ゲルマニウム

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ガリウム - ゲルマニウム - ヒ素
Si
Ge
Sn
一般特性
名称, 記号, 番号 ゲルマニウム, Ge, 32
分類 半金属
, 周期, ブロック 14 (IVB), 4 , p
密度, 硬度 5323 kg·m−3, 6
単体の色 灰色がかった白
ゲルマニウム
原子特性
原子量 72.64 u
原子半径 (計測値) 125 (125) pm
共有結合半径 122 pm
VDW半径 no data
電子配置 [Ar]3d10 4s2 4p2
電子殻 2, 8, 18, 4
酸化数酸化物 4, 2(両性酸化物
結晶構造 面心立方構造
物理特性
固体
融点 1211.4 K
(938.25 , 1720.9 °F)
沸点 3106 K
(2833 ℃, 5131 °F)
モル体積 13.63 × 10−3 m3·mol−1
気化熱 330.9 kJ·mol−1
融解熱 36.94 kJ·mol−1
蒸気圧 0.0000746 Pa (1211 K)
音の伝わる速さ 5400 m·s−1 (293.15 K)
その他
クラーク数 0.00065%
電気陰性度 2.01 (ポーリング
比熱容量 320 J·kg−1·K−1
導電率 1.45 × 106 m−1·Ω−1
熱伝導率 59.9 W·m−1·K−1
イオン化エネルギー 第1: 762 kJ·mol−1
第2: 1537.5 kJ·mol−1
第3: 3302.1 kJ·mol−1
第4: 4411 kJ·mol−1
第5: 9020 kJ·mol−1
(比較的)安定同位体
同位体 NA 半減期 DM DE/MeV DP
70Ge 21.23% 中性子38個で安定
72Ge 27.66% 中性子40個で安定
73Ge 7.73% 中性子41個で安定
74Ge 35.94% 中性子42個で安定
注記がない限り国際単位系使用及び標準状態下。

ゲルマニウムGermanium)は原子番号 32の元素元素記号Ge炭素族の元素の一つ。シリコンより狭いバンドギャップ(約 0.7eV)を持つ半導体で、結晶構造はダイヤモンド構造である。

目次

[編集] 用途

初期のトランジスタにはゲルマニウムが使われ、安定性に優れるシリコンが登場するまでは主流だった。現在でも、電圧降下が小さいことからダイオードや、バンドギャップが比較的狭いことから光検出器に用いられる。

また、ガンマ線の放射線検出器(半導体検出器)にも用いられる。素子を液体窒素などで冷却する必要があるという欠点もあるが、エネルギー分解能に優れることから利用されている。

石英を用いたレンズにゲルマニウムを添加すると屈折率が上がり、また赤外線を透過するようになるので、光学用途にも多用される。

[編集] 歴史

ドミトリ・メンデレーエフは、自ら考案した周期表で当時知られていた元素(ケイ素)から、未発見の元素を "エカケイ素"(Ekasilicon, Es ……周期表におけるケイ素のすぐ下の元素という意味)として予言した。1885年ドイツクレメンス・ヴィンクラーがアージロード鉱という銀鉱石からエカケイ素に当たる新元素を発見し、ドイツの古名ゲルマニア (germania) にちなんでゲルマニウムと命名した。メンデレーエフが周期表に基づいて予想したエカケイ素の性質とゲルマニウムの性質がよく一致し、メンデレーエフの周期表の価値の高さを示す好例となった。

エカケイ素Es と ゲルマニウムGeの性質
エカケイ素 ゲルマニウム
原子量 72 72.6
密度(g/cm3) 約5.5 5.327
融点 高い 摂氏952度
灰色 灰色

[編集] ゲルマニウムの化合物

  • 水素化ゲルマニウム (GeH4)
  • 一酸化ゲルマニウム (GeO)
  • 二酸化ゲルマニウム (GeO2)
  • ジゲルマン (Ge2H6)
  • トリゲルマン (Ge3H8)

[編集] 同位体

詳細は「ゲルマニウムの同位体」を参照

[編集] 人体への影響

ゲルマニウムを使った様々な健康器具類が販売されているが、ゲルマニウムが人体への健康効果を持つ科学的根拠は確認されていない[1][2]。また、これら健康器具類の購入者、使用者は、ゲルマニウムによる健康への効果を期待するべきではないとされている[2]。具体的に「貧血に効果がある」、「金属ゲルマニウム(主に無機ゲルマニウムが使用される)を身につけることで疲れが取れる」、「新陳代謝を活発にする」などといった効能がうたわれることがあるが、ゲルマニウムに、このような効能、効果があることは医学的に証明されていないだけでなく、このような表示は薬事法に抵触する恐れがあることが国民生活センターによって指摘されている[2]

