合成油は水分で分解(加水分解)しやすい性質がある為、多湿地域で多く走行している車などは更に早いサイクルで交換する必要がある。一方でPAO系の化学合成油はPAOの化学的安定性が非常に高く、また耐熱性も高いために長期間の放置、長距離、長時間の使用に耐えうるロングドレイン油として使用される。一般に売られている化学合成油の殆どはPAOをベースにしているために交換推奨距離、期間が長いものが多い。エステル系ベースの化学合成油は粘度抵抗が非常に低いためエンジン出力を上げる上では有効であるが、先述したように耐用期間が短い。従って化学合成油だからといって全てが長期間、長距離使用できるわけではない。また、化学合成油はオイルシールに対する攻撃性(分子の細かさ来る浸透性)が、鉱物油より高く(PAO系=収縮性・エステル系=膨張性)、化学合成油の使用を前提としないオイルシールを使用した旧車等では、オイル漏れが発生する可能性がある。
  • エンジンオイル交換の際に上限を超えた量を注入すると、エンジン内部(クランク等)に干渉して内部抵抗が増え燃費の悪化やオイルに気泡が発生し、エンジンオイルの寿命が極端に短くなる事がある。その為、オイルは適正な量で交換しなければならない。
  • 現在の国産車の多くが採用しているSAE規格0W-20の超省燃費オイルであるが、これにはメーカーによっては工場充填の際二硫化モリブデンなどのエンジン保護添加剤が高濃度で添加されているものもある。(例:トヨタ純正キャッスル0W-20)これは0W-20のオイルは耐熱性が比較的低い鉱物油もしくは部分合成油(トヨタ、ホンダはVHVIベース鉱物油、日産は部分合成油)であるため熱による油膜切れでエンジン内が損傷することを防ぐためである。

省燃費オイル仕様車はある程度エンジンの慣らし運転によるシリンダとピストンの摺り合わせ(平滑化)が終了する(2~3000km程度)までオイル交換はしないほうが良いようで、実際新車走行1000km未満で100%化学合成油の0W-20にオイル交換をした車両でのエンジン焼きつき事例が何件か出ている。(2007年にカストロールedge 0W-20で事例報告あり。メーカーから小売業者向けに注意文書が配布されている)また、ロータリーエンジンに関してはアペックスシールの化学合成油による侵食劣化が原因での気密漏れ事例も報告されており、ロータリーエンジン(特にFC以前の搭載エンジン等)には高粘度で攻撃性の低い鉱物油が良いとされている。

[編集] 大型車

大型車の場合、非常に長い距離をオイル交換せず補充のみで乗り切ることもある。これは、乗用車に比べてオイルの使用量が多く(数十リットル)、交換に多額の費用がかかることと、相対的にエンジンが低回転域で運用されることから、結果的に負荷が少ないためである。もちろん、より長距離あるいは長期間エンジンを好調に保ちたければ定期的にオイルを交換したほうがよいことに変わりはない。

[編集] ディーゼル車

ディーゼルエンジンのオイルは、燃料の軽油硫黄分が多く含まれることから、ガソリンエンジンと比べて過酷な環境下で使用されることとなる。オイルの色は交換後でもすぐに黒くなり、透明度や色で交換時期を判断しにくいため走行距離(稼働時間)で管理することが望ましい。実際国産メーカーのディーゼル車のオイル交換推奨距離は5,000km程度(トヨタ車)でガソリン車より圧倒的に早く、これを見てもディーゼルオイルの汚れやすさがわかる。ガソリン車用の化学合成油配合油にはディーゼル車共用のオイルも存在するが、これはディーゼル車用エンジンオイルに必須となるすすを分解させる清浄分散剤の配合量と軽油に含まれる硫黄分などの酸化物質を中和する中和剤、オイルの酸化を防止する酸化防止剤などが鉱物油より化学合成油系には多く含まれているためである。しかし、ディーゼル専用として作られたオイルにと比べるとそれでも添加量は不足しており、結果として価格の低いディーゼル車専用鉱物油が、価格の高い共用100%化学合成油よりもディーゼルエンジンオイルとしては規格が上であることが多い。また、DPF装着車は排気ガス中に含まれるオイル粒子を触媒内に蓄積してしまうため、これが排気熱により過熱することによって触媒劣化が異常進行し触媒寿命を縮めてしまう。従ってDPF装着車の場合はこの問題に対策をとったオイルに与えられる日本技術会の規格であるDH-2規格のオイルを使用することが望ましい。API規格のCF-4規格だと対応しているものと対応していないものがある。さらに新しい規格であるDL-1が存在し、既存のCF系規格(CF/CF-4)やDH規格(DH-1/DH-2)との互換性は無い。DL-1規格が指定されている車両にそれ以外のオイルを使用し続けると、格段にDPFの寿命を縮める結果を招く。車両に付属している取扱説明書をよく確認する必要がある。日常的なメンテナンスの一部であるエンジンオイルの交換については、ある程度ユーザー側の責任が求められる部分もある。

