シェーグレン症候群
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| シェーグレン症候群のデータ | |
| ICD-10 | M35.0 |
| 統計 | |
| 世界の患者数 | |
| 日本の患者数 | 10万~50万人[1] |
| 関連学会等 | |
| 日本 | 日本シェーグレン 症候群研究会 |
| 世界 | |
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シェーグレン症候群(Sjögren syndrome)とは、自己免疫疾患の一種であり、涙腺の涙分泌を障害、唾液腺の唾液分泌などを障害する。40~60歳の中年女性に好発し、男女比は1対14である。[1]シェーグレンとは、スウェーデンの眼科医の名前である。
目次 |
[編集] 原因
抗SS-A/Ro抗体・抗SS-B/La抗体(ともに非ヒストン核タンパクに対する抗体)といった自己抗体が存在することから自己免疫応答が関わると考えられるが、その直接的な原因は不明である。遺伝的要素、環境要素、性ホルモンの影響なども関わると考えられている。
[編集] 症状
本症候群は、腺細胞からの分泌物の低下が基礎となり、様々な症状が現れる。
主な症状は、まず眼症状である。涙の分泌様式は二種類あり、基礎分泌と反射性分泌であり、本症候群は両分泌に障害を与え、ドライアイなどをきたす。
口腔症状はドライマウス(口腔乾燥症)で、自己免疫現象により自らの唾液腺が破壊され唾液の分泌が減少により起こる。唾液には抗菌作用を持つラクトフェリン、リゾチーム、分泌型IgAといった物質が含まれる。またカルシウム、リン、フッ素といったミネラルによって歯を守る。よって唾液分泌の減少は虫歯の増加、その他の自覚症状としては、味覚変化、口内炎の好発や乾燥が喉まで至り食べ物が喉を通らなかったり、声のかすれもある。また他覚的な症状としては舌乳頭の萎縮で舌が平坦になることが特徴である。
本症候群は他に関節、筋肉、腎臓、甲状腺、神経、皮膚、肺などで様々な症状をきたす。 眼、口以外の症状(腺外症状)としては以下のものがみられる。
- 皮膚症状
- 関節、筋
- 関節炎が生じることがあるが、関節リウマチのような破壊性のものではなく、全身性エリテマトーデスに似ている。
- 筋炎が生じることがあり、多発性筋炎に似た近位筋優位の炎症性筋炎である。
- 肺
- 心臓
- 心外膜炎が生じることがあるが有症状となることはまれである。しかし心臓超音波検査で心嚢液が多くみられるなどの異常所見はよくある。
- 消化管
- 嚥下困難はよくみられ、たいていは口腔内乾燥が原因であるが、全身性強皮症に似た消化管蠕動異常が原因であることもまれにある。
- 肝臓
- 膵臓
- 自己免疫性膵炎を合併することがあると言われていたが、現在ではシェーグレン症候群ではなく、同じような症状を呈するミクリッツ病に合併するという考えが大勢を占めている。
- 腎臓
- 特徴的なリンパ球性間質性腎炎が本症に合併することがあるが、頻度はまれである。間質性腎炎の結果として尿細管性アシドーシスや腎性尿崩症をきたす。
- 膀胱
- 間質性膀胱炎が合併することがある。
- 甲状腺
- 甲状腺に炎症が起きることがあり、橋本病様であるとされるが、これについては特別本症で起きやすいわけではないとする報告もある。
- 神経
- 多発神経炎や多発単神経炎を合併することがある。全身性エリテマトーデス様の症状であると考えられる。
- 中枢神経症状を起こすことがある。
[編集] 合併疾患
本症は単独では生活に支障を来たすことは多くても生命の危険のあることは少ない疾患であるが、関節リウマチや全身性エリテマトーデスをはじめとする膠原病を合併していることが全体の1/3程度ある。[1]また、本症患者は悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)を発症することが多い(通常の16-44倍と報告される)ことがわかっている。これは、本症がリンパ節に慢性の炎症を来たしているため、リンパ球の破壊と再生を繰り返すうちについには一部が癌化するものと考えられている。
[編集] 検査
- 眼乾燥をみる検査
シルマー(Schirmer)テストと、ローズベンガル染色テスト・蛍光染色テストがある。前者は短冊状の濾紙を眼角に挟み涙液分泌量をみる検査である。後者2つは角膜上皮障害程度を染色によって調べる検査である。
- 口腔乾燥をみる検査
最も良く行われるのはガムテストである。これはチューインガムを噛みその間に分泌される唾液量を測定する検査である。他に唾液腺造影、唾液腺シンチグラフィーなどが行われることがある。
- 自己抗体
本症には感度の高い抗SSA/Ro抗体と特異度の高い抗SSB/La抗体がよくみられ、診断に有用である。
[編集] 治療
基本的に対症療法が中心となる。
ドライマウスは、まず唾液減少による虫歯の治療予防には含嗽剤、トローチ、口腔用軟膏、人工唾液、内服薬等がある。含嗽剤には含嗽用のアズレン®、イソジンガーグル®が比較的よく用いられており、また歯質の脱灰の回復を目的にミネラルの供給液としてカルシウム塩と燐酸塩を混ぜて使うタイプのものがある。口腔用軟膏は、副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)または抗生剤を含んでいるものを用いるが、消炎の効果はあるものの長期使用により菌交代現象や口腔カンジダを起こす。最も一般的な人工唾液サリベート®は、作用時間が短いことや睡眠中は使用できない。また、唾液分泌を促進するサリグレン®なども用いられる。睡眠中は、モイスチャー・プレートにより口渇による睡眠障害が解消された例もある。内服薬としては、気道潤滑去痰剤であるムコソルバン®、気道粘液溶解剤であるビソルボン®、口渇、空咳に効くと言われている麦門冬湯(漢方薬)等がある。関節痛はアスピリン等の非ステロイド抗炎症剤が用いられる。まれにステロイド剤(副腎皮質ホルモン)も用いられるが、副作用があり注意である。なお、ムスカリン受容体刺激薬は、気管支喘息、虚血性心疾患、パーキンソニズムまたはパーキンソン病、てんかん、虹彩炎を併発している患者には禁忌である。 人口唾液が発売される以前は有効な薬剤がほとんど無かったため、ドライマウスや角膜乾燥に唾液腺ホルモン剤パロチン®が使われ、ある程度の効果も見られたがエビデンスの確立が難しく効能追加もされなかったため、現在ではごく少数の医療施設で細々と投与されているのが現状である。
主要臓器症状(間質性肺炎、間質性腎炎、中枢神経症状など)にはステロイド剤や、免疫抑制剤であるシクロフォスファミド(エンドキサンP®)などの投与を積極的に検討する。
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
[編集] 外部リンク
最終更新 2009年11月18日 (水) 09:57 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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