シャチ
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| シャチ | |||||||||||||||||||||||||||
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![]() シャチ Orcinus orca |
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| 保全状態評価[1] | |||||||||||||||||||||||||||
| DATA DEFICIENT(IUCN Red List) | |||||||||||||||||||||||||||
| 分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | |||||||||||||||||||||||||||
| Orcinus orca (Linnaeus, 1758) |
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| 和名 | |||||||||||||||||||||||||||
| シャチ | |||||||||||||||||||||||||||
| 英名 | |||||||||||||||||||||||||||
| Killer whale Orca |
シャチ(鯱、学名:Orcinus orca)は、クジラ目ハクジラ亜目マイルカ科シャチ属に属するハクジラの一種。サカマタ(逆叉)ともいわれる。一部、学名でもあるオルカを使う研究者もいる。シャチ属に属するのはシャチ1種のみである。一般ではイルカとクジラのように、別族のように思われがちだが、クジラというよりは大型のイルカと解するのが妥当である。ゴンドウクジラ、特にオキゴンドウに近縁とする説がある。日本名の「シャチ」の語源は、アイヌ語にあり、アイヌでの人間の漁を助ける豊漁を司る海神の名に由来する。 アイヌ語ではシャチ全体をレプンカムイ(沖の神)と呼び、その中の兄弟神にシハチヤンクル、モハチヤンクルがおり、兄の名から取られている事になる。
目次 |
[編集] 特徴
背面は黒、腹面は白色で、両目の上方に白い模様があり、アイパッチと呼ばれる。他に背びれの根元には灰色の模様があるタイプがあり、水中ではカムフラージュ効果があると同時に、個々の模様は一頭一頭異なるため、背びれの形状とともに個体識別に役立っている。頭は円錐形で、特にオスの背びれは大きく、2m近くにもなる。肉食動物である。歯は鋭く、獲物を口の中で噛むためと言うより、むしろ飲み込みやすい大きさに引き裂くために使われる。イルカ、つまりはハクジラの一種であり、発生音を使い分け、仲間とコミュニケーションをとることもでき、他のイルカの発声音を察知して、いる場所を突き止め、狩に役立てている。 また、現時点では一種として扱われているものの少なくとも南極海だけで1万年程度前から混血のない3タイプに分化しており、食性、サイズが異なる。
- タイプA:区別の必要がある場合、最近の論文などではwhalel eater killer whaleと記述されることが多い。典型的にイメージされるシャチであり、クロミンククジラ等を主食とする。3タイプ中最大でありオス平均7.8-7.5m(観測最大9.0m) メスで平均6.5-6.4m(観測最大7.7m)の記録がある。アイパッチの大きさは中間的。背中の灰色部はない。流氷の少ない沖合に住む。[2]
- タイプB:区別の必要がある場合、最近の論文などではmammal eater killer whaleと記述されることが多い。(B,Cをより分けて観測した例がまだ少ないため)タイプAより小型であり海生哺乳類を主食とする。クロミンククジラ、ナガスクジラ、ペンギン等も捕食する。アイパッチがAの二倍ほど大きい。完全な黒白ツートンカラーでなく背鰭後部に灰色部分があるのが特徴。白色部がやや黄色い。流氷のある沿岸近くに住む。
- タイプC:区別の必要がある場合、最近の論文などではfish eater killer whaleと記述されることが多い。Orcinus glacialisという学名が新たに提案されている。最小のタイプ,オスで112cm、メスで64cm程タイプAより小さいと思われる。タラを中心とした魚食性。最も大きな群れを作る。アイパッチが他と比べ小さく(体の中心部の黒白の境界面に対し)大きな角度を持つ。タイプB同様背面のグレー部分を持ちやや白色部が黄色い。流氷のある沿岸近くに住む。