ディーゼル車が走行距離の多い長距離トラックなど営業車等に使われる場合が多く、オイルの交換頻度は車両の維持費、台数が多ければ会社の経営にすら影響を与える問題となる。このため、化学合成油をベースオイルにし、ススの分散性、耐磨耗性を強力な添加剤で補ったロングドレンオイルも造られている。これらの中では、高速道路での走行を主体とした路線トラックに使うことを前提に10万kmの走行を可能と謳う商品も現れている。

[編集] オートバイ

オートバイでは、4ストロークガソリンエンジン2ストロークガソリンエンジンを搭載するものの2種類が一般的である。ロータリーエンジンやディーゼル燃料を使用するディーゼルエンジンを搭載するものも存在するが、特に日本では非常に稀である。ここでは一般的なガソリンエンジンについてのみ述べる。

4ストロークエンジンを搭載するオートバイでは、スクーター等の無段変速機装着車や、レース用車両等の乾式クラッチ装着車などを除き、エンジンオイルがトランスミッションクラッチの潤滑や冷却を兼ねていることが多い。こういったエンジンでは、トランスミッションを構成するギアの噛み合いや回転によりエンジンオイルのせん断が起きやすく、湿式クラッチから生じるスラッジがエンジンオイルを汚しやすく、クラッチやトランスミッションがエンジンと別体式が一般的な自動車用エンジンよりもエンジンオイルの劣化を早める。またオートバイ用エンジンは一般的な自動車用エンジンと比べて上限回転数が数倍に達する車種も多く小型高出力のため、せん断が頻繁におき、それがエンジンオイルの劣化を早める一因となっている。これらの理由から、オートバイでは一般的な自動車よりも早い交換時期(1/2程度かそれ以上)で交換を実施するよう指定されていることが多い。また、トランスミッションの潤滑を兼ねているエンジンではオイルに微細な金属片(金属粉)が混じりやすく、慣らし運転中あるいは初回オイル交換は更に早めの交換が推奨される場合が多い。

なお湿式クラッチを採用することの多いオートバイ用エンジンでは、自動車用では一般的な減摩剤が入っているエンジンオイルを使用すると、クラッチの滑りが生じる場合がある。そういったトラブルを防ぐ為に、そのエンジンオイルがオートバイ用としてどんな特性を持つかを表わすものとして、自動車技術会の定めたMA、MA1、MA2、MBという4種類のJASO(日本自動車規格)と呼ばれる規格がある。[1]

2ストロークエンジンを搭載するオートバイでは、エンジンオイルをガソリンに混ぜて共に燃焼させる構造で排気ガスの成分に影響する為に、環境性能を含めたオイルの性能を表わすものとして、2ストロークエンジンオイルにも専用のFB、FC、FDという3種類のJASO規格がある。[2]また2ストロークエンジンでは、エンジンオイルの他に、トランスミッションやクラッチを潤滑する為に別のオイル(ミッションオイルやギアオイルと呼ばれる)が別途エンジンに注入されており、これを定期的に交換する必要がある。ミッションオイルは4ストロークエンジンオイルより負荷が少なく、劣化する要因も少ない為に、その交換時期は長めに設定されていることも多い。なお、ミッションオイルには4ストローク用エンジンオイルを流用することも多いが、これに自動車用エンジンオイルを使うと湿式クラッチでは滑りが発生する可能性があるのは、4ストロークエンジンと同じである。

[編集] 航空機

[編集] 一般

レシプロエンジン推進の航空機においては、オイル交換の時期は、各機体のメンテナンスマニュアルを参照する。

[編集] オイル補充

どのようなエンジンであってもオイルの量が不足すれば補充が必要であるが、漏れ(オイルリーク)あるいは燃料と共に燃焼してしまっている(オイルアップ)などの、オイル減少の原因を除去しないと再びオイル不足が起こる。

