カキノキ

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カキノキ

カキの実
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: カキノキ目 Ebenales
: カキノキ科 Ebenaceae
: カキノキ属 Diospyros
: カキノキ D. kaki
学名
Diospyros kaki Thunb.
和名
カキノキ
英名
Kaki Persimmon
柿園

カキノキ(柿の木)とはカキノキ科の落葉樹である。東アジアの固有種で、特に長江流域に自生している。

雌雄同株であり、5月ごろに白黄色の地味な花をつける。果実は(かき)と呼ばれ、秋に橙色に熟す。

幹は家具材として用いられ、実は食用となる。葉はの代わりとして加工され飲まれることがある。未熟の果実はタンニンを多く含み、柿渋は防腐剤として用いられる。現在では世界中の温暖な地域(渋柿は、寒冷地)で果樹として栽培されている。

目次

[編集] 学名・英語名の由来

日本から1789年ヨーロッパへ、1870年北アメリカへ伝わったことから学名にも kaki の名が使われる。

英語で柿を表す「Persimmon」の語源はアメリカ合衆国東部の先住民であるアルゴンキン語族の言葉で「干し果物」を意味する名詞「ペッサミン」であり、先住民がアメリカガキ(Diospyros virginiana L.)の実を干して保存食としていた事実に基づく。近年、欧米ではイスラエル産の柿(渋抜きした「Triumph」種)が「シャロンフルーツ(Sharon Fruit)」という名称で流通するようになったため柿は「Persimmon」よりも「Sharon Fruit」という名で知られている。なお「Sharon Fruit」は欧米では一般に登録商標であり、これらの地域でイスラエル産以外の柿を「Sharon Fruit」という商品名で販売することは違法である。

[編集] 生産

国際連合食糧農業機関(FAO)の統計データ(2005年現在)によると、全世界におけるカキの生産量は256万1,732トンである。このうち、72%(183万7,000トン)を中国一国が生産している。次いで韓国(25万トン)、日本(23万トン)、ブラジル(15万トン)、イタリア(5万1,000トン)、イスラエル(4万トン)である。以上6カ国で生産量の99.8%を占める。他にニュージーランド(1,300トン)、イラン(1,000トン)、オーストラリア(650トン)、メキシコ(450トン)などの諸国でも生産されている。地域別ではアジア州が92%、南アメリカ州(ブラジルのみ)が6%、ヨーロッパ州(イタリアのみ)が2%という比率である。

柿は北海道沖縄県を除く日本の全県で栽培がされており、柿の栽培面積が多い県は和歌山県福岡県奈良県の順である。

[編集] 日本国内の収穫量

2007年度 24万4,800トン

[編集] 品種

品種数は多く1,000を超えるとも言われているが、大まかには渋柿と甘柿とに分かれる。

食用の栽培品種のほとんどが2n = 90の6倍体であるが、一部の種なし品種(平核無や宮崎無核)は2n = 135の9倍体である。播種から結実までの期間は長く、ことわざでは8年とも言われるが接ぎ木の技術を併用すると実際は4年程度で結実する。品種改良に際して甘渋は重要な要素で甘柿同士を交配しても渋柿となる場合もあり、品種選抜の効率化の観点から播種後1年で甘渋を判定する方法が考案されている[1][2]

渋柿は実が熟しても果肉が固いうちは渋が残る柿である。代表的な品種は、平核無と刀根早生である。平核無は新潟県が発祥である。刀根早生は奈良県天理市の刀根淑民の農園で栽培されていた平核無が突然変異し、1980年に品種登録された。

甘柿は渋柿の突然変異種と考えられており、日本特産の品種である。未熟時は渋いが熟すに従い渋が抜け、甘みが強くなっていく。1214年神奈川県川崎市麻生区王禅寺で偶然発見された禅寺丸が、日本初の甘柿と位置づけられている。

甘柿は熟すと常に甘みを持つ完全甘柿と、種の有無・多少により成熟時に渋が残ることがある不完全甘柿に分類できる。渋が残ることがあることから、不完全甘柿を渋柿の一種に含めることもある。完全甘柿の代表的な品種は、富有と次郎。富有は岐阜県瑞穂市居倉が発祥で原木がある。次郎は静岡県森町に住んでいた松本次郎吉に由来する。不完全甘柿の代表的な品種は、上記の禅寺丸や愛知県が発祥の筆柿などがある。

