コンピュータRPG

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コンピュータRPG(コンピュータ あーるぴーじー)は、コンピュータを用いたロールプレイングゲーム(RPG)。より広く、ロールプレイングゲーム風のゲームシステムや世界観を備えたコンピュータゲームを指すこともある。

日本のテレビゲーム市場ではとりわけ人気の高いジャンルで、『ポケットモンスターシリーズ』・『ドラゴンクエストシリーズ』・『ファイナルファンタジーシリーズ』はコンピュータRPGのみならず、テレビゲーム全体を代表するタイトルになっている。

なお、日本で単に「ロールプレイングゲーム」「RPG」と表記する時、大抵はこのコンピュータRPGを指しているが、英語圏ではRPGはテーブルトークRPG(TRPG)を指す言葉であることから、区別のためにしばしばCRPGという略語を用いる。

目次

[編集] 概要

ゲームキャラクターの能力値を用いて戦闘等の行為結果の判定を行い、一人称で進行するゲームである。そのため、アクションゲームシューティングゲームに比べてプレイヤーの反射神経や操作技能に依存しないゲームバランスになっている。

多く見られるのは、プレイヤーが主人公とその仲間を操作し、障害として立ちふさがるモンスターとの戦闘を繰り返しながら「経験値」を蓄積してパワーアップし、徐々に行動範囲を広げていき最終的に目標を達成するというタイプである。初期のゲームではライフ(LIFE)またはヒットポイント(HP)やマジックポイント(MP)、ゴールド(G)といった有限のリソース(資源)をいかに管理運用し、より効率的に探索できるか知恵をめぐらすのがゲームプレイの肝であったが、ドラマ・演劇的な物語が繰り広げられるようになったことで、日本では物語表現媒体としての側面が強調されている物が多い。現在ではネットワークを利用した複数同時参加型のオンライン・ロールプレイングゲーム(MORPG/MMORPG)も人気を呼び、擬似社会でのイベントコミュニケーション等、コンピュータRPGの楽しみ方は多岐にわたっている。

このジャンルの初期作品は世界最初の(テーブルトーク)RPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』およびその参考となったJ・R・R・トールキンのファンタジー小説『指輪物語』からの影響が強い。そのため、“武力と魔法に支配された中世ヨーロッパファンタジー世界”を題材としていたものが多く、いまだにジャンル全体をヒロイック・ファンタジーのゲームと捉えているメディアもある。また、今でもそういったタイプの作品に人気が集まりやすい。

[編集] RPG的要素

ゲームメディアなどで「RPG的要素を持つ」と言われる場合は、大抵下記の要素がゲームプレイに含まれている。

  • 成長要素。努力の成果としてキャラクターの能力値が成長する楽しみがある。
  • リソース管理要素。アイテム選びや消費、能力の成長の仕方といったリソースを効率よく管理し、ゲームを有利に運ぶ楽しみがある。
  • 物語演出要素。コンピュータならではのダイナミックな演出、RPGならではの感情移入しやすい物語を楽しめる。
  • 冒険探索要素。広い世界を探索し、旅をする楽しみがある。

また、日本では複数のプレイヤーキャラクター(パーティ)によって行われる戦闘をRPG要素として捉える場合もある。

[編集] 歴史と日本における変遷

コンピュータRPGは、まずアメリカテーブルトークRPGを元にして作られ、大ヒット作となった。その下地となったのは、アメリカで登場し今も根強い人気を持つテーブルトークRPGの『ダンジョンズ&ドラゴンズ』である。

ロールプレイングゲーム」は「一つの仮想人格を演じることでゲームに関わり、審判役を交えて会話で進行するゲーム」であり、「キャラクターが経験値を積み強くなる」ことや「強くなることでより強大な魔物が闊歩する迷宮・土地へ歩めるようになる」といった要素はその一部でしかない。しかし、これらの要素を抽出したゲームがヒットし『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のコンピュータゲーム版と目されたため、これらが「コンピュータRPG」と呼ばれることとなった。一方でロールプレイングゲームの「冒険・ストーリーゲーム」としての側面は、アドベンチャーゲームを生み出す母体ともなった。

これらのパソコンゲームウィザードリィWizardry)』『ウルティマUltima)』などが日本に紹介されると、翻訳もされなかったにも関わらず、少数の熱狂的なファンを獲得する。その後、日本でも『ザ・ブラックオニキス』(BPS) などのオリジナル作品が制作・販売され、ファンは順調に増えていくこととなった。

