カバー

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カバー (cover) とは、ポピュラー音楽の分野では、過去に他のアーティスト(演奏家歌手など)が録音した曲を演奏歌唱して発表することである。元は代役を意味する言葉であった。

[編集] 概要

洋の東西、場所、時間を越えて楽曲が共有される現象であり、カバーの際、歌詞やタイトルまで変わることもある。さまざまな動機から行われ、純粋に曲が好きだからだったり、持ち歌不足をフォローするためだったり、他人に提供した曲をファンや会社の要望で録音する羽目になったり、有名な曲をカバーすることによる宣伝効果を狙うためである。

カバーに対する見解は非常に多様である。原曲のファンには、あくまで原曲の雰囲気を尊重したものが好まれる傾向がジャンルを問わずある。原曲の雰囲気を完全に解体して独自のアレンジで勝負したものはたいてい原曲のファンには評判が悪い。しかし当の原曲の作者にはそうした音楽的なチャレンジを行うカバーは好まれる傾向がある。無論、原曲を完全と考え、カバーにもそうした原曲の姿を強制する作者もいる。

日本音楽著作権協会(JASRAC)登録楽曲に関しては、JASRACに申し出るだけで許可が下りるため、簡単にカバーできる。ただし大地讃頌のような事例もある。

[編集] 代表的な例など

20世紀初頭の初期のレコード産業では、他社のヒットレコードを自社のアーティストに録音させて後追いヒットを狙うことは当たり前に行われていた。また、1950年代のロックンロールの初期のヒットレコードは、アフリカ系アメリカ人音楽家の作品を白人聴衆むけに焼きなおしたものが多かったが、これらは当時カバーであるという意識はされていなかった。

1970年代以降、多くのJ-POP楽曲は香港や台湾の業者が新歌詞でカバーし、ヒットになることもめずらしくない。たまに、複数の歌詞で、あるいは複数の歌手が同じ曲をカバーすることもある。

1975年かぐや姫の『なごり雪』をイルカがカヴァーし大ヒットする。

1980年代末〜1990年代前半には欧米のアーティストがJ-POPの楽曲をカバーしたいわゆる「逆カバー」がブームになった。1990年に発売されたA.S.A.P.松任谷由実の楽曲をカバーしたアルバム『GRADUATION』は30万枚を売り上げた[1]

2000年代初頭の日本の音楽業界ではCD不況の影響を受けてCDが売れないため、レコードを多く買っていた団塊の世代を狙った形での過去のヒット曲のカバーが非常に増えている。2000年代初頭の日本の音楽業界におけるカバーヒットのはしり的な作品に、2001年ウルフルズRe:Japanらによってヒットした『明日があるさ』がある。同年には井上陽水のカバーアルバム『UNITED COVER』もヒットし、カバーブームのきっかけとなったとされる[2]

2005年9月に発売された、徳永英明が女性アーティストの曲をカヴァーしたアルバム『VOCALIST』は、日本ゴールドディスク大賞『企画アルバム・オブ・ザ・イヤー』を受賞。『VOCALIST2』『VOCALIST3』も含めて大ヒットした。

2000年代後半には、J-POPの楽曲をボサノヴァレゲエ風のソフトアレンジでカバーしたアルバムが多く発売される。代表的なアーティストとしてSOTTE BOSSEがある[3]

2006年、アリスターが日本向け企画アルバムとして発売した『Guilty Pleasures』がヒットし、欧米アーティストがJ-POPの楽曲をカバーした作品が再び注目されるようになる[1]。2008年11月元MR.BIGヴォーカリスト、エリック・マーティンによる日本の女性ヴォーカルの名曲をカヴァーしたアルバム『MR.VOCALIST』が話題になる[4]

演歌業界 (かつてはアイドル歌手も) では、オリジナル・アルバムのほとんどは自分のシングル曲か、あとの残りは過去の名曲のカバーが常識とされている。

アニメ業界では、主役声優が主題歌をカバーする事があるが、ほとんどオケはオリジナルと同じ物で有る事が多い。ただ、終わりが若干長いといった違いはある。

21世紀初頭の現在でも、演歌アニメ主題歌等のカバーカセット集やCDは、ホームセンター高速道路パーキングエリアなどを中心に販売され、通常よりかなり安価で提供されている。一部作品は音声多重になっており、レベル調節ができるラジカセなどではカラオケが可能である。見分け方はパッケージの裏面等に「本人の歌唱ではありません」と印刷されている。

また歌以外では、立川談春さだまさしのステージトークネタである『お父さんとポチ』を落語の演目としてカバーすると言う例もあり、『さだまさしトリビュート さだのうた』に収録されている。

カバー曲を専門もしくはメインに活動を行うアーティストもおり、古今東西の楽曲を自身の専攻するジャンルにアレンジして発表するものが多い。例としてme first and the gimme gimmesパンク・ロック)、リチャード・チーズ(ラウンジ・ジャズ)、アニメタルヘヴィ・メタル)など。

[編集] 脚注

最終更新 2009年11月10日 (火) 04:19 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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