クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡
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『クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡』(クレヨンしんちゃん あんこくタマタマだいついせき)は、1997年4月19日に公開されたクレヨンしんちゃんの劇場映画シリーズ第5作目(映画化5周年記念作品)。
本作品から監督が本郷みつるから原恵一へと変更となった。上映時間は99分。興行収入は約11億円。キャッチコピーは『オラたちに明日はない!』。
原作者の臼井儀人がタイトルを付けた最後の作品。また、臼井儀人が出演した最初の作品でもある。
野原家の長女「野原ひまわり」の映画初登場作品。来場者プレゼントはひまわりの種が付いたノートだった。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] あらすじ
新東京国際空港。ホステスの一団が、飛行機から降り立った男を出迎えているところに、奇妙な3人組が乱入し、彼らからあるものを奪い去っていった。
警察(千葉県警)では職場の片隅に追いやられていた女刑事「東松山よね」が、この怪事件の始末をさせられることになった。
翌日、シロと散歩していたしんのすけは、寝ているオカマの側で光る玉を拾った。しんのすけはこの玉を家へ持ち帰るが、いつの間にか紛失してしまう。その夜、3人組のオカマが家に上がり込み、一家をニューハーフパブに連れ出した。
この3人組のオカマ、ローズ・ラベンダー・レモンは呪術を行う「珠由良(たまゆら)族」の者で、かつて協力し合っていた「珠黄泉(たまよみ)族」が魔神ジャークを復活させようとしていることを知り、これを阻止するために行動しているのだという。実はしんのすけが拾った玉は、魔神ジャークの復活の鍵になる2つの"タマ"のうちの1つであった。そしてその玉は、こともあろうにひまわりが飲み込んでしまっていた。そのため、野原一家も争いに巻き込まれることになってしまう。
一家と彼らは、珠黄泉族の追撃を避けるため、青森にある珠由良の本拠地に向かうことに。しかしそこで空港にいた男・ヘクソンの襲撃を受け、"タマ"とひまわりは珠黄泉の本拠地へと奪いさらわれてしまう。
果して彼らはひまわりを救出し、ジャーク復活を阻止できるのか。
[編集] 珠由良族と珠黄泉族
両族ともに古い一族であり、霊力を持っていたため悪霊を退治することを生業としていた。現在は敵対しているが、昔はともに仲の良い一族だった。しかし、ある日珠黄泉族のなかから強力な霊能力者が現れ、魔神ジャークと結託し世界征服を目論んだ。この事態に対し、珠由良族と珠黄泉族は多くの犠牲を払いながら霊能力者を倒し、ジャークをハニワに封じ込めることに成功する。ジャークの力の結晶である二つのタマを珠由良族が、霊能力者がジャークを操るために使ったボウを珠黄泉族が管理することになった。
[編集] 登場人物
[編集] TVシリーズからのキャラクター
- 野原しんのすけ
- 主人公。妹のひまわりが産まれてからみんなの関心がひまわりにいってしまい、一人面白くない日々を送っていた。ある日散歩中に土手で昼寝をしていたローズと出くわし、その傍で見つけた玉を家に持って帰ってしまい、その玉をひまわりが誤飲したことが物語の発端となった。最初のうちはひろしもみさえもひまわりの心配ばかりするため不満を抱いていたが、物語の後半で珠黄泉族に攫われたひまわりを助けに向かった時から徐々に兄としての自覚が芽生えるようになる。
- 野原みさえ・野原ひろし
- しんのすけとひまわりの両親。ひまわりが玉を誤飲したことを珠由良ブラザーズに知らされ、ひまわりを守るために彼らと行動を共にすることになる。
- 野原ひまわり
- しんのすけの妹。今作が映画初登場となる。物語の冒頭でしんのすけが拾った玉を誤飲してしまい、珠黄泉族から狙われることになる。
- シロ
- しんのすけの飼い犬。珠由良の本拠地まで一行と行動を共にするが、終盤、東京に向かう途上で新幹線の網棚に置き去りにされ、自力で帰宅する羽目になる。
[編集] オリジナルキャラクター