[編集] オイルフィルター

オイルフィルターとは、別名オイルエレメントとも呼ばれ、4ストロークガソリンエンジンやディーゼルエンジンに備えられたオイルのろ過装置である。

エンジンオイルにはエンジン内部を清浄に保つ為にオイル中に汚れやゴミを取り込む役割(清浄分散作用)があるが、そのオイルを浄化するためのろ過装置としてオイルの循環経路にオイルフィルターが設けられている。現在ではほとんどの自動車やオートバイのエンジンにオイルフィルターが装備されているのが一般的だが、設計年代の古いエンジンや簡素な設計のエンジンではオイルフィルターがなく、より簡単な金網状のオイルストレーナーが付いているだけというものもある。

オイルフィルターがあると、エンジンオイルがそこを通過することにより、オイル内に取り込まれていた金属粉やスラッジ(ホコリや燃焼カスなどの不純物)が濾し取られる。特に金属粉は、放置すると研磨剤と同様の効果をエンジン内に及ぼしてエンジン損傷の原因になる為、その除去は重要である。だが、オイルフィルターのろ過能力は上げ過ぎると油圧上昇や目詰まりなどの不具合を引き起こす可能性がある為にその性能はある程度のところで抑えられており、オイルフィルターですべての金属粉やスラッジ等が除去できる訳ではない。

多くのエンジンでは、オイルフィルターのろ過能力が低下し目詰まりを起こした場合を想定してバイパス機構を備えている。フィルターが目詰まりしてエンジン内各所にオイルが供給できなくなると、エンジンが焼き付く原因となるからである。これを防止する為に、万一フィルターが目詰まり等を起こした場合にはフィルターを介さず、オイルパンやオイルタンクより直接オイルポンプにオイルを供給する。ただしこの機構はあくまで非常用であり、フィルターが目詰まりする前に定期的に交換するのが原則である。

[編集] オイルフィルターの交換

自動車の場合、通常はオイル交換2回のうち1回のオイルフィルター交換が推奨されている。車種・メーカーにより、オイル交換と同時に毎回行うことが推奨されている場合もある。フィルターを交換した場合は、フィルター内部に含まれていた分のオイル量が不足するため、フィルターのサイズに応じてオイル交換のみの場合より余分(0.2から0.5リットル程度)にオイルを充填する必要がある。なお、自動車の取扱説明書に記載されているオイル充填量は、フィルターとオイルを共に交換する時の量を示している場合が多い。

近年、フィルターユニット全体を交換するカートリッジ式に対して、環境負荷低減のために外殻を再利用しフィルターのみを交換するフィルター交換式エンジンが増えている。現在では欧州車では交換式が主流となっており、国産車でもトヨタ、日産の新開発のエンジンに関してはこの方式を採用する例が増えている。

[編集] 油量・油温・油圧

[編集] 自動車

一般的な乗用車(排気量2,000ccクラス)のエンジン内部に必要なエンジンオイルは4リットル弱である。最近の乗用車では、特に小排気量エンジンを搭載している車種を中心に3リットル程度で済むものも多い。特にガソリン電気ハイブリッド自動車の場合は、車体が1800ccクラス~1600ccクラスに見えてもガソリンエンジン自体は1300cc相当であることもあり、エンジンオイルの規定量はせいぜい3リットルである。

一方でオイル量が増える場合は以下である。まず、3,000ccを超える大排気量車はオイル量が5リットルを超えやすい。次に、過給器搭載車や直噴エンジン搭載車は、最新のエンジンにて意図的にオイル量を増やす傾向がある。また、欧州車は一般にオイルの量が日本車より多い。例えば、ベンツは小排気量の一部車種を除き5.5~9リットルが標準であり、BMWも2,000cc以上ならば6.5リットル程度が標準である。 ディーゼルエンジンの場合も、先述したようにオイル汚れや油量減少が激しいため、旧型の一部車種を除きオイル量はガソリン車に比べてかなり多くなる。5リットル~9リットル程度が標準である。大型トラックやバスは、エンジン自体が大きく、オイル量は数十リットルにもなりうる。

一般的な乗用車の適正油温は90~100℃である。油圧は油温に依存し、低温時8kgf/cm2(約800kPa)前後、高温時2~3kgf/cm2(約200~300kPa)である。

[編集] オイルメーカー

[編集] 脚注

[編集] 関連項目


最終更新 2009年10月23日 (金) 00:39 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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