キングス・カレッジ・ロンドン
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キングス・カレッジ・ロンドン(King’s College London, KCL)は、ロンドン大学を構成するカレッジのひとつであり、 ジョージ四世及びウェリントン公アーサー・ウェルズリーによって1829年に設立された。、イングランドでは4番目に古い大学である。ロンドン大の他のカレッジと同様、独自の入試を行う等、個別の大学のように運営されており、2003年よりカレッジ独自の学位の発行権限も認められた。KCLはラッセル・グループのメンバーであり、設立メンバーの1校でもある。9つの学部と5つのキャンパスを持つ総合大学であり、学生数は21,300名と、ロンドン大学のカレッジの中で最大規模を誇る。
目次 |
[編集] 歴史
KCLは1829年、ジョージ四世の命によって設立された。当時、オックスフォード大学、ケンブリッジ大学は男性・イギリス国教徒・貴族出身者のみに入学を許されるなど差別的な入学条件を課していた。これに対し「万人に開かれた大学」を実現すべく、哲学者のジェレミ・ベンサムが1826年に性別・宗教・人種・政治的思想による入学差別を撤廃したロンドンユニバーシティ(後のユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)を設立した。
しかしこの動きは既得権益を失う事を恐れたオックスフォード大学、ケンブリッジ大学や聖公会から激しい反発を受けた。 ジョージ・ドイリー主教は非宗教的な大学の在り方を批判し、公開書簡の中でロンドン市内に対抗する宗教的で聖公会の意図を反映した大学機関の設立を提言した。この書簡に刺激を受けた時の首相、ウェリントン公アーサー・ウェルズリーは、1828年6月21日のジョージ四世が開いた本件に関する会議の中で議長をつとめ、大学設立は実現に向かっていった。こうして1829年8月14日のジョージ四世の勅許によりKCLの正式な設立となった。
なおこのようなアーサー・ウェルズリーの聖公会やローマカトリック救済法案への過剰な肩入れはカトリック教会に対し殆ど完全な市民権を与える事になると ウィンチルシー伯ジョージ・フィンチ・ハッテン による抗議があり、これは1829年3月21日のバトルシーフィールズにおける決闘へ繋がった。結果は両者とも意図的に相手を外した射撃によって決着した。KCL内でもこの決闘の日は特別な日として祝われており、様々なイベントが毎年の伝統的に開かれている。
こうして1831年にオックスフォード大学に似た大学運営のKCLが開校した。しかしこのような設立経緯にも関らず、最初の入学案内書では非イギリス国教徒の入学が認められている。開校時に提供されたコースは化学、英文学、商学である。
この時期はまだKCLもロンドンユニバーシティも大学の学位の授与が出来なかった。これは特に臨床実習を希望する医学専攻の学生にとって問題となった。そこで時の大法官でありロンドンユニバーシティ運営委員会の会長であった ヘンリー・ブロハムが問題解決へ向けて関る事となった。この経緯によりヘンリー・ブロハムはKCLの学長も兼ねるようになる。
当時イギリスでは1つの都市には1つの機関のみが学位の発行の権限を持つ制約があった。そのため政府がロンドン市内の二つの大学に学位発行権限を与える事は非現実的であった。この経緯から2つの大学は統合の形で話し合いが行われ、1836年に2つの大学がカレッジになる形でロンドン大学が発足した。こうしてロンドン大学のカレッジとして正式に発足したKCLは、夜間コースという形ではあるが女性・労働者階級に対しても開かれたカレッジとなる。
KCLの180年に渡る歴史の中では多くの重要な研究がなされ、中でもロザリンド・フランクリンとモーリス・ウィルキンスによるDNAの螺旋構造の発見は有名である。
[編集] キャンパス
ストランドを中心にロンドン市内中心部のテムズ川沿いに4つのキャンパスとデンマークヒルに1つのキャンパスがある。
Strand campus
Guy's campus
Waterloo campus
St Thomas' campus
Denmark Hill campus
[編集] 評価
ここではKCLに関する外部機関の評価について述べる。
[編集] 研究水準
イギリスの大学の研究力を測る指標として Research Assessment Exercise(RAE)がある。RAEは、数年に一度、イギリス政府が研究機関に対して行う研究成果の公的な調査および査定である。イギリスの研究機関で行われている研究を何十もの分野に分け、その分野の専門家がお互いの研究成果を査定し、イギリス政府はその結果に基づいて国内の研究機関への資金配分を決める。RAEはこれまで1992年、1996年、2001年、2008年の4回実施されている。
最新のRAE(2008年版)によると、総合ランキングでKCLは第20位[1]であった。評価方法が変更されているので正確な比較はできないが、この結果は前回、2001年の調査と同じである[2]。
またRAE(2008年版)によるとKCLの研究の約19%が世界トップレベルと査定されている[3]。
全般的に医歯薬系統に強く、最新のRAEの結果を分野別に見ると、健康生活科学、教育学が英国内1位、心臓医学、歯学が3位、臨床心理学が5位、伝染免疫学、臨床・人間生命科学が6位、薬学、経営学が7位といった評価を受けている[4]。
[編集] ランキング
イギリスでは新聞各紙が独自の視点に基づいた大学ランキング(総合ランキングは下記の表を参照)を発表している。この中では毎年10~20位といった評価を受けている。
詳細なデータが公開されているIndependent紙[5]とTimes紙[6]の2009年度版のランキングを見てみると、 以下のようなKCLの特徴が読み取れる。
- 学生の満足度は他のロンドン市内の大学同様に平均的 (約75%の満足度)
