キャベツ
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![]() 収穫期のキャベツ |
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| 分類 | ||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | ||||||||||||||||||||||||
| Brassica oleracea L. var. capitata | ||||||||||||||||||||||||
| 和名 | ||||||||||||||||||||||||
| 甘藍、玉菜 | ||||||||||||||||||||||||
| 英名 | ||||||||||||||||||||||||
| Cabbage |
キャベツ(英語:cabbage)、アブラナ科アブラナ属の多年草。野菜として広く利用され、栽培上は一年生植物として扱われる。
名前は英語に由来するが、さらにその語源はフランス語のcaboche(頭)から。 別名の甘藍(かんらん)は中国語のganlanに、玉菜(たまな)は結球する性質に由来する。
目次 |
[編集] 概要
キャベツは結球(丸く玉になる性質)のイメージが強いが、品種によって結球するものとしないものがある。 また、同じ原種に由来するケール、カリフラワー、カイラン、メキャベツ、コールラビ、ブロッコリーなどと同様に長い品種改良の過程を経ているため、多くの品種がある。
[編集] 起源
古代よりイベリア人が利用していた原種がケルト人に伝わり、ヨーロッパ中に広まったとされるが、当時は野菜より薬草として用いられ、古代ギリシャ・古代ローマでは胃腸の調子を整える健康食として食されていた。
その後、9世紀頃に野菜としての栽培が広まった。現在日本で普及しているものは、12~13世紀のイタリアで品種改良されたものが起源とみられる。18世紀にアメリカへ渡ると、より肉厚で柔らかく改良が進んだ。
[編集] 日本での普及
幕末の1850年代に伝わり、明治にかけて外国人居留地用として栽培されたが、一般の日本人が口にすることはなかった。
1874年、内務省勧業寮がのちの三田育種場で欧米から取り寄せた種子で栽培試験を行ったのが、本格的な生産の始まりとされる。試験地は北海道に移され、北海道開拓使が発行した「西洋蔬菜栽培法」に、キャベイジの名で記載された。
大正時代に品種改良が進められ、寒冷地に適することから、栽培は北海道のほか、東北地方や長野で拡大したが、洋食需要が限られた戦前にはそれほど普及しなかった。 戦後、食糧増産と食の洋風化が相まって生産量は急激に増加し、1980年代にはダイコンと並ぶ生産量となった。
- 江戸期の渡来
- これ以前にも江戸前期にオランダから持ち込まれ、一部で栽培されていたとみられる。貝原益軒が1709年に出版した「大和本草」にはオランダナ(紅夷菘)として「葉は大きくて艶がなく白っぽい。花はダイコンに似る。おいしい。三年で花が咲き、カブの仲間である」と紹介されている。
- しかし食用として広まることはなく、むしろ観賞用としてハボタンを生むこととなった。また、ハボタンがケールの品種であることから、渡来したのはキャベツではなくケールだったと考えられる。
[編集] 結球
キャベツに限らず、結球する野菜は葉の成長ホルモン(オーキシン)が裏側に偏ることでその形態をとる。
一般に流通しているグリーンキャベツの場合、外葉が18–21枚になってから結球が開始し、葉序に従い螺旋状に茎頂を包む。結球時、茎はほとんど伸長せず、短縮茎となる。
断面を見ると、中心に近い葉ほど内側を向いているが、これは外側が先に育ち、内側はその後から出葉するため次第に混んでくるためで、店でキャベツを選ぶ際に、大きさではなく重さで選ぶのはこのため。
[編集] 品種
世界中で多様な品種が利用されている。例えばフランスの料理学専門辞典[1]には、60種を超える品種の記載があるという。日本でも用途、栽培時期、栽培地、病害抵抗性などの異なる数多くの品種が栽培されている [1] [2]。
- ムラサキキャベツ
- 赤キャベツとも。食用。見た目、特に色合いの美しさからサラダに用いられる。また、ムラサキキャベツの色素アントシアニンは、酸性やアルカリ性の水溶液に反応し変色するのでpH指示薬とすることができるほか、キャンディーやゼリーなどに赤紫色を発色させる着色料としてよく使用されている。
- サボイキャベツ
- グラッド(縮緬甘藍)とも。縮れた葉を持ち、肉厚で緑色が濃い。
[編集] 利用
葉は柔らかく、癖のない味なので、様々な料理に使われる野菜である。
- 生食
- 繊切りにして豚カツなどの付け合わせにしたり、甘辛の味噌をつけたりして食べる。業務用で繊切りを使用する場合には、水に浸しておくと水分を吸収して膨張するため量が増え、かつ、みずみずしさを保つ利点があるが、ビタミンCなど水溶性の栄養素は減少する。生キャベツの繊維は消化が悪いため、食べ過ぎると腹痛を起こすおそれがある。
- スープの具材としたり、挽肉などを巻いてロールキャベツにする。先に脂で炒めると甘味が引き出される。もつ鍋や井上鍋などの鍋料理では必須の具材として用いられる。また水炊きでは白菜ではなくキャベツを好んで用いられる場合がある。
- 蒸し煮による調理法も多い。登山では、キャベツの水分で豚肉を煮るキャベッジダウンという調理法がある。
- 横浜国大がオリジナルキャベツワインとして開発し、販売されている。
[編集] 生産
日本での統計は、1910年頃から。生産が急速に伸びたのは1960年~1965年頃。
