ジェンダーバイオレンス

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ジェンダーバイオレンス(gender violence)とは夫婦や恋人など親しい関係にあるカップル間で発生する暴力の事。

「夫や恋人からの暴力」としてDV(ドメスティックバイオレンス)が使われる事があるが、ドメスティックバイオレンスは本来、家庭内暴力を意味する言葉である。夫婦間暴力における夫の被害の割合は約三分の一であり、家庭内暴力は兄弟姉妹間暴力や親子間暴力が大半である。従って家庭内暴力における夫から妻への暴力は少数に過ぎない。また独身|未婚のカップル間暴力であるデートDVに至っては家庭内とは何の関係も無い和製英語である。また、すべての英英辞典に例外なく記載されているとおり、この意味での"gender"は「「生物学的性・生得的な性」の意味である。

これらの理由から女性に対する暴力という意味でドメスティックバイオレンスを使用するのは適当ではなく性差別に起因する暴力としてはジェンダーバイオレンス(gender violence)を使うのが適当である。

目次

[編集] 概要

近親者に暴力的な扱いを行う行為・ないしは暴力によって支配する行為全般を、このように呼ぶが、ここでいう虐待には以下の種類がある。

身体的虐待 
殴る・蹴る・突き飛ばす・髪を引っ張る・押さえつける・首を絞める・物をぶつける・物を使って殴る・物を壊す・熱湯や水をかける・煙草の火を押しつける・唾を吐きかける・部屋に閉じ込める・怪我をしているのに病院へ行かせない、などといった一方的な暴力行為。靴下を近づける、素足を顔に近づける等。
精神的虐待 
恫喝したり日常的に罵る・無視する・無能役立たずと蔑む・他人の前で欠点をあげつらう・友人と会わせない・終始行動を監視する・出て行けと脅す・別れるなら死ぬと狂言自殺する・子供や身内を殺すなどと脅す・ペットを虐待してみせる、など。ストレスとなる行為を繰り返し行う。
性的虐待 
性交の強要・避妊をしない・特別な行為を強要する・異常な嫉妬をする、など一方的な行為で、近親間強姦とも呼べる。中絶賛成派は中絶をさせないこともこの中に含まれるとしている。
経済的暴力 
仕事を制限する・生活費を入れない[要出典]・支出した内容を細かくチェックする・家の金を持ち出す・無計画な借金を繰り返す・買い物の指図をする、など。
社会的隔離 
近親者を実家や友人から隔離したがる・電話や手紙をチェックする・外出を妨害する、など。

こうした暴力虐待行為の現場に子供が居合わせることがある。子供に暴力を見せつけることも、被害者と子供双方に対する虐待である。子供のいる家庭で暴力事件が発生した場合、約七割の家庭で虐待を受ける母親と子供が目撃し、さらに、その三割の子供たちが、実際に父親などからの暴力を受けていることが報告されている。

男女の取り扱いについては、欧米では古くから女性側からの暴力に関しても関心が寄せられている。日本では女性が被害者になることが多い(男性への暴力が表面化しにくいことから、逆だとする説もある)ことから女性への配慮が重点的に行われていた。しかし、女性向けに偏った暴力対策への反省、相談件数等の増加などから、次第に男性への暴力も注目されるようになっている。男性同性愛者から男性の恋人への暴力も存在するが、こちらはまだそれほど注目が集まってはいない。

[編集] 被害者の状況

欧米ではこの30年、日本ではおおよそこの10年あまり、取り組みが積み重ねられ、その深刻な実態が明らかにされるようになった。平成17年度に行われた「男女間における暴力に関する調査」(内閣府)によれば

  • 全体の26.1%が被害を経験
    • 女性の33.2%が被害を経験
    • 男性の17.4%が被害を経験

となっている[1]

被害内容については、

  • 「身体に対する暴行を受けた」 女性26.7%、男性13.8%
  • 「恐怖を感じるような脅迫を受けた」 女性16.1%、男性8.1%
  • 「性的な行為を強要された」 女性15.2%、男性3.4%

となっている。

上述した通り被害者の7~8割は女性であることから、ジェンダー・バイオレンスは女性を主な被害者としてとらえられている。また、専門機関を含めてジェンダー・バイオレンスを「妻が夫から受ける暴力」に限定して定義していることも少なくない。しかし、夫婦間暴力における男性の被害者は約三分の一であり決して少なくない。アメリカ合衆国では男性に対するドメスティック・バイオレンスの深刻性が十分に認知されており、ミネソタ州でジョージ・ギリランドが開設したものを嚆矢として、私営の男性専用のDVシェルターが多数存在する。

[編集] 「DV」という用語の問題

DVは「や恋人など近親者による女性パートナーに対する暴力」と紹介されることが少なくないが、実際には夫婦間暴力における夫の被害の割合は約三分の一と少なくないし、そもそも家庭内暴力の大半が兄弟姉妹間暴力と親子間暴力である。デートDVに至っては家庭内とは何の関係もない。

女性に対する暴力や性差別に起因する暴力をテーマとするのになぜドメスティック・バイオレンス(直訳すれば「家庭内暴力」)という表現なのか」という疑問は保守派だけでなく男女共同参画推進派の内部からも盛んに指摘されてきた。第6回千葉県男女共同参画推進懇話会条例専門部会[2]においても、DV(ドメスティック・バイオレンス)という用語の分かりにくさ(「ドメスティック」は直訳すれば、「家庭内の」という意味であり、「夫の妻に対する」という意味ではない)とアメリカでは誤解を避けるために「GV(ジェンダー・バイオレンス)」という用語が使われている実情について、

最近、アメリカではDVとは言わないそうです。「ドメスティック」という言葉が誤解を生みやすい。家庭の中でというイメージがあります。家庭の中で行われるのではなくて、本当はGV(ジェンダー・バイオレンス)なんだと。ということで、DVという表現を極力避けてGVと言い始めたという話を私は聞きました。

と報告されている。

[編集] 参考文献

  1. ^配偶者からの被害経験」(内閣府)PDFファイル 2006年4月
  2. ^ 第6回千葉県男女共同参画推進懇話会条例専門部会議事録

[編集] 関連項目

最終更新 2009年11月25日 (水) 08:30 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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