現在タイプB,Cは別種とすべきという研究が提出されつつある。[3][4]
また北太平洋付近の観測もある。研究の進んでいるカナダのブリティッシュ・コロンビアで、レジデント(定住型)、トランジエント(回遊型)、オフショア(沖合い型)の3タイプの個体群が知られている。レジデントは主に魚を餌とし、大抵は十数頭の家族群を形成して生活する。魚の豊富な季節になると、特定の海域に定住し、餌を追うことから定住型と呼ばれる。それに比べ、トランジエントは小さな群れまたは一頭のみで生活し、決まった行動区域を持たず、餌も海に住む哺乳類に限られる。オフショアは文字通り沖合いに生息し、何十頭もの巨大な群れを形成する。3タイプの中で最もデータが少なく、餌についてもほとんど分かっていないが、傷が多かったり、歯がすり減ったりしているという特徴があるため、「手強い」獲物(サメなど)を食しているとも考えられている。
上に挙げた3タイプのシャチ間での交配は報告されておらず、遺伝子も異なることがわかっている。
[編集] 分布
一般的に冷水を好むが世界中の海に生息し、クジラ目としては珍しく地中海やアラビア海にも生息する。餌になる動物が多いことなどから、特に極地付近の沿岸に多く住む。主にカナダのブリティッシュコロンビア州、ノルウェーのティスフィヨルド、アルゼンチンのパタゴニア、インド洋のクローゼット諸島などに住む個体群の研究が進んでいる。地球上で最も広く分布する哺乳類の一種と言われる。時には餌を求めて、数百kmも川を遡上することも報告されている。日本では北海道の根室海峡から北方四島にかけてや、和歌山県太地町にて度々目撃されている。
[編集] 生態
非常に活発な動物であり、ブリーチング(海面へ自らの体を打ちつけるジャンプ)、スパイホッピング(頭部を海面に出し、辺りを見渡すためと言われる行動)など、多彩な行動が水上でも観察されている。泳ぐ最高速度は時速82km[要出典]に及び、これは「泳ぎの達人」であるハンドウイルカを超え、最も速く泳ぐことができる哺乳類である。また、餌を求めて、1日に100km以上も移動することが知られている。
他のハクジラと同様、二つの種類の音を使い分けていることが知られている。一つはコールと呼ばれ、群れのメンバー同士のコミュニケーションに使用される。もう一つはクリック音と呼ばれ、噴気孔の奥にある溝から、メロンと呼ばれる脂肪で凝縮して発射される音波のことである。この音波は物質に当たるまで、水中を移動し、その反響音を下あごの骨から感じ取ることで、シャチは前方に何があるか判断することができる。この能力をエコーロケーション(反響定位)と呼ぶ。クリック音の性能は高く、わずか数mmしか離れていない二本の糸を認識したり、反響音の波形の違いから物質の成分、果ては内容物まで認識することが可能だという。
オスの平均寿命は30歳、最高寿命は約50歳で、メスの平均寿命は50歳、最高寿命は80歳あまりである。
[編集] 食性
肉食性。海洋の食物連鎖の頂点に位置し、武器を使う人間を例外にすると自然界での天敵は存在しない。多くの生物を捕食することから、獰猛で貪欲な捕食者として知られているが、知能が高く利益にならない戦闘は避ける傾向もあり、食べる必要のないものを襲うことは少ない。ただしアザラシやオタリアを襲うとき、水上に放り投げ必要以上の苦痛を与えることがある。これは子供のシャチに安全な海中(上)で狩りの練習をさせるためだと考えられている(陸上のアザラシを捕食する際、シャチ自身が海に戻れなくなり死亡することがあるため)。しかし、はっきりしたことは未だわかっていない。英名の Killer whale は「殺し屋クジラ」であり、学名の Orcinus orca は「冥界よりの魔物」という意味である。
各タイプのメインの食材だけでなく、小さいものでは魚・イカ・海鳥・ペンギン、比較的大きなものではオタリア・アザラシ・イルカ・ホッキョクグマ、時にはクジラやサメなど、捕食する動物は多岐に渡るとされる。ただし一部を別種とせよという学説すらあることからわかるように、一頭のシャチが非常に多くのタイプの餌をとるというより様々な餌をとるタイプがいると理解した方が現実に近い。一頭一頭を見ればどちらかといえば偏食な生物である。また、エイも捕食するが、エイの尾にある猛毒によって致命傷を負うこともある。口に入れた魚を吐き出してカモメをおびき寄せ、集まってきたカモメを捕食した例も報告されている。
