シェアウェア

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シェアウェア(Shareware) とは、一時的な試用は可能であるが、継続的に使用する場合には対価を求める(つまり料金を支払う)、ソフトウェアのライセンス形態のことである。「開発費をユーザーで分担する」意味である。試用し購入の意志があれば料金を支払い使用権を得る、つまりソフトを購入することになる。

用語としては、無料で継続使用できるフリーウェアや、試用や使用そのものに対価が必要なパッケージソフトウェアダウンロード販売のソフトウェアと区別するために用いられる。普段は試用版や再生専用版として動作し、制限を解除することでまったく異なるバージョン(異なる製品)として動作するものはキーウェアと呼ばれる。対価が任意であるドネーションウェアとの区別は曖昧である。

個人の趣味によるものから、企業の営利によるものまで、その目的や規模は多岐にわたる。

目次

[編集] 歴史

現在のシェアウェアとほぼ同様の形態で、ソフトウェアを最初に配布したのはFluegelman(en:Andrew Fluegelman)とJim Knopf(en:Jim Knopf)である。 1981年にFluegelmanは自身の作成したPC-Talkというプログラムに、ソフトウェアが気に入り継続使用する場合は25ドル寄付するようメッセージを入れ配布した。 ほぼ同時期にJim KnopfもEasy-Fileというプログラムを作成し、開発の費用を分担するために10ドルの寄付を願うメッセージを添付した(寄付の特典はメーリングリストへの参加であった)。 1982年にFluegelmanとKnopfは連絡を取り合い、寄付の値段を25ドルとすること、ドキュメントに互いのプログラムを紹介すること、Easy-FileをPC-Fileに改称することなどが決められた。 これが最初のシェアウェアである。 Fluegelmanはこの形態を「Freeware」と呼び、商標登録を行っている。 いっぽう、Knopfは「user supported software」という用語を用いている。

以降、現在言うところのシェアウェアに相当する形態で様々なソフトウェアが作成・配布されたが、 Freewareと呼ばれることが多かった。

Sharewareという単語の初出は、InfoWorld誌(Intelligent Machines Journal)のライターであるJay Lucasによる [1]。 Lucasは担当のInfoWorld内のコラムにおいて、「無料かわずかの金額で提供されるソフトウェア」と述べ、初めてSharewareという単語を用いた。

1983年、ボブ・ウォレス(en:Bob Wallace)がワープロソフトPC-Writeを、Sharewareと冠して配布した。 これは紹介料によって広まるライセンス形態となっており、売り上げを共有する(=Share)という意味でSharewareと銘された。 (PC-Writeでは、寄付をした人はIDを受け取り、配布する際には自分のIDを配布元として添付するようになっていた。 新たに寄付する人は寄付の際に配布元IDを連絡する必要があり、 その寄付金の一部が配布元に送金されたため、IDを手に入れたものは積極的に配布し、寄付を勧めた)。 これがSharewareという単語を用いた最初のソフトウェアである。 (WallaceはSharewareという単語をInfoWorld誌(Intelligent Machines Journal)から取ったと述べている)。

1984年、Nelson Ford(en:Nelson Ford)はSoftalk-PC誌でこれらのソフトウェアを紹介するコラムを執筆することになったが、執筆するにあたり、こういった「利用者が気に入った場合のみに料金を支払うソフトウェア」の総称を決める必要があった。 当時はFreewareという総称が広く用いられていたが、 Freewareという単語はFluegelmanの商標であり、Fluegelmanの許可が無ければ使用できなかった。 また、Freewareという単語は「無料」を連想するため、 寄付を行わなくてもサポートが受けられると勘違いをしたり、 著作権が存在しないと勘違いする者も多く、適切な名称とはいえなかった。 Knopfの用いた「user supported software」という名称は長く、不適切であった。

そのため、FordはSoftalk-PC誌上でコンテストを開催し、名称を広く募った。 コンテストの優勝は「ユーザーが開発費を負担するソフトウェア」という意味を込めたSharewareであった。 コラムは成功し、Fordはシェアウェアの蓄積、配布を行うPsL(Public Software Library)を設立する。 それと共にSharewareという名称も一般に広まり、現在に至る。

以上のように、SharewareのShareは「ユーザーが開発費を分担する」という意味であり、 「ユーザー間でソフトウェアを共有する」あるいは 「ユーザーと共に開発する」という意味ではない。

[編集] 概要

シェアウェアは、対価が支払われるまで機能制限が施されるものと、そうでないものに2分できる。機能制限にも、まったく利便性のない体験版程度のものもあれば、通常使用には遜色のない程度のものもある。よくある機能制限には、次のようなものがある。

  • 保存や印刷などのデータ出力が使用不能になっている
  • 表示や印刷などの生成物に透かし文字などが強制的に上書きされる
  • 一定の使用期間または起動回数を超えると使用不能になる
  • 一部の利便性の高い機能が使用不能になっている
  • 未払いである旨のメッセージを表示し、待ち時間を要求する

制限の解除方法にはパスワードが多く用いられ、解除方法の通知には電子メールが多く用いられる。ときに、制限の解除方法がユーザに見破られたり、パスワードが流通してしまう場合があり、こうした不正な制限解除のことをクラッキング(しばしばkracking[2])と呼び、不正な制限解除が施されたソフトウェアのことをWarezと呼ぶ。

ユーザには対価としてしばしば金銭が求められる。支払方法には現金クレジットカード振込などのほか、図書券ビール券などの金券での支払いを受け付けているものもある。また、利益目的ではない絵葉書を求めるポストカードウェアや電子メールを求めるメールウェアなども存在し、対価を義務とするものから、任意とするもの、商用利用や教育目的などの条件によって変わるものもある。また、ベクターやiREGi、Kagiといった、料金支払いのための仲介業者も存在し、決済方法の充実、手間の軽減、クレジットカードなどの信用情報を直接相手方に通知しないことによる信頼性の向上などから、広く利用されている。

配布には主にインターネットパソコン通信などのネットワークが用いられ、2次配布が許諾されている場合には、雑誌付録やオンラインソフトウェア集などの媒体への収録や、個人間の複製配布が行われることもある。

[編集] 作者にとってのシェアウェア

シェアウェアとしての公開に際する作者の姿勢は様々であり、趣味で制作したソフトウェアについて真剣な評価や感想を得たいというものから、副業として本格的なソフトウェアを制作するもの、企業がソフトウェアをシェアウェアとして流通させるものなど、多様である。シェアウェアというライセンス形態が選択される際にも、始めは無償のソフトウェアとして公開して、完成度の向上や普及に至った時点でシェアウェアへ移行する場合や、あるいはシェアウェアがパッケージソフトウェアになり販売されることや、またシェアウェアであったものが何らかの事情でフリーウェアになる場合もある。

アフターサポートに対する考え方も、一切のアフターサポートを行わない現状渡しのものから、パッケージソフトウェアと同程度の水準で(あるいはそれ以上に緊密に)熱心にアフターサポートを行うものまであり、作者によってまちまちである。

シェアウェアを広く末永く普及させるためには、商用のソフトウェアと同様に、ユーザサポート、バグ修正、互換性の維持などを継続的に行う必要があり、これらの負担の重さや、対価・感想の不足、競合ソフトウェアの台頭、不正コピーの流通、個人的な多忙などから、サービスの維持をあきらめて公開停止に至ったり、改めてフリーウェアとして公開されるものも存在する。

[編集] 脚注

  1. ^ [1] Bob Wallace, 53, Software Pioneer, Dies
  2. ^ Glazheim Lykeion "Outline of the Hacking" 2005年3月10日

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年10月5日 (月) 12:12 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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