ケチャップ
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ケチャップ (英: ketchup) とは、野菜または魚などを原料にした調味料。トマトを用いたものはトマトケチャップと呼ばれる。
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[編集] 歴史
歴史的に「ケチャップ」という言葉は、必ずしもトマトケチャップのみを意味してきた用語ではない。過去にはキノコなどで作られたソースや魚醤などを含む、ソース全般を指していた言葉であった。
文献上は1699年のイギリス最初の俗語辞書 "BE's Dictionary of the Canting Crew of 1699" に、catchup の説明として「東インド奥地のソース(a high East-India Sauce)」と書かれているのが最古らしく、現在の東南アジア起源と考えられ、語源の研究から、小魚に塩を加えて煮てから発酵させ、濾過して取れるアミノ酸や核酸を豊富に含んだ液体、すなわちタイのナンプラー、ベトナムのニョクマム、秋田のしょっつるの様な魚醤であったと考えられる。
これが伝わったイギリスではキノコの保存調味料(キノコに塩を振り、2・3日置いてからしみ出た汁を香辛料と煮詰めたもの)が考案され、現在でもパイやシチューに使用されている。その他の初期のケチャップはカキ、アンチョビ、ロブスターといった魚介類や、クルミ、インゲンマメ、キュウリ、ブルーベリー、クランベリー、レモンそしてブドウなど植物素材を材料とするソースが考案され、さまざまなスパイスが加えられるなどして変化しながらバリエーションを増やしていった。
やがてイギリスから伝わったアメリカで、当時ようやく食用とされ始めていたトマトを使ったケチャップが考案された。最古のレシピは1795年の "Receipt Book of Sally Bella Dunlop" とされるが、切ったトマトに塩を振り、2・3日置いてからしみ出した果汁を香辛料と煮詰めたもので、酢も砂糖も加えていない(現在とは違い、調理中に隠し味として使ったと考えられている)。
その後ハインツ社が1876年に瓶詰めトマトケチャップを販売し、広く普及した結果、ケチャップの代表になったといわれている。
日本のトマトケチャップは、明治期にアメリカから伝わったものが最初とされる。
国産製品は1908年(明治41年)、現在のカゴメ創業者の手によるという説もあるが、1896年(明治29年)に横浜で清水與助が創業した清水屋が、1903年(明治36年)に製造販売を開始したという記録が横浜開港資料館所蔵の資料に残っており、これが最初の国産ケチャップであると考えられる。この清水屋ケチャップは、1913年に南区で開かれた勧業共進会で銅賞を受賞し、宮内庁御用達にもなったという。初期には主に軍需品として消費され、一般に普及したのは第二次世界大戦後のことである。
[編集] 語源
魚を塩漬けにして発酵させた食材を福建語の一種である閩南語で「鮭汁(kechiap、koechiap)」[1]と言い、これがケチャップの語源だと言われている。この食材は今で言う魚醤であり、これがマレー半島に伝わって「kichap」または「kecap」と呼ばれ、更にこれがヨーロッパに伝わるとキノコ、トマト、クルミなどを原料として「catchup」または「catsup」と呼ばれた。その後アメリカでトマトケチャップが普及し、現代のアメリカ英語では「ketchup」と表記するのが最も一般的となっている。
「鮭汁(kechiap、koechiap)」の場合の「鮭」は「塩辛」を指す方言字で、魚のサケとは無関係。閩南語と非常に近い台湾語でも塩辛を「鮭」(ke または koe)と呼ぶ[2]。台湾語には、トマトケチャップを指す kiat-chiap-puh (キエッチアップッ)という語彙もあるが、これは日本語もしくは英語からの借用語と見られる。
マレー語の「kicap」とインドネシア語の「kecap」は、現在魚醤以外に大豆の醗酵調味料である醤油の意にまで広がっており、むしろ今日では醤油を指す場合の方が多い。
なお、広東語では、魚醤と同じく魚を使ったウスターソースを「喼汁(gipjap、キッチャプ)」と呼ぶが、マレー語、またはそれ由来の英語「kichap」の音訳である。後にトマトケチャップが作られると、「ketchup」から「茄汁」(kejap、ケーチャプ)と音訳した。広東語で「濃い汁」を「gitjap(ギッチャプ)」と言えなくもないが、一般的ではなく、古い辞書にも見当たらないため、ケチャップの語源と考えるのは無理がある。
[編集] トマトケチャップ
トマトケチャップは、現在ケチャップを代表するものとなっている。
基本的なトマトケチャップの作り方は完熟トマトを加熱してこし、さらに低温で煮詰めてトマトピューレをつくる。それに、砂糖、食塩、酢、オールスパイス、クローブ、シナモンなどを加える。玉ねぎ、セロリ、その他の野菜がしばしば加えられる。トマトケチャップは、ホットドッグ、ソーセージ、オムレツ、ハンバーガー、フライドポテトなどにかけて使用される。酢豚やエビチリなど、中華料理に用いられる事も多い。
米国のトマトケチャップ消費量は4000万リットルで、世界のほかの国と比べ抜きん出て多い。一説によれば世界のケチャップ生産量の半分はアメリカの若年層により消費されている換算になる。加熱調理用にあまり使う習慣はなく、ほとんどが卓上調味料として消費される。
イギリスやオーストラリアなどアメリカ以外の多くの国では酢が入っていないトマトケチャップをトマトソース、レッドグレイビー、レッドソースなどの名前で販売している。
日本で好まれる調味料の一つであり、洋食には欠かせない。洋食にはトマトケチャップを加熱調理用に使う調理法が確立されており、チキンライス、オムライス、ナポリタンなどトマトケチャップを使った日本独自のメニューがある。また、カゴメ製品のパッケージには「魔法の調味料」として謳われている。
流体としての特性としては非ニュートン性をもつ非ニュートン流体(せん断速度に対して粘度が変わる流体のこと)であり、急激な圧力を加えたり、かき混ぜると粘性が下がる[3]
[編集] 主なメーカー
世界的にシェアが大きいケチャップメーカーは、大消費地のアメリカに集中している。
- ハインツ:(日本法人本社は東京都台東区)
- ハンツ (ConAgra Foods)
- デルモンテ (en:Del Monte Foods)
[編集] 日本のメーカー
- カゴメ(愛知県名古屋市中区)
- キッコーマン(デルモンテ)(千葉県野田市)
- ナガノトマト(長野県松本市)
- 丸善食品工業(テーブルランド)(長野県千曲市)
- コーミ(愛知県名古屋市東区)
- イカリソース(兵庫県西宮市)
- インターフード(神奈川県横浜市)
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
- ^ 『しょうゆ世界への旅』(大塚滋、東洋経済新聞社)は「茄醤(コエチップ・ケツィアプ)」と表記しているが、音が合わず、誤り。
- ^ 「魚奚」(魚編に奚で1文字)という表記もある。
- ^ NHK「ためしてガッテン」2009年9月2日放映分。なお水やシリコンオイルはせん断速度に対して粘性は一定なので、ニュートン流体である。
[編集] 外部リンク
最終更新 2009年11月19日 (木) 08:10 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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