死肉を食べる例もあり、海底で見付けたミンククジラの死体を数頭で食べる映像記録も発表されている[5]。
狩りの際は、氷の下からの奇襲、群れでの協力、挟み撃ちなど高度な狩りの技術を持つ。また、前述のクリック音を通常より凝縮させて、餌に当てることで麻痺させ、捕食しやすくする行動も知られている。浜辺にいるアシカなどに対して(これも奇襲といえるかもしれないが)そこへ這い上がって来て捕食することもある。海洋学者のジャック=イヴ・クストーの海洋探査船が、水面下を遊泳していた3mほどのサメを真下から攻撃し、一撃で仕留めた例を報告している。大型のクジラを襲う場合は、一頭がクジラの頭上に陣取り、海面での呼吸を妨げ、もう一頭はクジラを底から押し上げ、潜水を妨げるなどの行動が観察されている。好物はクジラの舌、口付近であり、他の多くの部分は放置されることがしばしばある。
攻撃力が非常に高く、自分よりも遥かに大きいシロナガスクジラなどを襲ったり、自分と並んで食物連鎖の頂点に位置し、大型で獰猛なホホジロザメすら制圧したりする[6]ため、「海のギャング」などと呼ばれることもあるが、他のクジラ(イルカを含む)に比べて同種間での攻撃的な行動は知られていない。また、人を襲うことは稀であり、仲間に危害を加えた人間に報復をした例は報告されているものの、捕食の対象として人間を認識し、襲ったと見られるケースにいたっては皆無である。人間が襲われるのはアザラシと勘違いしているものと言われている(これはシャチ以外にも、大型のサメによる被害でも指摘されることである)。暗色のダイビングスーツを着用している場合誤認される危険性は高まる。実際サーフボードに寝ころんでパドリングしている人間を海中から見上げるとアザラシに似ている。また一例のみサーファーが足を噛まれた例があるがシャチが本気を出せば噛むでは済まないため、これも捕食目的ではないと見られる。また小さな漁船などが襲われるケースもみられるが、これは「襲っている」のではなく「遊んでいる」という「じゃれる行為」ともいわれる。ただしこれらの事例からはシャチが人間を意識的に捕食する可能性はほぼ皆無でも、人間がその知的遊戯に巻きこまれて怪我をしたり命を落とす可能性は有り得る。
昨今ではシャチの生態も漁業関係者の間でもほぼ認知されており、いわゆる「漁船を襲う」とされるケースにおいても皆無である。特に昨今シャチによる被害が、直接的にも間接的にも報告される事例がほぼ皆無であるが、諸説あるものの理由は不明である。仮説としては、長い生物としての歴史の中で人間を食べ物として学習してこなかった、というものがある。また近年の研究で、シャチはもとより偏食で、襲う前に反響定位を利用し品定めしていることが明らかになった。人間に限らず鮭等でも気に入った種(キングサーモンを好むという全体の傾向はあるが好みは個体により異なる)しか襲わない。海底から見たシルエットがアザラシ等に似ていたと思われる場合(ボディーボードで浮いていたなど)に「襲われかけた」という事例があるが、距離が接近してアザラシではないと分かった(と思われる)時点で攻撃をやめたと報告されている。鳥羽水族館名誉館長の中村幸昭はその著書で日本近海のシャチ600頭で一番多いのは魚を捕食していた個体であることを記している。後述のシャチの行動半径と速度から中村はシャチは獲物を好きなだけ捕れる状況にあり、人間をわざわざ食べる理由もないとしている。ただし、統計的に低い被害率は単に人間がシャチに襲われてその胃袋に入ってしまい、遺体が発見されないために統計値に換算されないだけという説もある。通常の動物で良く言われている「人間を単に恐れている」という説も水中での人間の動きの悪さを考えれば、船を恐れることはあっても海中で人間を恐れるとは考えにくい。
[編集] 社会性
単体、または数頭から数十頭ほどの群れ(ポッド)を作って生活し、非常に社会的な生活を営むことで知られる。
