菜種油
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菜種油(なたねゆ・なたねあぶら)とは、主にセイヨウアブラナから採取した植物油脂の一種。食用及び食品加工用、かつては光源燃料としても利用された。
キャノーラ油(Canola)は、菜種油のうち、品種改良によってエルカ酸とグルコシノレートを含まないキャノーラ品種から採油されたものである。したがって、菜種油とキャノーラ油は、厳密にいえば同じものではない。
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[編集] 特徴
精製した菜種油はクセがなくあっさりしているので、日本をはじめ東アジアで古来より食用とされてきた。一方、アメリカでは食用が禁止され、認可されたのはキャノーラが流通しだした1985年である。
これは、従来品種から採取した菜種油には、過剰摂取により心臓障害を誘引するおそれがある不飽和脂肪酸(エルカ酸、またはエルシン酸)残基や、甲状腺障害に関与する含硫化合物の一種であるイソチオシアネート前駆体のグルコシノレートが多く含まれているためである。 特に、エルカ酸は全脂肪酸残基の40%以上に達し、油を多用するアメリカ型食生活ではリスクが高かった。
そこで、主要生産国であるカナダで品種改良された結果、エルカ酸を含まずグルコシノレート含量も削減された(この特性は“double low”と呼ばれる)「キャノーラ品種」が開発された。 キャノーラにおける不飽和脂肪酸は、オレイン酸が50~60%と最も多く、以下リノール酸25~30%、α-リノレン酸6~9%であり、ステアリン酸、ステアロオレイン酸、エルカ酸を合計1%程度含む。
さらに伝統的な交配育種法による品質改良により、オレイン酸比率が80%を越える高オレイン酸種も開発されている。最近は、遺伝子組換え技術を利用したラウンドアップレディー(ラウンドアップ耐性)品種が主力であり、カナダを中心に生産され、遺伝子組換え食品として、大量に日本に輸出されている。
[編集] 用途
菜種油やその他の植物油脂から作られるサラダ油は、ドレッシングなどの食品の原材料に使われる。 白絞油は油揚げの揚げ油としてよく使われる他、天ぷらや炒め物用の油として使われる。 鹿児島県の一部では原料菜種を焙煎して搾油し、植物灰で処理したものを「赤湯(あかゆ)」と称し、食用に用いている。精製していないため、独特の青臭さと焙煎臭が強いものである。
かつては非精製油は行灯などの光源燃料としても使用された。
日本でも食品加工廃油をアルカリ処理し燃料油とする試みがあり、使い古した菜種油をバスの燃料にするなどして利用されている。これはバイオディーゼルと呼ばれ、リサイクルとして進められてきた。一方、ヨーロッパ諸国では、小麦の転作作物としてバイオ燃料用菜種が栽培され、安定した品質のバージン油が用いられている。近年のバイオ燃料ブームのため、トウモロコシ同様に食用油相場の影響を被っている。
[編集] 生産
菜種の生産量は年々増加していて、4千6百万トンを超え、主要生産国は中国、カナダ、インド、ドイツ、フランスなど(FAOの2005年の資料から)。 国内の栽培面積では、北海道が最大で、特に滝川市が多い。
[編集] 名称について
上述のように、大手製油会社は、エルシン酸を含まない、グルコシノレート含量の低いキャノーラ品種由来の菜種油の意味として「キャノーラ油」「カノーラ油」という名称を用いている。「キャノーラ」は、カナダカノーラ会議が採用した「カナダのオイル」を意味するブランドであったが、現在は北米はもちろんヨーロッパでもキャノーラ品種から搾油されたという意味でキャノーラオイルが一般的に用いられている。一方、国内地場の小規模製油会社においてはキャノーラ品種ではない国産ナタネを原料としているため、菜種油の呼称が一般的である。

