エンブラエル EMB-312
エンブラエル EMB-312の最新ニュースをまとめて検索!
エンブラエル EMB-312 ツカノ
エンブラエル EMB-312(Embraer EMB-312)は、ブラジルの航空機メーカーエンブラエルが開発したターボプロップ単発の初等練習機。愛称はツカノ(Tucano:オオハシの意)。ブラジル空軍では練習機仕様機に「T-27」、COIN機仕様機に「AT-27」の名称を与えており、海外ではライセンス生産を行っているイギリスのショート社が「ツカノT.1」の名称を付与している。
目次 |
[編集] 概要
1970年代中頃からブラジル空軍では、T-25初等練習機の後継機として、ターボプロップ練習機の開発をエンブラエル社に要請し、ブラジル航空省から1978年12月6日に試作機2機が発注され、1979年1月から機体設計作業が開始された。
1980年8月16日に試作初号機が初飛行し、1983年9月からT-27の名称でブラジル空軍に引き渡された。なお、EMB-312の生産は2001年で終了し、開発プログラムは発展型であるEMB-314 スーパーツカノの生産に移行している。
[編集] 機体構成
EMB-312は、タンデム複座型のターボプロップ単発機で、コクピットはフレームのない一体型バキューム成型キャノピーで覆われ、アメリカのマーチンベーカー社製BR8LC軽量射出座席をプロペラ式練習機では世界で初めて装備し、後席は前方視界を確保するために25cm高くなっている。
主翼はアスペクト比6.4のテーパー翼で、取付け角は1度25分、上反角は5度30分。尾翼は通常の低翼構成で、水平安定板前縁付け根から細長い延長部が胴体に延びている。操縦翼面は補助翼、昇降舵、方向舵の通常3舵で、いずれもタブが付いている。主翼後縁内側は電動の単隙間フラップとなっている。また、胴体構造には機械削出しインデクラル工作やケミカル・ミーリング、金属接着などを用いている。プロペラはハーツェル社製3枚ブレードの定速プロペラを装備する。
降着装置は前脚式3脚で、いずれも単車輪装備で油圧により引き込み/脚出しが行われ、前脚にはシミー・ダンパーがついている。なお、EMB-312は元々、軽攻撃任務に使用できるように設計されており、主翼下には片側2ヵ所、計4ヵ所のハードポイントが設置されている。
[編集] 海外輸出
EMB-312は、海外輸出も積極的に行われ、エジプトのヘルワンとイギリスのショート社ではライセンス生産もされている。ショート社のライセンス生産機はツカノT.1と呼ばれ、エンジンをアライド・シグナル社製TPE331-12Bターボプロップ・エンジンに換装し、主翼端フェアリンクの変更により翼幅がわずかに増加している。このツカノT.1はケニアとクウェートへも輸出されている。
なお、EMB-312を導入した多くの国では練習機として運用しているが、ブラジルとパラグアイの2ヶ国では軽攻撃/COIN機として運用している。
[編集] 採用国
[編集] 性能諸元
- 全幅:11.14m
- 全長:9.86m
- 全高:3.40m
- 主翼面積:19.4m2
- 空虚重量:1,870kg
- 最大離陸重量:2.550kg(クリーン時)/3,175kg(機外装備時)
- 最大兵装搭載量:1,000kg
- エンジン:プラット・アンド・ホイットニーカナダ PT6A-25C ターボプロップ×1
- 推力:559kW
- 最大速度:242kt
- 巡航速度:222kt
- 超過禁止速度:280kt
- 海面上昇率:680m/min
- 実用上昇限度:9,150m
- 荷重制限:+6.0G/-3.0G(クリーン時)/+4.4G/-2.2G(機外装備時)
- フェリー航続距離:1,798nm
- 航続距離:995nm(機内燃料のみ)
- 乗員:2名
[編集] 派生型
- EMB-312:エンブラエル社での名称
- EMB-312F:フランス空軍向け生産型
- ツカノT.1:ショート社でのライセンス生産型
- ツカノMk.51:ケニア空軍向けのツカノT.1
- ツカノMk.52:クウェート空軍向けのツカノT.1
- T-27:ブラジル空軍での練習機型名称
- AT-27:ブラジル空軍でのCOIN機型名称
[編集] 参考資料
- エアワールド別冊 世界軍用機年鑑
- 青木 謙知編、2007、「Jwings戦闘機年鑑 2007-2008」、イカロス出版 ISBN 4871499391
[編集] 関連項目
最終更新 2009年11月2日 (月) 07:15 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【エンブラエル EMB-312】変更履歴