群れは多くの場合、母親を中心とした血の繋がった家族のみで構成され、オスは通常一生を同じ群れで過ごし、メスも自身の群れを新しく形成するものの、生まれた群れから離れることは少ない(ただしこれらの情報は主に、研究の比較的進んでいるカナダのレジデント個体群から集められたものであり、同海域でのほかの2タイプ、または他の海域のシャチ全てに当てはまるわけではない)。それぞれの群れは、その家族独自の「方言」とも呼ばれるコールを持ち、それにより情報を互いに交換し合っている。「方言」は親から子へ、代々受け継がれていく。群れの中でのじゃれ合いなどのほかにも、違う群れ同士が交じり合い、特に若い個体間での揉み合いや、激しいコールの交換なども観察されている。ある特定の海域では年に1回、いくつもの家族が100頭以上の群れを形成する「スーパーポッド」という行動も知られている。
特に生まれたばかりの個体に対する、「気配り」とも取れる行動は多く観察されている。母親が餌取りに専念している間、他のメスが若い個体の面倒を見る「ベビーシッティング」的な行動や、自身のとった獲物を若い個体にゆずったり、狩りの練習をさせるため、わざと獲物を放ったりすることも知られている(この際は、獲物は殺さず教え終わったら逃がすケースも見られている)。一般に生まれたばかりの若い個体のいる群れは、移動速度が遅く、潜水時間も短い。このあたりからバンドウイルカなどと非常に似通った習性を持つと考えられる。
[編集] 日本で見られる施設
日本の施設で見られるシャチは、和歌山県東牟婁郡太地町で捕獲されたものか、アイスランドにて捕獲されてセイディラサフニドから送られてきたものが殆どである。シャチは獰猛とのイメージがあるが、人間には懐きやすく知能も極めて高いため、シャチのもつ壮大な運動能力を生かして各地の水族館などでショーに利用されている。
[編集] シャチの登場するフィクション
- 『オルカ』監督 マイケル・アンダーソン(アメリカ 1977年)
- 妻子を漁師に殺されたシャチが復讐を果たす物語。実際のシャチの生態は敢えて無視して描かれている。漁師にはリチャード・ハリスが扮した。
- 『フリー・ウィリー』監督 サイモン・ウィンサー(アメリカ 1993年)
- 『フリー・ウィリー2』監督 ドワイト・リトル(アメリカ 1995年)
- 『七つの海のティコ』世界名作劇場(フジテレビ 1994年)
これらは、いずれもシャチを肯定的に描いている(ただし「オルカ」では復讐のために怪獣並の破壊行為を行うが)。しかし、古い時代の作品では、否定的な描写もある。『科学忍者隊ガッチャマン』(1972年~1974年)の第18話「復讐! くじら作戦」での、シャチがみなしごの子鯨を食い殺そうとするシーンなどである。
[編集] 脚注・出典
- ^ Taylor, B.L., Baird, R., Barlow, J., Dawson, S.M., Ford, J., Mead, J.G., Notarbartolo di Sciara, G., Wade, P. & Pitman, R.L. (2008). Orcinus orca. 2008 IUCN Red List of Threatened Species. IUCN 2008. 2008-12-14 閲覧。
- ^ 論文中offshore killer whaleと形容されるが、結論部で北太平洋のシャチとしてトラジエントとレジデントにのみ触れておりかつまったく食性が違うため、下記の北太平洋のオフショア型に対応するという意図ではないと思われる
- ^ Pitman, Robert L. and Ensor, Paul. "Three forms of killer whales (Orcinus orca) in Antarctic waters" Journal of Cetacean Research and Management 5(2):131–139, 2003
- ^ Newsletter of the Puget Sound Chapter of the American Cetacean Society Spring 2004
- ^ アニマルプラネット 『シャチの密着観察記録』
- ^ 群れの中に子供がいる場合、防衛的に鮫を襲うことが間々見られる。
- ^ 日本国内で初めてシャチが飼育された。1974年~1980年の間不在の期間あり。
- ^ 現在は不在。太地町立くじらの博物館からのレンタルであったが2008年9月19日に死亡している
- ^ 現在は不在、人気をよんでいた。
[編集] 関連項目
pnb:کلر وہیل