- 珠由良(たまゆら)ブラザーズ
- ローズ、ラベンダー、レモンからなるオカマの三兄弟。新宿の繁華街で「スウィングボール」というニューハーフクラブを営んでいる。終始しんのすけ達と行動を共にする。見た目はイロモノだが、珠由良一族だけあって3人とも武術に長けていて強い。なぜかこの3人はテレビスペシャル「これが青春 らしいぞ」の第一話に通行人の役で、「クレヨンウォーズ」の前編でしんのすけたちが訪れたスナックの客として登場している(特に後者のストーリーではハイグレ魔王やス・ノーマン・パーなど劇場版キャラクターが多数訪れている)。
- ローズ
- 珠由良ブラザーズの長男。本名は「たけし」。大柄な体躯とピンクの服が特徴。怒ると声が変わる。
- ラベンダー
- 珠由良ブラザーズの次男。本名は「つよし」。緑色のチャイナドレスが特徴。3人の中で最も容姿が女性に近い。ローズを「おにいたま」と呼ぶ。主に弟のレモンと行動を共にすることが多い。
- レモン
- 珠由良ブラザーズの三男。本名は「きよし」。黄色の服と厚い唇が特徴。霊力を持っており、物語の序盤でひまわりが珠を誤飲したことを見抜いた。健康ランドで兄弟の中で唯一、ジュースを飲んでいた。
- 珠由良の母
- 珠由良(たまゆら)族の頭領。珠由良ブラザーズの実母。一族を束ねる腹の据わった女丈夫である。ローズから「ママ」と呼ばれるのを嫌っている。霊力を持っており、ヘクソンの動きを察知したり、ひまわりが連れていかれた場所を特定することができた。
- 東松山よね
- 千葉県警成田東西署の女刑事で、ワイルドな格好をしたお姉さん。アクション映画のヒーローに憧れて刑事になったもののドジばかりで、資料室の整理係をさせられていた(部屋の扉には勝手に「凶悪犯罪特別分室」というインチキの部署の張り紙を貼っている)。ベレッタM92FS及びベレッタM84の実銃を所持しハデに撃ちまくるが、まるで当たらない射撃音痴。しかし、ストーリー終盤ではヘクソンに一発だけ弾を命中させられた。車に乗り遅れたひろしを助けようとして手を伸ばし、車から落ちてしまい、ひろしと一緒に行動を共にすることもあった。また、珠由良族の村でヘクソンと初めて対峙した時はよね視点ではほぼ正確な照準で(全て弾道を見切られていたが)射撃している。
- 仕事場で空手やプロレスの専門誌を愛読したり鉄アレイを持ち込んだりして自主的に訓練しているせいか、格闘技はそれなりに強い。本名の「よね」ではなく「グロリア」というかっこいい名前で呼ばれたがっている。事件が終わった後、警察から表彰される事になった。(おそらく現場復帰となった)
- 珠由良七人衆
- 平八、五郎兵衛、勝四郎、七郎次、久蔵、勘兵衛、菊千代の七人からなる珠由良(たまゆら)族の戦士。みんなおじいさんなのだが、武術の腕は伊達ではない。ヘクソンが珠由良の里に現れた際に全員で迎え撃つが、ヘクソンの相手の思考を読む力で攻撃をすべて見切られてしまい、全員倒されてしまった。名前の元ネタは七人の侍。
- サタケ
- 珠黄泉(たまよみ)族の用心棒。筋骨隆々とした大柄な体格で強面の風貌をしている。元悪役プロレスラーだが、プロレスラーになる前はベビーシッターという異色の経歴を持ち、子供好きで根は心優しく、根っからの悪人ではない。そのためかレスラー時代は中途半端な悪役だったらしい。物語の後半でヘクソンが連れ去ってきたひまわりの面倒を見る事になるが、それがきっかけで徐々に気持ちが揺らぎ、最終的には珠黄泉族を裏切ってしんのすけ側に加勢した。事件が終わった後は珠由良ブラザーズのオカマクラブでウェイターとして働いている(エンディングでその様子が見られる)。
- チーママ・マホ
- 珠黄泉(たまよみ)族の副頭領。クラブ玉王のホステスのリーダー。執拗にしんのすけ達を追跡する。気性の荒い性格で子供嫌い。サタケとは仲が悪い。武術の腕前は高く、部下のホステスらと共に新体操のリボンで物体を切断する恐ろしい技「新体操格闘術」も使う。
- 玉王ナカムレ
- 珠黄泉(たまよみ)族の頭領。表の顔は銀座のクラブ玉王の経営者であり、京都弁で喋る。チーママ・マホからは「ママ」、ヘクソンからは「マダム」と呼ばれている。
