ガラパゴス化
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ガラパゴス化(がらぱごすか)とは、生物の世界でいうガラパゴス諸島における現象のように、技術やサービスなどが日本市場で独自の進化を遂げて世界標準から掛け離れてしまう現象のことである[1]。
ただし、生物学的には、そもそも、進化はみな生物が置かれた環境に対して適応した結果で、ある種の進化とそれとは別の環境に住むある種の進化に優劣を見出すこと自体が進化の考え方になじまず、「ガラパゴス諸島の特殊な進化」はそれ以外の多くの地域での進化に比べて否定的にとらえられる存在ではない(詳しくは進化#進化に関する誤った理解を参照のこと)。
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[編集] ガラパゴス化が起きる理由
野村総合研究所の『「ガラパゴス化」する日本』では以下のように示されている。
- 高度なニーズにもとづいた製品・サービスの市場が日本国内に存在する。
- 一方、諸外国では、日本国内とは異なる品質や機能要求水準の低い市場が存在する。
- 日本国内の市場が高い要求にもとづいた独自の進化をとげている間に、諸外国では要求水準の低いレベルで事実上の標準的な仕様が決まり、拡大発展する(製品の水準が低いレベルにとどまるとしても、世界的な多数派になることでより高水準な日本市場向け製品を規格争いで圧倒しうる)。
- 気がついたときには、日本は諸外国の動き(世界標準)から大きく取り残されている。
また、国際的な規格(特にデジュリスタンダード)の制定作業は当然世界的な枠組みの中で行われるため、多くの場合、使用言語は英語となるが、言葉の壁、文化的な壁により、日本発の規格が国際規格となることは少ない(逆に、国際規格に取って代わられる場合が多い)。言葉の問題が少ない日本人は逆に国際経験が長いために、国内的には力がない場合が多いという日本社会の問題もこの傾向を助長している。[要出典]
さらに、世界標準に置き去りにされたとしても、世界標準のものに満足しない日本のユーザーのみを相手として十分やっていけるため、日本企業がガラパゴス化に危機感を感じないという問題も指摘されている(パラダイス鎖国)。
[編集] 例
[編集] パーソナルコンピュータ
かつては日本独自の機種であるPC-9800シリーズが日本国内で圧倒的シェアを占めており、X68000・FM TOWNSなど日本にしか市場がない独自仕様のパソコンが普及していたが、1990年代初頭にはPC/AT互換機との「性能あたりの価格差」が顕著となった。1990年代中頃からPC/AT互換機及びDOS/V・Microsoft Windowsが普及した結果、1990年代末までに日本のパソコンはWindowsとMacintoshがほぼすべてを占めるようになり、世界標準との乖離は少なくなっている。しかし、インテル本社の幹部が「日本ではCeleronばかり売れてる」と嘆くなど、CPU性能や拡張性を軽視する傾向がある[2]。
また、世界市場で有力な日本のパソコンメーカーは東芝とソニーのみであり、世界市場での競争力のなさが指摘されている。また、国内でもASUSを筆頭した台湾系メーカーが安価なネットブックを発売し、国内市場を開拓するとともにトップシェアを独占したのに対し国内大手は後手に回るなど、競争力の低下を露呈させる状況になっている。[要出典]
一方、OS・ソフトウェア方面においても日本は最新規格への対応に消極的で、未だにWindowsXP(32bit)以前しかサポートされない場合がある。64bit版Windowsや後継のVistaへの対応は諸外国に比べだいぶ後れを取っている。[要出典]
[編集] 携帯電話
日本における携帯電話はその初期から独自技術を多く採用している。かつては事実上の世界標準であるGSM・EDGEが日本ではまったく使われず、日本独自のPDC方式が使われていたことが国外メーカーの日本進出を阻むとともに、日本のメーカーの世界進出を制約している理由の一つとして考えられたことがあった。[要出典]
しかし、このような説明は、日本も世界同様のW-CDMAを採用するようになり、ソニー・エリクソンを除く日本のメーカー全社の総生産量がLG電子(世界4位)の半分程度にもならず、日本国外での販売量で年間300万台を越えるのが京セラ(旧:三洋電機(大阪))しかない現状ではもはやあてはまらない。[要出典]
そもそも、韓国も日本とともにGSMのサービスがない国であるにもかかわらず、サムスン電子(世界2位)、LG電子(世界4位)、パンテック・キュリテル(世界6位)と携帯電話メーカーの上位メーカーを擁しており、「GSMがないからこうなった」という理由づけは全く説得力がない。
このようになった原因は、政府による周波数免許の私企業に対する実質的な無償贈与、それを原資としたキャリアによる高額の端末補助金を前提とした端末開発、三大キャリアによる寡占支配構造、過度の国内市場依存による国内端末メーカーの国際競争力の喪失によると考えられる。[要出典]
また、日本の携帯電話は極端に高機能な機種にラインナップが偏っており、国外市場のような機種間での機能・性能に関しての幅広さに欠けるといわれている[3]。諸外国の携帯電話機は一般に日本のそれより性能では同等以下であるにもかかわらず、比較的高価である。[要出典]
