カエルツボカビ症
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| 分類 | ||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | ||||||||||||||||||||||||
| Batrachochytrium dendrobatidis Longcore et al., 1999 |
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| 和名 | ||||||||||||||||||||||||
| カエルツボカビ | ||||||||||||||||||||||||
| 英名 | ||||||||||||||||||||||||
| chytrid fungus |
カエルツボカビ症(蛙壷黴症、カエルツボカビしょう)は、ツボカビの一種カエルツボカビ(Batrachochytrium dendrobatidis)によって引き起こされる両生類の致死的な感染症である。野生の個体群でのこの疾病に対する効果的な対策は存在しない。
目次 |
[編集] 概要
カエルツボカビ症は、上記のカエルツボカビが、カエルの体表に寄生・繁殖し、カエルの皮膚呼吸が困難になる病気である。発病すると食欲の減衰が見られ、ひどくなると体が麻痺し、死ぬこともある。
この病気は北米西部・中米・南米・オーストラリア東部で劇的な両生類の減少あるいは絶滅を引き起こしてきた。この病気は世界的な両生類の生息数と、世界の両生類種の30%もの種数の減少に関連している[1]。 減少のうちいくらかはこの菌によるものと信じられているが、感染に抵抗している種もあり、またいくつかの個体群が感染が低レベルで持続して生き延びていることも報告されている。[2]。研究室での調査では、この菌は高温ではあまり活動しないとされており[3]、また感染したカエルを高温に晒せば菌を殺せるとも言われている[4]が、素人判断は薦められない。専門家の指導の下、抗真菌薬による治療が望ましい。
[編集] 日本におけるツボカビ症
2006年12月、日本国内で飼育されているカエルからカエルツボカビが検出された。これを受けて2007年1月13日に学会・研究機関・環境団体など16の団体による「カエルツボカビ症侵入緊急事態宣言」が発表された[5]。続く2007年3月には、多数の絶滅危惧種の両生・爬虫類が生息する沖縄県で、麻布大学獣医学部の宇根有美助教授の調査によりペットショップで販売されているカエルからカエルツボカビが確認された[6]。これを受けて沖縄県内のペットショップの中にはカエル類の入荷・販売を自粛する業者も出てきている[7]。
2007年6月10日、麻布大の研究チームはさらに「野生のウシガエルからツボカビへ感染している事を確認した。」と同大で開催されたフォーラムにて発表し、宇根助教授らは全国のペットショップや研究機関などへ警戒の呼びかけをはじめた。また、「検査をした両生類の個体は30匹で、同大が所在する神奈川県内で捕獲したウシガエル10匹のうち、4匹で感染を確認した。」と毎日新聞(2007年6月11日の記事)に発表[8]があった。
2009年5月 国立環境研究所などの調査によりカエルツボカビがアジア起源ではないかとの報告がなされた。それによれば、日本のカエルより約30系統のカエルツボカビが見つかったが、中米や豪州では1系統しか見つかっていないとの事であり、これが正しければ、アジア起源のカエルツボカビが世界に拡散し被害をもたらしたと考えられ、日本・中国・韓国などで感染の報告があっても被害の報告がない説明ともなる。(毎日新聞2009年5月5日の記事)[9]
[編集] アフリカツメガエルとツボカビ症
カエルツボカビ感染の最初の報告は Xenopus 属のアフリカツメガエルのものであった。アフリカツメガエルは世界中に広く輸出されていたので、B. dendrobatidis の一時的な媒介者と考えられている。しかし他の研究では B. dendrobatidis が何十年も前から北米と中米に存在していたとされている[要出典]。
国内においては、「アフリカツメガエルの日本国内の輸入が始まってから30年以上経過しているのに、生態系への影響についての話は聞かない、国は騒ぎすぎではないか」と言う意見もある[7]。しかし、麻布大学などの調査によれば、アフリカツメガエル52匹中51匹(98%)がツボカビ陽性であったと報告されており、このような感染しても発症しないカエルの流入と繁殖がツボカビ感染拡大の一因であるとも言われている[10]。環境省も、アフリカツメガエルは日本でも定着のおそれが高い種であること、日本においては全ての両生類の中で最も多く利用されている種のひとつと考えているとなど説明している[11]。
実際にこのカエルが国内で帰化繁殖した事例はごく少ない。しかしたとえば2006年に和歌山県田辺市のある地域で複数のため池で繁殖しているのが発見された。市や県なども問題視はしているが駆除は進んでおらず、和歌山県では2007年以降も地元紙「紀伊民報」やテレビ等でこの問題が断続的に報じられている。このカエルはツボカビに関して陽性であることが確認されているが、2008年現在では他の両生類への影響は報告されていない。
[編集] 人間活動による伝播
アフリカツメガエルとともに世界のツボカビ研究者が警鐘を鳴らしているのは、我々人間の直接のフィールド活動である[10]。今回のツボカビ症の発症を受けて、環境省はイリオモテヤマネコの餌であるサキシマヌマガエルをツボカビから守る為に、桟橋で渡航者の靴の消毒を行っている。
[編集] 環境への影響
2007年6月25日、毎日新聞に「カエルツボカビ症による生態系の危機へ目を凝らせ」と題した社説が掲載された。この中で著者は、ツボカビ症が単に両生類のみの危機に留まらず、食物連鎖や虫媒の感染症を介して生態系全体を崩壊させ得るものであること、その抑止のために国家レベルでの適切な対応が必要とされること、などを論じている[12]。
[編集] 他国での取り組み
中米パナマでは北部から侵入した本病によりカエルが激減したが、本病の侵入が予想される地域のカエルを捕獲し動物園で飼育することで絶滅から救う試みが行われた。
[編集] 参照
- ^ Stuart, S. N., J. S. Chanson, et al. (2004). "Status and trends of amphibian declines and extinctions worldwide." Science 306: 1783-1786.
- ^ Retallick, R. W. R., H. McCallum, et al. (2004). "Endemic Infection of the Amphibian Chytrid Fungus in a Frog Community Post-Decline." PLoS Biology 2(11): e351.
- ^ Berger, L., R. Speare, et al. (2004). "Effect of season and temperature on mortality in amphibians due to chytridiomycosis." Australian Veterinary Journal 82: 31-36.
- ^ Woodhams, D. C., R. A. Alford, et al. (2003). "Emerging disease of amphibians cured by elevated body temperature." Diseases of aquatic organisms 55: 65-67.
- ^ カエルツボカビ症侵入緊急事態宣言
- ^ 琉球新報ホームページ
- ^ い ろ 沖縄タイムスホームページ
- ^ MSN毎日新聞インタラクティブ
- ^ 毎日新聞ホームページより
- ^ い ろ モダンメディア 53 巻3 号2007[話題の感染症]67 両生類のツボカビ症(PDF)
- ^ 要注意外来生物リスト: 爬虫類・両生類(詳細)
- ^ MSN毎日新聞インタラクティブ
- Longcore JE, Pessier AP, Nichols DK (1999). “Batrochochytrium dendrobatidis gen. et sp. nov., a chytrid pathogenic to amphibians.”. Mycologia 91: 219-27.
[編集] 外部リンク
最終更新 2009年9月11日 (金) 12:13 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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