日本では、薬事法に基づき承認や認証を得た「家庭用磁気治療器」等の医療機器の中に、一部ゲルマニウムを用いているものがあるが、これらはゲルマニウムの治療効果によって承認・認証を得ているものではないため、ゲルマニウム自体が何らかの治療・予防・改善効果をもたらすと標榜することは当該品目の承認・認証内容を逸脱するため認められない。また、ゲルマニウムによる治療・予防・改善効果をうたうことができる医療機器は2009年現在日本国においては認められていない。

ゲルマニウムを含む健康食品を摂取して死亡した例もある。無機ゲルマニウムは生死に関わるような副作用があるが、1970年代後半からのゲルマニウムブームにて、当初から無機ゲルマニウムの飲用は腎臓等に障害を発生させるとの研究結果がすでに報告されていたにも拘らず、一部の業者が無機ゲルマニウムを有機ゲルマニウムと偽って飲用として販売したために事故が発生し、1998年10月には厚生労働省が各都道府県に対しゲルマニウム含有食品についての注意喚起を行っている[3]

なお、たとえ有機ゲルマニウムであろうとも経口摂取により健康障害[4]や死亡例[5]が報告されているため、絶対の安全性は確立されていない。有機ゲルマニウムの中で唯一医薬品として認められているものにプロパゲルマニウムがあるが、ウイルス性のB型慢性肝炎に対する有効性が認められるものの、前述のような健康障害や死亡などの危険性についての警告文が付されており、消化器系の各種症状(腹痛、下痢、口内炎等)、うつ月経異常、脱毛等の副作用がある[6]

ある有機ゲルマニウム製剤の経口投与によりに効果があるという研究もある[7]が、こちらも不明瞭な域を脱しているとは言えず、臨床試験に携わった多くの研究者達によって危険性を提示されている[8]

国立健康・栄養研究所は、「サプリメントとしての経口摂取はおそらく危険と思われ、末梢神経や尿路系の障害を起こし、重篤な場合には死に至ることがある」[9]として注意を呼びかけている。また、経口摂取によりこれまでに31例の腎臓への重大な疾患や死亡が報告されている[10]

[編集] 関連項目

ウィクショナリー
ウィクショナリーゲルマニウムの項目があります。

[編集] 参考資料

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  1. ^ "ゲルマニウムブレスレット:健康効果を科学的に確認できず" (日本語). 毎日新聞 (2009年6月25日). 2009年6月25日 閲覧。
  2. ^ "ゲルマニウムブレスレット「疲労和らぐ」根拠なし" (日本語). 読売新聞 (2009年6月25日). 2009年6月25日 閲覧。
  3. ^ 保健機能食品・健康食品関連情報 ゲルマニウムを含有させた食品の取扱いについて - 厚生労働省
  4. ^ Hess B, Raisin J, Zimmermann A, Horber F, Bajo S, Wyttenbach A, Jaeger P. "Tubulointerstitial nephropathy persisting 20 months after discontinuation of chronic intake of germanium lactate citrate." Am J Kidney Dis. 21(5), 1993 May, pp548-52. PMID 8488824
  5. ^ Krapf R, Schaffner T, Iten PX. "Abuse of germanium associated with fatal lactic acidosis." Nephron. 62(3), 1992, pp351-6. PMID 1436351
  6. ^ 国立健康・栄養研究所 話題の食品成分の科学情報 - ゲルマニウム
  7. ^ Mainwaring MG, Poor C, Zander DS, Harman E. "Complete remission of pulmonary spindle cell carcinoma after treatment with oral germanium sesquioxide." Chest. 117(2), 2000 Feb, pp591-3. PMID 10669709
  8. ^ 監訳:国立健康・栄養研究所『健康食品データベース Pharmacist's Letter, Prescriber's Letterエディターズ編』第一出版 ISBN 9784804110967
  9. ^ 国立健康・栄養研究所. "「健康食品」の素材情報データベース - ゲルマニウム". 「健康食品」の安全性・有効性情報. 2006年10月7日 閲覧。
  10. ^ Tao S.H. and Bolger P.M. (1997 June). “Hazard Assessment of Germanium Supplements”. Regulatory Toxicology and Pharmacology 25 (3): 211-219.

[編集] 外部リンク

ウィキメディア・コモンズ
1 元素周期表 18
1 H 2 13 14 15 16 17 He
2 Li Be B C N O F Ne
3 Na Mg 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 Al Si P S Cl Ar
4 K Ca Sc Ti V Cr Mn Fe Co Ni Cu Zn Ga Ge As Se Br Kr
5 Rb Sr Y Zr Nb Mo Tc Ru Rh Pd Ag Cd In Sn Sb Te I Xe
6 Cs Ba * Hf Ta W Re Os Ir Pt Au Hg Tl Pb Bi Po At Rn
7 Fr Ra ** Rf Db Sg Bh Hs Mt Ds Rg ...
* La Ce Pr Nd Pm Sm Eu Gd Tb Dy Ho Er Tm Yb Lu
** Ac Th Pa U Np Pu Am Cm Bk Cf Es Fm Md No Lr

pnb:جرمینیم

最終更新 2009年10月17日 (土) 01:15 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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