[編集] デジタルテレビ放送
世界標準はDVBだが、日本はISDB。2009年現在、ISDBを採用している国は他にはブラジルと[1]ペルーのみである[4]。
移動体向けテレビ放送規格であるワンセグも日本だけのサービスであり、欧州やアジアではDVB-H、韓国ではDMBと別の形式を使っている。
諸外国ではケーブルテレビやセットトップボックスを通じてテレビをみることが一般的なため、テレビはモニターとしての性格が強く、日本のデジタルテレビのような高機能は必要とされていないため、同じ解像度でも日本市場価格の半額の機種が多い[3]。
[編集] コンピュータゲーム
1980年代には日本でもパソコンゲームが一定の大きな存在感を示していた(また、海外製ゲームも広く親しまれていた)が、1990年頃から日本のパソコンゲーム市場は衰退の一途を辿り、スーパーファミコンやプレイステーションを始めとした高性能なコンシューマーゲーム機の台頭によってアダルトゲーム以外のパソコンゲーム市場が事実上消滅し、ほぼ完全にゲーム機一辺倒の市場と化した。
一方、アタリショック以降、米国のコンシューマーゲーム産業は衰退し、日本のゲーム機やゲームソフトが世界を席捲することになったが、1990年代後半以降になると欧米でも有力ゲーム会社の成長が目立ち始めた。
2000年代になってプレイステーション2が登場して以降、次第に日本国内のユーザーの嗜好と欧米のプレーヤーの嗜好の乖離が目立ちはじめ、欧米では人気のFPSが日本ではあまり好まれない・逆に日本では多数派である「エンカウント・コマンド制のRPG」が欧米では「古いゲームスタイル」と受け取られているなど、ユーザーの嗜好の違いによる障壁が度々指摘されている。この乖離により、欧米での日本企業のシェアは低下した。さらに、日本のゲーム会社が「勝ち組ハードにのみソフトを供給する」スタンスに固執したこと、欧米メーカーが得意とする重厚長大なゲームが世界で好まれるようになったことから、2005年以降の次世代機の登場以降は「(パソコンゲームを含む)マルチプラットフォーム化」を進めている欧米企業に世界市場のシェアの大半を奪われるほどにまで追い上げられた。
また、日本国内ではニンテンドーDSをはじめとした携帯機が圧倒的な普及をみせ、据置機での開発に見切りをつけ、携帯機専用ゲームの開発に移行するゲームメーカーが増えてきたことも「世界市場との乖離」を助長している。
[編集] カーナビゲーションシステム
日本国内では高価で高機能なインダッシュ型のカーナビゲーションシステムが圧倒的なシェアを近年まで保持していた。どのメーカーも国内市場に合わせてそのような商品開発に終始していた。しかし、欧米市場では、2005年ごろから、Garmin、TomTomといったメーカーによる単機能のポータブルカーナビゲーションの低価格化により、爆発的な勢いで市場普及が進んだ。結果として、高価過ぎる機器に頼るほとんどの日本メーカーは世界市場をうしない、国内市場に封じ込められる状況となった[5]。
[編集] 非接触IDカード
急拡大を続ける日本の電子マネー市場であるが、電子マネーを運営する日本の会社の大半が世界標準とは異なる技術を採用しているため、ガラパゴス化が懸念されている[1]。
[編集] 脚注
- ^ い ろ は 『「ガラパゴス化」する日本』
- ^ 大森敏行 (2004-04-12). "「日本企業はパソコンの性能に無関心すぎる」、米インテルのデスクトップ担当副社長". ITpro. 日経BP社. 2009-01-03 閲覧。
- ^ い ろ 宮崎智彦 『ガラパゴス化する日本の製造業』 東洋経済新報社(原著2008-09-25)、初版、pp. 14-20。ISBN 9784492761779。2008-01-25閲覧。
- ^ 臼田勤哉 (2009-04-24). “[[1]]”. AV Watch (インプレス) 2009-07-09 閲覧。
- ^ 中島順一郎 (2008-05-30). "日本の御家芸に大誤算 簡易型カーナビの猛威". 東洋経済新報社. 2009-04-05 閲覧。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- "「ガラパゴス化」する日本". NRI未来ナビ. 野村総合研究所 (2008-02-13). 2009-08-13 時点のオリジナルよりアーカイブ。2008-08-28 閲覧。
- 王亭亭. "「日本発 W-CDMA」の挫折". ITPro. 日経BP社. 2008-09-21 閲覧。
- Gibbs, Colin (2008-10-08). "Japanese mobile content firms continue to struggle in the US market". RCR Wireless. 2008-10-18 閲覧。
最終更新 2009年11月29日 (日) 22:39 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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