カチンコ
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カチンコ(clapperboard)は、映画などの撮影に使う道具。
[編集] 概要
日本では、長さ30cm程度の蝶番式の拍子木に小さな黒板またはホワイトボードをつけたものとして知られる。
カチンコの名前は、拍子木を鳴らしたときの「カッチン!」という音に由来する。映画などのメイキングや、撮影現場を題材にしたコントにはよく登場する道具でもある。
目的は2つ。1つは編集前のフィルムで、撮影内容の確認を容易にするためで、このために付属のボードに、シーン番号、カット番号、テイク数を記入し、それを撮影するという方法をとる。これには作品名、組の名前が加わることもある。
もう1つは映像と音声のシンクロを取ることである。映画用のカメラ(ムービーカメラ)は、一般に映像の撮影のみを行い、音声の録音は行わない(音声の録音をする場合には、別途テープレコーダーなどの録音機で行う)。そのため、現場の音を同時録音しておく場合には、映像フィルムと録音テープを編集の際に一致させる必要がある。そこで、撮影開始の際に、カチンコを撮影し、拍子木を打つ映像と音を撮影、録音しておくことで、一致させる手がかりとする。音声のみでも尺が判断できるよう、スタート時は一回、カット時には二回打たれるのが一般的。複数のマイク、複数の録音機で現場音を同時録音する場合でも、カチンコの音が届いている限り、一致させることができる。
[編集] カチンコの使われ方
黒板部分には、シーン番号、カット番号、テイク番号が記され、撮影される。その他の簡単な説明が記入される場合もある。テイク番号は、同一シーン・同一カットを複数回繰り返した場合のもので、監督のOKが出るまでカウントアップしていく。たいてい、テイク番号の最も大きい数字のカットがOKが出たカットだが、実際にはそれ以前のものから比較的良いもの(キープカットと呼ばれる)が使われることもある。
日本では、カチンコを手に持ち、手を伸ばした状態で鳴らすことが多い。また、カチンと鳴らした後、猛ダッシュで退散するか、地面にかがんだりひれ伏したりしてカメラの画角を外れることが要求され、短い時間で退避ができることが助監督(通常は、サードかフォースが担当)にとって重要な職人芸であるとされる(これは、フィルムを無駄にしないためである)。逆に、そのシーンにおけるカメラの画角が判断できるようになれば一人前、という意味もある。ハリウッドなどでは、カメラが回り始めた後しばらく速度が安定するまで待つため、カチンコを鳴らした後猛烈な勢いで退避するということは要求されない。そのためもあって、ハリウッドでカチンコを叩く担当は特に決められておらず、多くは撮影部門の助手が行っている。
成り行きで回し始め、カット尻にカチンコを入れることを「尻ボールド」と言い、カチンコを逆さまにして打つ。
現在の映画撮影では、同時録音ができるシステムを備えた機材が増えているため、映像と音声のシンクロを取るためのカチンコとしての重要性は低まりつつある(特にビデオカメラで撮影する場合には、同時録音が前提なので、映像と音声を一致させるという作業そのものが不要である)。しかし、実際はコンマ何秒かのずれが生じているためフィルム撮影の場合、録音技師によっては頭にカチンコを入れるよう要求してくる場合が多い。
また、シーン番号やカット番号の記録は、同時録音の有無とは関係なく、重要である。そのため、ビデオ撮影の現場では、カチンコそのものは使われないとしても、スケッチブックにフェルトペンなどでシーン番号・カット番号・テイク番号を記したものを撮影するということは今でも行われている。カチンコを半開きにして番号をカメラに向ける手法も存在する。
狭い場所では俳優が手を叩いたり、掌サイズの小型のものを使う。各種ナンバーを書けないため、音声で記録する。
引きのショットでは上半身サイズの大型なカチンコが使われる場合がある。
映画撮影の世界では今でも先の理由でカチンコを最初に入れて打つ。演技者の動きの合図としても用いられているためでもある。
[編集] 関連項目
最終更新 2009年11月14日 (土) 04:13 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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