- いつも笑顔を絶やさないが性根は腹黒い。しかし温泉の宴会場で珠由良、珠黄泉両族が乱闘になりかけた際、「こんなところで暴れたら他のお客さんに迷惑どす」と注意し、外で続きをやるよう促したり、また、玉由良族支部でローズ達に出会った時には礼儀正しい挨拶をする、ひろしが会社の人間と名刺交換していた際は「名刺交換はサラリーマンの神聖な儀式、誰も手ぇ出してはあきまへん」とホステス軍団に乱闘を制止させたりと道徳的な一面も持ち合わせている。
- ヘクソンに頭の中を読まれないよう心に鍵をかけている。物語後半でヘクソンに用済みを言い渡しジャークのタマを渡すよう要求するが失敗、駆けつけたよね達に取り押さえられた。名前の由来とモデルは中村玉緒。彼女も珠由良(たまゆら)ブラザーズ同様、テレビスペシャル「これが青春 らしいぞ」の第一話に通行人として登場している。
- ヘクソン
- 外国に移民した珠黄泉(たまよみ)族の子孫で金髪碧眼の外国人。冷静沈着・冷徹な性格で、格闘術の達人である。また超能力者であり、地図に片手を近づけることでしんのすけ達の行動を完全に察知することができるほか、相手の頭の中を読んだり金縛り状態にさせることも可能。この超能力に関しては「ヒマラヤの山中で獣同然の生活をし身に着けた力」と劇中で語っている。
- 後にお台場にある珠黄泉族のアジトで珠由良ブラザーズ・サタケ・よね・ひろし・みさえの7人と同時に戦い、相手の頭の中を読む能力で優位に立つが、歌で頭の中を空っぽにして戦うみさえとひろしの作戦によって頭の中を読む力を封じられ、しんのすけとひまわりにくすぐりに弱いという弱点を突かれて敗れた。(ヘクソンの弱点がくすぐりであるとしんのすけが気付いたのは珠由良族本部にて)。その後偶然復活したジャークに願いを叶えるよう要求するもジャークが魔力を使い果たしていたため失敗し、ひまわりを人質にとって逃走しようとするもよねが撃った弾が命中し足止めされ、最後はよねに殴り倒された。
- 魔人ジャーク
- ハニワに封印されている魔人。遥か昔に珠黄泉族出身の強力な霊能者に騙されて悪事を働いたため、珠由良、珠黄泉両族の手によって霊能者と共に倒されハニワに封印された。
- 物語終盤でしんのすけとひまわりの手によって復活してしまうが、実は昨年までの(1996年末)賞味期限が存在し、そのうえハニワから出る際に魔力を全て使い果たしてしまい、長い間タマを抜かれていたこともあってただのオカマと化していた。ちなみに、彼の台詞によれば大昔に自分を騙して悪事をさせた珠黄泉族の霊能者はヘクソンにそっくりだったらしい。事件が終わった後は珠由良ブラザーズに迎えられ、彼らのオカマクラブで働く事になった。
- ちなみに品名は魔人(生もの)、内容量は72キログラム、エネルギーは無限だが、その他栄養成分は不明。
- 臼井義人
- 漫画家。好みの女性は松たか子。趣味は便座観賞。
- どうでもいい場面で鳥羽一郎の「兄弟船」を歌っており、野原家一行の移動中に東京で行われる全日本心の演歌カラオケ大会の道を尋ねるが、ひろしに「知るか!」と殴り飛ばされてしまう。その後の映画でも多々登場する事になる。
[編集] 概要
この作品からシリアスなアクションシーンが頻出するようになった。また、本作以降しばらく敵も味方も純粋的な人間である。ゲストキャラクターがオカマという点からすればクレしん元来のギャグ中心のストーリーが想起されるが、大人数による肉弾戦、ひまわりを軸とした逃亡劇など、クレしん映画としては比較的ハードな描写が多い。特に肉弾戦のシーンは敵味方共に向かってくる相手を躊躇なくなぎ倒す内容であり、剣術や格闘技の殺陣(タテ)も本格的なもの。
主人公は野原一家であるが、ゲストヒロイン東松山よねも、パートナーという立場ながらその活躍は第2の主人公と言える存在である。拳銃の扱いの技量を皆に小馬鹿にされながらも直向に戦い、最終的にそれが実を結ぶことになる展開は、彼女の成長を表現している。
珠由良の本拠地を守る「珠由良七人衆」は、黒澤明監督の代表作「七人の侍」(1954年)に登場した七人をモデルにしている。
なお、この映画がテレビ放送された折、セリフ中の「オカマ」という単語が全てカットされていた。また、これ以降、原作で名物のオカマキャラクターがアニメに登場することは極めて少なくなった(皆無ではない)。
原作者が映画に登場したのはこの作品が初。