1980年代前半のコンピュータRPGは、コンピュータRPG風アドベンチャーゲームと言えるテキストRPG(テキストアドベンチャーに対する当時の俗称)から始まっている。時系列で並べると1982年初頭に光栄から発売された『地底旅行[1]、1982年末に光栄から発売された『ドラゴン&プリンセス』[2]の他に同じ光栄の『クフ王の秘密』・『剣と魔法』・『団地妻の誘惑』・『オランダ妻は電気ウナギの夢を見るか?』・『Dungeon』や『聖剣伝説(COMPAC)』・『パラレルワールド』(エニックス)・『ポイボス』(大名マイコン学院)・『バウントッド』(日本マイコン学院)・1984年に入ってからは、『ザ・ブラックオニキス』(BPS) ・『ぱのらま島』(日本ファルコム)・『テレンガード』(木屋通商)・『夢幻の心臓』(クリスタルソフト)・『ドラゴンスレイヤー[3](日本ファルコム)などがある。

1984年後半にはアクション要素を含んだRPGであるアクションRPGが登場する。『カレイジアスペルセウス』(コスモスコンピューター)や『ハイドライド』(T&E SOFT)などがある。特に『ハイドライド』はそれまでのコンピュータRPGで当たり前だった自由度の高さを捨てて、物語にそって進めるタイプのRPG(俗称「一本道RPG」)を初めて提示したコンピュータRPGである。

そして1986年に、テレビゲームドラゴンクエスト』が登場する。それまではパソコンゲーマー向けのマニアックなジャンルであったコンピュータRPGだが、このドラゴンクエストシリーズは初心者でも取っ付き易いゲームを提示し、週刊少年ジャンプの協力もあってファミコン世代の若年層にもコンピュータRPGを知らしめ、日本での人気ジャンルへと昇華させた。

その一方、1987年海外ではリアルタイムの概念を導入したダンジョンマスターが登場する。このゲームは多くのフォロワーを生み出しコンピュータRPGのリアルタイム化を促進させた。 しかし、日本ではDQとファミコンの爆発的な普及によってPC用コンピュータRPGはマイノリティとなり、PC中心の海外とは別の、家庭用ゲーム機をプラットフォームとした独自の進化を始めることとなる。

1989年、任天堂ファミコンで発売したCRPG「MOTHER」は、それまでのRPGの常識を覆す内容となっており、(現代が舞台のことや斜め移動、ダッシュ機能など)マイナーながらCRPG界に与えた影響は大きい。 そして1995年に発売された続編「MOTHER2 ギーグの逆襲」では、前代未聞の「ドラムカウンター式HP」、「シンボルエンカウント方式、さらに2006年発売の完結編「MOTHER3」では「サウンドバトルシステム」など、RPG界の常識を次々と覆していった。

1990年に発売されたドラゴンクエストIV 導かれし者たちはオムニバス形式のアドベンチャーゲームといった側面も持っていた。その影響もあり、日本製CRPGには職業よりもキャラクター性が強く、物語にそって進めるタイプのRPGが増えていく。

携帯ゲーム機のRPGは、据置機用RPGとは若干異なる変遷を辿っている。携帯機には携帯性の高さから他者との対戦やアイテムの交換に向いているといった特徴がある。その特徴を活かしたのがポケットモンスターシリーズである。ポケモンは、任天堂がそれ以前に製作していたRPGMOTHERシリーズを手本としながら、仲間となるモンスターを収集・コレクションすることを最大のテーマとし、自分流に作り上げたパーティーを他のプレイヤーと対戦させるという新しい遊びを提示した。その後もシリーズは大ヒットを記録し、携帯ゲームの象徴的シリーズへと成長していった。

一方、PCをメインプラットフォームとする海外ではインターネットの普及にともなってオンライン・ロールプレイングゲーム(MORPG / MMORPG)が台頭する。1997年に発売されたディアブロは、サーバーを介し協力プレイを楽しむRPGを提示し、その後のMORPGの普及に大きく貢献した。同じく1997年のウルティマオンラインはゲーム世界で生活していくRPGとしての完成型を見せ、世間にMMORPGの存在を知らしめた。これらのゲームは、同一のフィールドに複数のプレイヤーが操るキャラクターが活動し、また常に新しいシナリオがサーバー上に追加されるという風に多様に変化し続け、今でも多くの愛好者を獲得している。

