ザクI
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ザクI(ZAKU I)は、アニメ作品の「ガンダムシリーズ」のうち、宇宙世紀を世界観としたシリーズに登場する架空の兵器(「I」はローマ数字の1)。ジオン公国軍の量産型モビルスーツ(MS、型式番号:MS-05B)。
単に「ザク」と言った場合には本機を改良したザクIIを指すことが多いため、旧ザクとも呼ばれる。本体色は主に藍色と濃緑色。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] 機体解説
| ザクI(旧ザク) | |
|---|---|
| 型式番号 | MS-05B |
| 所属 | ジオン公国軍 |
| 製造 | ジオニック社 |
| 全高 | 17.5m |
| 本体重量 | 34.2t |
| 全備重量 | 63.2t |
| 出力 | 4,300kW(5,700馬力) |
| 推力 | 210,400kg |
| センサー 有効半径 |
2,900m |
| 装甲材質 | 超硬スチール合金 |
| 武装 | 105mmマシンガン(弾数100) 280mmザク・バズーカ GGガス弾 ヒートホーク |
| 搭乗者 | ガデム ランバ・ラル 黒い三連星 エリオット・レム ジオン公国軍一般兵 |
ジオン公国軍は地球連邦軍との開戦に向けて本格的な軍事用MSの開発を決定した。量産型MSの正式採用に際して競作が行われた。ジオニック社は先に開発した試作機 (MS-04) を大幅に改良、量産化を見据えて装備類を簡略化したザク(YMS-05)を提出した。一方、ツィマッド社はそれよりも高性能なヅダを開発したが、トライアル中に空中分解事故が発生、その結果安定した性能を発揮したザクIが採用された。『MS IGLOO』第3話の劇中では、この決定にはジオニック社の政治的な働きもあったとの主張が台詞として語られている。
ザクは宇宙世紀0074年2月に試作機が完成、翌年7月に量産化が決定し、8月には1号機がロールアウトしている。開発にはジオニック社からジオン公国軍に佐官待遇で出向したエリオット・レムが携わっている。これは、模型企画『MSV』や、漫画『Developers 機動戦士ガンダム Before One Year War』の劇中で描かれている。
宇宙世紀0075年11月には初期生産型(MS-05A)27機によって教導大隊が編成。グラナダに配備され、開戦に向けての搭乗員育成や戦技研究、各種試験が行われ、モビルスーツという兵器体系を確立した。このデータを基にコクピット、装甲材質などの一部改良を施され、MS-05Bとして本格的な量産化が行われ、総生産数は793機に及んだ。なお、これらの数字や設定などは『MSV』などで語られた後付設定で、例えば『ガンダムセンチュリー』では初期生産型27機のロールアウトは宇宙世紀0076年5月となっており、いずれにせよ非公式なものである。
しかし機体各部の動力パイプを全て装甲内へと内蔵したことやジェネレーター出力の低さから十分な運動性能を発揮することができず、軍、特にキシリア・ザビはこの機体の性能と生産性をより向上させたタイプの開発を要求する。その結果、出力向上と冷却装置の強化、それに伴い性能全般が向上したMS-06ザクIIが完成、この機体と区別するためMS-05はザクIと呼ばれるようになった。開戦時には一部をザクIIと入れ替えた部隊があったものの、生産されたほぼ全ての機体が実戦参加をしている。しかしザクIIが主力として大量生産・配備されると、機動性の異なるザクIとの混成部隊を編成するのは難しくなった。そのため、ザクIはルウム戦役以降は艦隊決戦後のコロニー内の制圧や、後に補給作業などの二線級任務に回されることとなった。ただし、大戦後期になってもザクIを継続して愛用したベテランパイロットもまた多く、最終決戦の舞台となったア・バオア・クーでも新鋭機と共に配備され、実戦参加している。
[編集] 武装
ザクIの標準装備としては以下のものがある。
- 105mmマシンガン
- ザクI専用に開発された電気作動方式のマシンガン(型式番号:ZMP-47D)。試作型のものとは異なり、ドラム式マガジンは横付けとなっている。装弾数は145発。宇宙空間での使用を前提として開発されたため、重力下での使用では給弾に不具合が発生する恐れが生じた。マガジンのレイアウトにも操作面での問題点を抱えていた。これは開発当初は口径105mmの砲弾だったが、開戦直前にはより高い攻撃力が求められ口径120mmへとボアアップされている。
- 280mmバズーカ