主な完全甘柿
富有次郎、太秋、愛秋豊、御所、伊豆、早秋、貴秋、晩御所、花御所、天神御所
主な不完全甘柿
禅寺丸筆柿、西村早生、黒柿
主な渋柿
甲州百目、蜂屋、富士平核無、刀根早生、西条柿、市田柿、四つ溝、会津身知らず、堂上蜂屋柿

[編集] 柿の利用

[編集] 柿の実の利用

甘柿の果肉ではタンニンが不溶性となっているため生食するが渋柿の果肉ではタンニンが水溶性で渋みが強いため生食できず、渋柿を食用にするには果肉が軟らかくなった熟柿(じゅくし)になるのを待つかタンニンを不溶性にする渋抜きの加工をする必要がある。湯やアルコールで渋を抜くことを動詞で「醂(さわ)す」といい、これらの方法で渋抜きを施した柿は「さわし柿」と呼ばれる。ほとんどの場合収穫後に渋抜き処理を行うが、品種によっては収穫前に樹上で渋抜きを行うことも出来る[3]。渋柿のタンニンの性質は品種間で異なっており、適する渋抜き方法は異なる[1]

[編集] 渋抜きの方法

  • アルコール漬けにする(樽柿)。
  • アルコールを掛ける。35度のアルコールを少量振りかけ(20 - 30kgに湯飲み1杯程度)、容器(何でもよい)に密封して1週間置く。
  • 乾燥させる(干し柿)。あんぽ柿市田柿は干し柿の一種。
  • 湯抜き(35 - 45℃の湯に浸ける)。
  • 米・米ぬかにつける。
  • 炭酸ガス脱渋(大量の渋柿を加工する業務用の方法。家庭でもドライアイスを使えば可能)。
  • 容器にりんごと一緒に入れ密封して一週間置く

[編集] 干し柿以外の加工品

生食、干し柿の他に次のような食品に加工されている。

このほか朝鮮半島では干し柿生姜肉桂からスジョングァという飲み物を作る。また米国には柿プディング(パーシモンプディング)という伝統料理がある。製法はクリスマスプディングと似ており、本来は軟らかく熟したアメリカガキの実を用いる。

[編集] 食用以外の柿渋の利用

和傘団扇の紙に塗り、耐水性を上げるのに用いられた。

[編集] ヘタの利用

成熟した果実のヘタを乾燥したものは柿蒂(シテイ。「柿蔕」とも)という生薬で、しゃっくり・鎮咳・鎮吐に用いられる。

[編集] 柿の葉の利用

ビタミンCKB類といったミネラルフラボノイドなどを多く含み血管を強化する作用や止血作用を持つとされるため、飲用するなどで民間療法に古くから用いられてきた。また近年では花粉症予防に有効とされ、従来の茶葉としてだけではなく成分をサプリメント等に加工され商品化されたものも流通している。飲用方法としては、5-6月頃に収穫した葉を天日で乾燥させ粉末化し煎じることが一般的である。

またその殺菌効果から押し寿司を葉で巻いたり(柿の葉寿司)、和菓子などの添え物にされることもある。

柔らかい初春の若葉は天ぷらにして食用に出来る。

[編集] 柿の木の利用

木質は堅く、家具などに利用される。加工がやや難しく割れやすいため、建築材としては装飾用以外には使われない。また、かつてのゴルフクラブ(ウッド)のヘッドには柿材(特にアメリカガキ)を使った物が多くパーシモンの名で呼ばれていたが現在では金属製のウッドが普及したためにあまり使われなくなった。

[編集] 柿にまつわる慣用句など

「柿の花」は、「柿」・「熟柿」・「木守柿」は季語である。なおこの木守柿とはカキノキになった柿の実をすべて収穫せず、木になったまま残しておく数個の柿の実のことである。「こもりがき」、「きもりがき」、「こまもりがき」、「きまもりがき」と読まれる。このような風習は来年の豊作への祈願であるとも、野鳥のために残しておくともいわれる。なお、ユズなどについても同じような風習がある。

なおこけら落としの「こけら」は「杮」と書くが、これは音読で「ハイ」と読む画数8画の漢字であり画数9画の「柿」(かき・シ)とは全く異なる文字である。

「桃栗三年柿八年」 と言われ、播種から初回結実までの期間は長い。

「柿が赤くなると医者が青くなる」と言うことわざがあり、豊富なビタミン類とミネラルが栄養価摂取の低い時代では医者いらずの万能薬として重宝された。

[編集] 画像

[編集] 脚注

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月25日 (水) 15:37 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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