オオクワガタ
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| オオクワガタ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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オオクワガタ(♂) |
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| 保全状態評価 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| 絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| 分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| Dorcus hopei binodulosus Waterhouse, 1874 |
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| 和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| オオクワガタ |
オオクワガタ(大鍬形、学名:Dorcus hopei binodulosus)は、コウチュウ目・クワガタムシ科・オオクワガタ属・オオクワガタ亜属に属するホペイオオクワガタの亜種であり、日本では最大級のクワガタムシである。 飼育下では最大の個体が生まれているが、野生下で見つかった個体ではツシマヒラタクワガタが最大である。 繁殖法が確立されているものの野生個体の生息が危ぶまれており、2007年には絶滅危惧II類に引き上げられた。
目次 |
[編集] 形態
体長: オス 21-76.5mm. メス 22-48mm (飼育下の最大♂84.7mm)
オスは大きな内歯(内側のトゲ)1対と、先端部分に小歯を1対を備えた、太く内側に湾入した大アゴを持つ。 体色は全身黒褐色~黒色の個体が多い。オスの小型個体やメスの鞘翅上面には明瞭な点刻列がある。 オスの小型個体では大アゴ先端の小歯は消失するが、中央の内歯は かなり小型の個体でも見られ、この種群の特徴となっている。
内歯の位置は体長によって変化し、大型個体から順に、第1内歯が大アゴの中央部分から前方に向かって生える「大歯型」。 第1内歯が大アゴの中央部分から ほぼ直角に内側に向いて生える「中歯型」。 第1内歯が大アゴの基部に生える「小歯型」という個体変異があるが、他のクワガタムシと比べ変異は連続的であるため、それほど違いは目立たない。
[編集] 分布
日本全土に分布するが、分布はブナ帯の原生林やクヌギの台木(台場クヌギ)林に集中し、局所的である。 島嶼部では対馬のみに分布していることから、中国大陸・朝鮮半島・対馬・日本本土が陸続きだった最終氷河期の頃に南下分布した可能性が高い。
[編集] 生態
日本産オオクワガタの成虫は、ゴールデンウイークから梅雨明け頃に活動を始め、ほとんど夜行性で、昼間はクヌギ・アベマキ・ナラ類・カシ類・ニレ類・ヤナギ類などの樹液が出る大木の樹洞などに隠れている。 性質は臆病で、危険を感じると、すぐに洞(うろ)に隠れる。飛ぶことも滅多になく、何らかの理由で住処(すみか)を変えざるを得なくなった場合に限る。 こうした樹洞を縄張りとしたオスの元に、メスが次々と訪れる生活を夏の間送り、メスは大木の立ち枯れなどに飛来し、産座を築いたり、トンネルを掘って、その内壁に産卵する。
9月末から10月くらいになると、成虫は早々と越冬態勢に入り、越冬成虫は翌年の5月頃まで活動を休止する。 このことからオオクワガタは温帯での生活に適応したクワガタムシであることが示唆される。
野生個体の生活環は生息域により異なるが、甲信越や関東では、2年1化1越年(幼虫で2年過ごし夏に羽化後翌年まで静止する)で、孵化から3年目の初夏に活動を開始し、成虫は繁殖活動後も越冬を繰り返し、飼育下では5~6年生きる個体もいる。
幼虫は堅めの白色腐朽材に見られ、ニクウスバタケ・カワラタケがついたクヌギ・エノキ・カシ類の硬い大木や朽ち木の地上部に多い。
また、コクワガタとの間に雑種(オオコクワガタと呼ばれる)ができることが知られており、ごく稀に採集される。人工飼育で作出することもできるが、幼虫での死亡率が非常に高く、また性別が極端にオスに偏る。 オオコクワガタは、主にオオクワガタ♀と、コクワガタ♂が交配して生まれるが、逆の場合もある。 オオコクワガタは、大きさと形はオオクワガタに近い。しかし、脚部等がコクワガタに似るという特徴がある。 身体は全体的にコクワガタのように細め。採集されるオオコクワガタは、実はその殆どが、大きいコクワガタであるという。「種」が近いため、非常に間違えやすい。