- 研究レベルは20~30位
- 学部課程への入学難易度は20位前後 (志願倍率は約8倍で30,700の受験者に対し3,792の合格者が出ている[7])
- 教員一人あたりの学生数は約11人で英国トップクラス
- 卒業後の進路は英国トップクラス (卒業生の平均初任給約£24,110は4位[8]、就職率 約83%は5位 [9])
一方The Times Higher Education Supplementと教育情報の専門会社Quacquarelli Symondsが2005年から毎年発表している世界大学ランキングでは2007年以降、世界25位以内(英国内5~6位)をキープしている。分野別に見ると社会科学、人文科学、生命科学が強く、2008年版では3分野とも世界トップ50入りしている[10]。
| 2010 | 2009 | 2008 | 2007 | 2006 | 2005 | 2004 | 2003 | 2002 | 2001 | 2000 | 1999 | 1998 | 1997 | 1996 | 1995 | 1994 | 1993 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Times Good University Guide | 12th[11] | 11th[12] | 10th[13] | 17th[14] | 17th | 16th=[15] | 16th | 17th= | 20th | 18th | 15th | 17th | 18th | 15th | 20th= | 18th | 11th | 15th= |
| Sunday Times University Guide | 12thth[16] | 17th[17] | 12th | 13th[18] | 13th[18] | 13th=[19] | 17th[19] | 21st[19] | 21st[19] | 19th[19] | 18th[19] | 18th[19] | ||||||
| Guardian University Guide | 24th[20] | 21st[21] | 13th[22] | 8th | 8th[23] | 6th [24] | 7th[25] | 10th[26] | 18th[27] | |||||||||
| Daily Telegraph | 17th=[28] | 18th= | 18th=[27] | |||||||||||||||
| The Independent | 17th[29] | 15th[30] | 17th[30] | |||||||||||||||
| FT Good University Guide | 10th[31] | 12th[27] | 15th[32] | 10th[33] | 12th[34] | |||||||||||||
| Times Higher Education - QS | 22th[35] | 24th[36] | 46th[37] | 73th[38] | 97th[39] | |||||||||||||
| ARWU | 81th[40] | 83th[41] | 83th[42] | 80th[43] | 77th[44] | 75th[45] | ||||||||||||
| Newsweek | 85th[46] |
[編集] 教員
[編集] ノーベル賞受賞者
- 1917 チャールズ・バークラ (物理学賞)
- 1928 オーエン・リチャードソン (物理学賞)
- 1929 フレデリック・ホプキンズ (医学生理学賞)
- 1932 チャールズ・シェリントン (医学生理学賞)
- 1947 エドワード・アップルトン (物理学賞)
- 1951 マックス・タイラー (医学生理学賞)
- 1962 モーリス・ウィルキンス (医学生理学賞)
- 1984 デズモンド・ムピロ・ツツ (平和賞)
- 1988 ジェームズ・ブラック (医学生理学賞)
[編集] 主な出身者
- 小谷賢 (歴史学者、国際政治学者)
- デレク・ジャーマン (映画監督)
- デズモンド・ムピロ・ツツ (平和運動家)
- モーリス・ウィルキンス (生物物理学者)
- ケリー・オケレケ(ミュージシャン)
[編集] 脚注
- ^ http://www.guardian.co.uk/education/table/2008/dec/18/rae-2008-results-uk-universities
- ^ http://www.ukeas.com.tw/rankings.htm
- ^ http://www.guardian.co.uk/education/table/2008/dec/18/rae-2008-results-uk-universities
- ^ http://www.guardian.co.uk/education/page/subject/rae2008
- ^ http://www.independent.co.uk/news/education/higher/the-main-league-table-2009-813839.html
- ^ http://extras.timesonline.co.uk/tol_gug/gooduniversityguide.php
- ^ http://www.ucas.com/about_us/stat_services/stats_online/data_tables/heinstitution/2008
- ^ http://timesonline.typepad.com/schoolgate/2009/06/top-universities-by-graduate-starting-salary.html
- ^ http://extras.timesonline.co.uk/tol_gug/gooduniversityguide.php?sort=PROSPECTS