- 対艦攻撃用装備。開戦当初は核弾頭も用いられた。右肩部にはバズーカラックが増設されている。これは射出の際、反動で肩関節へ負荷が掛かることがあったためである。発射ガスを後方に逃すバズーカでは反動はほとんど無いはずであるが、MSVやHGUCインストの記述では負荷云々の記述がある。ただし、この装備は今のところ劇中未登場の非公式な装備でもある。
- ヒートホーク
- 白兵戦用装備。開戦当初は対MSより、敵の艦や戦闘機に肉薄した際に使用された。これはザクIIでも継続して採用されている。
このほか、模型などではザクIIのシールドを流用したスパイクシールドやシュツルムファウストなども使用されているが、アニメの劇中には今のところ登場していない。
[編集] 劇中での活躍
- 機動戦士ガンダム
初登場はTVアニメ『機動戦士ガンダム』の第3話で、補給部隊の老兵ガデムが自分の補給艦「パプア」を護衛するためにこの機体に乗って出撃する。補給活動にも手を貸し、任務自体は成し遂げるも補給艦は沈没。そのまま手持ち武器を持たずに肩から突進するなど肉弾戦でアムロ・レイの乗るガンダムに攻撃を仕掛けるが、MSの操縦もろくに慣れていないはずのアムロに撃破されてしまう。ここは新旧のMS、そしてパイロットの世代交代を思わせる場面でもある。また、この際の「ショルダータックル」は当機の代表的ポーズとなっている。しかし、本作での登場はこの一回だけであり、事実上のゲストメカ扱いだった。
劇場版『めぐりあい宇宙』では、ア・バオア・クー要塞に120mmザク・マシンガンを持って立つ新作画のシーンが追加されている。これにより、TVシリーズ当時の「旧式化により作業用に転用されていた」という設定に代わり、「旧式化した後も一年戦争末期まで実戦運用されていた」という後付設定が公式なものとなった。
- 機動戦士ガンダムΖΖ
TVアニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』では、タイガーバウムを支配するスタンパ・ハロイの民間払い下げMSコレクションの一つとして登場。内部は改造を施してあり、操縦系統は最新機に近くなっている。ハイザック用のザク・マシンガン改で武装し、塗装はザクIIと同系統のものになっていた。また、スタンパの館の門にはこれとは別に、まさに阿吽の像よろしく装飾された2体の悪趣味なザクIがそびえ立っていた。
- 機動戦士ガンダム第08MS小隊
OVA『機動戦士ガンダム第08MS小隊』では、第6話でのシロー・アマダの回想場面にて、サイド2に乗り込み毒ガス弾を発射した機体として登場している。また、第8話にてゲリラの村に迷い込むトップ小隊長機もザクIであり、こちらの機体には隊長機を示す角も付けられている。第5話には旧ザクベースのザクタンクが登場する。
- 機動戦士ガンダム MS IGLOO
OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO 1年戦争秘録』第2話では、地上の物資集積所の警備用として登場。『黙示録0079』第3巻では、最初にア・バオア・クーに取り付いた2機のジムを105mmマシンガンで攻撃、撃破する場面がある。
漫画『機動戦士ガンダム MS IGLOO 603』第4話「蝙蝠はソロモンにはばたく(中編)」では、義勇兵としてジオン軍に加わったエンマ・ライヒらの搭乗機として登場。多くのトラブルを抱えた旧式機であるザクIを与えられ冷遇されている姿が描かれている。第7話「南海に竜は潜む(後編)」ではギュンター・ローズマン曹長が搭乗。偽装船に搭載され、連邦軍の貨物船を拿捕するが、フィッシュアイによる攻撃で海中に落ちている。また、第8話「軌道上に幻影は疾る(前編)」ではヅダとの主力機評価試験においてYMS-05が登場している。
- 機動戦士ガンダム MS IGLOO2 重力戦線
OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO2 重力戦線』第3話「オデッサ、鉄の嵐!」に登場。後方の敵に気を取られたドロバ・グズワヨ曹長の陸戦強襲型ガンタンク3号機を大破させるも自爆システムを作動させた彼の機体につかまり道連れにされる。
- 機動戦士ガンダム THE ORIGIN
漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、高性能だがコスト高により採用が見送られたMS-04の代わりとして量産されている。月面でのミノフスキー博士の亡命を巡る連邦MS部隊との初衝突「雨の海海戦」(連邦側では「スミス海の虐殺」と呼称)において、1機のMS-04を含む5機で、ガンキャノン初期型2個中隊(12機)を一方的に全滅させる大勝利を収めた。これは、ランバ・ラル、シャア・アズナブル、黒い三連星といった後のエースパイロットたちによって隊が編成されていたこともあるが、他の兵器を火力支援することを目的に設計されたガンキャノンに対し、同じMSを接近戦で駆逐することを目的としたザクの設計思想の勝利でもあった。なお映像作品ではその逆で、ザクの方がMS以外の敵と戦うことを想定して設計されている。ほかにランバ・ラル隊残党のタチ中尉が搭乗した機体は、アニメではMS-06だったものがMS-05に変更されている。
- 機動戦士ガンダム 宇宙のイシュタム
漫画『機動戦士ガンダム 宇宙のイシュタム』では、ジオン側の主人公エリザ・ヘブンの乗機として登場。頭部に追加の装甲板が貼り付けられ、メインカメラを閃光等から守る防護シャッターが取り付けられている。また、腰のウェポンラッチには手放した武器を巻き取るウィンチが装備されている。通常の105mmマシンガンやヒートホークに加え、対人榴弾も使用した。
- Developers 機動戦士ガンダム Before One Year War
漫画『Developers 機動戦士ガンダム Before One Year War』では、ジオニック社の下請け工場「ホシオカ」の技術者たちがザクIの試作機を開発するために奮闘する姿が描かれている。のちにジオニックのテストパイロットエリオット・レムとホシオカ社長令嬢にして同社テストパイロットの主人公ミオン・ホシオカとのコンペティションを経て、ザクI(劇中ではザク)が完成。ジオニック社本社工場にてロールアウト初号機が作業機械として発表されている。
[編集] 他作品での出演
漫画『魔法の少尉ブラスターマリ』では、「1日ザク」(いちにちザク、愛称「1日号」)なる機体が登場する。サイド3のとあるコロニーのジオン軍基地で、戦力として数えられることなく格納庫にしまってあった機体だが、謎の女性士官ブラスターマリ少尉が搭乗し、数度にわたりコロニーの危機を救っている。胴体部がザクII改のボディになっているのが特徴。武装は全くされておらず、おかしな格好をした魔法使いからもらった「魔法の布団叩き」「魔法のハエ叩き」を武器に戦う。なお「1日 - 」の名称はブラスターマリの正体であるマリコ・スターマインが子供向けMS図鑑の「旧ザク」という記述を読み違えたことに由来する。
TVアニメ『∀ガンダム』では、ルジャーナ・ミリシャにより発掘されたボルジャーノンとして登場している。作中ではザクIとザクIIの双方がこの名で呼ばれているが、ルジャーナ・ミリシャのスエサイド部隊の隊長だったギャバンの愛機として黒く塗装されたザクIが活躍した。低性能機であるザクIのほうが隊長機として使われている事で、作中の人物が発掘兵器の素性をよく理解していないという演出になっている。
対戦アクションゲーム『機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオン』にも本機が登場している。第1作では格闘攻撃は(ある程度オリジナルはあるものの)原作通りショルダータックルなどだったが、続編の『DX』、ゲスト参加扱いの『機動戦士Ζガンダム エゥーゴvs.ティターンズ』(及びその続編の『DX』、家庭用ゲーム機移植版の『ガンダムvs.Ζガンダム』)では多くの格闘攻撃が八極拳のようなモーションへと変化している。
ガンダム世界とは全く趣きを異にするが、吾妻ひでおの漫画『スクラップ学園』では、酒が切れると転がる生首の群れが見えるアル中教師が登場し、その生首の中にガンダムとザクIの頭部が混じっている。ザクIといえば旧型のマイナー機だった当時にして、公式・非公式を問わず中隊長機のアンテナがついたザクI(の頭部)が描かれたのはこれが初めてと推測される。
[編集] 設定の変遷
ザクIは放映以後しばらく「旧型ザク」の名称で呼ばれ(この当時はMSの型番の設定も存在しない)、「動力パイプが内蔵されているため動きが鈍く、戦闘には向いていない作業用モビルスーツ」などと解説されていた。劇中での「お前のザクは武器を持っていない」というシャアの台詞が、非武装の作業用MSというイメージを形成した。劇場版でマシンガンを装備した姿が描かれ、必ずしも戦闘に使えない訳ではない事が明らかになった。
「ザクI」というネーミングは1981年発行のムック『ガンダムセンチュリー』が初出の非公式設定だったが、『機動戦士ガンダム MS IGLOO 1年戦争秘録』第3話において初めてこの名で呼ばれ、四半世紀を経てようやく公式の名称となった。
