オヤニラミ

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オヤニラミ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊椎動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : スズキ亜目 Percoidei
: ケツギョ科 Percichthyidae
: オヤニラミ属 Coreoperca
Herzenstein,1896
: オヤニラミ C. kawamebari
学名
Coreoperca kawamebari
(Temminck et Schlegel,1843)

オヤニラミ(親睨)、学名 Coreoperca kawamebari は、スズキ目ケツギョ科に分類されるの一種。朝鮮半島南部と西日本の川だけに生息する淡水魚である。日本在来のスズキ亜目魚類の中で、海と川との回遊をしない純淡水魚は本種のみである。

目次

[編集] 特徴

成魚は最大全長13cm。体は広葉樹の葉のように側扁する。は前に突き出ていて、口が大きい。尾鰭は円形をしている。鰓蓋の後部に黄色く縁取られた藍色の眼状紋がある。額は上唇から背鰭前半部まで白い。目の虹彩は赤い。腹鰭・背鰭・臀鰭の各軟条部は赤く、水色の小さな斑点が軟条に沿って並ぶ。

体色は全体的に褐色で、周辺環境に紛れる保護色となる。目と眼状紋の間には、目を中心にした放射状の赤褐色の線が数本走る。また体の後半部には6-7本の横縞がある。ただし体色の明暗は精神状態などにより大きく変化し、額の白と眼状紋を残して全身が黒くなったり、明るい黄褐色になったりする。

[編集] 生態

朝鮮半島南部と西日本だけに分布する。日本での自然分布域は淀川水系以西の本州、四国北部、九州北部である。ただし東海地方や関東地方の各所で放流に由来するとみられる個体が記録されている。

大河川の中流・下流域、およびその周辺の用水路などに生息する純淡水魚である。流れが緩やかで水が澄み、水深が浅く水草の多い区域を好む。群れを作らず、個体ごとに縄張りを形成し単独生活をする。排他性が強く、他種の魚のみならず同種個体でも遭遇すると激しい闘争になる。同種間の闘争中に体色を変化させることから、体色は個体間の信号としても機能すると考えられている。

食性は肉食で、魚類・水生昆虫甲殻類等、口に入る大きさの小動物なら何でも食べる。動くものには素早く反応して襲い掛かるが、動かないものには反応しない。

[編集] 繁殖行動

繁殖期は4-9月だが、盛期は5月である。オスはヨシなど太い水草の茎を掃除し、それを中心に縄張りを張る。メスがやってくると、オスは求愛行動を行って産卵場所に誘う。オスの求愛に応じたメスは、産卵場に粘着性の卵を1列に並べて産みつけ、オスが後ろから追って放精する。メスは1回に2-3列・約80個を産卵し、2-3日の間に複数のオスの間で計500個ほどを産卵する。

産卵後はオスが卵を保護する。近づく動物を激しく攻撃する他、胸鰭で卵に水を送ったり、死んだ卵を口で取り除いたりとこまごました世話をする。それでもムギツクの群れに襲われ、托卵の対象にされることもある。

卵は2週間ほどで孵化する。稚魚は当初オスに守られ群れで生活するが、やがて単独生活に移る。1年で全長5-6cmほどになる。

[編集] 名前

標準和名「オヤニラミ」は、岡山県津山市周辺での地方名に由来する。由来には諸説あり、オスが卵を保護する様から「親が睨みを効かす」、縄張り意識が強いことから「たとえ親でも睨む」、眼状紋を子・本物の目を親に見立て「子が親を睨んでいる」などがある。

他にも様々な地方名があり、ミコウオ(兵庫)ミコノマイ、ネコノマイ(中国地方)ヨツメ(広島・九州北部)ネラミ(山口)セイベイ、ミズクリセイベイ(福岡)カワメバル(長崎)ミツクリセイベイ(熊本)などがある。ミコウオやネコノマイは求愛行動、ミズクリセイベイは卵に水を送るオス、カワメバルはメバルに似た外見にそれぞれ由来する。

学名は、属名"Coreoperca"が「朝鮮のパーチ」を意味し、種名"kawamebari"は長崎の地方名「カワメバル」に由来する。

[編集] 保全状態評価

絶滅危惧II類(VU)環境省レッドリスト

ファイル:Status jenv VU.png

開発による生息地の破壊や水質悪化、人為的に移入されたブラックバスブルーギルによる食害、ペット用の乱獲等で生息数は減少している。環境省レッドリストでは、1991年版で「希少種」、1999年版で「準絶滅危惧(NT)」だったが、2007年版では絶滅の危険が高まったとの判断がなされ、1段階上の「絶滅危惧II類(VU)」となった。

[編集] 利用

魚体が小さなこともあって、基本的に食用にはされない。また、内部寄生虫を保持する可能性があり、生食は薦められない。鰓蓋や鰭の棘条がに絡みやすいことから、漁師も本種を嫌う。

ペットとして飼育されることもある。縄張りを作り、他種のみならず同種間でも激しく争うこと等から基本的には単独飼育が望ましい。肉食ではあるが浮くタイプの固形飼料にも餌付く。また、飼育下での繁殖例もある。本来の生息地ではない地域でも販売されているが、日本に分布する種とはいえ食害や病気の伝播等が考えられるので、自然界へ遺棄してはならない。

[編集] 同属種

オヤニラミ属 Coreoperca は、東アジアから計4種が知られる。日本に分布するのはオヤニラミだけである。

  • Coreoperca herzi Herzenstein,1896 - 朝鮮半島南部の固有種
  • C. kawamebari (Temminck et Schlegel,1843) - オヤニラミ。西日本・朝鮮半島南部
  • C. loona (Wu,1939) - 中国
  • C. whiteheadi Boulenger,1900 - 中国・ベトナム

[編集] 参考文献

ウィキメディア・コモンズ

最終更新 2009年11月24日 (火) 14:46 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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