クエン酸

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クエン酸
IUPAC名
別称 3-ヒドロキシペンタン二酸-3-カルボン酸
識別情報
CAS登録番号 77-92-9
PubChem 311
特性
化学式 C6H8O7
モル質量 192.12g/mol(無水物)
210.14g/mol(一水和物)
外観 白色結晶
密度 1.665g/cm3
融点

100°C(一水和物)
153°C(無水物)

沸点

175°C(分解)

への溶解度 133g/100mL(20°C
酸解離定数 pKa pKa1=3.15
pKa2=4.77
pKa3=6.40
危険性
主な危険性 皮膚と目を刺激する
関連する物質
関連物質 クエン酸ナトリウム、クエン酸カルシウム
特記なき場合、データは常温(25 ℃)・常圧(100 kPa)におけるものである。

クエン酸(クエンさん、枸櫞酸、citric acid)とは柑橘類などに含まれる有機化合物で、ヒドロキシ酸のひとつである。化学式C6H8O7、分子量は192.13。CAS登録番号は[77-92-9](無水物)、[5949-29-1](一水和物)。カルボキシ基を3個有する弱酸で、爽やかな酸味を持つことから食品添加物として多用される。

目次

[編集] 性質

水溶液は弱酸性pKa=2.87)を呈する。常温で無色あるいは白色の固体であり、無水物と一水和物の結晶がある。両者とも揮発性は無く無臭である。一水和物は加熱すると100°C融解し、130°Cに保つと融点153°Cの無水物となる。175°C以上では分子内脱水によりアコニット酸となる。金属イオンとキレート錯体を作ることが知られている。

[編集] 生体内物質

生体内ではクエン酸回路の構成成分であり、オキサロ酢酸アセチルCoAとの反応によって生成する。また、アコニターゼによってcis-アコニット酸を経て異性化されイソクエン酸となる。またクエン酸は解糖系のホスホフルクトキナーゼ活性をフィードバック阻害し、解糖系からクエン酸回路への流入を調節する因子の1つでもある。

[編集] 製法・分布

レモングレープフルーツといった柑橘類はクエン酸を含む。

潮解性があるので保存には注意が必要。工業的にはデンプンあるいはコウジカビの一種・Aspergillus niger発酵させて作られている。

漢字では「枸櫞酸」と記されるが、枸櫞とは中国産のレモンシトロン)の一種を指す。レモンをはじめ柑橘類に多く含まれていることからこの名がついた。柑橘類の酸味の原因はクエン酸の味に因るものが多い。また、梅干しにも多量に含まれている。

[編集] 利用

各種サプリメントの成分として多用される。サプリメントの説明によると、クエン酸を摂取すると運動時に嫌気呼吸が起こらないために乳酸が生成されず疲れにくいとされている[要出典]。しかし、5km走での実験から、運動成績を有意に向上させることが報告されたが、その後否定されている(Oopik VらBr J Sports Med. 2003 37:485-489およびCan J Appl Physiol. 2004, 29:691-703)。このほか、高強度運動や600m走でも影響がないことが示されている(PMID: 8549581,9841956)。また、エタノールの分解を助けるとされる[要出典]。一般に、クエン酸や乳酸など体液成分のアニオン性電解質が増大すると利尿作用があらわれることが知られている。

また日本薬局方収載品であり、薬局などでも市販されている。クエン酸のカルシウムイオンとキレート結合するので、かつては検査用血液サンプルの抗血液凝固剤などとしても利用された。現在でも成分献血時にクエン酸ナトリウムとともに抗血液凝固剤として使用される。クエン酸ナトリウム・クエン酸カリウム合剤(商品名ウラリット)は尿をアルカリ化させ尿酸排泄を促進することから痛風に代表される高尿酸血症治療薬として処方され、代謝性アシドーシスの治療にも使用される。

また食品添加物でもあり、清涼飲料水を始め各種の加工食品に添加される。

電気ポット加湿器の洗浄に用いられる。

クエン酸の水溶液に溶解することを「く溶性」という言葉で表し、肥料の表示などで使われる。 クエン酸には、歯を溶かす作用があるため、サプリメントとして摂取する際にはなるべく歯につかないようにすばやく飲み込むのがよいとされる。[要出典]

[編集] クエン酸塩

アルカリ金属塩の正塩はいずれも水に可溶、アルコールに難溶で水溶液は弱アルカリ性を示す。重金属塩は水に不溶なものが多いが、クエン酸イオンが過剰にあると複数配位することで水溶性となるものもある。

[編集] クエン酸ナトリウム

クエン酸ナトリウム(sodium citrate)は二水和物が安定で、化学式Na3(C6H5O7)・2H2Oの塩。水溶液は弱アルカリ性を示す。抗血液凝固剤や写真材料として利用される。

[編集] クエン酸カリウム

クエン酸カリウム(potassium citrate)は一水和物が安定で、化学式K3(C6H5O7)・H2Oの塩。水溶液は弱アルカリ性を示す。利尿剤として利用された。

[編集] クエン酸銅(II)

クエン酸銅(II)(cupric citrate)は化学式Cu2(C6H4O7)の塩。トラコーマまたは濾胞性結膜炎の軟膏に使用されたことがある。

[編集] クエン酸鉄アンモニウム

クエン酸鉄アンモニウム(ammonium iron citrate)は水酸化鉄(III)をクエン酸に溶かしアンモニアを加えて調製する。調製法により錯塩の構成が異なり、赤褐色の塩と緑色の塩が得られる。鉄欠乏性貧血の鉄剤として利用されたり、青写真や写真材料として利用される。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク


最終更新 2009年11月20日 (金) 14:10 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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