ザクマシンガンの弾倉はドラムマガジンと呼ばれているが、トンプソンM1928やPPsH-41などが使用している現実世界における円筒型のドラムマガジンとは内部構造が全く異なり、むしろルイス軽機関銃 やDP28軽機関銃のような円盤型のパンマガジンに近い。『ガンダムセンチュリー』以来この名称で呼ばれ続け、未だに改められていない。なお105mmザクマシンガンのような、縦にパンマガジンを装備する機関銃は実在するもので[1]重力下での使用に問題云々の非公式設定には矛盾があり、実際『MS IGLOO』の劇中では地球上で問題なく使用されている。
[編集] バリエーション
- MS-01 モビルスーツ(クラブ・マン)
- 史上初めての人型機動兵器として建造された機体。
- MS-04 プロトタイプ・ザク
- MS-03の重量や出力不足等の問題を改良すべく作られた機体。この機体から核融合炉を搭載し、実用化に目処が付けられる事となる。
- YMS-05
- MS-05A ザクI(前期生産型)
- ザクIの初期型として生産された機体。訓練用に27機生産された。一般に知られているものとはカラーリングが異なっている。
- MS-05B ザクI
- 生産ラインに乗ったという意味での初の実戦型量産機。記事参照。
- MS-05B ザクI・作業装備
- 玩具『ガンダム ロウバストシルエットコレクション』に登場。
- MS-05L ザクI・スナイパータイプ
- 旧式化したザクIを長距離狙撃用に改修した機体。
- 詳細は『ハーモニー・オブ・ガンダム』ザクI・スナイパータイプの項を参照。
- MS-06 ザクII
- ザクIをより実戦向けにするため、改良を施された機体。詳細はザクIIを参照。
- MS-05 ザクI(コロニー制圧戦仕様)
- ランド・ザック
- 長谷川裕一の漫画『MSV戦記 ジョニー・ライデン』に登場。
- 戦後民間で改修された農地開拓用のザクI。地面を耕すためのドリルとスコップを装備している。なお、ドリルはEMS-05 アッグのもの。
[編集] パーソナルカスタム機
- MS-05 ザクI(ランバ・ラル専用機)
- 『機動戦士ガンダム 戦略戦術大図鑑』に登場。ランバ・ラルが開戦当初に乗っていた機体。青のカラーリングで、両肩にショルダーアーマーがついている。『機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオンの系譜』では胸部のデザインがOVA『第08MS小隊』に登場したトップ機のものを踏襲しており、キット化される際もこの形となった。後にドズル・ザビ中将専用ザクII に装備される大型ヒートホークを標準装備している。
- MS-05 ザクI(黒い三連星専用機)
- MS-05 ザクI(ゲラート・シュマイザー専用機)
- 『ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079』に登場。量産型ザクIと違い両肩にショルダーアーマーを装着している。小説版では一方の肩にキャノン砲を装備。白のカラーリング。闇夜のフェンリル隊独自のセンサーを導入したMS戦術と共に、視神経に戦傷の後遺症を抱えたシュマイザー用に音響センサーを増設したカスタム機。スモーク等によって敵を欺きガンダム6号機を撃破した。なお、『機動戦士ガンダム0079カードビルダー』など後発のゲーム作品では、形式番号が「MS-05S」に変更されている。
- MS-05 ザクI(トップ機)
- 『機動戦士ガンダム第08MS小隊』に登場するトップ小隊隊長トップが使用した現地改修機。両肩にショルダーアーマーを装備しており、また機体の各所に密林戦闘に適した改良が施されている。トップ小隊の機体にはジムのシールドを鹵獲して使用している機体もある。基本的な武器や仕様はほかの隊長機と変わらないが、Sマインランチャーを装備しているなどより対歩兵に意識を持った兵装が目立つ。シロー・アマダの発射したロケットランチャーでトップが死亡し機体も停止した。
- MS-05B ザクI(エリク・ブランケ専用機)
- 『機動戦士ガンダム戦記 0081』に登場。紫のカラーリングで、左肩にザクIIのスパイクアーマーがついており、また武装にはグフのヒートサーベルを装備している。イフリート・ナハトの奪還作戦で、エリクがイフリート・ナハトの奪取成功に伴い、機体は放棄された。
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
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