からくり

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茶運び人形とその内部構造、19世紀、国立科学博物館

からくりとは日本の伝統的な機械仕掛けの人形模型、あるいは機械装置である。漢字では絡繰機巧機関と表記し、古くは唐繰とも表記された。

からくりは元々は機械全般をあらわす言葉だが、現代ではからくり人形など娯楽性のある日本の伝統的機械装置を指す場合に使うことが多い。

目次

[編集] 言葉

語源は「糸を引っ張って動かす」という意味の「からくる」という動詞の連用形の名詞化といい、16世紀後半頃から用例が確認されている[1]から伝わった仕掛けとして唐繰と呼んだことからとする説もある[要出典]。また島根県安来市広瀬町の嘉羅久利神社(からくりじんじゃ)からきたという説がある[要出典]

英語のKarakuriは日本のからくり人形を意味する。

[編集] からくりの歴史

日本で最古のからくりは平安時代中国から入ってきた指南車であると言われている。車輪の差動を利用して常に一定の方向を指し示す実用的なからくりである。指南車の記述は『三国志』にも見られる。平安末期の『今昔物語集』弐拾四巻に高陽親王がからくりを作ったとされる記録がある。古い歴史がある。なお、当時は貴族の鑑賞品だった。高山が有名である。

日本独自のからくりのルーツは室町時代に入ってきた西洋技術に寄るところが多い。鉄砲伝来と共に時計などの機械が入ってきた。当時は機械装置全般のことをからくりと呼んだ。当時は機械装置自体が珍しく、好奇の対象であった。そのため、からくりという言葉には娯楽性や意外性のニュアンスがある。

1796年細川半蔵による機巧図彙。大英博物館所蔵。

17世紀頃から、時計などに使われていた歯車などの技術を、人形の動作装置として応用し、からくり人形が作られ始めた。当初は大名などの玩具である数寄物であったが、次第に見世物として人気を呼ぶようになり、日本各地に普及した。専門の職人も現れ、非常に精巧なものが作られるようになった。当時は貴族の鑑賞品だった。1662年(寛文2年)には大阪の道頓堀で竹田近江がからくり芝居の興行を行っている。各地の山車からくりに受け継がれたとされる。

18世紀初めの享保年間では、彦根藩藩士の平石久平次時光によって新製陸舟車という三輪自転車に相当する乗り物が発明されている。

19世紀には筑波の「からくり伊賀」こと飯塚伊賀七が人力飛行機や道を歩いて酒を買いに行くからくり人形を作ったとされる。18世紀から19世紀に作られたものに特に精巧なものが多い。

幕末には加賀平賀源内と称された大野弁吉が空気銃蒸気船の模型や写真機を作った。

[編集] からくりの種類

  • 座敷からくり
    • からくり人形など
  • からくり玩具 - 民芸品郷土玩具として、日本各地で古くからその地方独自の、様々な仕掛けを持つ玩具があり、現在でもみやげ物として、販売される物も多い。また一時期は日本の輸出産業を支えた「ブリキのおもちゃ」の仕掛けも絡繰玩具に由来するものが多かった。
  • からくり文具
  • からくり傘 - 和傘のことで、唐傘とも表記するが、中国由来のただの天蓋であった傘を、日本で開閉式の仕掛けを施した事で、唐繰傘と呼ばれた。
  • からくり家具
  • からくり的 - 江戸時代に隆盛を極めた祭り文化により、縁日温泉場で行われた弓矢吹き矢射的で、板でできた書割りで仕掛けが施してあり、当たった場所により的の書割りが動いた。大正時代まで主要都市の繁華街や温泉街の射的場に現存していたが、現在では「鬼泣かせ」という機械仕掛けのの的の人形にその名残が見て取れる。
  • 山車からくり
  • 舞台からくり
  • からくり屋敷
    • 忍者屋敷などに見られる。

[編集] 有名なからくり

茶運び人形、大英博物館
錦天満宮のからくりみくじ

[編集] 弓曳き童子

田中久重作製。人形が矢篭からを取り出し、にセットしてに当てる座敷からくり。

人形の動作はぜんまいとカム、糸によって制御されている。数本の矢を射るが、そのうち1本は的を外すように細工してあり、当たった時と外れた時の首の動きで喜びと残念な気持ちが表現される。江戸からくりの最高傑作と言われている。

オリジナルは1990年に伏見の前川家で2体発見された。今はトヨタ自動車国立科学博物館に所蔵されている。同じ動きをする組立て模型キットが学研より発売されている。

[編集] 茶運び人形

お盆を持った人形の座敷からくり。からくりの代表作。お茶を入れた茶碗をお盆に載せると客までお茶を運び、客が茶碗を取ると停止する。お茶を運ぶ距離は予めセットする。客が茶を飲み、空になった茶碗をお盆に載せると、振り返って茶碗を元の場所まで運んで停止する。ぜんまいと歯車、カム、糸だけで制御されている。

現在良く見られるのは、細川半蔵というからくり師が1796年に書いた『機巧図彙』(からくりずい)という古書の図面から復刻されたもの。オリジナルはいずれの製作者のものも発見されていない。

[編集] からくりみくじ

京都錦市場東端の錦天満宮にある。人が近づくと神楽が鳴り出して機械仕掛けの獅子舞がはじまり、硬貨を投入して御籤(みくじ)の種類(英文、和英対訳、子供用など6種類)を選ぶと、神楽に合わせて獅子が舞いながら御籤を届ける仕掛けが人気となっている。

[編集] からくりとロボット

からくり人形と現代のロボットに技術的な繋がりは無いが、文化的な繋がりは少なくない。からくり人形などを見慣れていたため、日本人はロボットに対し親近感があり、ロボットに抵抗感のある欧米人とは対照的であるとする論もある[2]。またからくりの存在が日本でロボットの研究や応用が盛んな理由の一つであるとする意見もある[3]

[編集] 日本以外の機械仕掛け

ヨーロッパ教会や古い市役所にはからくり時計がよく見られる。鋸を引いたり、斧を振ったり単純な往復運動をするものが多い。19世紀にはオートマタ(自動人形)という人間の動作を真似ようとしたからくり人形が登場した。中には人と会話したり、計算をしたりチェスをするものがあったという。

[編集]

  1. ^ 「からくり」『日本国語大辞典』第2版(オンライン版)、2007年。他に語源説として、『嬉遊笑覧』、『大言海』の「絡み繰る」からという説、『言元梯』の「カハリクリ」(変転)の転とする説などが紹介されている。
  2. ^ 末松良一「ロボット好きの日本人2 ホームロボット時代の幕開け」『アーキテクト』(日本建築家協会東海支部機関誌)2000年11月号、http://www.jia-tokai.org/sibu/architect/2000/11/robot.htm
  3. ^ 鈴木一義、古田貴之「江戸時代からの古き技術と現代のロボット研究「からくり人形とロボット」」SciencePortal(レポート)、科学技術振興機構、2006年6-7月、http://scienceportal.jp/reports/robbot/

[編集] 関連項目

最終更新 2009年11月1日 (日) 05:15 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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