カワニナ
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| 学名 | ||||||||||||||||||||||||
| Semisulcospira libertina (Gould, 1859) |
カワニナ(川蜷)、学名 Semisulcospira libertina は、カワニナ科に分類される巻貝の一種。東アジアの淡水域に棲む細長い巻貝で、ゲンジボタルやヘイケボタルといった水生ホタル幼虫の餌としても知られている。
広義にはカワニナ科 Pleuroceridae に属する淡水性巻貝の総称としても用いられる。琵琶湖水系では、独特な種分化を遂げた16種ものカワニナ類が固有種として知られる(後述)。また、南日本の汽水域にはタケノコカワニナなど同様の塔形巻貝が生息しているが、これらは別のトウガタカワニナ科(トゲカワニナ科)Thiaridae に分類されている。
目次 |
[編集] 特徴
成貝は殻長30mm・殻径12mmほどで、全体的に丸みを帯びた円錐形をしている。螺層(巻き)がよく残った個体では10階を超えるが、通常は殻頂が浸食によって失われ、下の3-4階だけが残る。殻の色は白いが、表面にオリーブ色や淡褐色の殻皮を被り、時に色帯をもつ。多くは鉄分の付着により黒っぽく見える。類似種としてはチリメンカワニナ・クロダカワニナがある他、オオカワニナやシマカワニナなど多くの型が知られるが、その区別は困難なことも多い。
日本・朝鮮半島・中国・台湾まで、東アジアの亜熱帯域・温帯域に広く分布する。
川・用水路・湖沼などの淡水底に生息するが、都市部の河川など汚染の進んだ水域では見られない。落ち葉などが積もるような流れが緩い区域に多く、流れが速い渓流には少ない。主に落ち葉、付着珪藻、デトリタスなどの有機物を餌としている。ゲンジボタル幼虫・ヘイケボタル幼虫の他にも、コイ、モクズガニ、サワガニなどの天敵が存在する。
繁殖期は春と秋で、雌は卵ではなく微小な仔貝を300-400匹ほど産み落とす。なお産卵前の仔貝は胎児殻と呼ばれ、分類上重要である。
肉は食用になるが一般的ではない。また、肺吸虫、横川吸虫等の第一中間宿主となることが報告されている。貝から人体に直接感染はしないが、予防対策上注意が必要である。
[編集] 利用
種としてのカワニナは一部地域で食用とされる他、ビオトープなどに持ち込まれることもある。しかしホタル類幼虫の餌としての利用が圧倒的に有名である。
ゲンジボタルの繁殖促進の試みは日本各地で行われており、特に都市近郊の公園などではそういった活動が盛んである。その一環で餌となるカワニナを増やす試みが行われる。本種は清流にすむと思われがちであるが、実際はある程度の有機物のある川に多産する。そのため、山間部では本種を増やすために野菜くずなどを川に投入し、成功を収めた例もある。
他方、面倒なので業者から購入しているという自治体や自然保護団体もある。しかしこういった人為的移入は地域的なカワニナの特徴・遺伝的相違を攪乱する遺伝子汚染となる。また、移入したカワニナにタイワンシジミやコモチカワツボなどの外来種が付着して進入する可能性もあり、安易に他所のカワニナを移植してはならない。
[編集] 分類
カワニナ科 Pleuroceridae には多くの種類があり、カワニナの種内でも多くの亜種が知られる。また琵琶湖・淀川水系では独自の種分化を遂げたビワカワニナ種群(Biwamelania 亜属)が知られている。カワニナの類似種であるチリメンカワニナやクロダカワニナはゲンジボタル幼虫の餌となるが、ビワカワニナ種群は餌とはならない。
カワニナ属 Semisulcospira
- カワニナ Semisulcospira libertina
- ミスジカワニナ Semisulcospira libertina japonica
- オオカワニナ Semisulcospira libertina gigas
- チリメンカワニナ Semisulcospira reiniana
- 殻表に細かい肋が縦横に走り、和名通りちりめん状を呈する。腹足がオレンジ色を帯びるのも特徴である。
- クロダカワニナ Semisulcospira kurodai
Biwamelania 亜属 - 琵琶湖水系に分布
- ホソマキカワニナ Semisulcospira (Biwamelania) arenicola
- タテヒダカワニナ Semisulcospira (Biwamelania) decipiens
- フトマキカワニナ Semisulcospira (Biwamelania) dilatata
- ナンゴウカワニナ Semisulcospira (Biwamelania) fluvialis
- クロカワニナ Semisulcospira (Biwamelania) fuscata
- ハベカワニナ Semisulcospira (Biwamelania) habei
- モリカワニナ Semisulcospira (Biwamelania) morii
- イボカワニナ Semisulcospira (Biwamelania) multigranosa
- ナカセコカワニナ Semisulcospira (Biwamelania) nakasekoae
- ヤマトカワニナ Semisulcospira (Biwamelania) niponica
- オオウラカワニナ Semisulcospira (Biwamelania) ourense
- カゴメカワニナ Semisulcospira (Biwamelania) reticulata
- タテジワカワニナ Semisulcospira (Biwamelania) rugosa
- シライシカワニナ Semisulcospira (Biwamelania) shiraishiensis
- タケシマカワニナ Semisulcospira (Biwamelania) takeshimensis
[編集] 参考文献
- カワニナ - カワニナの種類と生態について
- 内田亨監修『学生版 日本動物図鑑』北隆館 ISBN 4832600427
- 鹿児島の自然を記録する会編『川の生き物図鑑 鹿児島の水辺から』(カワニナ解説 : 行田義三)南方新社 ISBN 493137669X
最終更新 2009年9月16日 (水) 02:52 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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