コードトーカー

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コードトーカーを描いたメダル

コードトーカー(Code talker)とは、アメリカ軍において、盗聴される可能性の高い無線交信に英語ではない、部族語を駆使して偵察報告や命令下達に登用されたアメリカインディアンの事である。彼らの部族語をコード(暗号)の代わりに用いた。インディアンの言葉が暗号として使われた理由は、アメリカ国内で訓練無しにその言葉の使い手を調達出来、国外にはその言葉を解するものがいなかった事が挙げられる。

目次

[編集] 概要

1944年6月、サイパンで登用されたナバホ族インディアンのコードトーカー

第一次世界大戦でもチョクトー族[1]コマンチ族両部族出身者がコードトーカーとして従軍しているが、第二次世界大戦において最初に用いられたのはナバホ族だった。約400名がサイパン島、グアム島、硫黄島、沖縄に従軍した。

これらの部族語に共通するのは、いずれも複雑な文法構成をしているほか、発音も特殊な音が使用されており、幼少時からその言語環境で育ったもの以外には習得・解明が極めて困難であるという点である。知らない言語の会話は知っている言語の会話よりも暗号解読が難しい。選ばれた言語は書かれた文献がわずかしかないので、非話者にとっては研究することすら困難だった。したがって、偽の暗号文を送ろうと試みても成功する可能性は低かった。さらに、英文の段階で暗号化することにより、コードトーカーとして訓練されていないネイティブスピーカーが日本軍に捕虜にされた場合であっても、暗号解読されることを防いでいた。

ヒトラーは第一次世界大戦においてコードトーカーが果たした役割に注目し、第二次世界大戦前に30名ほどの人類学者をその言葉習得を目的にアメリカ国内に派遣しているが、その言葉の複雑さ故に失敗している。ヒトラーがその言葉解明に動いた事を知ったアメリカ側は、ヨーロッパ戦線におけるコードトーカーの使用を中止し、太平洋戦でのみ使用することを決定した。

ナバホ族コードトーカー達は、単に無線や電話を使ってナバホ語で会話したのではなく、英単語をそれと同じ文字で始まる別の英単語に置き換え、さらにそれをナバホ語に翻訳するといった置換暗号を開発した。こうして、必要があれば英語で表現できるものは何でも訳すことができた。その際、特別な意味を持たせたナバホ語やコードブック(暗号書)を使う事により、交信をより一層暗号化している。通常のナバホ語話者にとっても、こうした暗号通信の全体はまったく理解できなかったであろう。このコードブックの使用により、日本側が1942年にフィリピンで捕虜にしたナバホ族出身のアメリカ陸軍軍曹Joe Kieyoomiaは暗号を解読するに至らず、日本側によって拷問を受けている。

ナバホ語の暗号は、暗号学の基準からみれば非常に複雑なものではなく、ネイティブスピーカーと訓練された暗号学者が効果的に協力すれば解読することもできたかもしれない。アルファベット暗号のように単純であったなら、Joe Kieyoomiaの知識が日本の暗号学者に渡った場合、暗号は簡単に破られていただろう。

日本側はついに最後までナバホ語の解読に成功しなかった。アメリカ海兵隊による硫黄島の戦いにおける「摺鉢山の占領」は、「大きな口の七面鳥、羊の目は治療された」というナバホ語に翻訳されて司令部に報告された。

1968年の機密解除に至るまで、コードトーカー達の活躍は世間に知られることはなかった。その後、1982年ロナルド・レーガン大統領によって表彰され、同時に8月14日をコードトーカーの日(National Code Talkers Day)と定められることになった。また2000年にはナバホ族コードトーカーに議会名誉黄金勲章(Congressional Gold Medal)が授与[2]されている。

[編集] コード例

  • 鉄の魚 = 潜水艦
  • 豊作 = 8月
  • 黒い羊 = 分隊
  • 鶏鷹 = 潜水爆撃手
  • 烏 = 偵察機

[編集] その他

[編集] 映画化

[編集] 脚注

  1. ^ Choctaw : World War I code talkers
  2. ^ 議会名誉黄金勲章受章者リスト December 21, 2000 を参照
  3. ^ Last WWII Comanche 'code talker' dies(Wikinews)

[編集] 参考文献

  • Kenji Kawano(河野謙児)『Warriors: Navajo Code Talkers』 Northland Pub (1990/09)ISBN 978-0-87358-513-2

[編集] 関連項目

最終更新 2009年12月6日 (日) 03:13 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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