キャリア教育
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キャリア教育(キャリアきょういく、英: career education)は、キャリア(経験)を活かして、現在や将来を見据えることなどを主眼として行われる教育のことである。
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[編集] 概要
キャリア教育については、以前、循環再教育(リカレント教育)ともいわれていたこともあるものの、概念の広まりもあって、厳密には、キャリア教育と循環再教育(リカレント教育)が区別されて扱われるようになりつつもある。
キャリア教育の文言としては、若年層の雇用問題に対する政府全体の対策として、文部科学省、厚生労働省、経済産業省および内閣府の関係府省で連携強化を図り、2003年(平成15年) 文部科学大臣ほか関係4大臣によってとりまとめられた「若者自立・挑戦プラン」に基づき、将来を担う若者たちに勤労観、職業観を育み、自立できる能力をつけることを目的とする意味合いが深くなっており、これに基づいたインターンシップ推進や地域人材の活用などが行われ、一般的にこれらを総じて「キャリア教育」と呼称されている事が多い。
その他キャリア教育の意味としては、自分自身の専門的な資質・能力を維持・向上させるために、現職あるいは退職後も、講座・セミナーなどを受講し、知識・技能のリフレッシュを図ったり、社会人大学院や夜間大学院などで再び学び、職質・資格などの向上を目指すことなどが含まれる。また、資質・能力を維持・向上させるための制度や手法の整備などについても研究されている。
キャリア教育は、生涯学習の一貫としても重要なものである。専門職学位課程(専門職大学院の課程)などでは、社会人の経歴を有する人に対する取り組みもされている。
[編集] 学校教育におけるキャリア教育
学校教育におけるキャリア教育とは、『子ども達がこの激しい社会の変化に対応していく能力、主体的に自己の進路を選択・決定できる能力、社会人・職業人として自立していくことができるようにする教育』である。
[編集] 概要
学校教育におけるキャリア教育は従来指導されてきた「進路指導」とほぼ同義である。しかし「進路指導」が上級学校への移行(出口指導)に偏重している現状から、意味を刷新するために「キャリア教育」という語が使用されるようになった。
キャリア教育という言葉が公文書で初めて使用されたのは、1999年の中央教育審議会答申「初等中等教育と高等教育との接続の改善について」である。この答申の中で「学校と社会及び学校間の円滑な接続を図るためのキャリア教育(望ましい職業観・勤労観及び職業に関する知識や技能を身につけさせるとともに、自己の個性を理解し、主体的に進路を選択する能力・態度を育てる教育)を小学校段階から発達段階に応じて実施する必要がある」と述べられた。
2006年11月の文科省内協力者会議作成による「小学校・中学校・高等学校キャリア教育推進の手引」において、キャリア教育において身につけさせる力として以下の内容構造案を示している。
- (1)人間関係形成能力(自他の理解能力とコミュニケーション能力)
- (2)情報活用能力(情報収集・探索能力と職業理解能力)
- (3)将来設計能力(役割把握・認識能力と計画実行能力)
- (4)意志決定能力(選択能力と課題解決能力)
以上の内容は具体的に、(1)他者の個性を尊重し、自己の個性を発揮しながら、様々な人々とコミュニケーションを図り、協力・共同して物事に取り組む力を育成すること。(2)学ぶこと・働くことの意義や役割およびその多様性を理解し、幅広く情報を活用して、自己の進路や生き方の選択に生かす力を育成すること。(3)夢や希望を持って将来の生き方や生活を考え、社会の現実を踏まえながら、前向きに自己の将来を設計する力を育成すること。(4)自らの意志と責任でよりよい選択・決定を行うとともに、その過程での課題や葛藤に積極的に取り組む力を育成すること。と具体例を挙げている。
[編集] 推進の背景
学校におけるキャリア教育推進が必要であるとされる背景には、少子高齢化社会が到来し、産業・経済の構造的変化や雇用の多様化、流動化が進む中、就職・就業をめぐる環境が変化していることがあげられる。その中において、若年層におけるいわゆる社会人・職業人としての資質・素養に課題が多く見られ、その背景として精神的・社会的な自立の遅れがあげられている。その顕著な事例として、子どもたちが人間関係を上手く築くことが出来ず、自分で意志決定が出来ない。そして自己肯定感が持てず将来に希望が持てない、進路を選ぼうとしないなど、生活や意識が大きく変化していることにある。これが長じて若者の中にもモラトリアム傾向が強くなり、進学も就職もしなかったり、進路意識や目的意識が希薄なまま進学、就職しても長続きしないなどの大きな問題が顕著になってきたことにある。
[編集] 推進の基本方向
文部科学省は、学校におけるキャリア教育推進の基本方向として、一つには働くことへの関心・意欲の向上と、それを学ぼうとする意欲を向上させることをあげている。そのために、職業や進路選択など、キャリアに関する学習と教科・科目の学習との相互の補完性を重視している。職業体験やインターンシップ等の体験を教科と有機的に関連づける事とし、進路への関心、意欲を高めるよう工夫し、学習意欲と結びつけることをあげている。また、子どものキャリア発達の状況を正しく把握し、キャリアカウンセリングの機会と質を向上させ、一人一人に応じたキャリア発達の支援を行うように指導している。 また、社会人・職業人としての資質・能力を高める指導、自立意識の涵養など早期からの人間力向上の必要性をあげ、このことをもってキャリア教育を推進させるようにするとしている。
[編集] 意義
また、文部科学省は、学校教育においてキャリア教育を推進する意義として、「生きる力」の育成を前面に掲げている。つまり、生きる力を身につけ、社会の激しい変化に流されることなく、それぞれが直面するであろう様々な課題に対し、柔軟にたくましく対応し、社会人・職業人として自立していくことが肝要であるとしている。したがって、学校においてはこの意義を明確にし、学校の教育活動全体において組織的・系統的に取り組むことを求めている。さらには、学校教育がキャリア教育に取り組む意義として具体的に以下の3点をあげた。
*(1)教育改革の理念と方向性を示す
キャリア教育は、一人一人のキャリア発達や個としての自立を促す視点から、従来の教育のあり方を幅広く見直し、改革していくための理念と方向性を示すものである。
*(2)子どもたちの「発達」を支援する
キャリア教育は、キャリアが子どもたちの発達段階やその発達課題の達成と深く関わりながら段階を追って発達していくことを踏まえ、子どもたちの全人的な成長・発達を促す視点に立った取り組みを積極的に推し進めるものである。
*(3)教育課程の改善を促す
キャリア教育は、子どもたちのキャリア発達を支援する観点に立って、各領域の関連する諸活動を体系化し、計画的・組織的に実施することが出来るよう、各学校が教育課程編成を見直していくことである。
[編集] 関連項目
- 日本キャリア教育学会
- 私のしごと館
[編集] 外部リンク
最終更新 2009年10月31日 (土) 08:54 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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