| 年度 | 生産量(千t) | 補足 |
|---|---|---|
| 1910年 | 43 | |
| 1945年 | 191 | |
| 1986年 | 1,667 | 最多 |
| 2003年 | 1,435 | |
| 2004年 | 1,375 | |
| 2005年 | 1,363 | |
| 2006年 | 1,372 | 東京市場 卸売価格34円/kg(12月6日) |
| 2008年 | - | 東京市場 卸売価格49円/kg(9月22日) |
本来の旬は原産地の気候(地中海性気候)から冬季と考えられる。しかし、日本では栽培地の標高や緯度で出荷時期が異なり、さらに今日に至る品種改良の結果、年間を通して出荷可能となっているので、特定の旬が存在しない。
日本では出荷時期によって、冬キャベツ(11~3月。作付・出荷ともに最多で、球が締まった平たい形が特徴)、夏秋キャベツ(7~10月。冷涼地で栽培され、高原キャベツとも)、春キャベツ(4~6月。生産量は少なめだが人気が高く、近郊栽培中心。新キャベツとも)に分類されている。
キャベツは、収穫時期により特定の産地へ生産が集中してきている。 おおよそであるが、冬キャベツは愛知県(渥美半島など)が中心で、夏秋キャベツは群馬県(嬬恋村など)、北海道、長野県など。春キャベツは千葉県(銚子市など)、神奈川県(三浦市など)、茨城県が主体となっている。
冬キャベツの場合、8月頃に種をまき、12月~4月にかけて収穫される。他のアブラナ科の野菜にも当てはまることが多いが、栽培されるのは固定品種ではなく、一代雑種が大半である。また北海道の和寒町では秋のキャベツを雪の中で寝かせ糖度を増した越冬キャベツが有名である。
[編集] 病虫害
モンシロチョウ(青虫)などの格好のエサになるため、食害(食痕)が問題となる。無農薬栽培では葉が害虫に食い尽くされるような場合もあり、たとえ食い尽くされなかったにしても店頭に虫食い跡の残るキャベツが出回ると極端に売れ行きが鈍ることから、一定量の農薬(殺虫剤)の使用は避けられないのが現状である。
無農薬栽培の手法として、キャベツのうね毎にチョウ類の進入を許さないようネットを張る手法も取られるが、手間が掛かることもあり、販売価は通常のキャベツの倍近くになる。家庭菜園の場合は、秋蒔き栽培にすると農薬の使用量を抑えやすい。
[編集] 生産不足問題
冷害(異常低温)、日照不足、台風、大雪などにより野菜が不作で供給不足となり、価格が高騰する場合がある。 2004年は、本州などに多数の台風が上陸、キャベツの販売価格が例年の2~4倍(約300円/kg)となった。ちなみに、同年のレタスは1,000円/kgを超えた。
[編集] 生産過剰問題
農業に限らず漁業などにおいてもいえることだが、天候など予測しにくい要素によって生産量が左右されることは、生産者の頭を悩ませる課題である。 不作はもちろんのこと、大豊作によっても発送したり梱包材(ダンボール)を購入する代金も出ないほど卸売価格が下落してしまうことがある。
豊作により市場卸売価格に相当な下落が見込まれる場合、農協から農林水産省へ届出を行い緊急需給調整(市場隔離 一般には生産調整と称される)としてより各農家に出荷を抑えるよう依頼される。これに協力して廃棄する場合には、大規模な生産農家に限り交付金(2008年は、32円/kg。半分が農家による積立金、半分が税金)が支給される。
秋になると、生産過剰となった年には愛知県東三河地方(渥美半島など)や群馬県(嬬恋村など)で生産調整によって廃棄されるキャベツの映像が報道される。ダイコンやハクサイにおいても同様の生産調整がなされているが、キャベツに関する報道が軒並み有名である。
一方で、中国からの輸入が、2008年現在3~6%程度行われている。
[編集] 文化
英語でKraut(クラウト)といえば侮蔑的にドイツ人のことをさす(ザワークラウトからの連想、キャベツ野郎)。またcabbagehead(キャベツ頭)は「石頭」(ドイツ方面のキャベツの固さから)また「脳足りん」(低能者を指しての蔑称)を意味する。一方ドイツ語ではキャベツをコール(Kohl)というが、これはドイツ人の苗字にもなっている。例えばコール元ドイツ連邦共和国元首相など。
フランスではキャベツをchouといい、愛情表現としてmon chou (monは英語のmyに相当)と男女が呼び合ったり、子供に対して言ったりする。
作曲家クロード・ドビュッシーは娘クロード=エンマ・ドビュッシーをシュウシュウChouchou(キャベツちゃん)と呼んで可愛がり、愛娘のために子供の領分やおもちゃ箱といった作品を生んだ。
1982年、アメリカにてキャベツ人形(Cabbage Patch Kids キャベツ畑人形とも)が量産化され大ブームを巻き起こした。この人形は量産前の製作者が幼い頃「キャベツから生まれた」と聞かされていたため、「キャベツから子供が生まれる」というモチーフを元に作成されている。
[編集] 参考書籍
- 矢野恒太記念会、『数字で見る日本の100年』改訂第5版、ISBN 4-87549-438-6
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 相馬博士の作物百科 キャベツ、カンラン、タマナ、
- キャベツの秘密 - 嬬恋の農業(JA嬬恋村)
- 小売価格の推移 キャベツとレタス - 統計局
- キャベツの緊急需給調整の実施について - 農林水産省
[編集] 注釈
最終更新 2009年11月4日 (水) 13:21 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【キャベツ】変更履歴



