オイカワ

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オイカワ

若魚
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
上目 : 骨鰾上目 Ostariophysi
: コイ目 Cypriniformes
: コイ科 Cyprinidae
亜科 : ダニオ亜科 Danioninae
: オイカワ属 Zacco
Jordan et Evermann, 1902
: オイカワ Z. platypus
学名
Zacco platypus
(Temminck et Schlegel, 1846)
和名
オイカワ
英名
Pale chub
Freshwater minnow 

オイカワ(追河)Zacco platypus は、コイ目コイ科・ダニオ亜科(ラスボラ亜科、ハエジャコ亜科とも)に分類される淡水魚の一種。西日本東アジアの一部に分布し、分布域ではカワムツウグイなどと並ぶ身近な魚である。釣りの対象としても人気がある。

目次

[編集] 生態

[編集] 概要

オイカワは成魚になると体長15cmほどで、オスの方がメスより大きい。背中は灰青色、体側から腹側は銀白色で、体側に淡いピンクの横斑が数本入る。三角形の大きな尻びれをもち、特に成体のオスは大きい。背中の背びれの前に黄色の紡錘形の斑点がある。上から見るとカワムツヌマムツに似るが、各ひれがより大きく広がってみえる。ハスの若魚にもよく似るが、ハスは横から見ると口が大きく、唇が「へ」の字に曲がっているので区別できる。

の中流域から下流域にかけて生息するが、などにも生息する。カワムツなどと分布域が重複するが、オイカワのほうが水流が速く、日当たりのよい場所を好む。またカワムツに比べると水の汚れに強く、河川改修され生活排水が流れこむ都市部の河川にも生息する。食性は草食性の強い雑食性で、藻類水草、水生昆虫や水面に落ちた小昆虫、小型甲殻類などを食べる。

繁殖期は5月-8月で、この時期のオスは顔が黒く、体側が水色、腹がピンク、尾びれを除く各ひれの前縁が赤という独特の婚姻色を発現し、顔に追星が現れる。川の流れが速い浅瀬に群がり、砂礫の中に産卵する。卵は3日ほどで孵化し、成熟まで2-3年かかる。

[編集] 分布

利根川水系と信濃川水系以西の本州各地、四国吉野川水系、九州に分布し、日本以外では朝鮮半島中国東部、台湾に分布する。ただし日本ではアユゲンゴロウブナなど有用魚種に紛れて放流されることにより各地に広がった。近年改修によって多くの河川は流れがより緩やかになり、河床は平坦にされている。水の汚れや河川改修にも順応するオイカワにとって、近年の河川は生息しやすい環境へと変化している。21世紀初頭の時点では東日本屋久島徳之島などでも記録される普通種となっている。日本国内の移動で生態系への影響も比較的少ないとはいえ、外来種であることに変わりはない。改修への順応が低いウグイカマツカなどの魚が減少する中ヌマムツと共にオイカワが増えている。

[編集] 生息の研究

川那部浩哉氏の宇川での研究によるとカワムツとオイカワが両方生息する川では、オイカワが流れの速い「瀬」に出てくるのに対し、カワムツは流れのゆるい川底部分「淵」に追いやられることが知られる。さらにこれにアユが混じると、アユが川の浅瀬部分に生息し、オイカワは流れの中心部分や淵に追いやられカワムツは瀬に追い出されアユと瀬で共存する。このことから河川に住むカワムツは河川が改修され平瀬が増えるとオイカワが増えてカワムツが減ることがわかっており、生態学の例として生物の教科書に載っている。また渡辺昌和氏の越辺川での研究でオイカワとヌマムツが両方生息する河川が護岸されたり堰が増えたりすると逆にヌマムツが増えることが判明してきている。またオイカワとヌマムツカワムツ交雑種が発見されている。オイカワとヌマムツの交雑種を通称オイムツ、同じくカワムツとの交雑種を通称オイカワムツと呼ぶ。特にオイムツは多数発見されており埼玉県越辺川水系の支流などでは、水量減少のためにヌマムツとオイカワの産卵場所が重なりオイムツが多数出現している。

[編集] 名前

ハヤ、ハエ、ハイ(各地・混称)ハス(淀川流域)、シラハエ、シラバエ、チンマ(近畿地方、北九州)ヤマベ(関東地方)ジンケン(東北地方の一部)など。

各地に多くの方言呼称があるが、多くの地方でウグイやカワムツなどと一括りに「ハヤ」と呼ばれる。「ヤマベ」はサケ科のヤマメを指すこともあり注意が必要である。淀川流域ではオイカワを「ハス」、ハスを「ケタバス」と呼んで区別している。なお標準和名「オイカワ」は元来婚姻色の出たオスを指す琵琶湖沿岸域での呼称であった。このほかにオスがアカハエ、メスがシラハエとも呼ばれる。

カワムツを初めてヨーロッパに紹介したのは長崎に赴任したドイツ人医師シーボルトで、オイカワの属名"Zacco"は日本語の「雑魚」(ザコ)に由来する。

[編集] 利用

釣りの対象、または水遊びの相手としてなじみ深い魚である。釣りの他に刺し網投網梁漁などでも漁獲される。

甘露煮唐揚げテンプラ南蛮漬けなどで食用にされる。滋賀県ではなれずしの一種である「ちんま寿司」に加工される。長期熟成による醗酵臭が強く硬い鮒寿司より、ちんま寿司の方が食べやすいという向きも少なくない。

[編集] 関連項目

[編集] 参考文献

[編集] 画像

ウィキメディア・コモンズ

最終更新 2009年11月24日 (火) 14:47 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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