[編集] オオクワガタにまつわる問題
[編集] ブームについて
クワガタブームの先駆けになった「種」で、以前は "黒いダイヤ" と呼ばれて大型個体が高値で取引された。体長の1mmの差で何千円も違うこともあり、マスコミなどでしばしば取り上げられた。 しかし、現在では体長よりも美形・顎幅などが一番重視されている。 その後続いたブームも、アンタエウスオオクワガタ・中国産のホペイオオクワガタと、いずれも海外の近縁種である。
近年飼育技術の発達によりペットショップでも数千円程度で見られるようになったが、ブームによる乱獲や生息地の破壊などで、野生での個体数は年々減っており、2007年には環境省レッドリストにおいて準絶滅危惧から絶滅危惧II類に引き上げられた。 ブリーダーによる人工飼育が大変盛んに行われているため、「種」としての絶滅の恐れはないが、やはり野生種を守るという意味で、主に生息環境の保護を含めた対策が必要である。
山梨県の韮崎市や大阪府豊能郡能勢町は、大都市に近いこともあり、オオクワガタの有名な採集地となっていたが、乱獲の影響からか、あまり見られないと言われる。 また福島県桧枝岐村も新産地として知られるようになり、それに佐賀県筑後川流域、岡山県を加え、これらは五大名産地とも呼ばれる。 なお十和田湖周辺や東海地方の木曽三川流域なども注目されてきており、これらは○○産として半ばブランド化している。 能勢町や兵庫県川辺郡猪名川町阿古谷産に大顎の太い個体が多いとされるが、それらが野生個体であるかどうかの検証は十分なされていない。
外来種であるタイワンオオクワガタ・グランディスオオクワガタ・ホペイオオクワガタなどと交雑し、遺伝子汚染をもたらす可能性が指摘されているため、外来種・国産を問わず、飼育個体は野外に放ってはならないと呼びかけられている。
[編集] 分類について
元来オオクワガタは、hopei(ホペイオオクワガタ)、binodulosus(オオクワガタ)が、共にcurvidens(クルビデンスオオクワガタ)の亜種とする考え方が支持されていた。 しかし、curvidens(基亜種)とhopei(亜種)が中国の同じ産地で採集されるなど、この考え方に疑問を持つ声が高まり、オオクワガタを巡る分類の議論は紛糾した。
国立環境研究所の主任研究員である五箇公一と小島が2002年に行った、ミトコンドリアDNAの解析による分子系統樹が発表され、従来博物学的知見などから述べられていた通り、日本産のオオクワガタは朝鮮半島と中国の一部に産するビノデュロサスオオクワガタと同じ亜種であることが分かった。
近縁種は、台湾に棲むタイワンオオクワガタと、ラオス・インド・ベトナム等に棲むグランディスオオクワガタであり、中国本土のホペイオオクワガタとも近い。 しかし、従来日本産の学名になっていたクルビデンスオオクワガタとは、ミトコンドリアDNAの解析からも、また交雑試験からも全くの別種と分かり、亜種関係を見直した結果、現在はDorcus hopei binodulosus の学名で呼ぶのが適当とされる。 なおcurvidens もbinodulosus も、雄成虫に見られる1対の眼上突起に基づく命名である。
和名でオオクワガタと付けて呼ばれる「種」には、この他にも、クルビデンスオオクワガタ・リツセマオオクワガタ(旧名パリーオオクワガタ)・アンタエウスオオクワガタ・シェンクリンオオクワガタなどが知られるが、オスの大アゴの発現型と、そのニッチ以外に遺伝的共通点は意外に少ないようだ。 なおオオクワガタ属Dorcus の属名の元となったパラレリピペドゥスオオクワガタは小型種で、オオクワガタ属に統合されるまで別属扱いだった。
[編集] 参考文献
- 土屋利行「日本のクワガタムシ大図鑑」 『ビー・クワ』No.24、むし社、2007年、22頁。
- 小島啓史「オオクワガタの近縁種と雑種の見分け方」 『ビー・クワ』No.27、むし社、2008年、66-69頁。
- 日本のレッドデータ検索システム「オオクワガタ」 2007年2月2日。
※詳しくは上記の文献をご覧ください。
最終更新 2009年11月3日 (火) 10:37 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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