なお、作品終盤にしんのすけとひまわりの頭の中を無理やりヘクソンに読ませるというシーンがあるが、このシーンをコマ送りしなければわからないものの、しんのすけたちがひろし、みさえ、シロのことも思っているといったことが伺える。
スペインにおいて2003年にバルセロナで開かれたこの映画のスペイン語版試写会で監督を務めていた原恵一が舞台挨拶に渡西、インタビューを受けた[1]。
[編集] キャスト
- ローズ(たけし) - 郷里大輔
- ラベンダー(つよし) - 塩沢兼人
- レモン(きよし) - 大滝進矢
- 珠由良の母 - 水原リン(現・真山亜子)
- 東松山よね - 山本百合子
- 平八 - 中嶋聡彦
- 五郎兵衛 - 岩永哲哉
- 勝四郎 - 中田雅之
- 七郎次 - 太田勝人
- 久蔵 - ? ※ED表示なし。
- 勘兵衛 - ? ※ED表示なし。
- 菊千代 - 納谷六朗 ※ED表示なし。
- 魔人ジャーク - 青森伸
- まんが家 - 臼井儀人(特別出演)
[編集] スタッフ
- 原作 - 臼井儀人
- キャラクターデザイン - 原勝徳
- 作画監督 - 原勝徳、堤のりゆき
- 美術監督 - 野村可南子、古賀徹
- 設定デザイン - 湯浅政明
- 撮影監督 - 梅田俊之
- ねんどアニメ - 石田卓也
- 音楽 - 荒川敏行、宮崎慎二
- 録音監督 - 大熊昭
- 編集 - 岡安肇
- プロデューサー - 茂木仁史、太田賢司、堀内孝
- 監督・脚本・絵コンテ - 原恵一
- 演出 - 水島努
- 色彩設計 - 野中幸子
- 色指定 - 森田晋次
- 特殊効果 - 土井通明
- 動画チェック - 小原健二
- 動画 - じゃんぐるじむ、京都アニメーション、夢弦館
- 仕上 - ライトフット、シマスタジオ、京都アニメーション、トレーススタジオM、production I.G
- 仕上検査 - 松谷早苗、稲村智子
- 背景 - スタジオユニ、アトリエローク
- 撮影 - 旭プロダクション
- CG制作 - 山浦宗春、近藤潤
- CGデザイナー - 水瑞聡、鹿住朗生
- 効果 - 松田昭彦(フィズサウンドクリエイション)
- 録音スタジオ - APUスタジオ
- 整音 - 柴田信弘
- 整音助手 - 田口信孝
- 音響制作 - オーディオプランニングユー
- 音響制作デスク - 中村友子
- 音楽協力 - イマジン
- 編集 - 小島俊彦、中葉由美子、村井秀明、川崎晃洋、三宅圭貴
- タイトル - 道川昭
- 現像 - 東京現像所
- 技術協力 - 森幹生
- 制作デスク - 柏原健二、山川順一
- 制作進行 - 斉藤敦、魁生聡、別紙直樹
- 制作 - シンエイ動画、テレビ朝日、ASATSU
[編集] 原画
- 安藤真裕 湯浅政明 高倉佳彦 林静香 大塚正実
- 末吉裕一郎 吉原正行 西村博之 佐々木守 鈴木大司
- 黒沢守 竹内進二 荒川真嗣 和泉絹子 鉄羅紀明
- 松山正彦 古山匠 林隆文 橋本とよ子 石井智美
- 横山謙次 加藤実 奈良崎早苗 昆冨美子 原勝徳
- 堤規至 木村陽子 間々田益男 入江康智
[編集] 主題歌
- オープニング - 「年中夢中"I Want You"」
- 作詞 - C's/作曲・編曲 - 菅原サトル/歌 - Puppy
- 挿入歌 - 「スイングボール・ショウ」
- 挿入歌 - 「世界の国からこんにちは」
- 挿入歌 - 「兄弟船」
- 挿入歌 - 「私がオバさんになっても」
- 挿入歌 - 「小指の想い出」
- 挿入歌 - 「愛は傷つきやすく」
- エンディング - 「ひまわりの家」
- 作詞・作曲・編曲・歌 - 財津和夫
- テレビアニメ版で視聴者が応募したデザインのベビー服を着たひまわりが数点描き下ろされていた。これから本作で活躍する「野原ひまわり」のお目見えも兼ねているといってもよい。
[編集] VHS・DVD
[編集] 脚注
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最終更新 2009年11月28日 (土) 07:36 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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