オールトの雲
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オールトの雲(オールトのくも)あるいはオールト雲(オールトうん)とは、太陽系を球殻状に取り巻いていると考えられる仮想的な天体群をいう。オランダの天文学者ヤン・オールトが長周期彗星や非周期彗星の起源として提唱した[1]のでこの名がある。存在を仮定されている天体は、水・一酸化炭素・二酸化炭素・メタンなどの氷が主成分であると考えられている。
目次 |
[編集] 概要
オールトの雲は、概ね太陽から1万天文単位 (AU) もしくは太陽の重力が他の恒星や銀河系の重力と同程度になる10万天文単位(1.58光年:1光年=63,241AU)の間に球殻状に広がっているとされる。その存在は彗星の軌道長半径と軌道傾斜角の分布の統計に基づく状況証拠のみであり、想定される領域に天体が直接観測された訳ではないので仮説の域を出ないが、仮説を否定する証拠も現在のところ特に無い。
オールトの雲には1×1012のオーダーの数の天体が含まれると推測されている[2]。その起源は、太陽系の形成と進化の過程で、現在の木星軌道付近から海王星軌道付近までに存在していた小天体が、巨大惑星の重力や相互衝突により軌道要素が変わり、近日点距離が海王星軌道の距離よりも大きな長楕円軌道に移ったとする説が有力である。この説によると、もともと海王星軌道の外側にあった天体は、エッジワース・カイパーベルト天体として今も残っているということになる。
日本学術会議による2007年4月9日の対外報告(第一報告)[3]では、オールト雲はまだその存在が確認されていないため、現在のところ明確に太陽系外縁天体に含まれるものではないが、将来的には外縁天体の延長と見なされるようになるだろうとされている。
エルンスト・エピックも彗星の起源としてよく似た仮説を発表している為、「エピック・オールトの雲」と言われることもあるが、一般的には「オールトの雲」として知られている。
[編集] オールトの雲に含まれる可能性のある天体
2007年現在確認されている太陽系天体の中で、オールトの雲に属すると推測される天体は長周期彗星や非周期彗星(前者を後者に含めることもある)のみである。詳細は非周期彗星の一覧を参照。
2004年に小惑星として発見され、後に長周期彗星であったことが判明した2004 YJ35の場合、遠日点は約24,300AU、公転周期は約1134万年と推定されている[4]。非周期彗星の軌道は放物線か双曲線であり、遠日点という言葉は意味をなさない。
パロマー天文台で2003年に発見されたセドナ(準惑星候補といわれる天体の一つ)はオールトの雲に属する天体であるとする説があったが、その後の観測で遠日点が最大でも924天文単位であることがわかったため、オールトの雲は1万天文単位よりずっと内側まで広がっている(内オールトの雲という)とする説と、セドナはオールトの雲の天体ではない、とする説とが対立している。同様に遠日点が数百から数千天文単位という小天体は他にも数個発見されているが、セドナほど大きいものはない。
[編集] 他の恒星の影響
現在太陽系から63光年の空間に存在するグリーゼ710 (GL710) という恒星が、およそ150万年後に太陽から約1光年の位置まで接近するため、仮にオールトの雲が存在するならば、近接する空間のオールトの雲はかなりの影響が生じると予想される[5]。
海王星より内側の惑星には直接的な影響こそ及ぼさないものの、過去においてはこうした恒星の接近によって軌道を乱された彗星が太陽系内部に飛来し、その一部が地球に衝突して、大量絶滅を引き起こしたとする考えがある。
[編集] オールトの雲に関連した作品
[編集] 小説
- 『彗星の核へ』(グレゴリー・ベンフォード&デイヴィッド・ブリン合作)
- 『ゲイトウェイ2』(フレデリック・ポール)
- 『さよならジュピター』(小松左京)
[編集] 音楽
- 『オールトの雲』(柴田淳)
- 『oolt cloud』(advantage Lucy)
[編集] 脚注
- ^ J.H.Oort,1951,The Observatory Vol.71, No.863,129-144
- ^ de Pater and Lissauer, Planetary Sciences, Cambridge University Press, 2001, ISBN 0-521-48219-4
- ^ 国際天文学連合における惑星の定義及び関連事項の取扱いについて
- ^ 『天文年鑑』2006年版(誠文堂新光社)より
- ^ ヒッパルコス衛星によるオールト雲と星の関係
[編集] 関連項目
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最終更新 2009年10月5日 (月) 16:33 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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