- ^ http://www.topuniversities.com/schools/data/school_profile/default/kingscollegelondon
- ^ "The Times Good University Guide 2010". The Times. 2009-06-04 閲覧。
- ^ "The Times Good University Guide 2009". The Times. 2008-06-29 閲覧。
- ^ "The Times Good University Guide 2008". The Times. 2007-11-03 閲覧。
- ^ "The Times Good University Guide 2007 - Top Universities 2007 League Table". The Times. 2007-11-03 閲覧。
- ^ "The Times Top Universities". The Times. 2007-11-03 閲覧。
- ^ "The Sunday Times Good University Guide League Tables". The Sunday Times. 2010-11-11 閲覧。
- ^ "The Sunday Times Good University Guide League Tables". The Sunday Times. 2007-11-03 閲覧。
- ^ い ろ "The Sunday Times University League TablePDF". The Sunday Times. 2007-11-03 閲覧。
- ^ い ろ は に ほ へ と "University ranking based on performance over 10 yearsPDF". Times Online (2007). 2008-04-28 閲覧。
- ^ "University ranking by institution". The Guardian. 2009-05-12 閲覧。
- ^ "University ranking by institution". The Guardian. 2009-11-11 閲覧。
- ^ "University ranking by institution". The Guardian. 2009-11-11 閲覧。
- ^ "University ranking by institution". The Guardian. 2009-11-11 閲覧。
- ^ "University ranking by institution". The Guardian. 2009-11-11 閲覧。
- ^ "University ranking by institution". The Guardian. 2009-11-11 閲覧。
- ^ "University ranking by institution". The Guardian 2003 (University Guide 2004). 2009-11-11 閲覧。
- ^ い ろ は "The 2002 ranking - From Warwick". Warwick Uni 2002. 2009-11-11 閲覧。
- ^ "University league table". The Daily Telegraph. 2007-10-29 閲覧。
- ^ "The Independent University League Table". The Independent. 2009-11-11 閲覧。
- ^ い ろ "The main league table 2009". The Independent. 2008-04-11 閲覧。
- ^ "The FT 2003 University ranking". Financial Times 2003. 2009-11-11 閲覧。
- ^ "FT league table 2001". FT league tables 2001. 2009-11-11 閲覧。
- ^ "FT league table 1999-2000". FT league tables 1999-2000. 2009-11-11 閲覧。
- ^ "FT league table 2000". FT league tables 2000. 2009-11-11 閲覧。
- ^ "Times Higher Education - QS University Ranking". Times Higher Education. 2009-06-25 閲覧。
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- ^ "Academic Ranking of World Universities". ARWU. 2009-06-26 閲覧。
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- ^ "Academic Ranking of World Universities". ARWU. 2009-06-26 閲覧。
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- ^ "Newsweek University ranking". Newsweek. 2009-06-26 閲覧。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
最終更新 2009年11月11日 (水) 20:55 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【キングス・カレッジ・ロンドン】変更履歴

