クサガメ

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クサガメ


クサガメのオス(上) とメス(下)
Chinemys reevesii
保全状態評価
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.2.3 (1994))
ファイル:Status iucn2.3 EN.svgワシントン条約附属書III類
中華人民共和国
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: カメ目 Testudines
亜目 : 潜頸亜目 Cryptodira
上科 : リクガメ上科 Testudinoidea
: イシガメ科 Geoemydidae
: クサガメ属 Chinemys
: クサガメ C. reevesii
学名
Chinemys reevesii (Gray, 1831)
シノニム
Emys reevesii Gray, 1831

Emys vulgaris picta Schlegel, 1844
Emys japonica
Dumeril & Bibron, 1851
Damonia unicolor Gray, 1873
Chinemys megalochephala
Fang, 1934

和名
クサガメ
英名
Chinese three-keeled pond turtle
Reeve's pond turtle

クサガメ(臭亀、Chinemys reevesii)は、動物界脊索動物門爬虫綱カメ目イシガメ科クサガメ属に分類されるカメ。別名リーブスクサガメキンセンガメゼニガメ(幼体)。

目次

[編集] 分布

模式標本の産地(模式産地)は中華人民共和国。

大韓民国、中華人民共和国(東部から南東部にかけて、台湾香港)、日本本州四国九州および周辺の島嶼)

[編集] 形態

最大甲長30cm。オスよりもメスの方が大型になり、オスは最大でも甲長21cm。日本の個体群は大型になるとされ、中華人民共和国の個体群は最大でもメスの甲長が23.6cm、オスの甲長が14.6cmとされる。背甲はやや扁平で、上から見ると細長く角張った楕円形。椎甲板肋甲板に3つずつ筋状の隆起(キール)がある。背甲の色彩は褐色、灰褐色、黒などと変異が大きく、また成長に伴い黒みが強くなる。背甲と腹甲の継ぎ目(橋)は大型。腹甲や橋の色彩は黒や暗褐色。

頭部は中型だが、大型個体(特にメス)では頭部が巨大化(巨頭化)する個体もいる。吻端はやや突出し、上顎の先端は凹まない。頭部の色彩は暗褐色や灰褐色で、黄緑色の不規則な斑紋や斑点が入る。

幼体は背甲の継ぎ目(シーム)が黄色い個体が多いが、成長に伴い背甲は色が濃くなり黒ずむ。オスの成体は虹彩も含めた全身が黒化(メラニスティック)し、皮膚の斑紋が消失する。

[編集] 分類

核DNAおよびミトコンドリアDNA、短鎖散在反復配列(SINE法)の解析による分子系統学の研究では、ニホンイシガメハナガメに近縁とされる。そのため本種をイシガメ属やハナガメ属に含める説もある。

巨頭化する個体をオオアタマクサガメ(C. megalochephala)とする説もあるが、ミトコンドリアDNAの解析による分子系統学の研究では通常の本種と巨頭化した個体に遺伝的差異は無く、地域に関係ない個体変異として本種のシノニムとする説が有力。

[編集] 生態

流れの緩やかな河川湿原水田などに生息する。昼行性だが、夏季には暑さを避けるため薄明薄暮時、夜間に活動することもある。水棲傾向が強く水底を徘徊する傾向が強いが、陸に上がり日光浴を行うことも好む。個体によっては陸づたいに水場を移動し、水溜りなどで見られることもある。

食性は雑食で、魚類両生類昆虫甲殻類貝類などを食べる。大型個体は二枚貝や大型の甲殻類も噛み砕いて食べる。主に水中で採食を行い、陸上では食物を飲みこむことができる個体とできない個体がいる。

繁殖形態は卵生。オスは水中でメスの吻端に頭部や前肢を擦りよせるような行動で求愛し、メスが動きを止めオスを受け入れると交尾する。水辺から離れた地面を掘り、日本では6-8月に1回に4-13個の卵を1-3回に分けて産む。卵は2か月ほどで孵化する。幼体は夏季から初秋にかけて地表に現れるか、孵化後もそのまま地中で越冬し翌年の春季に地表へ現れる。

[編集] 人間との関係

日本の個体群に関しては化石の発見例がない、江戸時代中期以前に本種に関する確実な記録がない、明治時代では希少で西日本や南日本にのみ分布する種だったとされる記録などから人為的に移入されたとする説もある。見島(山口県)の個体群は「見島カメ生息地」として1928年に国の天然記念物に指定(指定当時は上記のように希少とされていたが、見島に多数生息していた。)されている。

中華人民共和国では食用とされることもある。

開発による生息地の破壊、水質汚染、食用やペット用としての乱獲などにより生息数は激減している。そのため日本を除いた生息地では保護の対象とされている。

ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。日本国内の野生個体および飼育下繁殖個体、中華人民共和国からの飼育下繁殖個体が流通する。中華人民共和国から輸入された飼育下繁殖個体が多く流通するが、日本産の個体を元に養殖された可能性があるため大型化する可能性もある。比較的大型になるため、大型のケージが用意できない場合は一般家庭での飼育には向かない。水場を広く取ったアクアテラリウムで飼育される。日本では寒冷地を除いて成体なら屋外越冬が可能なため、屋外の池で飼育されることもある。流木やレンガ、市販の水棲カメ専用のプラスチック製の浮島などで体を乾かすための陸地を用意し、屋内で飼育する場合は水に強い暖房器具などで局所的に皮膚や甲羅を乾かすことのできる環境を作る必要がある。幼体は水質悪化に弱いため注意が必要。飼育下では人工飼料にも餌付く。

[編集] 画像

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 参考文献

  • 今泉吉典、松井孝爾監修 『原色ワイド図鑑3 動物』、学習研究社1984年、136頁。
  • 海老沼剛 『爬虫・両生類ビジュアルガイド 水棲ガメ2 ユーラシア・オセアニア・アフリカのミズガメ』、誠文堂新光社2005年、11頁。
  • 千石正一監修 長坂拓也編著 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、311頁。
  • 安川雄一郎 「水棲ガメの世界」『ハ・ペト・ロジー』Vol.3、誠文堂新光社、2005年、32、44-45頁。
  • 安川雄一郎 「イシガメ属 イシガメ属とその近縁属の分類と自然史(後編)」『クリーパー』第40号、クリーパー社、2007年、14-16、46-55頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 両生類・はちゅう類』、小学館2004年、75頁。

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月4日 (水) 16:14 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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