1990年代以降のコンピュータRPGは、ゲームシステムよりもグラフィックやサウンド面での進化に傾倒し、動画を鑑賞するゲームとしての側面も大きくなった。その代表とも言えるファイナルファンタジーシリーズは、90年代半ばの日本におけるゲーム機戦争を終結させたキラータイトルとしても知られ、日本でのコンピュータRPG人気を支えると同時にそういった動きを加速させた。FFシリーズからはファイナルファンタジー (映画)といった完全な映像作品も登場している。

[編集] 新しい展開

パソコンゲーム機の性能向上に伴い、アニメーションやサウンドも強化され、コンピュータRPGは表現面で急速な進歩を遂げた。さらに、一部の作品では、ドラマ性の強化と相まって映画的な娯楽作品を目指す傾向が強まっている。

その一方で、ローグライクゲームと呼ばれるダンジョン自動生成型の「終わり無きRPG」に対する根強い人気も見られる。この種のゲームはグラフィックによる表示が難しかった時代の産物であるため、伝統にしたがって文字だけを使った画面表示、またはそれに類するシンプルな画面表示しか用いないのが通例である。だがそれがプレイヤーの想像力を自由にかきたてている側面もあり、情景描写などを求めずとも入手アイテム等を駆使してゴール到達を目指す「リソース管理運用ゲーム」として十分に遊ぶことができる。なお、ローグライクゲームはフリーウェアとして提供されているものも多い。

更に、近年ではファミコン世代もしくは、それ以前のレトロRPGのゲームソフトも見直す傾向が見られる。声優による演技や細かい表情がない空想性の高さや、昔ながらの自由度により何度プレイしても楽しめる当時のゲームソフトを今一度紐解くことで、情報交換が活発化したりWeb上のコミュニティーが形成されたりしている。中には、出荷本数が少なかったためにプレミアの付いているソフトも存在しており、中古品がオークションやオンラインショップで高額で取引されることもある。また、有名な作品であればゲームメーカー各社が行っている旧作のダウンロード配信サービス(Wiiバーチャルコンソールプレイステーション3プレイステーションストアなど)や、携帯ゲーム機などへの移植が行われている。

ゲーム自体の展開ではないが、コンピュータRPGが大ヒット商品となった結果として、そのソフトウェア自体の売り上げだけではなくゲーム内に登場する人物(キャラクター)や物品を題材とするキャラクター商品によっても利益を上げているケースが多くなっている。

[編集] その他

近年欧米においては、独自の進化を遂げた日本製CRPGを「クラシックスタイルRPG(classic style RPG)」や「JRPG(Japanese RPG)」と表現するようになっている[4]。PC市場をメインとし続けた欧米では、早くからリアルタイム制を導入し、グランド・セフト・オートシリーズのような自由度を組み込み、実際にプレイヤーが「ロールプレイング」するコンピュータゲームという意味でのRPGのスタイルを確立している。そのため、スタイルの古い日本製のものは区別されていると日本のメディアは考えている。そもそも日本製CRPGは、他国の市場において目覚しい販売実績を満たした作品が少ない[5]ため、日本以外ではマニア向けのジャンルだと言える[6]。そのため、前述の「JRPG」には、日本における「洋ゲー」のように若干蔑視の意味も込められているようである[7]

[編集] 脚注

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  1. ^ 成長要素がないが5人でパーティを組んで地下に潜っていき、武装やアイテムを所持金で購入して、地底人や怪獣を倒していく
  2. ^ 基本はテキストアドベンチャーながら能力値や経験値が存在し、パーティも組めて戦闘もある
  3. ^ 『ドラゴンスレイヤー』の実体は「インジケーター」と呼ばれる画面右下にある人の形をしたアイコンが左から右に移動している間にプレイヤーが行動する「時間制限のあるターン制」RPGであることからここに記載する
  4. ^ FF13がPS3独占を捨てたやむを得ぬ事情・E3を読む(上) 「IT+PLUS」 2008年7月18日
  5. ^ 2000年代の据置作品では『ファイナルファンタジーシリーズ』と『キングダム ハーツ』が日本国外で100万本以上の売上を達成しただけで、プレイステーション2のゲームソフトで日本最高売上を記録した『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』は日本国外では90万本である(詳しくは各該当項を参照のこと)。
  6. ^ 例外として『ポケットモンスター』が日本以外で1000万本級の大ヒットを続けている。
  7. ^ スク・エニが「ドラクエ9」「10」で描くシナリオ 「IT+PLUS」 2008年12月12日

[編集] 関連項目


最終更新 2009年11月11日 (水) 13:14 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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